【医師解説】体温が低い人のデメリットとは?冷え性・代謝・体調への影響をやさしく解説

体温が低い人のデメリットとは?冷え性・代謝・体調への影響をやさしく解説

「平熱がいつも低い」「体が冷えやすい」と感じることはありませんか?
実は体温が低い状態は、ただの体質ではなく 免疫力・代謝・ホルモンバランス に影響を与える可能性があります。近年は運動不足やストレス、生活習慣の乱れにより低体温の人が増えており、肩こりや疲れやすさ、冷え性などの不調とつながることも少なくありません。

この記事では、医師の知見をもとに 低体温のデメリットと体への影響 をわかりやすく解説し、今日からできる改善のヒントをご紹介します。

 

目次

そもそも「低体温」とは?正常な体温との違い

一般的な正常体温の目安

人間の体温は、体内の臓器や血液がスムーズに働くために一定の範囲で保たれています。
医学的に「平熱」とされるのは 36.5~37.0℃前後。この範囲であれば、免疫や代謝の働きがスムーズで、体調も安定しやすいと考えられています。

ただし、平熱には個人差があり、35℃台後半が通常の人もいれば、37℃近い人もいます。重要なのは「自分の基準体温を把握すること」です。

低体温といわれる基準

一般的に、平熱が36.0℃未満の状態が「低体温」と呼ばれます。
特に 35℃台前半が続く場合は、代謝や免疫機能に支障が出やすく、体調不良の原因になりやすいとされています。

一時的に体温が下がるのは問題ありませんが、慢性的に基準以下が続くと「低体温体質」とみなされ、健康リスクが高まります。

なぜ低体温になる人が増えているのか

現代では「低体温の人」が増えていると言われます。その背景には、次のような生活習慣の変化があります。

  • 運動不足:筋肉は熱を生み出す最大の器官。筋肉量が少ないと体温も下がりやすい。

  • 冷暖房の普及:季節に関係なく快適な環境にいることで、体が「温度調節」をする機会が減少。

  • 偏った食生活:冷たい飲み物や加工食品の摂取が増え、体を冷やす原因に。

  • ストレスや自律神経の乱れ:交感神経・副交感神経のバランスが崩れると、体温調整機能も低下。

つまり低体温は「体質だから仕方ない」のではなく、生活習慣や環境による後天的な影響が大きいのです。


✅ 対策のポイントは「自分の平熱を知ること」から。毎朝同じ時間に体温を測って記録しておくと、低体温の傾向に早めに気づけます。

 

体温が低い人のデメリットとは?

体温が低い人のデメリットとは?

体温が低い状態が続くと、体のさまざまな機能に悪影響を及ぼします。ここでは、代表的な3つのデメリットを見ていきましょう。

免疫力の低下で風邪をひきやすい

体温と免疫力には深い関係があります。体温が 36.5℃前後のとき、白血球などの免疫細胞は最も活発に働きます。
しかし、平熱が 36.0℃未満になると、免疫細胞の働きが鈍くなり、ウイルスや細菌への抵抗力が弱まります。

その結果、

  • 風邪をひきやすい

  • インフルエンザなど感染症にかかりやすい

  • 傷や炎症が治りにくい

といったリスクが高まります。

血流が悪くなり、肩こり・頭痛の原因に

体温が低いと血管が収縮しやすくなり、血流が滞ります。血流が悪くなると、酸素や栄養が体の隅々に届きにくくなり、老廃物もたまりやすくなります。

その結果、

  • 慢性的な肩こり

  • 冷えからくる頭痛

  • 手足のしびれやだるさ

といった症状が出やすくなります。特にデスクワークや運動不足の人は、低体温が血行不良をさらに悪化させる悪循環につながります。

ホルモンバランスや自律神経への影響

体温の調整は「自律神経」が大きく関わっています。低体温が続くと、自律神経のバランスが乱れやすくなり、ホルモン分泌にも影響を及ぼします。

具体的には、

  • 生理不順やPMSの悪化

  • 不眠や日中の強い眠気

  • イライラや気分の落ち込み

など、心と体の両面に不調が現れることがあります。特に女性はホルモンバランスの影響を受けやすいため、低体温を放置すると生活の質を大きく下げてしまう恐れがあります。


✅ まとめると、低体温は「ただ体が冷えているだけ」ではなく、免疫・血流・自律神経のすべてに悪影響を与える要因になります。早めの対策が、健康を守るカギです。

 

冷え性との関係|体温が低いと「冷えやすい」は本当?

冷え性との関係|体温が低いと「冷えやすい」は本当?

「冷え性」と「低体温」は似ているようで、実は別のものです。ただし、どちらも体の冷えに関わるため密接な関係があります。

「冷え性」と「低体温」はどう違う?

  • 冷え性
    → 手足などの末端が冷たく感じる体質や症状を指します。血流の悪さや自律神経の乱れが原因で、体感として「冷たい」「寒い」と感じやすいのが特徴です。

  • 低体温
    → 体そのものの平熱が低い状態を指します。体温計で測って36.0℃未満が続く場合は低体温とされ、体の内部の機能が低下している可能性があります。

つまり、冷え性=感覚的な症状、低体温=客観的に測れる数値の問題と言えます。

体温が低いと冷え性が悪化する理由

低体温になると、血流をスムーズに保つ力が弱まり、体の隅々まで熱が行き渡りにくくなります。
その結果、冷え性の症状が悪化しやすくなります。

  • 末端(手先・足先)がさらに冷える

  • 夜寝つきが悪くなる

  • 冬だけでなく夏でも冷房で体が冷えやすい

また、筋肉量が少なく体温を生み出しにくい人は、冷え性と低体温が重なって「慢性的な冷え」に悩まされるケースも少なくありません。

女性に多い低体温と冷え性の関係性

統計的に、低体温や冷え性は男性よりも女性に多く見られます。その理由は以下の通りです。

  • 筋肉量が少なく、熱を作る力が弱い

  • ホルモンの変動により、自律神経が乱れやすい

  • 貧血やダイエット習慣によるエネルギー不足

  • 手足の血管が細く、血流が滞りやすい

特に月経や更年期などでホルモンバランスが変動すると、低体温と冷え性が悪循環を生み、疲労感や不眠、肌荒れといった症状につながることもあります。


✅ まとめると、「低体温」と「冷え性」は別物ですが、低体温があると冷え性が悪化しやすく、女性に多い不調の原因にもなります。冷え性の改善を目指すなら、まず平熱を上げることが大切です。

 

体温が低いと代謝はどう変わる?

体温が低いと代謝はどう変わる?

体温は、体の代謝と密接に関わっています。体温が下がると、体がエネルギーを効率よく使えなくなり、太りやすさや疲れやすさにつながります。ここではそのメカニズムを詳しく見ていきましょう。

基礎代謝が落ちて太りやすくなる

「基礎代謝」とは、安静時でも呼吸や心臓の鼓動などを維持するために必要なエネルギーのことです。
体温が1℃下がると、基礎代謝は約12〜13%低下するとも言われています。

基礎代謝が下がると、同じ量を食べてもエネルギーとして消費されにくくなり、脂肪として蓄積されやすくなります。結果として、

  • 太りやすく痩せにくい体質になる

  • ダイエットしても効果が出にくい
    といった状況を招いてしまいます。

脂肪燃焼効率が悪くなる

体温が高いと酵素の働きが活発になり、糖や脂肪の分解がスムーズに行われます。
一方、低体温だと酵素の働きが鈍り、脂肪燃焼効率が下がってしまうのです。

その結果、

  • 運動しても脂肪が燃えにくい

  • 体が冷えて基礎代謝がさらに低下する
    という悪循環に陥ります。

「運動しても効果が出にくい」と感じる人は、低体温が隠れた原因になっている可能性があります。

疲れやすく、エネルギー不足を感じやすい

低体温の人は、体内でエネルギーを効率よく生み出せなくなります。これは、細胞の代謝が低下しているサインです。

そのため、

  • 少し動いただけで疲れる

  • 午後になると強い眠気を感じる

  • 頭がぼんやりして集中力が続かない

といった「慢性的なエネルギー不足」に悩まされやすくなります。これは単なる疲労ではなく、代謝が落ちて体が省エネモードに入っている状態なのです。


✅ まとめると、体温が低いと「太りやすい・痩せにくい・疲れやすい」という代謝トラブルが起こりやすくなります。代謝を上げるには、まず体温を適正に保つことが大切です。

 

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体温を上げるためにできること

体温を上げるためにできること

体温はちょっとした生活習慣の積み重ねで改善できます。ここでは、食事・筋肉・生活習慣の3つの観点から、体温を上げるための具体的な方法を紹介します。

食事で「体を温める食材」を取り入れる

食事は体温を調整する大切な要素です。特に「体を温める食材」を意識的に取り入れると、冷えにくい体づくりにつながります。

  • 生姜・にんにく・唐辛子 … 体を内側から温め、血行を促進

  • 根菜類(ごぼう・にんじん・れんこん) … 消化に時間がかかり、体を温める効果

  • 発酵食品(味噌・納豆・キムチ) … 腸内環境を整え、代謝アップに貢献

  • 温かい飲み物(白湯・ハーブティー) … 冷たい飲み物より体温維持に効果的

逆に、冷たい飲み物や甘いスイーツの取りすぎは体を冷やしやすいので注意が必要です。

筋肉量を増やして体温を維持する

体の熱の多くは筋肉から生み出されています。筋肉量が少ない人ほど体温が下がりやすいため、筋トレや運動習慣で筋肉をつけることが有効です。

  • 毎日のスクワットや腹筋など、大きな筋肉を鍛える運動

  • ウォーキングや軽いジョギングで血流促進

  • デスクワーク中にできるストレッチや姿勢改善

筋肉は「天然のヒーター」のような役割を持ち、基礎代謝を上げて体温を維持してくれます。

生活習慣(入浴・睡眠・運動)で体温を整える

体温を安定させるには、毎日の生活習慣を整えることも大切です。

  • 入浴:シャワーだけで済ませず、ぬるめのお湯に15〜20分浸かることで血流が改善

  • 睡眠:質の良い睡眠は自律神経を整え、体温調整機能を回復させる

  • 運動:毎日の軽い有酸素運動が、体温リズムを整える助けに

また、冷暖房の使いすぎを避け、外気温の変化に体を慣らすことも体温調整機能を鍛えるポイントです。


✅ ポイントは「食事・筋肉・生活習慣」の3つをバランスよく取り入れること。すぐに効果が出るものではありませんが、継続することで平熱が上がり、冷えにくく元気な体を手に入れられます。

 

まとめ|「低体温」は小さな不調のサインかも

まとめ|「低体温」は小さな不調のサインかも

低体温は単に「平熱が低い」だけではなく、免疫力や血流、代謝、自律神経にまで影響を及ぼすことがあります。大きな病気ではなくても、日々の疲れやすさ、冷え、肩こり、体重の増加など「小さな不調」の背景に低体温が隠れているケースは少なくありません。

放置せず、日常の工夫で改善できる

低体温は放っておいても自然に改善することは少なく、長引くほど不調が積み重なります。
しかし、生活習慣を見直すことで改善は十分に可能です。

  • 食事に体を温める食材を取り入れる

  • 軽い運動や筋トレで筋肉量を増やす

  • 入浴・睡眠・ストレッチなどで血流を整える

こうした日常の小さな工夫の積み重ねが、平熱を上げる大きな一歩になります。

体温を意識することが健康管理につながる

毎朝の体温測定は、自分の体調を知るシンプルな健康管理法です。
体温の変化に気づくことで、疲れやストレス、生活習慣の乱れを早めにキャッチでき、体調不良の予防にもつながります。

「ちょっと冷えやすい」「平熱が低い」と感じるときは、体からの小さなサインかもしれません。意識して体温を整えることが、元気な毎日への近道です。


✅ まとめると、「低体温」は小さな不調の積み重ねですが、放置せず改善に取り組めば健康と代謝アップにつながります。今日からできることを一つずつ始めてみましょう。

 

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この記事を書いた人

美容・健康業界で10年以上の経験を持ち、男女問わずスキンケアやエイジングケアをサポート。肌質改善・脱毛・健康美容を専門とし、これまでに1000人以上をカウンセリング。美容商品の監修やメディアでの執筆・講演も行う。

「美しさは健康とライフスタイルのバランスから生まれる」を信念に、専門知識を活かした実践的な美容情報を発信中。

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