【医師監修】タンパク質の1日必要量と効果|筋肉・美容・健康に効く食材&摂取のコツ
「タンパク質=筋肉のための栄養素」というイメージは強いですが、実は美肌・美髪、ホルモンバランス、免疫力など、私たちの健康と美容を支えるために欠かせない存在です。必要量を満たしていないと、疲れやすさや肌荒れの原因にもつながります。
本記事では、タンパク質の1日必要量の目安、不足によるリスク、そして多く含む食材や効率よく摂取するコツを医師監修のもとでわかりやすく解説。毎日の食事を少し工夫するだけで、内側から「元気」と「キレイ」を手に入れましょう。
タンパク質とは?体に欠かせない栄養素
私たちの体をつくるうえで欠かせない栄養素のひとつが「タンパク質」です。三大栄養素(炭水化物・脂質・タンパク質)のひとつであり、筋肉はもちろん、皮膚・髪・爪・内臓・血液など、ほとんどすべての組織の材料になります。生命活動を支える「基礎の栄養素」ともいえるほど重要で、不足すると健康や美容に大きな影響を及ぼします。
タンパク質の基本|体の約20%を占める重要成分
人間の体の約60%は水分ですが、次に多いのがタンパク質で、およそ体重の20%を占めています。つまり、筋肉や臓器の構造をつくる「主要な部品」なのです。
さらに、タンパク質は食事で摂取したあと、アミノ酸に分解され、再び体に必要な形へと組み立て直されます。これにより、筋肉や臓器の修復、酵素やホルモンの生成など、日々の体の機能が維持されています。
「体は食べたものでできている」とよく言われますが、まさにタンパク質はその代表例。毎日の食事から安定的に摂ることがとても大切です。
筋肉だけじゃない!肌・髪・ホルモンにも関わる
「タンパク質=筋肉の材料」というイメージを持つ人は多いですが、実は美容やホルモンバランスの維持にも深く関わっています。
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肌:コラーゲンやエラスチンなどの構成要素はタンパク質。十分な摂取でハリや弾力を保ちやすくなります。
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髪:ケラチンというタンパク質が主成分。不足すると髪のパサつきや抜け毛の原因に。
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ホルモン・酵素:女性ホルモンや成長ホルモン、代謝を助ける酵素もタンパク質から作られます。
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免疫力:抗体の材料にもなるため、風邪や感染症の予防にも欠かせません。
このように、タンパク質は「健康」と「美容」の両方に直結する栄養素。毎日の食生活で意識して取り入れることが、体の内側からの若さと活力を支えてくれます。
タンパク質の1日必要量はどれくらい?
タンパク質は体に欠かせない栄養素ですが、重要なのは「毎日どのくらい摂るべきか」を知ることです。厚生労働省が示す目安や、ライフスタイルごとの必要量を参考に、無理なく自分に合った摂取を心がけましょう。
厚生労働省が示す目安量
日本人の食事摂取基準(2025年版)では、成人に必要なタンパク質の目安量は以下の通りです。
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成人男性:1日 60g前後
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成人女性:1日 50g前後
これは「健康な体を維持するために最低限必要な量」。例えば、卵1個で約6〜7g、鶏胸肉100gで約20g、納豆1パックで約8g程度のタンパク質が含まれています。数字だけでなく、食材に置き換えて考えるとイメージしやすくなります。
年齢・性別・ライフスタイル別の違い
タンパク質の必要量は一律ではなく、年齢や活動量によっても変わります。
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成長期(10代):体をつくる時期のため、成人よりも多めのタンパク質が必要。
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高齢者:筋肉量の減少を防ぐため、1日体重1kgあたり1.2gを目安に。
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妊娠・授乳中の女性:胎児や母乳のため、通常より+10〜20gの摂取が推奨される。
つまり、ライフステージや体の状態に合わせて「必要量を少し増やす工夫」が重要です。
ダイエットや筋トレ中の最適量は?
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ダイエット中:筋肉量を落とさずに脂肪を減らすためには、体重1kgあたり 1.2〜1.5g が目安。
(例:体重60kgなら72〜90g) -
筋トレ・アスリート:筋肉の合成を最大化するためには、体重1kgあたり 1.6〜2.0g が推奨されることが多い。
(例:体重70kgなら112〜140g)
ただし、一度に大量に摂取しても吸収できる量には限界があります。1食あたり20〜30gを目安に、朝・昼・夜+間食やプロテインで分けて摂るのが効率的です。
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タンパク質が不足するとどうなる?
タンパク質は筋肉や臓器、ホルモン、酵素など、体のあらゆる機能を支える栄養素です。そのため、不足すると全身にさまざまな不調が現れやすくなります。ここでは代表的な影響を3つご紹介します。
筋力低下や疲労感が出やすくなる
タンパク質は筋肉の材料。不足すると筋肉量が減少し、基礎代謝が落ちて太りやすくなったり、体力が低下したりします。
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階段の上り下りで息切れする
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疲れが抜けにくい
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運動しても成果が出にくい
といったサインが出やすくなるのです。特に高齢者は「サルコペニア(加齢による筋肉減少症)」のリスクもあるため、毎日の食事での意識が重要です。
肌荒れ・髪のパサつきなど美容面への影響
タンパク質はコラーゲンやケラチンの材料でもあり、美容とも直結しています。不足すると…
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肌:弾力やハリが失われ、乾燥やしわが目立ちやすくなる
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髪:ツヤがなくなり、枝毛・切れ毛・抜け毛の原因に
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爪:割れやすくなる
美容トラブルの背景に「タンパク質不足」が潜んでいるケースは少なくありません。ダイエット中に極端にタンパク質を制限すると、肌や髪のコンディションが悪化するのもこのためです。
免疫力の低下や集中力の低下も
タンパク質は免疫細胞や抗体の材料。不足すると免疫力が下がり、風邪や感染症にかかりやすくなります。さらに、神経伝達物質やホルモンもタンパク質から作られるため、集中力の低下や気分の落ち込みにもつながることがあります。
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風邪をひきやすい
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頭がぼんやりする
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気分が不安定になりやすい
といった症状がある場合は、タンパク質不足を疑ってみてもよいでしょう。
タンパク質の嬉しい効果とは?
タンパク質は不足すると不調の原因になりますが、しっかり摂ることで体に嬉しい変化をもたらします。筋肉や美容、体調管理、ダイエットまで、多方面でプラスの効果が期待できます。
筋肉を作り、基礎代謝アップ
タンパク質は筋肉の主要な材料。筋肉量が増えると基礎代謝が高まり、エネルギーを消費しやすい体になります。
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運動後にタンパク質を摂取 → 筋肉の回復・合成を促進
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筋肉量アップ → 冷え性や疲れにくさの改善にもつながる
特に運動習慣のある人は、トレーニング後30分以内にタンパク質を補給すると効率的です。
美肌・美髪をサポート
肌のコラーゲンや髪のケラチンも、すべてタンパク質から作られています。十分に摂ることで…
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肌:ハリ・ツヤを保ち、シワやたるみを防ぐ
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髪:ツヤ・コシがあり、切れ毛や抜け毛を防ぐ
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爪:割れにくく健康的に伸びやすい
内側からの「美容サプリ」とも言えるのがタンパク質です。
ホルモンや酵素の材料になり体調を整える
タンパク質は筋肉や美容だけでなく、体の機能を調整するホルモンや酵素の材料でもあります。
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消化を助ける酵素
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女性ホルモン・成長ホルモンなどのホルモン
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免疫を支える抗体
これらが正常に働くことで、疲れにくく、体調が安定しやすくなります。タンパク質を意識することで「健康の土台」を整えられるのです。
満腹感を得やすく、ダイエットにも効果的
タンパク質は消化に時間がかかるため、腹持ちがよく、食欲のコントロールにも役立ちます。
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高タンパクな食事 → 空腹感を感じにくい
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間食や食べ過ぎを防ぎやすい
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筋肉量を維持しながら脂肪を落とせる
「食べながら痩せたい」「リバウンドしたくない」人にとって、タンパク質は心強い味方です。
タンパク質が多い食材まとめ【動物性&植物性】
タンパク質をしっかり摂るには、日常の食事から取り入れることが大切です。ここでは、代表的な「動物性タンパク質」と「植物性タンパク質」の食材を紹介します。両方をバランスよく組み合わせることが理想的です。
動物性タンパク質が豊富な食材(肉・魚・卵・乳製品)
動物性タンパク質は「必須アミノ酸のバランスが良い」のが特徴。筋肉や体力づくりに特に効果的です。
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肉類:鶏胸肉(100gで約20〜22g)、牛赤身、豚ヒレ肉など
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魚類:鮭・サバ・マグロなど(100gで約20g前後)
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卵:1個で約6〜7gの高品質タンパク質
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乳製品:牛乳コップ1杯で約7g、ヨーグルトやチーズも手軽
脂質の摂りすぎを避けたい場合は、赤身肉や鶏胸肉、白身魚を選ぶのがおすすめです。
植物性タンパク質が豊富な食材(大豆製品・穀物・ナッツ)
植物性タンパク質は「脂質が少なくヘルシー」で、食物繊維やミネラルも一緒に摂れるのが魅力です。
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大豆製品:納豆1パックで約8g、豆腐1/2丁で約10g、豆乳コップ1杯で約7g
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穀物:オートミール、玄米、そばなど(炭水化物と一緒に摂れる)
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ナッツ類:アーモンド30gで約6g、良質な脂質も補給できる
植物性は「単体だと必須アミノ酸が不足しがち」なので、動物性と組み合わせるとより効率的です。
バランスよく摂るための食材選びのポイント
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動物性+植物性を組み合わせる:肉と豆腐、魚と納豆などでアミノ酸スコアを補い合う
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毎食に少しずつ取り入れる:1回で大量に摂るより、3食+間食で分けて摂る方が吸収率アップ
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脂質や塩分も意識する:加工肉や揚げ物より、焼く・蒸す・煮る調理法を選ぶ
つまり「動物性で質を補い、植物性で健康効果をプラスする」のが理想的な食べ方です。
効率よくタンパク質を摂るコツ
毎日決めた量を摂ろうとしても、仕事や時間の制約があって「気づいたら足りていなかった…」となることも多いものです。ここでは「毎食」「間食」「栄養の相乗効果」という3つの視点から、効率よくタンパク質を補うための具体的なコツをご紹介します。
毎食でバランスよく摂取する
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「3食すべてでタンパク質を意識する」
朝・昼・夜すべてでタンパク質を含む食材を取り入れることで、1回あたりの負担を軽くできます。たとえば、朝ごはんにヨーグルト+卵、昼に鶏肉や魚、夜は豆腐や肉+野菜というように組み立てると無理がありません。 -
吸収効率を意識して量を分散
人間の体は一度に大量のタンパク質を吸収できるわけではありません。1食あたり20~30g前後を目安にして、複数回に分けて摂ると吸収が安定しやすくなります。 -
組み合わせで「完全アミノ酸スコア」を補う
動物性+植物性を組み合わせると、それぞれが持つアミノ酸の弱点を補い合えます(例:魚+豆、鶏肉+玄米など)。
間食やプロテインの活用方法
食間や運動後のタイミングで「ちょっと足りない」分を補うのが賢いやり方です。特にプロテインは手軽な補助として有用です。
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間食でタンパク質をプラス
ナッツ(アーモンド、くるみ)、無糖ヨーグルト、チーズスティック、ゆで卵、プロテインバーなどを間食に取り入れると、満腹感を保ちつつタンパク質を補えます。 -
プロテインの選び方・活用法
プロテインをうまく使えば、食事だけでは補いきれない分を手軽に補えます。
例えば以下のような商品が国内でも人気です:-
Naturecan ホエイプロテイン ストロベリーラズベリー味
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ULTORA 国産 ホエイプロテイン
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LOHAStyle グラスフェッド ホエイプロテイン
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MyProtein Impact ホエイプロテイン
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国内ブランドでは、明治の SAVAS(ザバス) が代表的なプロテインブランドとしてよく知られています。
また、X-PLOSION(エクスプロージョン)も大容量でコストを抑えたい人向けに人気があります。使い方のポイント:
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運動後30分以内に飲むと筋肉合成をサポート
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就寝前にゆっくり吸収型のプロテイン(カゼインタイプなど)が使われることも
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水や牛乳で割るだけでなく、スムージーやヨーグルトに混ぜるなどアレンジも可能
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吸収率を高める組み合わせ(ビタミン・ミネラルとの相性)
タンパク質だけ摂ればいい、というわけではありません。吸収や利用効率を高めるために、他の栄養素と組み合わせることがポイントです。
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ビタミンC
非ヘム鉄の吸収を促すと同時に、コラーゲン合成にも関わるため、タンパク質と一緒にビタミンCを含む野菜や果物(赤ピーマン、キウイ、イチゴなど)を摂ると効果的。 -
ビタミンB群
タンパク質の代謝に関わるビタミンB6やB12が不足すると、タンパク質をうまく活用できなくなります。肉・魚・野菜・米や玄米などご飯類でバランスを取りましょう。 -
ミネラル(亜鉛・鉄など)
亜鉛はタンパク質の合成やホルモン(インスリンや成長ホルモンなど)に影響を与えます。牡蠣、レバー、ナッツ、全粒穀物などで補給を意識するとよいです。 -
良質な脂質
オメガ-3脂肪酸(青魚、亜麻仁油、チアシードなど)を適度に含む脂質は、細胞膜の構成や炎症制御に関わります。タンパク質主体の食事になりがちな場合、良質な脂もプラスすると吸収環境が整います。
このように、「毎食で少しずつ」「足りないときはプロテインで補う」「他の栄養素と組み合わせる」 といった戦略を意識することで、無理なく効率よくタンパク質を確保できます。
まとめ|毎日のタンパク質で健康とキレイを手に入れよう
タンパク質は「筋肉」「髪」「肌」「ホルモン」など、体をつくり美しさを維持するための土台となる栄養素です。
不足すれば、疲れやすさ・肌のハリ不足・髪のツヤ減少など、健康と美容の両面に影響が出てしまいます。
効率よく摂るためのポイントは次の3つです。
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毎食20〜30gを目安に、3食バランスよく分けて摂る
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間食やプロテインを活用して「足りない分」を無理なく補う
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ビタミン・ミネラル・良質な脂質と一緒に摂り、吸収率を高める
小さな工夫を習慣にすることで、無理なくタンパク質を確保でき、体の内側から「健康」と「キレイ」を引き出すことができます。
今日の食事から、ぜひタンパク質を意識して取り入れてみましょう。


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