心がしんどいときの過ごし方|頑張らない休息で心をゆるめるヒント集
なんとなく元気が出ない日、理由もなく心が重たく感じる日――そんな「しんどい時間」は、誰にでも訪れるものです。
でもそこで、「ちゃんとしなきゃ」「もっと頑張らなきゃ」と自分にムチを打っていませんか?
本当に心が疲れているときに必要なのは、「頑張ること」ではなく「頑張らないこと」。
このページでは、そんな“頑張らない休息”の考え方と、心がしんどいときに実践できる過ごし方をやさしくご紹介します。
無理せず、自分を休ませる力を取り戻すためのヒントを、そっとお届けします。
「心がしんどい」は誰にでもある。無理しないで大丈夫
理由がわからなくても、落ち込む日があっていい
「なんだか気分が重い」「涙が出そうになる」──そんな日が理由もなくやってくることがあります。
でもそれは、あなたが弱いからではありません。心はいつも一定ではいられません。気圧やホルモン、睡眠不足、ちょっとした人間関係のズレ。はっきりとした原因がわからなくても、心は正直に反応しているのです。
無理に「元気でいなきゃ」と思う必要はありません。
落ち込むことも、心の大切な調整反応のひとつ。
何かがおかしいとサインを出してくれている、回復のはじまりでもあるのです。
だから、「落ち込んでる自分」を責めずに、まずは「今しんどいんだな」と認めてあげましょう。
「元気にならなきゃ」と思わなくていい
心が疲れているとき、「早く元気にならないと」「前向きにならなきゃ」と焦ってしまうことがあります。
でも、その“元気になる努力”が、かえってしんどさを増してしまうことも。
本当に必要なのは「元気になること」よりも、「しんどい今の自分にOKを出すこと」。
エネルギーがないときは、無理に回復を目指さなくていいんです。
たとえば、
・布団の中で深呼吸するだけ
・温かい飲み物をゆっくり飲む
・「何もしない時間」を10分だけ作る
そんな些細なことで、心は少しずつ落ち着きを取り戻していきます。
今は「頑張らない」ことこそが、最大のセルフケア。
回復は“自然と戻ってくるもの”だと信じて、自分を追い詰めないようにしましょう。
心が疲れているサインに気づこう
小さな不調に気づける自分でいることが大切
心の疲れは、ある日突然やってくるわけではありません。
じつは、日々の中で“小さな違和感”として、少しずつ現れていることが多いのです。
たとえば──
-
いつもより朝起きるのがつらい
-
好きだったことに興味が湧かない
-
人の声に妙にイライラしてしまう
-
何もしてないのに涙が出そうになる
こうした小さな不調は、心からの「ちょっと休んで」のサイン。
忙しい毎日の中で見落としてしまいがちですが、このサインに早く気づくことが、心を守る第一歩になります。
「気のせいかな」と流さずに、立ち止まって自分の心に耳を傾けてみましょう。
“気づけること”が、何よりもあなたの味方になります。
「なんとなくツライ」も立派なサイン
明確な理由がないのに、なんだかモヤモヤしたり、心が重たく感じたりすることはありませんか?
そんなとき、つい「自分が弱いだけかも」「甘えてるのかな」と思ってしまいがちですが、それは違います。
理由が説明できなくても、「なんとなくツライ」と感じているなら、それは**ちゃんとした“心のサイン”**です。
心は言葉でうまく表現できない不調を、感覚や気分の変化で教えてくれます。
だから、「理由がわからない=我慢すべき」ではなく、
「理由がわからないからこそ、今は無理しないでおこう」と考えてみてください。
ツラさに“理由づけ”をしなくてもいいのです。
ただ、「今はしんどいんだ」と気づいてあげること。それだけで、心は少しずつラクになっていきます。
頑張らない休息とは?ただ“休む”とは違う考え方
何もしない時間にこそ、心は回復する
「ゆっくり休もう」と思っても、ついスマホを見続けてしまったり、録画を一気見したり……。
一見リラックスしているようでも、頭や心がずっと動いていると、実は休息にはなっていないこともあります。
“頑張らない休息”とは、何かを「しなきゃ」と思わなくていい時間をつくること。
ただぼーっとしているだけ。
天井を見つめる、窓の外を眺める、湯船にただ浸かる──
そんな“何もしない”時間にこそ、心は静かに回復を始めます。
現代は「生産的であること」が求められがちですが、心が疲れているときに必要なのは、むしろ“生産しない時間”。
無理に気分を変えようとせず、「何もしない自分」を許してあげてください。
それが、心を癒す第一歩になります。
“気力ゼロ”でもできる過ごし方がある
「休もう」と思っても、疲れすぎて動く気力すらない――そんな日もありますよね。
そんなときは、「できることを探す」のではなく、「できなくてもOK」と自分に言ってあげましょう。
それでも何かしたくなったら、気力ゼロでもできる“心をいたわる行動”をひとつだけ。
たとえば:
-
温かいお茶をいれる
-
好きな毛布にくるまる
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柔らかい音楽を小さく流す
-
カーテンを開けて自然光を感じる
-
「今日は生きてるだけでOK」とつぶやいてみる
どれも、「ちゃんと休む」ためのやさしいアクションです。
頑張るための元気がないなら、頑張らなくてもいいんです。
“休むことをがんばらない”と決めた瞬間から、心は少しずつほぐれていきます。
心がしんどいときにおすすめの過ごし方7選
1. スマホやSNSから少し離れる
情報が溢れるスマホやSNSは、知らず知らずのうちに心を疲れさせています。
「誰かと比べて落ち込む」「刺激が強くて気持ちが乱れる」──そんなときは、スマホを一時的に遠ざけてみましょう。
通知をオフにするだけでも、心のノイズが減ります。
“見るのをやめる”ではなく、“ちょっと置いておく”感覚でOK。
その静けさが、心の回復にとても効果的です。
2. 好きな香りや音で「安心」を感じる
疲れているときは、言葉よりも感覚のほうが心に届きやすいもの。
お気に入りの香り(アロマや柔軟剤の香りなど)や、心が落ち着く音楽を流してみてください。
好きな香りを吸い込んで、ゆっくり深呼吸。
穏やかな音楽に包まれて、目を閉じて数分過ごすだけでも、心がふっと軽くなることがあります。
3. ぼーっと空を眺めるだけでもいい
窓を開けて、空や雲をただ見上げてみましょう。
頭の中がいっぱいになっているときこそ、“考えること”をやめる時間が必要です。
空には意味も答えもありません。ただ、そこにあるだけ。
その自由さに、心が共鳴して、少しずつ呼吸が深くなっていきます。
天気に関係なく、「空を見る時間」は、心を整える自然なセラピーになります。
4. 思いをノートに書き出してみる
モヤモヤした気持ちや、言葉にしにくい感情は、頭の中に溜めずにノートに書き出してみましょう。
「どうしてこんなにしんどいんだろう」と思っていることを、そのまま書くだけでかまいません。
書くことで、気持ちの整理が進みます。
答えが見つからなくても、書くという行動そのものが、心の“ガス抜き”になります。
5. 安心できる人と少し話してみる
誰かと話すことで、気持ちがやわらぐことがあります。
でも無理に「前向きな会話」をしようとしなくて大丈夫。
ただ、「今日ちょっとしんどくて…」とこぼすだけでOKです。
安心できる人に言葉を届けると、自分の心も“聴いてもらえた”と感じてホッとします。
相手にアドバイスを求めなくても、会話の中に小さな癒しが宿ることもあります。
6. 小さな「できたこと」を見つける
心がしんどい日は、「何もできてない」と感じがちです。
でも、たとえば──
・顔を洗えた
・水を飲めた
・着替えられた
それだけでも、十分“できたこと”です。
できたことに目を向けると、心の自己評価がやさしくなります。
小さな達成をひとつずつ重ねることが、自己肯定感の回復につながります。
7. 自分を責めない言葉を選ぶ
しんどいときほど、「こんな自分じゃダメだ」「甘えてるだけ」と、自分に厳しい言葉を向けてしまいがちです。
でも今、あなたに必要なのは“叱咤”ではなく“いたわり”です。
たとえばこんな言葉を自分にかけてあげましょう:
-
「よく頑張ってるね」
-
「疲れてるのも無理ないよ」
-
「今日はこれでじゅうぶん」
言葉は心に影響します。
優しい言葉をかけ続けることで、少しずつ自分を労わる感覚が戻ってきます。
どうしてもしんどいときは「逃げてもいい」
心が壊れる前に、立ち止まる選択を
心が限界に近づいているとき、「あと少しだけ頑張ろう」と思ってしまうことがあります。
でも、その“あと少し”が、心と体に大きな負担をかけてしまうこともあるのです。
もし、「もう無理かも」と感じたら、逃げることを怖がらなくて大丈夫。
逃げる=負ける、ではありません。むしろそれは、「これ以上、自分を壊さないための強い選択」です。
学校でも仕事でも、人間関係でも、苦しさが続くなら一度立ち止まってください。
立ち止まることで、見える景色が変わります。
本当の意味で前に進むためには、「止まる勇気」が必要なときもあるのです。
“回復するまで何もしない”のも大事な行動
心がしんどいとき、「せめて何かしなきゃ」と焦る気持ちになるかもしれません。
でも、“何もできない状態”こそが、心からのSOSです。
そんなときは、「何もしない」を“する”と決めてみてください。
横になるだけでもいい。眠れるなら眠る。テレビも見ずに、ただ布団にくるまっている──
それでいいのです。
何もしない時間は、決してムダではありません。
その間に、心と体は静かに整っていきます。
回復には時間がかかって当たり前。焦らず、自分のリズムを信じてあげましょう。
「何もしないこと」が、“前に進むための力”になる日が、必ず来ます。
まとめ|「頑張らない休息」が、あなたを守ってくれる
調子が悪い日は、自分のペースで過ごそう
毎日、同じように元気でいようとするのは、実はとても難しいこと。
天気のように、心にも“晴れの日”もあれば“曇りの日”もあるものです。
今日は調子が悪いな、何をする気にもなれない──そんな日は、頑張らなくてもいい日。
自分のペースで、静かに過ごすことを自分に許してあげましょう。
「今日やらなくてもいいこと」は、意外とたくさんあるもの。
ゆっくり眠る、お風呂に入る、ご飯を食べる。
それだけで、十分“自分を生かすこと”につながっています。
“自分を休ませる力”も立派なスキル
何かを成し遂げる力や、人に気を使える力も素晴らしいけれど、
自分をきちんと休ませる力も、それと同じくらい大切な力です。
疲れているときに「がんばらない」という選択をするのは、決して怠けでも逃げでもありません。
それは、自分の命を守り、未来につなげるための勇気ある行動です。
これからは「頑張らなかった自分」も、ちゃんと認めてあげてください。
そうすることで、心の土台が少しずつ安定し、必要なときには自然と動けるようになります。
休むことは、前に進むための準備期間。
あなたの“頑張らない時間”が、あなた自身を静かに守ってくれます。


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