【なぜカラスは黒いの?】昔話と科学で解き明かす“黒の秘密”

カラスはなぜ黒い?昔話と科学の2つの説で迫る“黒の謎”とは

街中や公園でよく見かける黒いカラス。
でも、なぜカラスは“黒”なのでしょうか?
その理由をたどると、神話や昔話が語る人間への教訓と、
科学が示す生存の知恵という、2つの側面が見えてきます。

本記事では、古くから伝わる「カラスが黒くなった理由」の伝説と、
現代科学が解き明かした“黒の機能美”をわかりやすく紹介。
昔話・文化・進化の視点から、カラスの黒に隠された深い意味をひも解きます。

 

目次

昔話に見る「カラスが黒い理由」

昔話や神話の世界では、「カラスが黒い理由」にはさまざまな物語が語り継がれています。
そこには、人間の教訓や自然への畏れが込められており、単なる“色の説明”にとどまりません。
まずは、代表的な昔話を見てみましょう。

昔話①:神の怒りを買って黒くなったカラス

昔むかし、カラスは今のように黒くなく、真っ白な羽を持つ美しい鳥だったといわれています。
その美しさを誇りに思ったカラスは、神の使いとして高い空を自由に飛び回っていました。

ある日、神から「人間に大切な言葉を伝えてこい」と命じられたカラスは、途中で気が変わってしまいます。
「どうせ伝えなくても、誰も困らないだろう」と怠けてしまい、神の命令を無視してしまったのです。

その行いに怒った神は、「二度と天の光を映せぬように」とカラスの白い羽を真っ黒に変えてしまいました。
以来、カラスは神の怒りを背負う鳥として黒い姿になった――そんな昔話が各地に残っています。

この物語は、「傲りや怠けの戒め」「神聖な使命を軽んじてはいけない」という教訓を象徴しているともいわれます。

昔話②:火を運んで羽が焦げた“日本の伝説”

日本の昔話でも、カラスが黒くなった理由には「火」にまつわる伝説が語られています。

昔、人々が寒さに震えていたとき、天の神は「まだ人間に火を与えるのは早い」と言いました。
しかし、カラスは人間を哀れに思い、こっそり天界の火をくすねて地上へと運んだのです。

そのとき、火の粉がカラスの白い羽に落ち、全身が真っ黒に焦げてしまった——。
けれども、人間はそのおかげで火を使えるようになり、温かい暮らしを手に入れたといいます。

この話では、カラスは「犠牲を払って人を救った英雄」として描かれています。
黒い羽は罰ではなく、“人間のために燃えた勇気の証”とも言えるのです。

世界の神話にも登場する「黒いカラス」の意味

カラスの物語は日本だけでなく、世界各地にも存在します。
たとえば、北欧神話では「オーディン神の使い」としてフギンとムニン(思考と記憶)という2羽のカラスが登場し、世界中を飛び回って情報を集めます。
また、北米インディアンの伝承では、カラスは
「世界に光をもたらした神聖な存在」として崇められてきました。

一方で、ヨーロッパの中世以降は、「死」や「不吉」の象徴とされるようになります。
これは、黒い羽と鳴き声が不気味に感じられたためですが、もともとは知恵・再生・守護の象徴だったのです。

カラスの“黒”には、人々の信仰・恐れ・敬意が混ざり合った象徴的な意味が込められているといえるでしょう。

🌿まとめポイント

  • 昔話では、カラスの黒は「神の怒り」や「火の勇気」を象徴していた

  • 日本でも世界でも、“黒いカラス”には教訓・知恵・信仰が重なっている

  • 単なる“黒い鳥”ではなく、人間と自然・神をつなぐ象徴的な存在だった

 

科学で解明!カラスが黒い本当の理由

科学で解明!カラスが黒い本当の理由

昔話では“神の怒り”や“火の勇気”として語られてきたカラスの黒。
しかし科学的に見ると、この黒色は偶然ではなく、生存に有利な自然の仕組みによってできたものです。
ここでは、カラスが黒く見える「科学的な3つの理由」を解説します。

羽が黒く見えるのは「メラニン色素」の影響

カラスの羽が黒く見えるのは、メラニン色素(黒色色素)が多く含まれているからです。
メラニンは、人間の髪や肌の色にも関係しており、紫外線から細胞を守る働きを持っています。

実はカラスの羽を光にかざすと、わずかに青紫の光沢が見えることがあります。
これは、羽の表面の微細な構造が光を反射する“構造色”の影響です。
つまり、カラスの黒は単なる「真っ黒」ではなく、科学的に緻密な黒なのです。

さらに、メラニンの多い羽は強度が高く、摩耗や紫外線にも強いというメリットがあります。
雨風にさらされることが多いカラスにとって、黒い羽はまさに自然が選んだ最強の鎧なのです。

黒は“太陽光対策”?熱を吸収して体温を保つ理由

黒い色は太陽光を吸収しやすいため、「黒=暑そう」と思われがちですが、
実はカラスにとって黒色は体温調節に理にかなった色でもあります。

カラスは日本各地のように寒暖差のある環境に適応して生きています。
黒い羽は太陽の熱を効率よく吸収し、冷え込みや朝の寒さから体温を保つ助けになるのです。

さらに、カラスの羽は空気の層を多く含む構造になっており、
熱を一度吸収しても、すぐには体内に伝わらないように工夫されています。
つまり、「黒いのに暑くない」——これは断熱性と吸熱性のバランスが取れた自然のデザインなのです。

黒色がもたらす「社会的・進化的」メリットとは

黒色には、実は社会的・進化的な意味もあります。
群れで行動するカラスにとって、黒い羽は「仲間同士の識別」を助ける役割を持っていると考えられています。

また、黒は視覚的に威圧感を与える色。
天敵や他の鳥に対して強さ・支配力を示すサインにもなります。
カラスが他の鳥に比べて縄張り意識が強いのは、この“黒の存在感”が心理的に影響しているという説もあるのです。

さらに進化の観点から見ると、
黒い羽を持つことで汚れや傷が目立ちにくく、外敵に発見されにくくなる利点もあります。
つまり、黒は「防御」「威厳」「仲間意識」を同時に叶える、進化の結果選ばれた最適色だったのです。

🌿まとめポイント

  • カラスの黒は、メラニン色素+羽の構造色による自然の産物

  • 黒い羽は、強く・傷つきにくく・温度調節にも優れた万能装備

  • 「黒」は生存だけでなく、仲間意識や威厳の象徴でもある

 

「黒いカラス」に対するイメージの変遷

「黒いカラス」に対するイメージの変遷

カラスと聞くと、「不吉」「怖い」というイメージを抱く人も多いかもしれません。
しかし、もともとカラスは“神聖な鳥”として敬われていた存在でした。
時代が進むにつれ、人々の暮らしや価値観の変化とともに、黒いカラスのイメージも大きく変化していったのです。

昔は神の使い?“吉兆”としてのカラス

古代日本では、カラスは神の使いとされ、特に「八咫烏(やたがらす)」はその象徴でした。
八咫烏は、神武天皇の東征を導いたとされる伝説の三本足のカラス。
黒い羽を持ちながらも、“太陽の導き手”として崇められていたのです。

また、中国でもカラスは太陽の象徴「三足烏(さんそくう)」として登場します。
黒=闇ではなく、“光を運ぶ存在”として神話に描かれていたのが印象的です。

さらに、北欧や北米の伝承でも、カラスは知恵・予言・守護の象徴
「黒い羽」は、“闇を知る智慧”を意味し、人間を見守る賢者の鳥として敬われていました。

このように、古代においてカラスは決して恐れられる存在ではなく、
神聖さと知恵を併せ持つ“吉兆の鳥”だったのです。

現代では“不吉”とされるようになった背景

一方で、時代が下るにつれて、カラスは“縁起の悪い鳥”として扱われるようになります。
その背景には、暮らしの変化と人間の心理が深く関係しています。

まず、カラスは死骸を食べる習性があるため、古来より「死」や「不浄」と結びつけられてきました。
都市化が進むと、ゴミを漁る姿や大きな鳴き声が「不快」「怖い」という印象を与え、
いつしか“闇や不吉の象徴”として扱われるようになったのです。

また、黒という色自体が「喪服」「夜」「死」といったイメージに重ねられ、
人々の無意識の中で“怖いもの”として定着していったともいわれます。

つまり、カラスが悪くなったわけではなく、
人間社会の価値観の変化がカラスのイメージを変えていったのです。

文化・時代によって変わる「黒」の象徴

実は、「黒」という色の意味は文化や時代によってまったく異なります。

西洋では長らく“死や悪”を連想させる色とされましたが、
一方で日本や東洋では、“静けさ・深み・知恵”を象徴する色でもあります。

たとえば、茶道や墨絵の世界では、黒は「余白の美」を引き立てる色。
ファッションの世界でも、黒は「品格」「洗練」を表す色として愛されています。

このように、「黒」は恐れの象徴でもあり、美の象徴でもある不思議な色。
カラスの黒も同じく、“怖い”と感じるか“賢い”と見るかは、人の心のあり方次第なのかもしれません。

🌿まとめポイント

  • 昔のカラスは「神の導き」や「知恵の象徴」として崇められていた

  • 現代では、生活環境の変化や死の連想から“不吉”とされるようになった

  • 「黒」は恐れと美をあわせ持つ色であり、カラスはその両面を映す存在

 

まとめ|カラスの“黒”に込められた意味を知ろう

まとめ|カラスの“黒”に込められた意味を知ろう

カラスの黒い羽には、昔話・科学・文化、それぞれの時代が込めた“意味”があります。
ただの鳥の色としてではなく、人々が感じてきた自然への敬意や教訓が映し出されているのです。

ここでは、改めてその「黒」に込められたメッセージを振り返ってみましょう。

昔話が伝える“教訓”、科学が語る“真実”

昔話の中で、カラスは神の怒りを買って黒くなったり、人間のために火を運んで羽を焦がしたりと、
善悪の狭間に立つ象徴的な存在として描かれてきました。

そこには、「傲りへの戒め」「勇気ある犠牲」「自然の摂理を軽んじてはいけない」といった、
人が生きる上での教訓が込められています。

一方、科学的には、カラスの黒はメラニン色素と進化の適応の結果
強く、賢く、生き抜くために選ばれた色だったことがわかります。

つまり、「黒い理由」は神話的にも科学的にも、“生きるための知恵”という点で重なっているのです。

“黒”は恐れではなく、自然の知恵の色

私たちは「黒」と聞くと、つい“怖い”や“不吉”を連想しがちです。
けれども本来の黒は、光を内に秘める色
すべての色を包み込み、調和させる“深さ”を持っています。

カラスの黒もまた、恐れではなく、
自然が長い時間をかけて選び抜いた最適なデザイン
強さ・知恵・生命力を象徴する、美しい進化の色なのです。

もし空を舞う黒いカラスを見かけたら、
少しだけ立ち止まって、その羽に宿る“自然の知恵”を感じてみてください。
きっと、これまでとは違う目でカラスを見られるはずです。

🌿まとめポイント

  • 昔話の黒=教訓と信仰、科学の黒=適応と進化

  • 「黒」は恐れではなく、自然と生き物が選んだ最強の色

  • カラスの黒は、“人と自然の関係”を思い出させてくれる存在

 

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