知らなきゃ損!動物の名前の由来まとめ|猫・キリン・カンガルーはなぜそう呼ばれる?

知らなきゃ損!動物の名前の由来まとめ|猫・キリン・カンガルーはなぜその名前に?

私たちが何気なく口にしている「猫」「キリン」「カンガルー」などの動物の名前。
実はその多くに、古代の言葉や文化、人々の“思い込み”まで関わっていることをご存じですか?
「寝る子だからネコ」「空想の動物“麒麟”からキリン」「聞き間違いで生まれたカンガルー」など、由来を知ると驚きのエピソードがたくさん!

この記事では、身近な動物の名前に隠された“言葉のルーツ”と“文化の背景”を分かりやすく紹介します。

 

目次

動物の名前、どこから来た?|語源にまつわる豆知識

普段何気なく呼んでいる「猫」や「キリン」などの動物の名前。
実はそれぞれに歴史的な背景や文化的な意味が込められています。
動物の名前の由来をたどると、昔の人々が“どうやってその動物を見ていたのか”が見えてくるのです。

たとえば、日本語の名前は「見た目」や「鳴き声」など五感的な特徴から名づけられることが多く、
一方で外国語の名前は、神話・宗教・文化的象徴に由来している場合もあります。

つまり、動物の名前には「ことばの進化」や「文化の違い」が色濃く反映されているのです。
ここからは、その“名づけのルール”を少し深掘りしてみましょう。

動物の名前には「音」「見た目」「文化」が影響している

動物の名前は、単なる“呼び名”ではなく、
人間がその動物をどう感じ、どう関わってきたかを映す“文化の鏡”です。

  • 音からつけられた名前
     たとえば「カエル」は“ケロケロ”という鳴き声から、「カラス」は“カーカー”から来ています。
     動物の鳴き声をそのまま擬音化したものが多く、日本語らしい“音感覚”が反映されています。

  • 見た目からつけられた名前
     「トラ(虎)」は縞模様が特徴的な姿から、「シマウマ(縞馬)」もまさに見たままの命名です。
     このように、視覚的特徴を言葉にしたシンプルな発想も多く見られます。

  • 文化・信仰に由来する名前
     「ツル(鶴)」は長寿や吉兆の象徴として尊ばれた存在。
     古くから縁起物として扱われ、その印象が名前の定着にも影響しました。

つまり、動物の名前の多くは「音」「見た目」「文化」という3つの要素から成り立っています。
どの国・地域であっても、人々が動物をどんな存在として捉えてきたかが、言葉に表れているのです。

日本語名と外国語名では“発想”がまったく違う

面白いのは、同じ動物でも国によって名前の発想がまったく異なるという点です。

たとえば「フクロウ」。
日本では「福来郎(福が来る)」など縁起の良い象徴として扱われますが、
英語では “Owl” と呼ばれ、「知恵」や「夜の静けさ」を象徴する存在です。

また、「タコ」は日本語で“吸盤の多い生き物”という印象から名づけられたと考えられていますが、
英語の “Octopus” はラテン語の「八(octo)+足(pus)」という、
生物学的特徴に基づく名前です。

このように、日本語名は“感覚的・情緒的”な発想が多く、
外国語名は“構造的・理論的”な発想から来ていることが多いのです。

動物の名前を比べてみると、文化の違い=言葉の違いがはっきりと見えてきます。
次の章では、そんな語源の面白さを具体的に──「猫」「キリン」「カンガルー」などの名前から見ていきましょう。

 

“猫”の由来|なぜ「ネコ」になったのか?

“猫”の由来|なぜ「ネコ」になったのか?

私たちの身近な存在である「猫」。
でも、よく考えると「ネコ」という言葉の由来って不思議ですよね。
犬や鳥のように鳴き声がそのまま名前になっているわけでもなく、
どこか柔らかい響きをもつ「ネコ」という音が、いつ・どのように定着したのか。

実はこの「猫」という名前には、いくつかの有力な説が存在します。
日本語らしい“音の感覚”と“暮らしの中の観察”が重なって生まれた言葉だと考えられています。

「寝る子」→「寝子(ネコ)」が語源という説

最も有名なのが、「ネコ=寝る子(寝子)」説です。

猫は一日の大半を寝て過ごす動物。
その姿から、古代の人々が「よく寝る子」という意味で「寝子」と呼び、
やがて「ネコ」という発音が定着したといわれています。

この説は、猫の生活習慣と名前の響きが自然に一致していることから、
日本語学的にも最も有力視されています。

古語や文献にも、平安時代にはすでに「猫(ねこ)」の表記が見られ、
“人のそばで眠る愛らしい動物”というイメージがあったようです。

「鼠を捕る子」や「音の響き」説など、他の諸説も

もうひとつの説が、「鼠を捕る子(ねずみをとるこ)」から転じたというもの。
猫が家の害獣であるネズミを退治してくれる存在だったことから、
“ね(鼠)を取る子”→“ねこ” と呼ばれるようになったという考え方です。

また、言葉の響きそのものに由来を求める「音象徴説」もあります。
日本語では「ね」「に」「ぬ」「の」「ん」などの柔らかい音は、
小さくてかわいらしい存在を連想させる傾向があります。

「ネコ」という音の響きが、
“柔らかくて愛らしい動物”というイメージにぴったりだったため、
自然と広まっていったという見方もできるのです。

どの説も「人と猫の関係性」をうかがわせるものであり、
人々の暮らしと感性から生まれた言葉といえるでしょう。

海外では「Cat(キャット)」や「Mao(マオ)」が主流!音の共通点に注目

世界に目を向けてみると、猫の呼び名にも興味深い共通点があります。

英語では「Cat(キャット)」、
フランス語では「Chat(シャ)」、
スペイン語では「Gato(ガト)」、
そして中国語では「猫(マオ)」、タイ語でも「แมว(メーオ)」など、
“カ行”や“マ行”の柔らかい音が多いのが特徴です。

特に「マオ」「メーオ」などの発音は、
猫の鳴き声「ミャーオ」に由来しているとされ、
世界的にも“鳴き声から名づけられた動物”といえるでしょう。

日本語の「ネコ」も、
音の柔らかさや響きの心地よさという点では、
他国の呼び名と不思議な共通性を持っています。

つまり、どの国でも「猫=親しみやすく、愛らしい存在」として、
自然にやわらかい音が選ばれてきたと考えられるのです。

 

“キリン”の名前の由来|空想動物が現実に?

“キリン”の名前の由来|空想動物が現実に?

長い首と優雅な立ち姿で知られる「キリン」。
でもこの名前、実は最初から“あの草食動物”のことを指していたわけではありません。

「キリン」という言葉のルーツをたどると、そこには神話・誤解・言葉の伝播という面白い歴史が隠れています。
もともと「麒麟(きりん)」とは、中国の伝説に登場する聖なる幻獣の名前。
それが、のちに“アフリカの長い首の動物”を指すようになったのです。

中国の伝説生物「麒麟(きりん)」が語源

「麒麟(きりん)」は、中国の古典『礼記』や『史記』にも登場する神聖な霊獣。
体は鹿に似て、牛の尾を持ち、頭には一本の角があるとされ、
“仁(思いやり)と徳を象徴する生き物”として古来より尊ばれてきました。

この麒麟は、鳳凰・龍・亀と並んで“四霊”と呼ばれる神獣の一つで、
王の出現や聖人の誕生を知らせる吉兆の象徴でもあります。

つまり、もともとの「キリン」は現実の動物ではなく、想像上の神聖な存在だったのです。
「現実のキリン」が登場するのは、まだずっと後のことになります。

実物の“キリン”が日本に伝わったときの勘違い説

やがて15〜16世紀ごろ、アフリカから長い首を持つ動物――現在の「ジラフ(Giraffe)」が
中国や日本に初めて伝えられます。

そのとき、見た人々はその不思議な姿に驚き、
「これはまるで伝説の“麒麟”のようだ!」と感じたのです。

こうして、本来は幻獣だった「麒麟」という名前が、現実の動物に転用されることになりました。

特に江戸時代、日本に実物のキリンが献上された際も、
当時の学者たちはその姿を「聖なる動物・麒麟」と記録しています。

つまり、「キリン」という名前には、
“想像上の存在”が“現実の生き物”と結びついた文化的ミスリードが隠されているのです。

英語の “Giraffe(ジラフ)” の由来もユニーク!

一方で、英語の「Giraffe(ジラフ)」の語源も興味深いです。
この言葉は、アラビア語の「zarāfa(ザラーファ:優雅な歩みをする者)」が語源といわれています。

さらにそれがラテン語を経て「giraffa」となり、フランス語・英語に取り入れられました。
つまり、英語名は見た目や伝説ではなく、“動きの美しさ”に注目して名づけられたという点がユニークです。

また、ヨーロッパではキリンを「Camelopard(キャメロパード:ラクダ+ヒョウ)」と呼んでいた時代もあります。
これは、キリンの姿が「ラクダのような体に、ヒョウのような模様」をしていたことからつけられたものです。

このように、「キリン」という名前ひとつをとっても、
東洋では“神話の幻獣”から、
西洋では“見た目や動き”から発想されたというように、
文化によってまったく異なる名づけの背景があるのです。

 

“カンガルー”の由来|まさかの聞き間違い説?

“カンガルー”の由来|まさかの聞き間違い説?

オーストラリアを代表する動物「カンガルー」。
独特の跳ねる動きや、お腹の袋に子どもを入れる姿が印象的ですよね。
そんな「カンガルー」という名前にも、実はちょっとした“勘違い”から生まれた逸話があるのをご存じでしょうか?

その由来をたどると、「言葉の伝わり方」と「文化の違い」の面白さが見えてきます。

有名な「What’s that?(あれは何?)」→「カンガルー」説

最も有名なのが、“聞き間違い説”と呼ばれるエピソードです。

18世紀後半、イギリスの探検家ジェームズ・クックがオーストラリアを航海中、
現地で初めて見た跳ねる動物に驚き、近くにいた先住民アボリジニにこう尋ねたといいます。

“What’s that?”(あれは何だ?)

すると、アボリジニの人が答えた言葉が「カンガルー(Kangaroo)」でした。
クック船長たちはそれを動物の名前だと思い、そのまま記録してしまった――というのがこの説のあらましです。

しかし実は、この話には“オチ”があります。
後にわかったのは、アボリジニの人が言った「カンガルー」は、
「わかりません」や「知らない」という意味だったという説。

つまり、探検家が質問をし、それに対して“わからない”と答えた言葉を、
そのまま動物名と誤解して広まってしまったというわけです。

実はアボリジニ語「カンガルー=跳ぶ動物」が正解

ただし、最近の研究ではこの“聞き間違い説”には誤りがあることがわかっています。

実際には、「カンガルー(Kangaroo)」という言葉は、
オーストラリア北東部で話されていたアボリジニ語のひとつ「グーグ・ヤミディール語」に由来するもので、
「ガングルー(Gangurru)」=
“大型の灰色カンガルー”を指す言葉だったと考えられています。

つまり、探検家が現地の人から聞いた「カンガルー」は、
実際にその動物を指す正しい現地語だったのです。

聞き間違い説が生まれたのは、
後世の人々が“エピソードとして面白い”と広めたことがきっかけといわれています。

それでもこの話が長く語り継がれてきたのは、
異なる文化間のコミュニケーションの難しさを象徴する逸話だったからかもしれませんね。

言葉の伝わり方から見える“文化の違い”

「カンガルー」の名前の歴史を振り返ると、
言葉というのは“誰がどう受け取るか”によって大きく形を変えることがわかります。

探検家は「動物の名前」として、
現地の人々は「生活の中の呼称」として、
それぞれの立場から同じ言葉を聞き取り、別の意味を与えていったのです。

この出来事は、言葉が文化を越えて広がるときの“ずれ”や“誤解”が、
新しい言葉を生むこともある
という象徴的な例といえるでしょう。

今では「カンガルー」は世界中で共通の名前として知られていますが、
その裏には“聞き間違い”から始まったかもしれない、
人間の好奇心とコミュニケーションの物語が隠されているのです。

 

その他の動物の名前の由来もおもしろい!

その他の動物の名前の由来もおもしろい!

動物の名前には、古代の言語や人々の生活、文化の影響が深く関わっています。
どれも「なるほど!」と思わずうなずくような由来ばかり。ここでは、“ゾウ”“パンダ”“ペンギン”の名前の由来を紹介します。

“ゾウ”は「鼻が長い」を意味する古語から

「ゾウ」という言葉は、古代インドのサンスクリット語 hastin(=鼻の長い動物)や、ペルシャ語 fil に由来すると言われています。
日本語では、奈良時代の文献に「象(ざう)」という表記が見られ、中国語の「象(シャン)」を音読したのが始まりです。

つまり「ゾウ」という呼び名は、“鼻の長い大きな動物”という特徴から生まれた言葉であり、世界各地で共通して「特徴をもとに命名」された例といえます。

“パンダ”はネパール語で「竹を食べる者」

「パンダ」という名前は、ネパール語の「ポンヤ(ponya)」または「ニガリポンヤ(nigalya ponya)」が由来とされています。
意味は“竹を食べる者”。その名の通り、竹を主食とするパンダの食性が名前に反映されているのです。

ちなみに「ジャイアントパンダ」と区別される「レッサーパンダ(小パンダ)」の方が、実は名前の起源としては先。
19世紀にヨーロッパへ紹介された際に「竹を食べる動物=パンダ」と呼ばれ、後から見つかった大きい方に「ジャイアント」の名が付いたという経緯があります。

“ペンギン”は「白い頭」から?実は絶滅鳥の名残だった!

「ペンギン(penguin)」の語源にはいくつかの説があります。
有力なのは、ウェールズ語の pen gwyn(=白い頭)という言葉。
もともとは北半球に生息していた「オオウミガラス(Great Auk)」という鳥の呼称でした。

のちに南半球で似たような見た目の飛べない鳥が見つかり、その名を引き継いで「ペンギン」と呼ばれるようになったのです。
つまり、現在のペンギンは“かつての絶滅種の名前を受け継いだ”珍しいケースといえます。

まとめ|名前には「見た目」と「文化」が息づいている

動物の名前には、特徴・生態・人々の言語文化が色濃く反映されています。
「ゾウ=鼻の長い者」「パンダ=竹を食べる者」「ペンギン=白い頭」——。
どの名前にも、昔の人々が自然を観察し、感じ取った“印象”がそのまま言葉として残っているのです。

 

まとめ|動物の名前には歴史と文化が詰まっている

まとめ|動物の名前には歴史と文化が詰まっている

私たちが何気なく呼んでいる動物の名前——。
その一つひとつには、人類の長い歴史や文化、そして“自然との関わり方”が込められています。
言葉の背景をたどると、古代の人々がどのように動物を観察し、どんな印象を抱いていたのかが見えてくるのです。

名前から見える“人と動物の関わり”

動物の名前は、単なる「呼び名」ではなく、人と動物の関係を映す鏡でもあります。
たとえば、“ゾウ”はその大きな体や長い鼻への驚き、“パンダ”は竹を食べる不思議な食性への興味、
“カンガルー”には異文化交流の中で生まれた“勘違い”の物語がありました。

こうした名前の背景を知ることで、人類が動物をどう理解し、どんな感情を抱いてきたのかが見えてきます。
それはまさに、言葉を通してたどる“生き物と人間の共存の歴史”です。

語源を知ると、動物の見方がちょっと変わる

語源を調べることは、単なる知識ではなく「発見の旅」です。
普段は何気なく見ていた動物でも、「名前にそんな意味があったんだ」と知ると、
その存在がぐっと身近で特別に感じられるはず。

言葉のルーツをたどることで、世界各地の文化や価値観の違いも見えてきます。
動物の名前を通して、「言葉」と「自然」と「文化」のつながりを再発見してみましょう。


まとめポイント

  • 動物名の多くは“特徴”や“文化”から生まれた

  • 名前の由来を知ると、動物の見方がより深まる

  • 言葉は、私たちと自然をつなぐ“もうひとつの記録”

 

どうしてそうなった!? いきものの名前はこちら🔻

 

 

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