【医師監修】かかとのひび割れを治す方法|保湿&角質ケアの正しい手順と予防法

かかとのひび割れは「乾燥して白っぽい」「歩くと痛い」など、放置すると悪化しやすいトラブルのひとつです。特に冬場や立ち仕事が多い方は起こりやすく、見た目だけでなく日常生活にも影響を及ぼすことがあります。
この記事では、皮膚科医監修のもと、かかとのひび割れを治す正しいケア方法(保湿&角質ケア)と、悪化を防ぐための予防法 をわかりやすく解説します。今日から実践できる具体的なステップで、しっとりなめらかな足元を取り戻しましょう。
かかとのひび割れの原因とは?
かかとのひび割れは、単なる乾燥トラブルではなく、日常生活や体の変化が複合的に影響して起こります。ここでは主な原因を4つに分けて解説します。
乾燥による皮膚の水分不足
かかとは皮脂腺が少なく、もともと乾燥しやすい部位です。秋冬の乾燥した空気や冷暖房による湿度低下により、皮膚の水分が失われると角質が硬くなり、弾力を失ってひび割れが生じやすくなります。特に保湿を怠ると、表面がガサガサになり深いひび割れへと進行することがあります。
歩行や立ち仕事による摩擦・圧力
長時間の立ち仕事や歩行、サイズの合わない靴による圧迫は、かかとに負担をかけます。体重が集中することで角質が厚くなり、さらに硬化してひび割れのリスクが高まります。硬い床で裸足やスリッパを履いて過ごす習慣も、摩擦を強める要因のひとつです。
加齢や生活習慣によるターンオーバーの乱れ
年齢とともに皮膚の新陳代謝(ターンオーバー)は遅くなります。さらに睡眠不足や栄養バランスの乱れ、ストレスなどが加わると古い角質が蓄積し、皮膚が硬く分厚くなりやすくなります。その結果、弾力が低下してひび割れやすい状態になるのです。
病気が隠れているケースもある
一見ただの乾燥に見えるかかとのひび割れですが、糖尿病や甲状腺疾患、アトピー性皮膚炎、水虫(白癬)などの病気が背景にある場合もあります。こうしたケースでは、通常の保湿や角質ケアだけでは改善が難しく、医療機関での治療が必要になります。
👉 このように、かかとのひび割れには「乾燥」「物理的負担」「加齢」「病気」という複数の原因が関わっています。原因を理解することで、次のステップで紹介する正しいケア方法が効果的になります。
かかとのひび割れを治す基本の2ステップ

かかとのひび割れを改善するために大切なのは「保湿」と「角質ケア」です。この2つをバランスよく取り入れることで、ガサガサかかとがなめらかに整っていきます。
まずはしっかり保湿する
ひび割れケアの第一歩は「保湿」です。乾燥した皮膚に潤いを与え、硬くなった角質を柔らかくして、ひび割れの進行を防ぎます。
保湿のポイント
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入浴後5分以内にクリームを塗ると浸透力アップ
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尿素入りやセラミド配合のクリームがおすすめ
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ワセリンでラップパックをすると集中保湿効果が高い
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靴下を重ねることで保湿成分が逃げにくくなる
毎日継続することが重要で、1日1回よりも朝晩の2回保湿する方が効果的です。
余分な角質を正しく落とす
いくら保湿をしても、分厚くなった角質が邪魔をして浸透しにくいことがあります。そのため、適度に角質を除去して肌の表面を整えることも大切です。
角質ケアのポイント
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入浴や足湯でかかとを柔らかくしてから行う
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専用のフットファイルや軽石で“やさしく”削る
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やりすぎると逆に皮膚を傷つけて悪化するので注意
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角質ケアのあとは必ず保湿をセットで行う
理想は週1回程度。日常の保湿と組み合わせることで、徐々にやわらかいかかとに戻っていきます。
👉 ポイントは「保湿で潤いを与える」+「角質を落として浸透させやすくする」のWケア。どちらか一方ではなく、セットで取り入れることが、ひび割れ改善への近道です。
ひび割れがひどい時の応急処置

ひび割れが深く痛みを伴う場合、通常の保湿ケアだけでは追いつかないことがあります。そんなときは応急処置を取り入れて、痛みを和らげつつ治癒を助けるケアを行いましょう。
ワセリン+ラップで集中保湿
目的:かかとのひび割れ部を密閉して湿潤環境に保ち、保湿成分の蒸発を防ぎつつ、再度のひび割れ拡大を抑える。
手順:
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かかとをぬるま湯で軽く洗い、清潔にしてからタオルで水分を優しく押さえて拭く
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ひび割れ部を含め、かかと全体に ワセリン(または白色ワセリン) をたっぷり塗布
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例:健栄製薬 白色ワセリン 50g
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またはもっと柔らかいジェルタイプでのワセリンも可:ヴァセリン オリジナル ピュアスキンジェリー 40g
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ワセリンを塗った上から、食品用ラップ(またはサランラップ)をひび割れ部を覆うように軽く巻く
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上から綿の靴下をはめて固定する
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そのまま 30分〜1時間程度 放置し、潤いを浸透させる
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ラップを取り除いた後は、軽く拭き取り、再度薄くワセリンを重ね塗りして保湿状態を持続させる
ポイント:
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ラップはきつく巻きすぎないように。血行を妨げないゆるさが望ましい
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長時間(たとえば就寝中ずっと)は行わない方がよい。湿気や雑菌のリスクがあるため
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週に数回、この集中保湿を行いつつ、普段の保湿ケアに戻すと効果的
市販のかかと用保護パッドを活用
ひび割れ部に直接の摩擦や靴とのこすれが加わると、治りが遅くなったり痛みが強くなったりします。そうした刺激を和らげるために、かかと用保護パッドを使うのが有効です。
使い方と選び方:
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ジェルタイプ/シリコン素材ならクッション性があり、靴とのあたりをやわらげてくれる
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粘着タイプやシールタイプでパッドがずれないよう貼れるものを
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厚みがありすぎると靴がきつく感じることがあるので、薄めで目立たないタイプが実用的
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靴の内側(かかと部分)に貼る、またはパッドをかかとの皮膚側に貼って直接防護する使い方もある
おすすめ製品例:
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シダス ヒールパッド(Gel Heel Pads) — ジェル素材でクッション性があり、靴中の衝撃を緩和
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Finoa ヒールパッド インソール — 薄型で取り扱いやすく、複数の靴に使いやすい
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さらに、国内の市販例としては以下のものが挙げられます:
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コロンブス「かかと靴ぬげ防止クッションパッド」
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モリト「is-fit かかと靴ズレ防止パッド」
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これらを、ひび割れ部を直接覆うように使えば、靴や歩行時の摩擦から守られ、治癒期間中の刺激を軽減できます。
歩行時の痛みを軽減する工夫
応急処置だけでなく、日常動作の中でできる工夫も一緒に取り入れましょう。
工夫例:
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クッション性の高い靴 を選ぶ:ソールにショック吸収性のある素材を使ったスニーカー等
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インソールや中敷き を併用する:かかと部に厚みを持たせ、荷重を分散するタイプのもの
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かかとサポーター を使う:かかとを包み込み、圧力を分散するサポーターを併用する
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歩き方を工夫:かかとから着地しないように、やや足裏全体で着地するよう意識
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歩行中の保護テープ:ひび割れ部にハイドロコロイドや絆創膏を貼って、靴との直接摩擦を避ける
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靴のストラップ調整:靴がゆるくかかとが動く場合はストラップや紐をきつめにしてズレを防止
このように、ひび割れが深く痛みを伴うケースでは、ラップ+ワセリン集中保湿 や かかと保護パッドの併用、さらに歩行時の環境整備を組み合わせて対処するのが効果的です。
かかとケアを効果的にする5つのポイント

ひび割れケアは一時的に治すだけでは不十分です。毎日の習慣にちょっとした工夫を取り入れることで、かかとの潤いと柔らかさを長くキープできます。ここでは効果を高めるための5つのポイントを紹介します。
入浴後の保湿で浸透力アップ
お風呂や足湯の後は、皮膚が柔らかくなり、保湿成分が浸透しやすいゴールデンタイムです。
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タオルで水分を軽く押さえたら、すぐにクリームを塗布
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尿素配合クリームなら角質を柔らかく、セラミド配合なら水分保持力をサポート
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冬場は靴下を重ねて「保湿+保温」でダブル効果
“入浴後5分以内の保湿”を習慣にすると、潤いが定着しやすくなります。
靴下やスリッパで乾燥を防ぐ
かかとは外気に触れるとすぐ乾燥します。室内でも油断せず、保湿後は靴下やスリッパで保護しましょう。
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綿やシルクなど通気性の良い素材を選ぶ
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就寝時は「かかと保湿用靴下」やジェルパッド付きソックスを使うと便利
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夏場はエアコンによる乾燥対策にも有効
直接床に触れさせないだけでも乾燥や摩擦を防げます。
ビタミン・タンパク質を意識した食事
外側のケアだけでなく、体の内側から皮膚を整える栄養も大切です。
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ビタミンA・E:皮膚の再生と血行促進(緑黄色野菜・ナッツ類)
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ビタミンC:コラーゲン生成を助ける(柑橘類・キウイ・ブロッコリー)
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タンパク質:皮膚や角質の材料になる(肉・魚・卵・大豆製品)
バランスの良い食事が、かかとの修復力を高めます。
睡眠で肌の回復力を高める
皮膚のターンオーバーは、睡眠中に最も活発に行われます。
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理想は 6〜7時間以上の質の良い睡眠
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就寝前はスマホやカフェインを控え、自律神経を整える
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寝る前に軽いストレッチをすると血流も促進
「眠っている間にかかとが修復される」と意識するだけで、睡眠習慣の見直しにつながります。
定期的なフットケア習慣をつける
ひび割れ対策は継続がカギです。週に1回はセルフケアの時間をとりましょう。
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足湯で角質を柔らかくしてから、やさしくフットファイルでケア
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ケア後は必ず保湿をセットで行う
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ネイルサロンやフットケア専門店を利用するのもおすすめ
「日曜の夜はフットケア」といった習慣化で、無理なく続けられます。
👉 ポイントは 外側からの保湿+内側からの栄養+生活習慣の見直し を組み合わせること。
この5つを意識することで、ひび割れを繰り返さない“なめらかかかと”が手に入ります。
やってはいけないNGケア

かかとのひび割れは正しいケアで改善できますが、間違った方法を続けると症状が悪化したり、治りが遅くなることがあります。ここでは、特に注意したいNGケアを3つ紹介します。
カミソリや硬いヤスリで削りすぎる
かかとの角質を早く落とそうとして、カミソリで皮膚を削ったり、硬いヤスリでゴシゴシ削るのは危険です。
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削りすぎると角質の下の皮膚が傷つき、出血や感染の原因になる
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皮膚は防御反応でさらに角質を厚くし、結果的に悪化することもある
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フットファイルや軽石を使う場合は「やさしく・短時間」を意識し、週1回程度にとどめるのが理想
角質ケアは「削り取る」より「柔らかくして整える」イメージが大切です。
アルコール入り化粧水で乾燥を悪化させる
顔用の化粧水やボディケア用品の中には、アルコール成分が含まれているものがあります。
しかし、アルコール入り化粧水はかかとの乾燥をさらに進める原因になるため避けましょう。
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ひび割れ部分は特に敏感になっており、刺激やしみる痛みを感じやすい
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保湿効果が不十分で、逆にガサガサが悪化することもある
かかとには、尿素・セラミド・シアバター・ワセリンなど、保湿力が高く刺激の少ない成分を選ぶのが正解です。
ひび割れを放置する
「そのうち治るだろう」と放置してしまうのもNGです。
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ひび割れが深くなり、出血や感染につながるリスクがある
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歩行時の痛みで生活に支障が出ることもある
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乾燥が続けば慢性的に繰り返す「治りにくいかかと」になってしまう
初期の段階から保湿+角質ケア+保護を組み合わせて、早めに対処することが重要です。
👉 ポイントは、「やりすぎ」「間違ったアイテム」「放置」が悪化の原因になるということ。かかとケアはやさしく、正しい方法で継続するのが一番の近道です。
ひび割れ知らずのかかとをキープする予防法

毎日のちょっとした保湿習慣
かかとのひび割れを防ぐには、「毎日少しのケアを継続する」ことが最大のポイントです。入浴後や就寝前に、ボディクリームやかかと用の保湿クリームをなじませるだけで、乾燥を防ぎやすくなります。特に就寝前は、保湿剤を塗った後にコットン素材の靴下を履くと、蒸発を防ぎ、浸透力が高まります。短時間でも継続すれば、ひび割れにくいかかとをキープできます。
季節ごとのケアを取り入れる
季節によって、かかとにかかる負担は変わります。冬は乾燥、夏はサンダルによる摩擦でトラブルが増えやすいため、シーズンごとにケアを調整するのがおすすめです。冬はワセリンやシアバターのような高保湿アイテムを厚めに塗布し、夏は汗や摩擦による角質肥厚を防ぐため、軽めの保湿と定期的な角質ケアを組み合わせましょう。
合わない靴・乾燥した環境を避ける
かかとのひび割れは、外的要因でも悪化しやすいため注意が必要です。サイズの合わない靴や硬い素材の靴を長時間履くと、摩擦と圧力で角質が厚くなり、ひび割れの原因に。また、冷房や暖房の効いた乾燥環境に長時間いると、水分が奪われやすくなります。可能であれば加湿器を使ったり、靴のインソールを調整するなどして、かかとへの負担を減らす工夫をしましょう。
👉 こちらをまとめると、「毎日のちょっとした保湿+季節に合わせた工夫+靴や環境への配慮」が、ひび割れ予防の3本柱です。
まとめ|かかとのひび割れを治すには「保湿+角質ケア」が基本!

かかとのひび割れは、乾燥や摩擦、生活習慣の乱れなど、複数の要因が重なって起こります。放置すると痛みや歩行の不快感につながるだけでなく、感染症のリスクもあるため、早めの対策が重要です。
改善と予防の基本はシンプルで、
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しっかり保湿すること
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余分な角質を正しく落とすこと
この2ステップを継続することが、一番効果的なケア方法です。さらに、応急処置や食事・睡眠といった生活習慣の見直しもプラスすれば、より早く回復し、再発も防げます。
毎日のちょっとした習慣が、柔らかくて健康的なかかとを守るカギです。今日からできることから始めて、ひび割れ知らずの足元をキープしていきましょう。
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