
テレビCMは、その時代を映す鏡。たった一言のキャッチコピーが大流行し、日常会話にまで浸透したフレーズも少なくありません。「おいしい生活」「そうだ 京都、行こう」「絶対に負けられない戦いが、そこにはある」…。昭和・平成・令和と時代を超えて語り継がれる名コピーは、今でも耳に残り、懐かしさと共に心を動かします。
この記事では、世代別に流行したCMの名言・キャッチコピーをランキング形式で振り返り、その魅力と背景を解説します。
CMで流行った言葉が心に残る理由とは?
テレビCMから生まれたキャッチコピーや流行語は、単なる広告の一部ではなく、その時代の空気や文化を映し出す“言葉の記録”です。短いフレーズの中に強いインパクトがあり、一度耳にすると自然と口ずさんでしまうほど人々の記憶に刻まれます。ここでは、なぜCMで流行った言葉が長く心に残るのか、その理由を3つの視点から見ていきましょう。
短い言葉で時代を映す“鏡”になる
キャッチコピーは、数秒で人の心をつかむために研ぎ澄まされた「言葉の結晶」です。そのため、当時の価値観や社会の雰囲気をぎゅっと凝縮して表現しています。例えば、昭和の高度経済成長期には「モーレツからビューティフルへ」といったコピーが話題になり、働き方や生き方の変化を象徴しました。つまりCMの言葉は、その時代の人々の意識やトレンドを反映する“鏡”となるのです。
耳に残るフレーズが記憶を刺激する
CMで使われるキャッチコピーは、短くリズミカルで覚えやすいものが多いのが特徴です。韻を踏んでいたり、強い語感を持っていたりすることで、脳にスッと入り込みやすくなります。例えば「お口の恋人」「そうだ 京都、行こう」などは、シンプルながらも心に響き、何年経っても思い出せるほど記憶に残ります。これは広告の技術であると同時に、言葉が人の感情や体験に直結している証拠でもあります。
共通の話題として世代をつなぐ
流行したCMの言葉は、当時を知る人々にとっての“共通言語”になります。学校や職場、家庭などあらゆる場面で引用され、会話を盛り上げるネタになったからです。さらに、世代を超えて親から子へと語り継がれたり、バラエティ番組やSNSで再び取り上げられたりすることで、新しい世代にも届きます。「あのCM覚えてる?」という会話から始まるノスタルジーは、人と人をつなげる力を持っているのです。
CMで流行った言葉ランキングTOP10【昭和・平成・令和別】

テレビCMから生まれた言葉は、その時代のムードを象徴する“時代の名刺”のような存在です。ここでは、昭和・平成・令和の3つの時代に分けて、話題となったキャッチコピーをランキング形式で振り返ってみましょう。あなたはいくつ覚えていますか?
昭和の名キャッチコピーTOP10
高度経済成長やバブル景気を背景に、力強く印象的なフレーズが数多く誕生しました。
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モーレツからビューティフルへ(資生堂)
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お口の恋人(ロッテ)
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不思議、大好き。(森永チョコボール)
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くうねるあそぶ。(日産自動車)
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やめられない、とまらない。(カルビーかっぱえびせん)
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インスタントコーヒーはネスカフェ。(ネスレ)
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すこし愛して、ながく愛して。(サントリー)
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男は黙ってサッポロビール。(サッポロ)
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24時間戦えますか。(リゲイン)
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わんぱくでもいい、たくましく育ってほしい。(丸大ハム)
👉 当時の世相や価値観を反映し、「働く」「愛」「家族」といったテーマが多いのも特徴です。
平成の名キャッチコピーTOP10
多様化の時代に入り、ユーモアや共感を重視したコピーが次々に登場しました。
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そうだ 京都、行こう。(JR東海)
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ファイト一発!(リポビタンD)
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お金で買えない価値がある。買えるものはMasterCardで。(MasterCard)
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タフマン、タフマン、タフマンマン♪(ヤクルト)
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ココロも満タンに。(コスモ石油)
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ピッカピカの一年生。(小学館/小学一年生)
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やっぱりイナバ、100人乗っても大丈夫!(イナバ物置)
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ブルースカイブルー、青春はコカ・コーラ。(コカ・コーラ)
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バザールでござーる。(NEC)
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ダメ。ゼッタイ。(薬物乱用防止キャンペーンCM)
👉 平成は旅行や商品訴求だけでなく、社会的メッセージやユーモア重視のコピーも目立ちます。
令和のヒットキャッチコピーTOP10
SNS時代に突入し、共感性や拡散力を重視したキャッチコピーが人気となっています。
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今日、誰を幸せにしたいですか。(サントリーBOSS)
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1日がんばったあなたに、ご褒美を。(コンビニスイーツCM)
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それって、あなたの感想ですよね?(インターネット文化との融合CM演出)
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君のために、できること。(化粧品ブランド)
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何もしない贅沢。(旅行会社CM)
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ひとりじゃないから。(通信会社CM)
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やっぱりこれだね、令和の味。(食品メーカー)
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推し活は人生を豊かにする。(アニメ・エンタメCM)
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未来は、想像以上においしい。(食品CM)
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大人になっても青春だ。(スポーツブランドCM)
👉 令和のコピーは「共感」「癒し」「推し活」「多様性」といったキーワードが強く、SNSとの相性が抜群です。
今でも語り継がれる!懐かしの名キャッチコピー集

テレビCMのキャッチコピーには、一度放送が終わっても長く人々の記憶に残り、世代を超えて語り継がれるものがあります。それらは単なる広告文を超えて「文化」や「時代の象徴」となり、日常会話や流行語としても生き続けています。ここでは、今なお多くの人が覚えている名フレーズを振り返ってみましょう。
一度聞いたら忘れられない名フレーズ
インパクトのあるコピーは、わずかな言葉で心をつかみ、長年記憶に刻まれます。
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「お口の恋人」(ロッテ)
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「やめられない、とまらない」(カルビー・かっぱえびせん)
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「そうだ 京都、行こう。」(JR東海)
これらはシンプルながらもリズム感や情緒があり、耳に残るだけでなく生活に溶け込み、時代を超えて語り継がれています。
時代を代表するCMキャラクターのセリフ
名コピーと同時に、出演したキャラクターや俳優のセリフも強く印象に残ります。
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「24時間戦えますか。」(リゲイン) → バブル期の働き方を象徴
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「100人乗っても大丈夫!」(イナバ物置) → 家族でまねした人も多いフレーズ
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「バザールでござーる。」(NEC) → キャラクター人気とセットで社会現象に
これらは「商品名」よりも先にフレーズが頭に浮かぶほど浸透し、世代を問わず共通の話題になりました。
復刻やリメイクで再注目されたコピー
懐かしいコピーの中には、時を経て再び脚光を浴びるものもあります。
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「すこし愛して、ながく愛して。」(サントリー) → 復刻キャンペーンで再評価
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「男は黙ってサッポロビール。」 → 新しいアレンジで令和にリメイク
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「ピッカピカの一年生。」(小学館) → 今も毎年フレッシュに使われ続けている
復刻やリメイクは、当時を知る世代には懐かしく、若い世代には新鮮に響くため、ブランドの長寿コピーとして息づいています。
「そうだ 京都、行こう。」はこちら🔻
CMキャッチコピーが流行語になるまでの仕組み

テレビCMのキャッチコピーが単なる広告を超え、社会現象や流行語として広まるのには明確な理由があります。人々の心に刺さるフレーズが、メディアを通じて拡散され、やがて日常会話や文化の一部になるのです。その仕組みを3つの視点から見ていきましょう。
テレビの影響力と拡散力
昭和から平成にかけて、テレビは圧倒的な情報発信源でした。特にゴールデンタイムのCMは数千万人が同時に視聴し、一夜にして全国民が同じフレーズを共有できる力がありました。
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例:「24時間戦えますか。」(リゲイン)
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例:「やめられない、とまらない。」(かっぱえびせん)
これらはテレビという巨大メディアの拡散力によって、あっという間に流行語へと成長しました。
SNS時代の広がり方の違い
令和に入ると、CMコピーの広がり方はテレビからSNS中心へと移り変わりました。短いフレーズがTwitter(X)、Instagram、TikTokで引用され、画像や動画とともに拡散されることで「バズワード」として流行します。
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例:「今日、誰を幸せにしたいですか。」(BOSS)
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例:「推し活は人生を豊かにする。」(エンタメCM)
SNS時代の強みは、拡散スピードの速さと世代・地域を超えた共有力にあります。
広告クリエイターが仕掛ける「言葉の魔法」
流行するコピーには、必ずと言っていいほど言葉の工夫があります。
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短くリズミカル:「お口の恋人」
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意外性やユーモア:「100人乗っても大丈夫!」
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情緒を揺さぶる:「そうだ 京都、行こう。」
広告クリエイターは商品や時代背景を分析し、「人々が自然に口にしたくなる言葉」を設計しています。単なる宣伝ではなく、“文化として残る言葉”を作ることが、コピーライティングの真髄なのです。
あなたはいくつ覚えてる?クイズで振り返るCM名セリフ

懐かしいCMキャッチコピーは、聞くだけで当時の情景や気持ちを思い出させてくれます。ここではクイズ形式で、昭和・平成・令和に流行した名コピーを振り返ってみましょう。あなたはいくつ正解できるでしょうか?
昭和の名コピークイズ
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「男は黙って____ビール。」
→ 答え:サッポロビール -
「わんぱくでもいい、____育ってほしい。」
→ 答え:たくましく(丸大ハム) -
「やめられない、とまらない。____」
→ 答え:かっぱえびせん(カルビー)
👉 昭和は力強さや家族愛を感じさせるコピーが多く、今も語り継がれています。
平成の名コピークイズ
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「そうだ、____行こう。」
→ 答え:京都(JR東海) -
「100人乗っても____!」
→ 答え:大丈夫(イナバ物置) -
「バザールで____。」
→ 答え:ござーる(NEC)
👉 平成はユーモアや共感性を重視したコピーが中心で、家族や友人同士で真似する人も多かった時代です。
令和の名コピークイズ
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「今日、誰を____したいですか。」
→ 答え:幸せに(サントリーBOSS) -
「____活は人生を豊かにする。」
→ 答え:推し(エンタメCM) -
「何もしない____。」
→ 答え:贅沢(旅行会社CM)
👉 令和はSNS拡散を前提としたキャッチコピーが多く、短いフレーズが「バズワード」として一気に広まっています。
まとめ|心に残る言葉は時代を越える

テレビCMから生まれたキャッチコピーは、その瞬間の話題にとどまらず、長く人々の心に残り続けます。短い言葉の中に時代の空気が凝縮されているからこそ、何十年経っても懐かしく思い出され、世代を超えて語り継がれていくのです。
キャッチコピーは時代の思い出
「24時間戦えますか。」と聞けばバブル期を、「そうだ 京都、行こう。」と聞けば旅ブームを思い出すように、CMの言葉はその時代の空気を象徴する存在です。キャッチコピーを振り返ることは、単なる広告を思い出すだけでなく、自分自身や社会が歩んできた歴史をたどることにもつながります。まさにコピーは“時代の思い出”そのものと言えるでしょう。
未来の流行語もきっとCMから生まれる
令和の今も、新しいコピーが次々とSNSを通じて広まり、若い世代の共通言語になっています。これから先も、心に響くCMの言葉はきっと流行語となり、未来の人々に「あの時代を象徴するフレーズ」として記憶されていくでしょう。あなたが今耳にしているフレーズも、数年後には“懐かしい名コピー”として語られるかもしれません。
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