【AGA治療】フィナステリドの副作用と注意点|リスクを理解して安全に続ける方法
AGA(男性型脱毛症)の治療薬として広く使われている「フィナステリド」。発毛効果が期待できる一方で、副作用や服用時の注意点について不安を感じる方も少なくありません。性機能への影響や肝機能障害など、知っておくべきリスクは存在します。しかし、正しい知識を持ち、医師の指導のもとで使用すれば、安全に治療を続けることが可能です。
本記事では、フィナステリドの作用機序から副作用の種類・発生頻度、注意点や副作用を軽減する方法まで徹底解説します。
1. AGA治療におけるフィナステリドとは?
フィナステリドは、男性型脱毛症(AGA)の治療に広く用いられている内服薬です。
日本では「プロペシア(Propecia)」という商品名で知られており、AGA治療の第一選択薬のひとつとされています。
AGAは男性ホルモンの一種である**ジヒドロテストステロン(DHT)**が毛根に作用し、ヘアサイクルを乱すことで進行します。フィナステリドは、このDHTの生成を抑えることで、薄毛の進行を食い止める効果が期待できます。
「髪が生える」というよりは、抜け毛を防ぎ現状維持をサポートする薬と理解しておくことが重要です。
フィナステリドの作用機序(なぜ薄毛に効くのか)
フィナステリドの効果は、5α-還元酵素II型阻害という働きにあります。
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男性ホルモン「テストステロン」が体内で変換されると、より強力なホルモン「DHT(ジヒドロテストステロン)」になります。
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このDHTが毛根(毛包)に作用し、髪の成長期を短縮させ、細く弱い毛しか育たなくなります。
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フィナステリドは、この変換に関わる酵素「5α-還元酵素II型」を阻害し、DHTの生成を抑えることで抜け毛の進行を防ぐのです。
つまり、フィナステリドはAGAの「原因ホルモン」に直接アプローチする数少ない治療薬といえます。
医師の処方が必要な理由
フィナステリドは医師の診断・処方が必要な医薬品です。これは以下の理由によります。
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副作用リスクがあるため
性機能への影響や肝機能障害など、稀ではありますが副作用が報告されています。そのため、医師の管理下での服用が推奨されます。 -
定期的な健康チェックが必要
血液検査や問診で体調を確認しながら、服用を続けることが安全性を高めます。 -
女性や未成年は使用できないため
特に妊婦や授乳中の女性が誤って服用・接触すると胎児や乳児に悪影響を及ぼす可能性があるため、厳格な取り扱いが求められています。
市販薬やサプリのように気軽に自己判断で始められる薬ではなく、医師の処方を通じて安全に使うことが大切です。
2. フィナステリドの主な副作用とは?
フィナステリドはAGA治療に効果が期待できる一方で、副作用のリスクがゼロではない薬です。特に報告が多いのは「性機能への影響」、そして稀に「肝機能障害」や「精神面への影響」です。
ここでは、それぞれの副作用について詳しく見ていきましょう。
性機能への影響(性欲減退・勃起不全など)
フィナステリドで最も知られている副作用が性機能への影響です。
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性欲の減退(リビドー低下)
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勃起不全(ED)
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射精障害
といった症状が、一部の服用者に報告されています。
ただし、発生率は臨床データで1〜2%程度と比較的低く、多くの場合は服用を中止すると改善するとされています。
性機能の変化はデリケートな問題ですが、万一自覚した場合は医師に相談し、無理に我慢せず対応することが大切です。
肝機能障害のリスク
フィナステリドは肝臓で代謝される薬のため、肝機能への影響が出る可能性も報告されています。
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血液検査で肝機能数値(AST、ALT、γ-GTPなど)の上昇が確認される
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倦怠感や食欲不振などが現れる
といったケースがあります。
そのため、定期的な血液検査で肝機能をチェックすることが推奨されます。特にお酒をよく飲む方や肝臓に持病がある方は、服用前に必ず医師に相談しましょう。
精神面への影響(気分の落ち込み・うつ症状など)
一部では、気分の落ち込みや抑うつ症状が副作用として報告されています。
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意欲低下
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気分の落ち込み
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不安感や集中力の低下
といった症状が現れる場合があります。
この点については明確な因果関係が完全に証明されているわけではありませんが、フィナステリドのホルモンバランスへの影響が関与している可能性も指摘されています。
精神的な不調を感じた場合も、早めに医師へ相談し、必要に応じて服用を中断することが望ましいです。
✅まとめると、フィナステリドの副作用は 「頻度は低いが確実にリスクが存在する」 という点を理解し、定期的な診察や検査を受けながら安全に続けることがポイントです。
3. フィナステリドの副作用はどれくらいの確率で起こる?
「フィナステリドの副作用は怖い」と不安に思う方は多いですが、実際の発生頻度は臨床データでは低い割合にとどまっています。ここでは、国内外のデータを参考にしながら、副作用の確率を整理します。
臨床試験・国内データから見る発生頻度
フィナステリドの副作用については、厚生労働省の添付文書や海外の臨床試験結果から具体的な数字が示されています。
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性機能関連の副作用
性欲減退:約1〜2%
勃起不全:約1%前後
射精障害:約1%未満 -
肝機能障害
血液検査での肝機能値上昇:1%未満 -
精神的な影響
明確な発生率は不明だが、少数例が報告されている段階
さらに重要なのは、プラセボ(偽薬)群でも性機能低下が同程度に起こったという試験結果がある点です。つまり「薬そのものの作用」ではなく、「服用しているという心理的影響」も関与している可能性があります。
👉 結論として、フィナステリドの副作用発生率は全体で1〜2%程度と低めであり、ほとんどの人が大きな問題なく使用できています。
長期服用におけるリスクの変化
AGA治療は「数か月〜数年単位」で続けることが前提です。そのため「長期的に服用しても副作用が増えないか」が気になるポイントです。
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海外の5年以上の長期試験では、副作用の発生率は初期と大きな差がないと報告されています。
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性機能への影響は、服用中止後に改善するケースが多いとされます。
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ただし、ごく一部に「中止後も症状が残る」とされる報告(いわゆるポストフィナステリド症候群)があり、議論が続いています。
また、肝機能への影響は蓄積型ではなく、その人の体質や生活習慣による部分が大きいため、定期的な血液検査を行うことでリスクを管理できます。
👉 長期服用=副作用リスクが大幅に上がるわけではありませんが、**「安心のための定期検査」+「体調変化に敏感になること」**が安全に続けるコツです。
✅まとめると:
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フィナステリドの副作用は発生率1〜2%と低い
-
長期服用によってリスクが増えるデータはほとんどない
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定期的な健康チェックで安全性を確保できる
4. フィナステリドの副作用を軽減する方法
フィナステリドは正しく服用すれば安全性の高い薬ですが、まれに副作用が起こる可能性があります。
そこで重要なのは、リスクを最小限に抑えるための習慣や工夫です。ここでは具体的な方法を紹介します。
適切な服用量と飲み方
フィナステリドは「多く飲めば効く薬」ではありません。
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一般的な処方量は 1mgを1日1回。
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食事の影響はほとんどないため、飲む時間は自由ですが、毎日決まった時間に服用すると飲み忘れ防止につながります。
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自己判断で増量・減量すると、副作用リスクや効果の低下につながるため厳禁です。
👉 ポイントは「決められた量を、決められた方法で、継続して飲む」ことです。
定期的な健康診断・血液検査の重要性
副作用を未然に防ぐためには、定期的なチェックが欠かせません。
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肝機能検査(AST、ALT、γ-GTPなど)で薬の代謝に問題がないか確認
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血液検査で全身の健康状態を把握
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医師との定期的な診察で、体調の変化を早めに相談
特にお酒をよく飲む方や、持病で肝臓に負担がかかっている方は必須です。
👉 自覚症状がなくても数値に変化が現れることがあるため、「半年〜1年に一度の血液検査」を目安にすると安心です。
副作用を感じたときの対処法
万一、副作用の兆候を感じた場合は、早めの対応が大切です。
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性機能の変化(性欲減退・EDなど)を感じたら、恥ずかしがらずに医師に相談
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倦怠感・食欲不振などが続く場合は、肝機能への影響を疑い、血液検査を受ける
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気分の落ち込みや抑うつ傾向を自覚したら、服用を中止して専門医に相談
重要なのは、自己判断で薬をやめたり継続したりしないこと。医師と相談しながら、必要に応じて中止・代替治療への切り替えを検討しましょう。
✅まとめると:
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用法・用量を守ることが副作用軽減の基本
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定期的な検査で「見えないリスク」を早期発見
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体調変化に気づいたら医師に相談し、自己判断は避ける
5. フィナステリドを服用する際の注意点
フィナステリドはAGA治療に効果が期待できる一方で、取り扱いや服用方法を誤ると健康リスクにつながる薬です。安全に使い続けるために、ここで紹介する注意点を必ず押さえておきましょう。
自己判断での中断・継続は危険
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フィナステリドは 継続して飲み続けることで効果が現れる薬 です。数週間〜数か月でやめてしまうと、十分な効果が得られません。
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一方で、副作用が不安だからといって勝手に服用を中止することもNG。中断や再開の判断は必ず医師に相談する必要があります。
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自己判断で増量・減量するのも危険。副作用リスクが高まるほか、効果の低下にもつながります。
👉 服用に不安が出たときは「自己判断ではなく医師と相談」を徹底しましょう。
妊娠・授乳中の女性は注意(触れるだけでも危険)
フィナステリドは 女性、特に妊娠中や授乳中の方には禁忌とされています。
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フィナステリドは皮膚からも吸収されるため、砕いた錠剤やカプセルの粉末に触れるだけでも危険です。
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妊娠中にフィナステリドへ曝露すると、胎児(特に男児)の生殖器発達に影響を及ぼす可能性があるとされています。
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授乳中の服用も推奨されません。
👉 服用者のパートナーや家族に妊婦・授乳中の女性がいる場合は、薬の保管・取り扱いにも十分注意が必要です。
他の薬との飲み合わせについて
フィナステリドは比較的飲み合わせの影響が少ない薬とされていますが、併用薬によっては注意が必要です。
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**肝臓に負担をかける薬(抗真菌薬・一部の抗生物質・抗けいれん薬など)**との併用では、代謝に影響が出る可能性があります。
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健康サプリや漢方薬でも、肝機能に影響するものがあるため注意が必要です。
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服用中の薬やサプリは、必ず医師に申告して安全性を確認してもらいましょう。
👉 「市販薬だから大丈夫」「サプリだから安全」と思い込まず、必ず併用チェックを行うことが大切です。
✅まとめると:
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自己判断での中断・増減は危険
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妊婦・授乳中の女性は触れることすら厳禁
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他の薬やサプリとの併用は必ず医師に確認
6. フィナステリド以外のAGA治療の選択肢
AGA治療といえばフィナステリドが代表的ですが、それだけが選択肢ではありません。体質や症状、副作用のリスクを踏まえ、自分に合った治療を選ぶことが大切です。ここではフィナステリド以外の代表的な方法を紹介します。
ミノキシジル外用薬・内服薬
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外用薬(塗り薬)
国内では「リアップ」などが有名で、頭皮に直接塗布して血流を改善し、発毛を促します。副作用は頭皮のかゆみやかぶれ程度に限られるケースが多く、比較的使いやすい方法です。 -
内服薬(海外や一部クリニックで処方)
全身に作用するため効果が強い一方、動悸・むくみ・血圧低下といった副作用が報告されています。必ず医師の管理下で使用する必要があります。
👉 ミノキシジルは「発毛を促す薬」、フィナステリドは「抜け毛を防ぐ薬」と作用が異なるため、併用療法が効果的とされています。
自毛植毛やPRP療法などの医療的アプローチ
薬に頼らない、あるいは薬で十分な効果が得られない場合は、医療的なアプローチも選択肢になります。
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自毛植毛
自分の後頭部など薄毛になりにくい部分の毛根を移植する治療。定着すれば自然な毛が再生し、半永久的な効果が期待できます。デメリットは費用が高いことと、施術後のダウンタイムがあることです。 -
PRP療法(自己多血小板血漿注入)
自分の血液から抽出した成分を頭皮に注入し、毛母細胞の活性化を狙う治療。副作用のリスクは少ないですが、効果には個人差があります。
👉 「薬が合わない」「確実に見た目を変えたい」という人に適した方法です。
生活習慣改善による薄毛予防
AGAの進行には遺伝的要因が大きいですが、生活習慣の乱れも進行を早める要因となります。
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バランスの良い食事(タンパク質・亜鉛・ビタミンを意識)
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睡眠の質を高める(成長ホルモンの分泌を促す)
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ストレス対策(自律神経の乱れは抜け毛を増やす)
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過度な飲酒・喫煙を控える
👉 生活習慣を整えることは単独で劇的な発毛効果をもたらすわけではありませんが、薬や医療的アプローチの効果を最大化する基盤となります。
✅まとめると:
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ミノキシジルは発毛を促進する代表的な薬
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自毛植毛やPRP療法は「確実な改善」を求める人向け
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生活習慣改善はどの治療とも相性がよく、土台作りに必須
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7. まとめ|フィナステリドの副作用を理解し、正しくAGA治療を行う
副作用は「正しく理解」すれば怖くない
フィナステリドはAGA治療において高い有効性が認められていますが、まれに副作用が報告されています。性機能や肝機能、精神面に影響が出るケースもあるため、不安に感じる方も少なくありません。しかし、副作用の発生率は低く、多くの場合は一時的または軽度です。大切なのは「過度に恐れる」のではなく、事前に正しい知識を持って服用すること。リスクを理解した上で使用すれば、安心して治療を続けられます。
医師と相談しながら自分に合った治療を選ぶ
AGA治療は長期的に取り組む必要があるため、自己判断での継続や中断は避けましょう。副作用が心配な場合は、医師に症状を伝えたり、定期的な血液検査を受けることでリスクを最小限に抑えることが可能です。また、フィナステリド以外にもミノキシジルや植毛、生活習慣改善といった治療法があるため、自分の体質や生活スタイルに合った方法を選ぶことが大切です。
「正しい知識」と「専門医のサポート」があれば、フィナステリド治療は安心して続けられ、発毛効果をしっかり実感できるでしょう。
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