顔の赤みが気になる…皮膚が薄い人に多い原因と正しいスキンケア法とは?
鏡を見るたびに気になる「顔の赤み」。頬や鼻まわりがいつもほてったように見える、ちょっとした刺激で赤くなる――そんな悩みを抱えていませんか?
その原因のひとつに、「皮膚が薄いこと」が関係している場合があります。バリア機能が弱く、刺激に敏感な肌は、外からの影響を受けやすく、赤みが慢性化しがちです。
この記事では、皮膚が薄い人に多い赤みの原因から、肌をやさしく守るスキンケア法、生活習慣の見直しポイントまで、やさしく丁寧に解説します。
「赤みやすい肌」と上手に付き合うヒントを、一緒に探してみませんか?
顔の赤みが気になる…それ、皮膚が薄いことが原因かも?
赤ら顔になるメカニズムとは?
顔の赤みが目立つのは、ただの「日焼け」や「ほてり」ではないかもしれません。実は、皮膚の構造に深く関係しています。
肌の一番外側にある「角質層」は、外部刺激から肌を守る“バリア”のような役割を果たしています。しかし、この角質層が薄くなると、紫外線や乾燥、化粧品の成分などに肌が敏感に反応してしまい、赤みやヒリつきが起きやすくなります。
また、肌の奥にある毛細血管が透けて見えることも、顔全体が赤く見える一因。これがいわゆる「赤ら顔」の正体で、特に頬や鼻周りなど、血管が集まりやすい部位で目立ちやすいのです。
皮膚が薄い人の特徴と傾向
皮膚が薄い人には、いくつかの共通した特徴があります。
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肌が白くて透けやすい
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洗顔やスキンケアでピリピリしやすい
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血管や赤みが見えやすい
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季節の変わり目や乾燥時期に肌トラブルが増える
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化粧ノリが悪く、メイク崩れしやすい
こうした人は、生まれつきの肌質に加え、年齢とともに肌のバリア機能が低下しやすく、刺激に過敏になる傾向があります。特に敏感肌やアトピー体質の人は、皮膚が薄くなりやすいため注意が必要です。
遺伝だけじゃない?生活習慣や環境も影響
皮膚が薄くなりやすいのは、生まれつきの体質だけが理由ではありません。実は、日々の生活習慣や環境要因が、肌のバリアをじわじわと弱らせていることもあるのです。
たとえば――
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ゴシゴシ洗顔や過剰なクレンジング
→角質が削られ、肌が薄くなる原因に。 -
乾燥した室内や紫外線を浴びる機会が多い
→水分が奪われ、肌の保護力が低下します。 -
ストレスや寝不足、偏った食生活
→ホルモンバランスの乱れや免疫力の低下が肌に現れやすくなります。
さらに、空気の汚れや花粉、PM2.5なども肌に刺激を与える要因。これらの影響を受け続けると、徐々に肌が敏感になり、赤みが慢性化してしまうこともあります。
皮膚が薄い人に多い「顔の赤み」の主な原因
バリア機能の低下で刺激に敏感になりやすい
皮膚が薄い人は、肌のバリア機能(角質層+皮脂膜)が弱くなりやすく、わずかな刺激にも反応しやすい状態にあります。気温の変化、空気の乾燥、摩擦、化粧品の成分など、普通肌では感じにくい要因にもピリつきや赤みが出るのは、バリアがうまく働いていないサイン。
対策としては以下が効果的です:
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「保湿重視」のスキンケアを習慣にする
→ヒト型セラミドやヒアルロン酸、グリセリン配合の保湿剤で、角質層に潤いをキープ。 -
なるべく肌を“こすらない・触らない”意識を持つ
→クレンジングや洗顔は摩擦レスが基本です。
毛細血管が透けて見えることで赤みが目立つ
皮膚が薄いと、肌表面から真皮層の毛細血管が透けて見えやすくなります。特に頬や小鼻まわりに「うっすら赤みがある」「いつもほてって見える」という方は、この毛細血管透過が原因である可能性が高いです。
このタイプの赤みには:
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血行促進ケアは控えめに
→温熱マッサージや刺激の強い美容ローラーは逆効果になることも。 -
外気温差に注意する
→急な温度変化(寒暖差)が血管の拡張・収縮を促し、赤みが悪化します。マスクやマフラーで顔を守りましょう。
間違ったスキンケアが悪化の原因になることも
「しっかり洗って、たっぷり保湿すればいい」と思っていても、実はそのスキンケアが赤みを引き起こしている可能性があります。皮脂を取りすぎる洗顔料や、刺激の強いピーリング、アルコール配合の化粧水などは、皮膚が薄い人の肌には過剰な負担となります。
見直したいポイントは以下です:
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洗顔は1日1〜2回、泡でなでるだけ
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成分を見直し、アルコール・香料・界面活性剤フリーのものを選ぶ
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導入美容液やブースターは肌に合わない場合もあるので慎重に
ストレスやホルモンバランスの乱れも関係
肌は心の状態を映す鏡ともいわれます。ストレスがたまったり、睡眠が不十分だったりすると、自律神経が乱れて血流が不安定に。結果として顔の赤みが増したり、ほてり感が強く出たりするケースがあります。また、女性は生理前後のホルモン変化により、肌のバリア機能が一時的に落ちやすくなることも。
こうした「内側からの要因」への対策には:
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質の良い睡眠・食事・休息を意識する
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ストレスケアに取り組む(呼吸法や軽い運動、趣味時間の確保など)
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体調と肌のリズムを記録し、自分なりの“赤み傾向”を知る
顔の赤みをやわらげる!やさしいスキンケア法
洗顔は「泡で押し洗い」が鉄則
赤みが出やすい肌にとって、毎日の洗顔は“刺激の少ないケア”が命。ゴシゴシこする洗顔は、肌のバリア機能を壊し、赤みを悪化させる原因になります。
ポイントは「泡で押し洗い」。
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洗顔料はたっぷり泡立てて、肌に手が触れないくらいのふわふわ泡を作る
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泡を押し当てるようにして、やさしくなでるだけで汚れは十分落ちます
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洗い流す際も、32〜34℃のぬるま湯で、こすらず丁寧にすすぐのが◎
「肌をこすらない」ことが、毎日の赤み予防につながります。
アルコールや刺激成分の少ない化粧水を選ぶ
化粧水を選ぶときは、成分表示をしっかりチェックしましょう。皮膚が薄く赤くなりやすい肌には、アルコール(エタノール)や合成香料・着色料などの刺激物はNG。使った直後にピリつく・赤くなる・つっぱるような感覚がある化粧水は避けるべきです。
おすすめ成分:
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セラミド
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グリセリン
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アミノ酸系保湿成分
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ヒアルロン酸
これらは肌の潤いを守りながら、刺激も少なく使えるため、敏感肌の赤み対策に向いています。
保湿はたっぷり、でもシンプルに
赤み肌には「とにかく保湿」が基本。ただし、重ね塗りやアイテムの使いすぎは逆効果になることもあります。大切なのは、“シンプルに、必要な保湿成分をしっかり補う”という考え方です。
赤み肌におすすめの保湿ケア:
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化粧水→保湿美容液→クリーム(またはバーム)程度の3ステップで十分
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水分と油分のバランスを整えることを意識
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肌の状態が不安定な日は、1〜2アイテムで最低限のケアでもOK
保湿力が高く、肌に余計な刺激を与えない処方のものを選ぶことがカギです。
「こすらない」スキンケアを意識しよう
赤み肌の天敵は「摩擦」。手やコットン、タオルなどによるこすれは、肌に小さな傷をつけて炎症を招き、赤みを悪化させてしまいます。
以下のような意識を日常に取り入れてみましょう:
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化粧水は手のひらでやさしく包み込むように浸透させる
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クリームはこすらず“スタンプ塗り”で密着させる
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タオルはゴシゴシ拭かず、清潔な柔らかいものでポンポンと水分を吸い取る
「触れる回数を減らす」「力を入れない」だけでも、肌の赤みは徐々に落ち着いていきます。
皮膚の薄さに配慮した生活習慣の見直しも効果的
バランスの良い食事で内側から肌を整える
皮膚の薄さや赤みは、外側からのケアだけでなく、体の内側から整えることも大切です。肌は食べたもので作られているため、日々の栄養バランスが赤みの出やすさに直結します。
意識したい栄養素:
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たんぱく質(肉・魚・豆腐・卵など):肌細胞の土台になる
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ビタミンC(野菜・果物):毛細血管の強化、抗酸化作用
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ビタミンB群(納豆・レバー・玄米など):皮膚の代謝サポート
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オメガ3脂肪酸(青魚・亜麻仁油・くるみ):炎症を抑える働き
また、スナック菓子や糖質の過剰摂取は肌の炎症を招く要因になりやすいので、控えめを心がけましょう。
紫外線・乾燥・花粉から肌を守る
外部刺激は、皮膚の薄い人にとってまさに“赤みのトリガー”。とくに紫外線や乾燥、花粉は目に見えない刺激として肌にダメージを与え、炎症や赤みを誘発します。
守りの工夫を日常に:
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紫外線対策は年中無休
→SPF30前後の敏感肌用日焼け止め+帽子や日傘の併用を -
加湿器や保湿アイテムで乾燥対策を万全に
→室内でも肌の水分をキープしましょう -
花粉・ホコリから守るバリアスプレーやマスクも有効
→外出時は“物理的に守る”工夫を
「外の刺激から肌を守ること」も立派なスキンケアです。
睡眠・ストレス管理も赤み対策の一部
肌の回復と再生は、夜眠っている間に活発になります。つまり、睡眠の質が低下すると、肌のバリア機能の回復が追いつかず、赤みが残りやすくなるのです。また、ストレスによる自律神経やホルモンの乱れも、毛細血管の拡張や炎症を促しやすくなります。
できることから整えていきましょう:
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毎日7時間前後の睡眠を確保する
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入浴・読書・香りなど、自分に合った“リラックス習慣”を持つ
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深呼吸や軽いストレッチで自律神経を整える
心がゆるむと、肌もゆるむ。そんな感覚を少しずつ取り戻していくことが、赤みとの上手な付き合い方です。
皮膚が薄くて赤くなりやすい人におすすめのアイテム
敏感肌用の低刺激コスメを選ぶポイント
皮膚が薄く赤くなりやすい肌には、とにかく「刺激を与えないこと」が第一。敏感肌向けとうたっているコスメでも、実際には合わないケースもあるため、成分や使用感をしっかり見極めることが重要です。
選ぶ際のチェックポイントは以下の通り:
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「無香料・無着色・アルコールフリー」の表示があるもの
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防腐剤(パラベン)や界面活性剤が少ない処方
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成分表示の種類が少なく、“シンプル設計”なもの
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皮膚科医監修やパッチテスト済みなどの記載があると安心
さらに、「敏感肌用」と書かれていても、使用前には二の腕などでパッチテストを行うのがおすすめです。
「肌バリア強化系」美容液やクリーム
赤みを抑えるためには、肌のバリア機能を“強く育てる”アプローチが必要です。肌バリアとは、角質層の水分と油分のバランスが保たれている状態。その回復・強化をサポートしてくれる成分を含んだアイテムを選ぶと、赤みの根本ケアにつながります。
おすすめ成分例:
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ヒト型セラミド(セラミドNP、AP、EOPなど)
→肌の水分保持力を高め、外的刺激から守る -
ナイアシンアミド
→炎症を抑えつつ、バリア機能をサポート -
グリチルリチン酸2K
→肌荒れや赤みを和らげる抗炎症成分 -
スクワラン、シアバター
→油分補給による保護効果
これらを配合した美容液や保湿クリームを、朝晩のスキンケアに取り入れてみましょう。特に「低刺激+バリアサポート」のW機能を持つ製品が有効です。
皮膚科で相談できる治療薬や外用薬
市販のスキンケアだけでは改善が難しい赤みや慢性的な炎症には、医療的なアプローチも視野に入れましょう。皮膚科では、以下のような治療が一般的です。
■ 医師が処方する主な外用薬:
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ステロイド外用薬(軽度なもの)
→炎症を短期間で鎮めたい場合に使用。長期使用には注意が必要。 -
非ステロイド系の抗炎症薬(プロトピックなど)
→アトピー性皮膚炎などにも使用される、赤みにも対応する薬。 -
保湿剤(ヒルドイド、ワセリンなど)
→肌の保護と保湿を医療レベルでサポート。
■ その他の治療アプローチ:
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赤ら顔(毛細血管拡張)にレーザー治療を行うケースもあり
→保険適用外の場合もあるが、改善効果が見込める
「いつまでも赤みが引かない」「痛みやかゆみを伴う」など、セルフケアで対応しきれないと感じた場合は、早めの皮膚科受診が最善の選択肢です。
まとめ|「赤みやすい肌」と上手に付き合うために
肌の個性を受け入れ、丁寧なケアを
赤みが出やすい肌は、決して「弱い肌」や「欠点」ではありません。それはあなたの肌の“個性”であり、人よりも繊細なサインを受け取りやすい感受性のある肌ともいえます。
完璧な肌を目指すよりも、今の自分の肌と向き合い、「今日は少し赤いな」「いつもより落ち着いてるな」と、日々の変化を丁寧に見つめることが大切です。
大切なのは、“責めずに、守るケア”を続けること。
毎日を丁寧に過ごすことが、少しずつ肌にもやさしく反映されていきます。
“正しい知識”が、肌トラブルの軽減につながる
なんとなくの自己流ケアやSNSで見た情報だけに頼っていると、知らず知らずのうちに肌に負担をかけてしまうこともあります。赤み肌と向き合うには、「皮膚が薄い」「バリア機能が低下している」という状態を正しく理解することが第一歩。
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なぜ赤みが出るのか
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どんなケアが負担になるのか
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どんなアイテムが肌を守ってくれるのか
こうした知識を少しずつ身につけることで、自分の肌に合ったケアができるようになり、トラブルの予防や軽減にもつながります。
「知っている」ことは、肌をいたわる力になります。焦らず、一歩ずつ。あなたの肌が少しでも心地よく過ごせるよう、今日からできることを始めていきましょう。


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