立ち上がった瞬間、「クラッ」と視界が暗くなったり、ふらつきを感じたことはありませんか？
このような“立ちくらみ”や“めまい”は、疲れやストレスのせいだと見過ごされがちですが、血圧や自律神経の乱れ、貧血などが原因の場合もあります。
一時的なものなら問題ありませんが、頻繁に起こる場合は要注意。
この記事では、立ち上がるとめまいがする主な原因と、今すぐできる正しい対処法・予防策を分かりやすく解説します。
日常生活の中で無理なく実践できる改善ポイントも紹介するので、ぜひ今日からチェックしてみましょう。
立ち上がったときの“ふらつき・めまい”はなぜ起きる？
椅子や布団から立ち上がった瞬間に「クラッ」とめまいがする――そんな経験はありませんか？
このような“立ちくらみ”は、体の血流が一時的に乱れることで起こります。
特に、脳に十分な血液が届かなくなると、目の前が暗くなったり、ふらつきを感じたりすることがあります。
一見よくある症状ですが、血圧・血流・自律神経・体内の水分や酸素量など、さまざまな要因が関係しています。
以下で、主な原因と対策を詳しく見ていきましょう。
よくある原因①：血圧が急に下がる「起立性低血圧」
座っていた状態から立ち上がると、重力の影響で血液が下半身に一時的にたまり、脳への血流が減少します。
通常は自律神経が働いて血圧を調整しますが、その反応が遅れると一瞬“脳が酸欠状態”になり、めまいが起こります。
これが起立性低血圧です。
✅対策
立ち上がるときは「一呼吸おいてゆっくり」動く
長時間同じ姿勢を避け、軽く足を動かしてから起き上がる
水分・塩分をしっかり摂って血圧を安定させる
睡眠不足や疲労をためないことで自律神経の働きを保つ
朝起きるときは「上体を起こす→しばらく座る→ゆっくり立つ」という手順を意識しましょう。
よくある原因②：脳や内耳の血流バランスが乱れている
めまいは「三半規管」や「前庭神経」など、平衡感覚をつかさどる内耳の働きが乱れたときにも起こります。
血流が悪化して内耳に十分な酸素が届かないと、体が実際には動いていないのに“グラグラ揺れる感覚”が起きるのです。
✅対策
長時間のデスクワークやスマホ操作で首・肩を固めない
首まわりを温めて血流を促す（蒸しタオルや入浴も◎）
ストレッチで肩甲骨や首筋をほぐす
適度な運動（ウォーキングなど）で全身の血流を改善
血流改善は、内耳だけでなく脳への酸素供給にも良い影響を与えます。
よくある原因③：貧血や脱水など、体内の酸素不足
血液中の酸素を運ぶ「ヘモグロビン」が不足していると、立ち上がり時に脳が酸欠状態になりやすくなります。
また、脱水によって血液がドロドロになっている場合も、血流が滞り、めまいを起こす原因に。
✅対策
水分をこまめに摂る（理想は1日1.5〜2Lを目安）
鉄分・たんぱく質・ビタミンB群を意識して摂取する
（レバー、赤身肉、ほうれん草、あさり、納豆など）夏場や運動時は“経口補水液”を取り入れて電解質も補給
女性やダイエット中の人は、栄養バランスの偏りから貧血を起こしやすいため要注意です。
ストレスや睡眠不足が“自律神経の乱れ”を引き起こすことも
自律神経は血圧や心拍、体温調整などをコントロールしています。
しかし、ストレス・不規則な生活・睡眠不足が続くと、交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、血圧調整がうまくいかなくなります。
結果として、立ち上がり時に“ふらつき”が出やすくなります。
✅対策
睡眠時間を6〜7時間以上確保し、同じ時間に起床する習慣をつける
スマホやPCを寝る直前まで見ないようにする
深呼吸・ストレッチ・入浴でリラックス時間をつくる
カフェインやアルコールの摂りすぎに注意
“めまい”は体からの「休ませて」のサインでもあります。
ストレスや過労を感じたときは、まず心身のリセットを心がけましょう。
めまいが起こりやすい人の特徴とは？
めまいは一時的な体調不良と思われがちですが、体質や生活リズムによって起こりやすい人がいます。
特に、血流のコントロールや自律神経の働きに影響を受けやすい人は注意が必要です。
自分がどのタイプに当てはまるかを理解することで、日常の小さな工夫で予防・改善ができます。
低血圧・貧血・冷え性の人は特に注意
低血圧や貧血、冷え性の人は、体のすみずみまで血液を送り届ける力が弱く、脳が一時的に酸素不足になりやすい体質です。
特に立ち上がったときに血液が下半身に集まり、脳への血流が減ることで「クラッ」とふらつくことがあります。
✅対策
水分＋塩分をこまめに補給：血流量を安定させ、立ちくらみを予防
朝食を抜かない：低血糖によるめまいを防ぐ
体を温める習慣をつける：白湯・入浴・温かい服装で冷えを軽減
鉄分・たんぱく質・ビタミンB12をしっかり摂取：貧血体質の改善に効果的
💡ワンポイント
寝起きに布団の中で“足首を回す・手を握る開く”などの軽い運動をすると、血流がスムーズになり立ち上がり時のめまいを防げます。
朝起きたときや長時間同じ姿勢でいたあとに起こりやすい
朝やデスクワーク後など、長時間同じ姿勢でいたあとに立ち上がるとめまいが出やすいのは、血流が一時的に滞っているためです。
また、睡眠中は水分を失っているため、朝は軽い脱水状態になっていることも原因になります。
✅対策
起床時はゆっくり動く：「横→座る→立つ」の順に体を起こす
起きたらまずコップ1杯の水を飲む：脱水による血流低下を防止
デスクワーク中は1時間に1回立ち上がって体を動かす
軽いストレッチや深呼吸で血流を促進
💡ワンポイント
“動作を急に変える”ことが一番のリスク。
とくに朝は、自律神経がまだ切り替わっていないため、「ゆっくりペース」を意識することが予防の鍵です。
女性・10代〜20代に多い「自律神経性のめまい」
10代〜20代の若い女性に多いのが、自律神経の乱れによるめまいです。
成長期・月経周期・ホルモンバランスの変化などで血圧調整が不安定になり、脳への血流が低下することでふらつきを感じます。
また、過度なダイエットやストレス、睡眠不足も大きな引き金になります。
✅対策
規則正しい生活リズムを整える（起床・就寝・食事の時間を一定に）
朝日を浴びる習慣をつける：体内時計をリセットして自律神経を整える
無理なダイエットを避け、栄養バランスを意識する
ストレス発散の時間を意識的につくる（深呼吸・散歩・入浴など）
💡ワンポイント
ホルモンの影響で「月経前にめまいが強く出る」人も多くいます。
その場合は、体を冷やさない・睡眠をしっかり取るなど、“休む日”を作る意識が大切です。
🔸まとめ
めまいが起こりやすいのは「血流が滞りやすい体質」または「自律神経の乱れ」
水分・栄養・休息の3つを整えることが最大の予防策
特に“朝の動作”と“姿勢の切り替え方”を意識するだけで、発生頻度を大きく減らせます
自宅でできる正しい対処法と予防策
立ち上がったときに起こるめまいの多くは、血流の乱れや一時的な酸欠が原因です。
重い疾患が隠れていない限り、日常生活の中での「動作・水分・生活リズム」の工夫で改善できることが多くあります。
ここでは、今すぐ実践できる自宅での対処法と、再発を防ぐための予防習慣を紹介します。
まずは“座る・うつむく”など安全を確保して休む
めまいを感じたときは、まず倒れないように体を支えることが最優先です。
無理に動こうとすると、転倒やケガにつながる危険があります。
✅対処のポイント
その場にしゃがむ、または椅子や壁に手をついて体を安定させる
頭を軽く下げて（うつむく姿勢）、脳に血液を戻す
できるだけ深呼吸をして、呼吸を整える
周囲の人がいる場合は「少し休みます」と声をかけてサポートを受ける
💡ワンポイント
数十秒～1分程度でおさまることが多いですが、症状が続く場合はそのまま横になって安静に。
無理に立ち上がらず、落ち着いてから動き出しましょう。
ゆっくりと立ち上がる“姿勢の工夫”で予防
立ち上がり時のめまいを防ぐためには、「急な動作を避ける」ことが基本です。
座っている・寝ている姿勢から立ち上がるとき、血圧が一時的に下がりやすいため、動作に“間”をつくるのがポイントです。
✅具体的な立ち方
寝ている場合：まず上体を起こして、30秒ほど座ったまま待つ
足を軽く動かして血流を促してから、ゆっくり立ち上がる
立ち上がる瞬間に息を止めない（呼吸を続ける）
✅日常の注意
朝起きるときは、布団の中で軽く手足を動かしてから起きる
デスクワーク中も急に立ち上がらず、姿勢を整えてから動く
💡コツ：
「立ち上がる＝瞬発的動作」ではなく、“3秒かけて動く”意識を持つだけで発生頻度が減ります。
水分・塩分をしっかりとることで血流を安定させる
めまいの背景には、脱水や塩分不足による血圧低下が隠れていることがあります。
特に朝・入浴後・運動後は体内の水分が減っており、血流が滞りやすい状態です。
✅対策
朝起きたらコップ1杯の常温水を飲む
1日あたり1.5〜2Lを目安に水分補給を心がける
汗をかいたときは、水＋塩分（経口補水液・味噌汁・梅干し）で補う
コーヒーや緑茶など利尿作用のある飲み物は、摂りすぎに注意
💡おすすめ：
冷たい水より常温水や白湯が◎。胃腸に負担をかけず、血行促進にもつながります。
生活習慣を整えて“自律神経の乱れ”を改善する
自律神経は、血圧・心拍・血流などを自動でコントロールしています。
ストレス・睡眠不足・不規則な生活が続くと、そのバランスが崩れ、血圧調整がうまく働かなくなります。
✅改善ポイント
就寝・起床時間を一定にして“体内リズム”を整える
夜はスマホやPCを寝る30分前にはオフにする
朝日を浴びる習慣をつけて自律神経をリセット
入浴は38〜40℃のぬるま湯で15分ほどリラックス
適度な運動（ウォーキング・ストレッチ）で気分転換
💡コツ：
「寝不足」「冷え」「ストレス」の3つは自律神経を乱す代表的な要因。
1日15分でも“リラックスタイム”を作ることで、めまいの再発を防ぎやすくなります。
軽いストレッチや朝の運動で血流を促すのも効果的
血液の巡りが悪いと、脳への酸素供給が減って立ちくらみを起こしやすくなります。
そのため、軽い運動で“めぐりのよい体”をつくることが大切です。
✅おすすめ習慣
朝起きたら深呼吸＋肩回し＋首のストレッチをセットで
デスクワークの合間に足首を回す・かかと上げ下げを行う
1日10〜15分のウォーキングを習慣にする
体を温める「ゆるヨガ」や「ストレッチ」もおすすめ
💡ワンポイント
激しい運動は逆効果になることも。
“心地よい負荷”で続けることが、自律神経と血流のバランスを保つコツです。
🔸まとめ
めまい時は「安全確保→安静→深呼吸」が基本
普段から“ゆっくり立ち上がる・こまめに水分補給”を意識
自律神経を整える生活習慣と、軽い運動で再発予防を
受診すべきめまいのサインとは？
立ち上がったときに起こる軽いめまいは、多くの場合、一時的な血流の変化によるものです。
しかし、頻繁に繰り返す・長時間続く・他の症状を伴う場合は、体の異常が隠れていることがあります。
ここでは、放置せず医療機関での受診が必要なサインを具体的に紹介します。
頻繁に起こる・長時間続くめまい
立ち上がるたびに頻繁にめまいが起こる、または数分以上ふらつきが続く場合は、単なる「一時的な立ちくらみ」ではなく、血圧調整機能や自律神経、内耳の異常が関係している可能性があります。
特に、次のような状態が続く場合は要注意です。
🚨チェックポイント
1日に何度も立ちくらみを感じる
めまいが数分以上続いておさまらない
横になっても回転するようなめまいがする
ふらつきで転びそうになることがある
✅対策・対応
まずは体を横にして安静にし、症状が落ち着くか確認
生活習慣で改善しない場合は、早めに医療機関を受診
血圧や脈拍を自宅でチェックできると原因特定に役立ちます
吐き気・耳鳴り・しびれ・視覚異常を伴う場合
めまいに加えて吐き気・耳鳴り・難聴・手足のしびれ・視覚異常などがある場合は、
内耳や脳のトラブル（メニエール病、脳梗塞、脳出血など）が関係していることがあります。
🚨受診が必要なサイン
回転性のめまいとともに耳鳴り・難聴がある（→内耳性めまいの疑い）
ろれつが回らない、片側の手足がしびれる（→脳血管障害の可能性）
めまいに加えて強い頭痛や吐き気を伴う
✅対策・対応
症状が急に出たらすぐに横になって安静にする
改善しない場合や神経症状を伴うときは、救急受診を検討
めまいが続く場合は、耳鼻咽喉科や神経内科で**画像検査（MRIなど）**を受けるのが安全です
💡補足
特に耳鳴り＋めまい＋難聴がセットで起こる場合は、「メニエール病」など内耳の異常が疑われます。
放置せず早めの診察が大切です。
意識が遠のくような立ちくらみは“脳や心臓疾患”の可能性も
「目の前が真っ暗になる」「意識が遠のく」「倒れそうになる」などの症状は、脳や心臓に十分な血流が届いていないサインかもしれません。
特に中高年の場合、不整脈・心不全・脳血管疾患などが原因のこともあります。
🚨危険な症状の例
一瞬気を失う・意識が飛ぶ
立ちくらみと同時に胸痛や動悸を感じる
立ち上がると強い息切れがある
✅対策・対応
すぐに横になり、足を少し高くして脳への血流を確保
繰り返す場合は、循環器内科・神経内科の受診が必要
血圧計で異常がないかチェックし、医師に経過を伝える
💡ポイント
意識を失う・倒れるめまいは「失神」に分類される場合もあり、放置は危険。
心臓や血管の異常が早期に見つかることもあるため、必ず医師の判断を仰ぎましょう。
受診の目安：内科・耳鼻咽喉科・循環器科をチェック
めまいの原因は、血圧・内耳・脳・心臓など多岐にわたるため、症状のタイプ別に受診先を選ぶことが大切です。
🩺症状別の受診先ガイド
| 症状の特徴 | 受診科目 | 想定される主な原因 |
|---|---|---|
| 立ち上がり時のふらつき・疲労感 | 内科 | 起立性低血圧・貧血・脱水 |
| 回転性めまい・耳鳴り・難聴 | 耳鼻咽喉科 | 内耳障害・メニエール病 |
| 意識が遠のく・胸の圧迫感 | 循環器科 | 不整脈・低血圧・心疾患 |
| ろれつが回らない・しびれ・強い頭痛 | 神経内科 | 脳梗塞・脳出血など脳疾患 |
✅受診前に準備しておくとよい情報
めまいが起きるタイミング（朝・立ち上がり時など）
めまいの持続時間
伴う症状（耳鳴り・吐き気・しびれ など）
服用中の薬・既往歴
💡ワンポイント
症状を記録しておくと、診察時に原因特定がスムーズになります。
「いつ・どんな状況で・どのくらい続いたか」をメモしておきましょう。
🔸まとめ
頻繁・長引く・他の症状を伴うめまいは病院受診を！
吐き気・耳鳴り・しびれ・意識低下を伴うときは特に注意
原因がわからない場合は、まず内科 → 必要に応じて専門科へ紹介を
まとめ｜立ち上がるとめまいがするなら、まず生活習慣を見直そう
立ち上がったときに感じるめまいの多くは、血流の乱れや自律神経の不調が関係しています。
急に立ち上がったときに血圧が下がる「起立性低血圧」や、睡眠不足・ストレス・栄養不足などが重なることで、体がうまくバランスを取れなくなってしまうのです。
まずは、水分と塩分をしっかり補給し、朝や入浴後に急に立ち上がらないようにすること。
そして、規則正しい睡眠・食事・適度な運動を意識して、体内リズムを整えましょう。
ただし、めまいが頻繁に起こる・長時間続く・吐き気やしびれを伴う場合は、
脳や心臓、内耳などの疾患が隠れていることもあります。
その場合は自己判断せず、早めに内科や耳鼻咽喉科を受診することが大切です。
毎日の小さな習慣の積み重ねで、立ちくらみやめまいは確実に減らせます。
「最近よくふらつくな」と感じたら、まずは体の声に耳を傾け、生活を整えることから始めましょう。
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