
最近、「髪がペタッとする」「ボリュームが出ない」と感じていませんか?
それは、髪のハリ・コシが失われているサインかもしれません。ハリやコシがなくなる原因は、加齢や生活習慣、間違ったヘアケアなどさまざま。ですが、正しいケアを続ければ、自宅でも“ふんわり弾む健康的な髪”を取り戻すことができます。
この記事では、美容師の視点から髪にハリ・コシを出すための自宅ケア方法と、生活習慣の見直しポイントを詳しく解説します。今日から始められる実践的な対策で、根元からイキイキとしたツヤ髪を目指しましょう。
髪のハリ・コシがなくなる原因とは?
「最近、髪がペタンとする」「ボリュームが出にくい」──
そんな変化の裏には、加齢や生活習慣、外的ダメージなど、いくつもの要因が関係しています。
ここでは、ハリ・コシを失う主な原因と、それぞれの対策を詳しく見ていきましょう。
加齢によるホルモンバランスの変化
年齢を重ねると、男女ともに女性ホルモン(エストロゲン)や男性ホルモンのバランスが変化します。
これにより、髪をつくる毛母細胞の働きが弱まり、1本1本の髪が細くなったり、弾力がなくなったりします。
対策ポイント
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タンパク質・鉄分・亜鉛を意識的に摂り、髪のもとになる栄養を補給
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ホルモンバランスを整えるために規則正しい睡眠とストレスケアを習慣化
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必要に応じて、育毛剤やスカルプエッセンスを取り入れ、頭皮環境をサポート
加齢による変化は避けられませんが、頭皮と体のケアを続けることで、髪のハリ・コシを維持しやすくなります。
頭皮の血行不良や皮脂バランスの乱れ
頭皮は髪を育てる「畑」のような存在。
血流が悪くなると、毛根に栄養が届かず、髪が細く弱くなってしまいます。
また、皮脂の過剰分泌や乾燥があると、毛穴が詰まったり、炎症を起こして髪の成長を妨げます。
対策ポイント
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毎日のシャンプー時に1〜2分の頭皮マッサージをプラス
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38〜40℃のぬるま湯で洗い、頭皮の乾燥を防ぐ
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アミノ酸系の低刺激シャンプーを使い、皮脂を落としすぎないようにする
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血流改善のために、首・肩を温める入浴習慣も効果的
健やかな血流と皮脂バランスが、ハリ・コシのある髪を育てる土台になります。
紫外線・ドライヤーなどの外的ダメージ
紫外線や熱ダメージは、髪の内部構造であるケラチンたんぱく質を壊す原因になります。
特に、ドライヤーの高温やアイロンの熱、紫外線の蓄積によって、髪がパサつき・弾力を失ってしまうことも。
対策ポイント
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外出時はUVカットスプレーや帽子で髪を守る
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ドライヤーは15〜20cm離して、温風→冷風の順で仕上げる
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ヘアアイロンは140〜160℃程度に設定し、同じ箇所に長く当てない
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ダメージ補修成分(ケラチン・コラーゲン・セラミド)入りのトリートメントを週1〜2回活用
「熱」「紫外線」「摩擦」を減らすことが、ツヤとハリを守る最大のポイントです。
睡眠不足や栄養不足といった生活習慣の影響
髪の成長は、夜間の成長ホルモン分泌に大きく左右されます。
睡眠不足や偏った食事が続くと、毛母細胞がうまく働かず、細く弱い髪が増えてしまいます。
対策ポイント
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23時〜翌2時の“ゴールデンタイム”には眠っているように意識する
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食事では、髪の材料であるタンパク質(肉・魚・卵・大豆)とビタミンB群・亜鉛をしっかり摂る
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ストレスをためないリラックスタイムを設け、自律神経のバランスを整える
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無理なダイエットや食事制限を避ける
髪の美しさは、体の健康の鏡。
内側から整えることで、自然とハリ・コシのある髪が育ちやすくなります。
髪にハリ・コシを出す自宅ケア方法7選

髪のハリ・コシを取り戻すには、サロンケアよりもまず「毎日の自宅ケア」が鍵になります。
頭皮環境を整え、髪の根元から元気を育てる習慣を少しずつ積み重ねることで、髪は確実に変わっていきます。
ここでは、今日から始められる7つのケア方法を紹介します。
① 頭皮マッサージで血流を促す
頭皮マッサージは、毛根に栄養を届ける“血流ケア”の基本です。
硬くなった頭皮をほぐすことで、髪の立ち上がりが自然に出やすくなります。
やり方のポイント
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シャンプー前または洗髪中に、指の腹で円を描くようにマッサージ
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1日1〜2回・1回3分程度でOK
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後頭部→側頭部→頭頂部の順に、ゆっくりほぐす
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入浴中やドライヤー前など、“ながらケア”でも十分効果的
続けるほど血行が良くなり、髪の根元がふんわり立ち上がるようになります。
② アミノ酸系シャンプーでやさしく洗う
ハリ・コシを出すには、頭皮を傷めない洗い方が大切です。
洗浄力が強すぎるシャンプーは、頭皮の皮脂を取りすぎて乾燥や炎症の原因になります。
対策ポイント
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成分表に「ココイル〜」「ラウロイル〜」などのアミノ酸系洗浄成分があるものを選ぶ
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予洗いを1分程度行い、ぬるま湯(38℃前後)で汚れの7割を落とす
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爪を立てずに、指の腹でやさしく洗う
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しっかり泡立ててから洗うことで摩擦を減らす
頭皮に必要な皮脂を守りながら洗うことで、健康な髪を育てる環境が整います。
③ トリートメントやヘアパックで“芯から補修”
ハリ・コシのない髪は、内部のたんぱく質や水分が流出している状態。
トリートメントやヘアパックで、ケラチン・コラーゲン・セラミドなどの補修成分を補うことで、弾力がよみがえります。
効果的な使い方
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シャンプー後、水気を軽く切ってから塗布
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中間〜毛先を中心に、揉み込むように浸透させる
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蒸しタオルやシャワーキャップで3〜5分放置すると吸収率UP
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週1〜2回の集中ケアを習慣に
定期的な補修ケアが、髪の“ハリの戻り”を実感する近道です。
④ ドライヤーの温度・距離を見直す
ドライヤーの熱は、使い方次第でダメージにもケアにもなる重要ポイントです。
高温を近距離で当て続けると、髪の内部が乾燥し、ハリ・コシが失われやすくなります。
正しい乾かし方
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ドライヤーは15〜20cm離して使用
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温風で8割乾かしたら、最後に冷風でキューティクルを引き締める
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根元から乾かし、毛先は後半に仕上げる
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乾かす前にヘアオイルやミルクを少量なじませて熱をカバー
「乾かしすぎない・近づけすぎない」が、ハリとツヤを守るコツです。
⑤ 育毛剤・スカルプエッセンスを取り入れる
ハリ・コシ不足が気になる人は、頭皮環境を整えるスカルプケアも取り入れましょう。
有効成分が毛根に直接届き、髪の立ち上がりをサポートします。
選び方・使い方のポイント
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成分は「センブリエキス」「ビタミンE誘導体」「ペプチド」「キャピキシル」などが◎
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朝晩の1日2回、清潔な頭皮に直接塗布
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塗った後は軽くマッサージして浸透を促す
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3ヶ月〜半年の継続で、頭皮のハリ・毛の弾力を感じやすくなる
育毛剤は即効性よりも“継続”がカギ。毎日の習慣に組み込みましょう。
⑥ タンパク質・亜鉛・ビタミンB群を意識して摂る
髪の主成分は「ケラチン」というタンパク質。
また、髪の生成を助ける亜鉛やビタミンB群も欠かせません。
おすすめの食材
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タンパク質:卵、鶏むね肉、豆腐、納豆、魚
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亜鉛:牡蠣、牛肉、ナッツ類
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ビタミンB群:レバー、まぐろ、玄米、バナナ
プチ習慣の工夫
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朝食にゆで卵・納豆・味噌汁をプラス
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間食をナッツやチーズに変える
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食事だけで足りない場合はサプリメントを活用
“食べるケア”も髪づくりの一部。内側からの栄養補給でハリ・コシのある髪を育てましょう。
⑦ 睡眠とストレスケアで髪の成長リズムを整える
髪は眠っている間に最も成長します。
睡眠不足やストレスで自律神経が乱れると、血行やホルモンバランスが崩れ、髪が細く弱くなります。
対策ポイント
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目安は1日6〜7時間以上の質の良い睡眠
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就寝前1時間はスマホを避け、照明を暗めにして副交感神経を優位に
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軽いストレッチや深呼吸でリラックス
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ストレスが強いときは、趣味や散歩で“脳を休ませる時間”を作る
「よく眠る・よく笑う・よく食べる」。
シンプルな生活リズムが、髪にハリ・コシを取り戻す一番の近道です。
毎日の習慣を見直して“土台から強い髪”へ

どんなに高品質なシャンプーやトリートメントを使っても、続けられなければ効果は半減します。
ハリ・コシのある髪を育てるためには、“正しいケアを毎日自然に続けられる仕組み”を作ることが大切です。
ここでは、髪の「土台力」を育てるための生活習慣の整え方を紹介します。
朝・夜のケアタイミングを固定して「習慣化」
髪のケアは“タイミング”がカギ。
気分や時間でバラつくよりも、朝と夜の決まったルーティンにすることで、髪の調子が安定してきます。
朝のケアポイント
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起きたらまず頭皮マッサージ1〜2分で血行を促進
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外出前にはUVカットスプレーやオイルで紫外線対策
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寝ぐせ直しウォーターで髪を保湿してから整える
夜のケアポイント
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帰宅後はなるべく早めにシャンプーし、皮脂や汚れをその日のうちにリセット
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乾かす前にトリートメントミルクやオイルをなじませて熱ダメージを防ぐ
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寝る前の5分間は、深呼吸+頭皮マッサージでリラックス
朝と夜の“ルーティン化”が、髪を育てるリズムを整え、自然とハリ・コシを取り戻す第一歩です。
頭皮環境を清潔に保つ“ルーティン”を作る
髪の土台である頭皮がベタついたり、乾燥したりすると、髪の成長が止まりやすくなります。
理想は「清潔+うるおいがある状態」を1日中キープすること。
そのためには、日々の小さなルーティンづくりが効果的です。
おすすめの頭皮ルーティン
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【毎日】夜はしっかりシャンプー、朝はお湯で軽くすすぐ
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【週2〜3回】育毛剤またはスカルプエッセンスで保湿&血流ケア
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【週1回】スカルプブラシや炭酸シャンプーで毛穴の汚れをリセット
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【常に】汗をかいた日はそのままにせず、ぬるま湯で軽く流すかドライシャンプーを使用
「清潔」「保湿」「血流」の3ステップを日常化することで、髪を育てる“理想的な頭皮環境”が整います。
季節ごとにヘアケアを変える工夫を
髪と頭皮は季節の影響を強く受けます。
一年を通してハリ・コシを保つには、季節ごとにケアを微調整することがポイントです。
季節別のケアのコツ
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🌸 春:花粉・黄砂・紫外線が増える時期。
→ UVスプレー+頭皮の保湿ケアを強化 -
☀️ 夏:汗・皮脂・紫外線のトリプルダメージ。
→ アミノ酸系シャンプー+冷感スカルプケアで清潔に -
🍁 秋:抜け毛が増える季節。
→ 育毛剤やエッセンスを使い、頭皮マッサージを丁寧に -
❄️ 冬:乾燥・静電気によるパサつき対策。
→ 保湿トリートメント・加湿器で水分バランスをキープ
“季節に合わせてケアを変える”ことで、髪と頭皮を一年中健やかに保ち、ハリ・コシの低下を防げます。
やってはいけないNG習慣にも注意!

どんなに丁寧なケアをしていても、間違った習慣がハリ・コシを奪っていることがあります。
実は多くの人が気づかないうちに、髪や頭皮を弱らせてしまっているのです。
ここでは、ハリ・コシをなくす主なNG習慣と、その改善策を紹介します。
高温ドライヤーでの過乾燥
髪は熱にとても弱い繊細な繊維。
ドライヤーを高温で長時間あてると、キューティクルが剥がれ、髪の内部から水分やたんぱく質が失われてしまいます。
これが続くと、髪はパサつき、コシがなくなり、切れ毛やうねりの原因にも。
改善ポイント
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ドライヤーは15〜20cm離して使う
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温風で8割乾かしたら、最後に冷風で仕上げてツヤをキープ
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温度設定は60〜80℃程度の低温モードがおすすめ
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髪を乾かす前にヒートプロテクトオイルやミルクをなじませる
“早く乾かしたい”より“髪を守る”意識が、ハリとツヤを保つ第一歩です。
過剰な洗髪・強すぎるマッサージ
「清潔に保ちたい」と思うあまり、1日に何度も洗髪したり、力任せに頭皮をこすっていませんか?
これらは逆効果で、頭皮の皮脂バランスを崩し、バリア機能を低下させます。
その結果、乾燥・炎症・抜け毛につながることも。
改善ポイント
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洗髪は1日1回が基本。皮脂を落としすぎないことが大切
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爪を立てず、指の腹でやさしくマッサージするように洗う
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2回洗いは必要な場合のみ(スタイリング剤や皮脂が多い日など)
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マッサージは“心地よい圧”で。痛いと感じるほどはNG
頭皮ケアは“やさしさ重視”。刺激を与えすぎないことが、健康な髪の土台を育てます。
偏った食事や極端なダイエット
ハリ・コシのある髪を作るには、体の内側の栄養バランスも欠かせません。
無理な食事制限や栄養不足は、髪の原料であるケラチン(タンパク質)を作れなくなり、
細く弱い髪しか生えなくなってしまいます。
改善ポイント
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毎食にタンパク質・ビタミンB群・亜鉛を意識的に取り入れる
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ダイエット中も、卵・納豆・鶏むね肉・魚などで栄養を確保
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極端な糖質制限や断食は避け、バランスの取れた食事を基本に
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必要に応じてサプリメントでサポート(亜鉛・マルチビタミンなど)
髪は“食べたもの”から作られる。健康な髪を育てるには、まず体を整えることが大切です。
カラー・パーマの頻度が多すぎる
カラーやパーマはおしゃれに欠かせませんが、薬剤ダメージが重なると髪の内部構造が壊れ、ハリ・コシが低下します。
特に月1回以上の頻度で繰り返すと、修復が追いつかなくなります。
改善ポイント
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カラーやパーマは1.5〜2ヶ月に1回程度を目安に
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同時施術は避け、1〜2週間ほど間隔をあける
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ダメージが気になるときはトリートメントカラーやヘアマニキュアを選択
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サロンでは「酸熱トリートメント」など髪の内部補修メニューを取り入れる
おしゃれとケアのバランスを取ることが、長期的に“強く美しい髪”を守るコツです。
これらのNG習慣をやめるだけでも、髪の質感は確実に変わります。
「ケアを足す」だけでなく、「ダメージ要因を減らす」ことが、
ハリ・コシのある髪を育てるためのもう一つの重要なステップです。
まとめ|髪にハリ・コシを出すには「毎日の積み重ね」が近道

髪のハリ・コシを取り戻すために大切なのは、特別なケアよりも“日々の積み重ね”です。
高価なアイテムを使うよりも、正しい洗髪・保湿・栄養バランスの取れた食事・十分な睡眠といった基本を整えることが、髪の土台を強くする一番の近道になります。
特に、頭皮の血流を促すマッサージや、アミノ酸系シャンプーによるやさしい洗浄、そしてドライヤーの温度・距離を意識するだけでも、髪のコンディションは確実に変化していきます。
また、タンパク質やビタミンB群・亜鉛など、“髪を作る栄養”をしっかり摂ることも忘れずに。外側と内側の両方からケアを続けることで、細くなった髪にも少しずつハリと弾力が戻ってきます。
髪は、毎日の積み重ねに正直です。
焦らず、自分のペースでケアを継続しながら、“芯から強く、美しい髪”を育てていきましょう。


