耳がかゆいけど耳垢はない？それ、外耳炎のサインかもしれません｜原因と対策を解説

「最近、耳がやたらとかゆい。でも耳垢はないし、見た目も普通…」
そんな違和感を感じたことはありませんか？
実はそれ、外耳炎の初期サインかもしれません。

外耳炎は、耳の中が炎症を起こすことで、かゆみ・痛み・耳だれなどの症状を引き起こしますが、初期段階では「かゆみだけ」のことも多く、つい見過ごしがち。

本記事では、耳がかゆいのに耳垢がない場合の原因や外耳炎のサイン、セルフチェックのポイント、病院に行くべきタイミング、そして予防方法までをわかりやすく解説します。

「ただのかゆみ」で済ませず、耳の健康を守るための対策を一緒に見直していきましょう。

 

✅ 耳がかゆいのに耳垢がない…それって普通？

● 耳のかゆみはなぜ起こるのか？

耳のかゆみは、皮膚の刺激や乾燥、アレルギー反応などによって引き起こされます。耳の中はデリケートな皮膚で覆われており、わずかな変化でもかゆみを感じやすいのが特徴です。

主な原因としては以下のようなものが挙げられます：

• 乾燥によるかゆみ：エアコンや季節の変わり目で耳の中が乾燥すると、かゆみを感じやすくなります。

• 耳掃除のしすぎ：綿棒などで耳を頻繁にこすると、皮膚が傷つき炎症を起こしやすくなります。

• アレルギー反応：シャンプーや整髪料、イヤホンの素材に反応することも。

• 湿度や気温の変化：梅雨や夏場など、汗や湿気が多い時期には皮膚がふやけてかゆくなることもあります。

つまり、かゆみは「耳垢があるかどうか」ではなく、「皮膚の状態や外部刺激」によって起こることが多いのです。

● 耳垢がないのにかゆい場合に考えられること

耳垢が見当たらないのに耳がかゆいとき、実は何らかの異常サインである可能性があります。以下のようなケースが考えられます。

1. 外耳炎（がいじえん）の初期症状かも

外耳炎は、耳の穴から鼓膜までの「外耳道」に炎症が起きる病気です。初期症状として「かゆみ」が現れ、その後に痛みや腫れが出ることも。耳垢がないのは、耳掃除のしすぎなどで耳垢ごと皮膚を傷つけてしまっている可能性もあります。

2. 皮膚の乾燥やアトピー性皮膚炎

もともと乾燥肌やアトピー体質の人は、耳の中の皮膚も乾燥しやすく、かゆみが出ることがあります。耳垢がほとんど出ないタイプの人も多く、自己判断で放置しがちなので注意が必要です。

3. 接触性皮膚炎（イヤホンやマスクの刺激）

イヤホンやマスクのゴムなど、耳に接するものによる刺激でアレルギー反応が起きる場合もあります。耳垢がないから清潔とは限らず、むしろ耳の中のバリア機能が弱まっている状態であることも。

4. 真菌（カビ）による外耳道炎

まれに、湿気の多い環境で耳の中にカビが繁殖してしまうことがあります。これも強いかゆみが特徴で、耳垢がない代わりに白っぽいフケのようなものが出るケースも。

▼ 対策アドバイス（この段階でできること）

• 耳掃除は週1回以下に抑える

• かゆみが続く場合は耳鼻科を受診

• イヤホンやマスクを使う場合は清潔を保ち、長時間使用を避ける

• 耳の中が乾燥するなら**加湿や保湿ケア（ワセリンなど）**も検討

---

この段階でかゆみが一時的なら様子を見ても問題ありませんが、痛み・分泌物・かゆみの長期化が見られる場合は、早めの医療機関の受診が安心です。

 

✅ 外耳炎とは？かゆみとの関係

耳の中がかゆい、ヒリヒリする、触ると痛い——そんな症状がある場合、「外耳炎（がいじえん）」の可能性があります。外耳炎とは、耳の穴から鼓膜までの「外耳道」と呼ばれる部分に炎症が起きた状態のこと。特にかゆみは、初期段階で現れやすい重要なサインです。

● 外耳炎の主な症状とは

外耳炎には、次のような症状が現れます。最初はかゆみだけでも、進行すると徐々に不快な症状が増えていきます。

• かゆみ（初期症状でよくある）

• 痛み（触れるとズキズキする）

• 赤みや腫れ

• 耳だれ（分泌液が出る）

• 耳がふさがった感じ、聞こえにくさ

• 発熱（まれに重症化した場合）

とくに、かゆみが1週間以上続く、または痛みに変わってきた場合は、外耳炎が進行している可能性が高く、早めの受診が必要です。

● 外耳炎が起こる原因

外耳炎の多くは、皮膚の小さな傷に菌が入り込むことで発症します。日常の中には、その「きっかけ」が意外と多く潜んでいます。

主な原因：

• 耳掃除のしすぎ・綿棒や爪でのひっかき
  → 外耳道の皮膚はとても薄く、すぐに傷がつきやすい部分です。強くこすったり頻繁に掃除したりすると、バリア機能が壊れて炎症が起こります。

• イヤホン・耳栓の長時間使用
  → 蒸れや摩擦、細菌の繁殖が原因になります。特に、共有して使っているイヤホンなどは要注意。

• プールやシャワーでの水の侵入
  → 外耳道に水分が残ったままだと、細菌や真菌（カビ）が繁殖しやすくなります。

• 皮膚の疾患やアレルギー体質
  → アトピー性皮膚炎や脂漏性皮膚炎がある人は、耳の皮膚もトラブルを起こしやすく、外耳炎につながることも。

● かゆみ以外のサイン（痛み・腫れ・分泌物など）

かゆみ以外にも、以下のような症状が見られる場合は、単なる一時的なトラブルではなく、外耳炎が進行している可能性が高いです。

1. 痛み

耳の中を触ったときにズキッとしたり、あごを動かすだけでも痛む場合は、外耳道に炎症が広がっているサイン。特に夜に痛みが増すことも。

2. 腫れ・赤み

耳の入り口付近が赤くなっていたり、見た目に腫れている場合は、外からでも炎症が確認できる状態です。

3. 耳だれ（分泌液）

細菌感染が進むと、膿や透明〜黄色の液体が耳から出てくることがあります。ニオイがある場合は細菌の繁殖によるものです。

4. 耳の閉塞感・聞こえにくさ

腫れや分泌物によって、音が通りにくくなり「耳が詰まった感じ」が出ることもあります。

▶ 注意ポイント

外耳炎は放っておくと慢性化しやすく、再発を繰り返すケースも多い病気です。特に「かゆみだけで軽く考えていたら、いつの間にか悪化していた」という人も多いため、違和感を感じたら早めに耳鼻科へ相談することが重要です。

 

✅ こんな人は注意！外耳炎になりやすい習慣とは

日常のちょっとした行動が、実は外耳炎の引き金になっていることがあります。特に以下のような習慣がある人は、耳に負担がかかりやすく、炎症を起こすリスクが高まります。

● 耳掃除のしすぎ

「耳掃除＝清潔にすること」と思っていませんか？
実は、耳掃除のしすぎは外耳炎の大きな原因になります。

▶ 耳掃除のしすぎで起こるトラブル：

• 外耳道の皮膚を傷つける

• 本来必要な耳垢まで取りすぎる（耳垢は異物や菌から守る役目あり）

• 炎症やかゆみを繰り返しやすくなる

特に、綿棒でゴシゴシこすったり、爪やピンセットなどで耳をかくのはNG。耳の皮膚はとても薄く、わずかな刺激でも傷がついてしまいます。

▶ 対策：

• 耳掃除は月に1〜2回程度で十分（耳垢は自然に外に出てくる）

• 耳の入口付近だけを軽く拭き取る程度でOK

• かゆいときほど無理に掃除しない（かゆみは炎症のサイン）

● イヤホンや補聴器の長時間使用

耳に長時間密着するイヤホンや補聴器は、蒸れや摩擦によって外耳道を刺激し、外耳炎の原因になることがあります。

▶ リスクのある使い方：

• 長時間つけっぱなしにする

• 汗や湿気で耳の中が蒸れる

• 清掃せずに毎日使う

• 他人と共用する（特にイヤホン）

これらの行動によって、耳の中に雑菌が増えたり、皮膚がふやけて傷つきやすくなったりします。

▶ 対策：

• 使用時間は1〜2時間ごとに耳を休ませる

• 使用後はイヤホンや補聴器をこまめに清潔にする

• 違和感やかゆみを感じたら、使用を一時中止

• 通気性の良い素材や、抗菌加工されたものを選ぶと◎

● プールやシャワーでの水の侵入

水が耳に入ると、外耳道の中が湿ったままになり、細菌やカビが繁殖しやすい状態になります。特に夏場や湿気の多い季節は要注意です。

▶ 危険な状況：

• プールや海で泳いだあと、水をしっかり出さずに放置

• シャワー中に耳に水が入っても気にしない

• 耳栓をせずに水中活動をする

こうした習慣は、「スイマーズイヤー（泳ぐ人の耳）」と呼ばれる外耳炎を引き起こすことがあります。

▶ 対策：

• プールやシャワー後は耳を軽く下に傾けて水を出す

• 清潔なタオルやティッシュで水分を優しくふき取る

• 頻繁に水に入る人は防水用の耳栓を活用する

• 綿棒で水を取るのは逆効果！ → 皮膚を傷つけやすいのでNG

▶ 総まとめ

外耳炎は、「ちょっとした習慣の積み重ね」で起こりやすい炎症です。
毎日耳を使うからこそ、**“やりすぎない・清潔を保つ・異変に気づく”**の3つが大切です。

 

✅ 耳のかゆみを感じたときのセルフチェック

「耳がかゆい…けど病院に行くほど？」と悩む方は多いものです。そこで重要になるのがセルフチェック。以下の3つのポイントを確認することで、外耳炎などの異常か、自然に治る範囲かの見極めに役立ちます。

● 痛みや腫れがあるか？

かゆみだけでなく、耳に痛みや腫れを感じる場合は要注意です。

▶ チェックポイント：

• 耳の中を触るとズキズキ痛む

• 顎を動かしたときにも違和感や圧痛がある

• 耳の入り口が赤く腫れている

これらの症状は、外耳炎の進行サインである可能性が高いです。特に、「かゆみ→痛みに変化」している場合は、自己判断で放置せず、早めに耳鼻科を受診しましょう。

● 耳だれや異臭はあるか？

耳からの分泌物や異臭がある場合は、感染が進んでいるサインかもしれません。

▶ チェックポイント：

• 耳から透明〜黄色い液体が出ている

• 乾いた耳垢ではなく、湿ったりネバついている

• 嫌なニオイがする（細菌や真菌による感染の可能性）

特に、耳だれと同時にかゆみ・痛みがある場合、**細菌感染による急性外耳炎や真菌性外耳炎（耳のカビ）**が疑われます。早めに治療することで、慢性化や再発を防げます。

● かゆみが続く期間と頻度

「一時的なかゆみ」は多くの人にありますが、長期間続くかどうか、繰り返しているかをチェックしましょう。

▶ チェックポイント：

• かゆみが1週間以上続いている

• 頻繁にかゆみを感じるようになった

• 季節や特定のタイミングで繰り返している

かゆみが慢性化している場合、外耳炎の慢性化・アレルギー・皮膚疾患の可能性も考えられます。自己判断せず、皮膚や耳の専門医に相談するのが安心です。

▶ こんなときは耳鼻科へ

次のような状態が1つでも当てはまる場合は、セルフケアでの改善は難しい可能性が高いため、医療機関の受診がおすすめです。

• かゆみが数日以上続く・痛みに変わった

• 耳から分泌物が出てきた、ニオイが気になる

• 耳がふさがった感じがする、聞こえにくい

• 何度も同じ症状を繰り返している

 

✅ かゆみが外耳炎によるものだった場合の対処法

もし耳のかゆみの原因が「外耳炎」だった場合、自己流の対処は悪化を招くことも。正しい対処法を知っておくことで、早期回復と再発予防につながります。

● 病院での診断と治療法

耳鼻科では、まず耳の中の状態を専用の器具（耳鏡や顕微鏡）で観察し、外耳炎かどうかを判断します。

▶ 主な治療内容：

• 抗菌薬の点耳薬（耳にさす薬）：細菌感染による炎症を抑える

• ステロイド点耳薬：炎症やかゆみを抑える

• 真菌（カビ）の場合は抗真菌薬が処方されることも

• 分泌物の吸引や耳内洗浄で清潔に保つ

炎症がひどい場合や痛みが強い場合は、**飲み薬（抗生物質や消炎鎮痛剤）**を併用することもあります。

▶ 重要ポイント：

• 医師の指示通り最後まで薬を使いきることが大切

• 自己判断で治療を中断すると再発や悪化のリスクあり

● 市販薬で対応してもいい？

軽度のかゆみで、痛みや耳だれがない場合には、市販薬で対応できることもあります。ただし、使い方には注意が必要です。

▶ 使用してもよいケース：

• 軽いかゆみや耳の違和感のみ

• 痛みや分泌物、腫れがない

• 一時的に発症したかゆみで、すぐに治まる場合

▶ 市販薬の種類：

• 抗炎症成分配合の点耳薬

• アレルギー由来であれば抗ヒスタミン薬の内服

▶ 注意点：

• 市販薬で3日以上改善が見られない場合は使用を中止して受診

• 点耳薬を耳に入れる前に鼓膜に異常がないか確認が必要（自己判断は危険）

外耳炎の症状は他の病気（中耳炎、真菌性外耳炎、湿疹など）と似ているため、自己判断に頼らず、症状が続くようなら病院での診断が確実です。

● 受診の目安とタイミング

以下のような場合は、早めに耳鼻科の受診をおすすめします。

▶ 受診が必要な症状：

• かゆみが3日以上続く

• 耳の中がズキズキ痛む、触ると痛い

• 耳だれ（液体）が出る、ニオイが気になる

• 耳の中が腫れている感じ、または赤くなっている

• 何度も同じ場所がかゆくなる・繰り返している

▶ タイミングの目安：

• 症状が軽くても1週間以内に改善しない場合

• かゆみが痛みに変わってきたとき

• 市販薬で効果がない、または悪化した場合

▶ 自然治癒にこだわらないのが正解

耳はデリケートな器官です。
「少しかゆいだけだから…」と自己流ケアを続けてしまうと、かえって長引かせたり、慢性外耳炎へ移行することも。早期に適切な治療を受けることで、治りも早く、再発防止にもつながります。

 

✅ 外耳炎を予防するためにできること

外耳炎は、一度治っても習慣によって再発を繰り返しやすいのが特徴です。ここでは、かゆみや炎症を未然に防ぐために取り入れたい日常ケアをご紹介します。

● 正しい耳掃除の方法

耳掃除のしすぎは外耳炎の大きな原因。耳には自浄作用があり、自然に耳垢は外へ押し出されます。無理に奥まで掃除しなくても大丈夫です。

▶ 耳掃除のポイント：

• 頻度は月1～2回程度で十分

• 耳の入口付近だけをやさしく拭き取る程度でOK

• 綿棒は奥まで入れない（1cm以内）

• 湿った耳垢が多い人は、乾いたガーゼなどで優しく水分を取る

▶ NG行動：

• 爪やピンセットでかく

• 毎日耳掃除する

• かゆいからと何度もいじる

かゆみがあるとつい触ってしまいたくなりますが、触るほど皮膚が刺激され悪化しやすくなります。

● 清潔なイヤホン・耳栓の使い方

イヤホンや耳栓を不衛生な状態で使い続けると、雑菌が繁殖し外耳道に炎症が起きやすくなります。

▶ イヤホン・耳栓使用時の注意点：

• 長時間の連続使用は避け、1〜2時間ごとに耳を休ませる

• 使用後はアルコール綿などで拭き取る

• シリコン製など洗える素材は定期的に水洗い・乾燥

• 他人と共有しない

• 異物感・かゆみがあるときは無理に使用しない

清潔に保つことはもちろんですが、耳の中を密閉しすぎないことも大切。通気性のよいタイプを選ぶと、蒸れにくく予防に効果的です。

● 耳に水が入ったときの対処法

プールやシャワーで耳に水が入ったまま放置すると、湿気によって細菌やカビが繁殖し、外耳炎の原因になります。

▶ 適切な水抜き方法：

• 顔を傾けて、水が入った側を下にして軽くトントンと頭を振る

• ドライヤーの弱風を耳から20〜30cm離して乾かす（熱風NG）

• タオルやティッシュで外側だけをそっと拭く

▶ やってはいけないこと：

• 綿棒や指で水をかき出そうとする

• 強くこすって水分を取る

• 何度も触って逆に傷つける

耳に水が入りやすい体質の人は、水泳用耳栓や防水イヤーキャップの使用も検討してみましょう。

▶ まとめ：日常のちょっとした意識で耳トラブルは防げる

外耳炎は、正しい耳の扱い方を身につけるだけで予防が可能な病気です。

• 耳掃除は控えめに

• 使用する道具は清潔に

• 水は残さずしっかり除去

耳にやさしい生活習慣を心がけて、再発しにくい健康な耳を保ちましょう。

 

✅ まとめ｜耳のかゆみを放置せず、早めの対策を

「耳がかゆいけど耳垢はない…」そんなとき、見逃されがちなのが外耳炎の初期サインです。かゆみだけだからと放っておくと、炎症が進み、痛み・腫れ・耳だれといったつらい症状につながることも。

特に以下のような方は要注意です。

• 耳掃除を頻繁にする

• イヤホンを長時間つけっぱなし

• プールやシャワーの後に耳の中を乾かさない

こうした習慣が、知らないうちに耳を傷つけ、細菌やカビの温床になる原因になります。

耳のかゆみを感じたときは、以下のようなポイントをセルフチェックしましょう。

• 痛みや腫れ、耳だれがあるか

• かゆみが長引いていないか

• 異臭や聞こえにくさがないか

これらに当てはまる場合は、早めに耳鼻科を受診するのが安心です。
また、日頃からの予防ケアも大切です。

• 耳掃除はほどほどに

• イヤホンや耳栓は清潔に

• 耳に水が入ったらすぐに乾かす

耳はとても繊細な器官。「少しかゆいだけ」と軽く見ず、正しい対処で早めにケアすることが、快適な耳の健康を守る第一歩です。