「おっしゃられる」は正しい?間違い?二重敬語の注意点と正しい使い方を徹底解説

「おっしゃられる」は正しい敬語?実は間違い!二重敬語の注意点と正しい使い方を解説

ビジネスメールや会話でよく耳にする「おっしゃられる」という言葉。とても丁寧に聞こえますが、実は敬語としては誤用であることをご存じでしょうか?
この表現は「二重敬語」と呼ばれる使い方で、正しい日本語を意識する場面では避けるべきものです。

この記事では、「おっしゃられる」がなぜ間違いとされるのか、二重敬語の基本、そして正しい言い換え表現までを徹底解説します。正しい敬語を身につけて、相手に自然でスマートな印象を与えましょう。

 

目次

そもそも敬語とは?敬語の基本をおさらい

敬語は、日本語において相手への敬意や立場の違いを表すために欠かせない表現です。正しく使えるかどうかは、ビジネスシーンだけでなく日常会話でも相手に与える印象を大きく左右します。しかし、敬語には種類やルールがあり、誤って使ってしまうと「失礼」や「不自然」と捉えられることもあります。ここでは、まず敬語の基本から整理してみましょう。

敬語の3種類(尊敬語・謙譲語・丁寧語)

日本語の敬語は大きく分けて3つに分類されます。

  • 尊敬語:相手や相手側の行動を高めて表現する言葉
     例:「言う → おっしゃる」「行く → いらっしゃる」

  • 謙譲語:自分の行動をへりくだって表現し、相手を立てる言葉
     例:「言う → 申し上げる」「行く → 参る」

  • 丁寧語:文章や会話全体を丁寧にするための言葉
     例:「です」「ます」「ございます」

この3種類を組み合わせて使うことで、相手との関係性や場面にふさわしい言葉遣いが可能になります。ただし、混同して使ったり重ねすぎたりすると「二重敬語」となり、誤用になるので注意が必要です。

正しい敬語を使うことの重要性

正しい敬語を使えるかどうかは、相手からの信頼や評価に直結します。

  • ビジネスシーン:上司や取引先に不自然な敬語を使うと、マナー不足と見られる可能性がある

  • 日常生活:初対面やフォーマルな場で適切な敬語を使うと、丁寧で礼儀正しい印象を与えられる

  • 誤用のリスク:二重敬語や過剰な敬語は「慣れていない」と思われたり、相手に違和感を与えることがある

敬語は単なる言葉遣いではなく、「相手を尊重する姿勢」を表すものです。だからこそ、基本を正しく理解しておくことが大切なのです。

 

「おっしゃられる」は正しい敬語?

「おっしゃられる」は正しい敬語?

ビジネスの会話やメールでよく目にする「おっしゃられる」という表現。一見するととても丁寧に聞こえますが、実は敬語としては誤用とされています。その理由を理解するために、まずは「おっしゃる」と「〜られる」の意味を整理してみましょう。

「おっしゃる」と「〜られる」の意味

  • 「おっしゃる」
     「言う」の尊敬語。相手の発言を敬って表現するときに使います。
     例:「社長がおっしゃる通りです」

  • 「〜られる」
     動詞に付いて「尊敬」「受け身」「可能」などを表す補助動詞。
     例:「行かれる(尊敬)」「呼ばれる(受け身)」「食べられる(可能)」

つまり、「おっしゃる」自体がすでに尊敬語であるため、その上に「〜られる」を重ねると敬語の意味が二重になってしまうのです。

「おっしゃられる」が二重敬語になる理由

「おっしゃられる」が誤用とされるのは、尊敬語を二重に使っているからです。

  • 正しい形:おっしゃる

  • 誤用の形:おっしゃられる(=「おっしゃる」+「られる」)

たとえば「社長がおっしゃられました」と言うと、相手を過剰に持ち上げてしまい、不自然な日本語になります。場合によっては「日本語の知識が浅い」と思われることもあるので注意が必要です。

ただし、会話の中では「おっしゃられる」を耳にすることも多く、ある程度慣用的に使われている面もあります。しかし、正しい敬語を使うべき場(ビジネス文書や公式なスピーチなど)では「おっしゃる」が正解だと覚えておきましょう。

 

二重敬語とは?間違えやすい例と理由

二重敬語とは?間違えやすい例と理由

敬語を丁寧にしようと意識するあまり、つい「二重敬語」を使ってしまう人は少なくありません。一見すると礼儀正しいように見えますが、正しい日本語としては誤りです。ここでは二重敬語の基本と、間違いやすい例、そして不自然に聞こえる理由を整理しておきましょう。

二重敬語の定義

二重敬語とは、一つの動作や言葉に対して、複数の敬語を重ねて使ってしまうことを指します。

  • 尊敬語+尊敬語

  • 謙譲語+謙譲語

  • 尊敬語+謙譲語

このように、敬語を過剰に重ねてしまうと「不自然」「くどい」「誤った日本語」と判断されやすくなります。

日常でよく使われる誤用例(例:お伺いさせていただく、拝見させていただく)

二重敬語は、ビジネスや日常会話で無意識に出やすいものです。よくある例を挙げてみましょう。

  • お伺いさせていただく
     「伺う」=「行く・聞く」の謙譲語、「させていただく」も謙譲表現。
     → 正しくは「伺います」「お伺いします」。

  • 拝見させていただく
     「拝見する」=「見る」の謙譲語、「させていただく」も謙譲表現。
     → 正しくは「拝見します」。

  • おっしゃられる
     「おっしゃる」=「言う」の尊敬語、「〜られる」も尊敬語。
     → 正しくは「おっしゃる」。

これらは特に耳にする機会が多い二重敬語の代表例です。

なぜ二重敬語は不自然に聞こえるのか

二重敬語が誤用とされるのは、必要以上に相手を持ち上げてしまい、不自然な日本語になるからです。

  • 意味が重複し、くどく感じられる

  • 正しく学んでいる人には「誤用」として違和感を与える

  • 公式な場では「日本語の知識不足」と見なされる可能性がある

つまり、丁寧にしようとする気持ちは大切ですが、過剰な敬語は逆効果になりやすいのです。敬語は「過不足なく、適切に」使うことが信頼感につながります。

 

「おっしゃられる」の代わりに何と言えばいい?

「おっしゃられる」の代わりに何と言えばいい?

「おっしゃられる」は一見丁寧に聞こえますが、二重敬語で誤用です。では、正しくはどのように言い換えればいいのでしょうか。ここでは具体的な代替表現を紹介します。

正しい言い換え例(「おっしゃる」「言われる」など)

  • 「おっしゃる」
     最も自然で正しい尊敬語表現。
     例:「部長がおっしゃる通りです」

  • 「言われる」
     敬意を込めつつもやや控えめな表現。ビジネスの場でも使える。
     例:「先生が言われたことを参考にいたします」

  • 「ご発言になる」
     改まった言い方が必要なときに有効。
     例:「社長がご発言になった内容について…」

  • 「仰せになる」(やや古風)
     伝統的な敬語表現。フォーマルな文書や式典で使われることが多い。
     例:「先生のお仰せの通りでございます」

👉 ポイントは、「おっしゃる」だけで十分尊敬を表せるため、余計な語を重ねないことです。

ビジネスシーンでよく使う正しい敬語表現集

実際の職場や取引先とのやり取りでよく使う表現を整理しました。誤用を避け、相手に自然でスマートな印象を与えることができます。

  • 「〇〇とおっしゃいました」
     → 上司や取引先の発言を引用するときに使う。
     例:「課長が『納期を前倒しに』とおっしゃいました」

  • 「〇〇と伺いました」
     → 相手の発言を受け取る側として表現するときに便利。
     例:「先ほどおっしゃった内容を伺いました」

  • 「ご指示いただきました」
     → 発言が「指示」の意味を含む場合に。
     例:「社長から新しい方針についてご指示いただきました」

  • 「ご説明くださいました」
     → 相手が説明してくれた場合。
     例:「先生が詳細をご説明くださいました」

👉 ビジネスでは「おっしゃる」に加え、その場のニュアンスに応じて「伺う」「ご指示いただく」など具体的に置き換えるのがスマートです。

 

まとめ|「おっしゃられる」は避けよう!正しい敬語を身につけよう

まとめ|「おっしゃられる」は避けよう!正しい敬語を身につけよう

「おっしゃられる」は一見丁寧そうに見えるものの、実は二重敬語で誤用です。敬語は相手への敬意を表すための大切な言葉遣いだからこそ、誤った表現を避け、正しい使い方を身につけることが重要です。ここで改めて、正しい敬語の意義と誤用を減らすためのポイントを整理しておきましょう。

正しい敬語は信頼感につながる

  • ビジネスでの信頼
     適切な敬語を使える人は「マナーがきちんとしている」「信頼できる」と評価されやすくなります。

  • 日常での好印象
     正しい敬語を使えると、相手に礼儀正しい人という印象を与え、円滑なコミュニケーションにつながります。

  • 誤用のリスク回避
     二重敬語や過剰な敬語は「慣れていない」「不自然」と感じさせてしまう可能性があり、相手との信頼関係を損ねることもあります。

👉 正しい敬語を身につけることは、単なる言葉遣いの問題ではなく、人間関係や信頼構築の基盤となるのです。

誤用を減らすためのコツ

  • シンプルに表現する
     「おっしゃる」など、すでに敬語である言葉に余計な語を重ねない。

  • 代表的な誤用を覚えておく
     「おっしゃられる」「お伺いさせていただく」「拝見させていただく」などは典型的な二重敬語として意識的に避ける。

  • 実際の会話で確認する
     声に出してみて「くどい」と感じる表現は、二重敬語である可能性が高い。

  • 信頼できる敬語表現集を活用する
     辞書やビジネスマナー本を参考にすると、正しい言い換えのストックを増やせる。


✅ 敬語は「たくさん敬語を重ねること」ではなく、「相手に自然に伝わること」が大切です。今日から「おっしゃられる」を避けて正しい敬語を使う習慣を意識すれば、より洗練された日本語を身につけられます。

 

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この記事を書いた人

言葉の力と健康の大切さを伝えることを使命に、10年以上にわたり記事執筆や講演活動を行っています。健康情報サイトや医療系メディアでの執筆経験が豊富で、専門家監修のもと正確で信頼性の高い情報を発信しています。心理学・健康科学の知識と、カウンセリング・健康支援活動の経験を活かし、「わかりやすく実践できる情報」をモットーに執筆しています。

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