知らなきゃ損!動物の名前の由来まとめ|猫・キリン・カンガルーはなぜその名前に?
「ネコ」「キリン」「カンガルー」…私たちが何気なく呼んでいる動物の名前。
実はその由来には、昔の人の“想像力”や“勘違い”、さらには異文化との出会いまで詰まっているのをご存じですか?
本記事では、猫=「寝る子」、キリン=中国の神獣、カンガルー=聞き間違い?といった興味深いエピソードをはじめ、タヌキ・ペンギン・パンダなどのちょっと意外な語源もあわせてご紹介。
名前に隠されたストーリーを知ることで、いつもの動物たちがもっと身近に、もっと好きになるはずです。
動物の名前、どこから来た?|語源にまつわる豆知識
動物の名前には、私たちが気づかないうちに“歴史”や“文化”がしっかり刻まれています。普段何気なく呼んでいる「猫」や「キリン」「カンガルー」などの名前も、実は長い年月の中で生まれ、受け継がれてきたもの。
その由来をたどると、時代ごとの人間の価値観や、言葉の面白い変化まで見えてきます。
たとえば、「ある特徴を表した名前」「外来語がなまったもの」「間違って伝わった説」など、名付けの背景はさまざま。それぞれの動物の名前に隠された“ストーリー”を知ることで、いつもの動物たちがちょっと身近に、そして少しだけ特別に思えるかもしれません。
そもそも「名前の由来」って何が元になってるの?
「名前の由来」とは、言葉がどのように生まれ、今の形になったかを示す“語源”のこと。特に動物の名前においては、その動物を見た人たちが「どんな印象を持ったか」や、「どう呼ぶのが自然だったか」が大きく関係しています。
たとえば、名前の元になるものは以下のようなケースが多く見られます。
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その動物の行動や習性(例:猫=“寝子”)
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身体の特徴(例:キリン=首が長く、模様が特徴的)
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鳴き声や音(例:カエル、ウグイスなど)
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人間の想像・伝説(例:麒麟=中国の神獣)
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他言語からの輸入語(例:パンダ、カンガルーなど)
つまり、名前とは単なるラベルではなく、人間の“感性と言葉”が結びついた結果なのです。
音の響き?見た目?地域?さまざまな名付けのパターン
動物の名前の成り立ちは、意外なほど多彩です。大きく分けると、以下のような「名付けのパターン」が見えてきます。
名付けの要素 | 具体例 | 特徴 |
---|---|---|
見た目や特徴から | キリン(首が長い)、シマウマ(しま模様) | 見たままを表現したもの |
音や鳴き声から | カエル(ケロケロ)、コウコウ鳥 | 聞いた印象をそのまま名称に |
行動や性質から | ネコ(寝る子)、タヌキ(だます) | 習性をもとにしたネーミング |
地名・地域から | インドゾウ、アメリカバイソン | 生息地に由来する名前 |
外来語の転訛・誤解から | カンガルー、パンダ | 他言語の誤解・音写による命名 |
このように、動物の名前は「見て、感じて、呼んでみる」という人間の自然な行動から生まれたもの。
ときに詩的で、ときにユーモラス。その背景には、言葉の不思議な進化と、人と動物の深い関係性が垣間見えるのです。
“猫”の由来|なぜ「ネコ」になったのか?
「ネコ」という呼び名は、日本語の中でも特に親しみ深い言葉のひとつです。でも、その名前の由来について考えたことはありますか?
愛らしいしぐさや気ままな性格で知られる猫ですが、その“名前の成り立ち”をたどると、古くから人々がどのように猫と接してきたかが見えてきます。
語源の有力説から、地域ごとの呼び方の違いまで、猫という存在の“名前の背景”をひも解いてみましょう。
「寝子(ねこ)」が語源?眠ってばかりの生態から
もっとも有力とされる語源は、「寝る子(ねるこ)」が短くなって「ねこ」になったという説です。
猫は1日の大半を寝て過ごすことで知られており、その姿を見た昔の人々が「寝てばかりの子=寝子」と呼んだのがはじまりだとされています。
この説の魅力は、猫の習性と日本語の柔らかさが自然に結びついている点にあります。
実際に、成猫でも1日12~16時間は寝ていることが多く、まさに“寝る子”という表現がぴったりなのです。
中国語の「猫」もルーツ?アジアに共通する呼び方
一方で、「ネコ」という呼び名のルーツには中国語の影響も指摘されています。
漢字で“猫”と書くようになったのは中国文化が伝来してから。中国語でも「マオ(māo)」と発音されるなど、猫を指す呼び方には東アジア共通の響きがあります。
中国では古くから猫が農作物を守る存在として大切にされており、仏教とともに日本にも伝わったという説も。
つまり、「ネコ」という音の語源は日本独自でもあり、中国文化の影響も受けている“ハイブリッド”な存在ともいえるのです。
地方によっては「ミケ」「ニャン」など愛称も多彩
正式な名前としての「ネコ」のほかに、地方によって猫を呼ぶユニークな言い方が残っています。
たとえば三毛猫を「ミケ」、鳴き声から「ニャン」、小さな猫を「チビ」など、親しみを込めた愛称がたくさん使われています。
また、方言によっては「マヤー(沖縄)」「ニャー(山梨)」など、全く異なる呼称も存在します。
これらの呼び名は、地域に根づいた暮らしの中で育まれてきた文化の一部。猫という存在がいかに人々に愛されてきたかが伝わってくる証拠でもあります。
猫という言葉には、「見たまま」「聞いたまま」「感じたまま」に名付けるという、日本語らしい素朴で温かい発想がつまっています。
ただの一語「ネコ」にも、時代を超えて受け継がれた背景があると知ると、身近な動物との距離もぐっと縮まりますね。
“キリン”の名前の由来|空想動物が現実に?
首が長く、のんびりとした姿が印象的な「キリン」。でもこの名前、実は空想の動物から来ているって知っていましたか?
今ではアフリカのサバンナに実在する動物として知られるキリンですが、その名前の由来をたどると、まさかの“神話”や“伝説”の世界にたどり着きます。
一見現実的な生き物の名前に、空想が混じる不思議。その背景をのぞいてみると、人間の想像力と出会いの歴史が見えてきます。
実は中国の伝説の動物「麒麟(きりん)」が元!
「キリン」という名前のルーツは、中国の伝説に登場する神聖な動物「麒麟(きりん)」です。
麒麟は、龍・鳳凰・亀とともに「四霊」と呼ばれる神獣のひとつ。徳の高い王が現れるときに姿を現す、聖なる存在とされていました。
この伝説の麒麟は、角があり、鹿のような体つきで、全身には鱗のような模様があり、歩くときは草を踏まないほど慎重な動きだったとか。
まさに「理想化された動物」であり、人々の願いや信仰が込められた存在です。
現実のキリンと伝説のキリン、何が違う?
現実のキリンと伝説の麒麟を比べると、実は見た目も性質もかなり異なります。
まず、実在するキリンはアフリカ大陸原産で、最大6メートル以上にもなる長い首と、体を覆う独特なまだら模様が特徴。一方、伝説の麒麟は、鹿や馬に似た姿で、角を持ち、しばしば火や雲に包まれた神々しいビジュアルで描かれます。
ではなぜ、まったく違う動物に同じ名前がついたのでしょうか?
実は、15〜16世紀頃、中国経由でアフリカのキリンが日本に紹介されたとき、「これは麒麟に違いない!」と人々が思い込んだことがきっかけと言われています。
初めて見る異国の動物に、伝説のイメージを重ねてしまったというわけです。
首の長さではなく「模様」に注目されていた?
現代の私たちは、キリンと聞くと“首の長さ”を思い浮かべますが、当時の人々が注目したのはその「模様」だったとも言われています。
まだら模様の体は、伝説の麒麟に描かれる“うろこのような文様”と似ているとされ、神聖な動物=キリンという印象を強める要因になったようです。
また、キリンの大きく穏やかな目や、群れで静かに過ごす姿も、徳のある存在とされた麒麟のイメージと重ねられた可能性があります。
つまり、異文化と出会った瞬間の“解釈のズレ”が、新たな名付けに繋がったわけです。
それこそが、「キリン=麒麟」という不思議な一致の背景にあるストーリーなのです。
「伝説の動物に間違えられた現実の動物」——そんな視点で見ると、キリンという名前もぐっと興味深く感じられますね。
名前の由来には、文化と文化が出会う“瞬間の歴史”が刻まれているのです。
“カンガルー”の由来|まさかの聞き間違い説?
ピョンピョン跳ねる姿が特徴的なオーストラリアの動物「カンガルー」。その名前の由来には、思わずクスッと笑ってしまうような“伝説の聞き間違い”説が語り継がれています。
今や国の象徴として知られるカンガルーですが、そもそも「カンガルー」という響きはどこから来たのでしょうか?
実はこの名前の背景には、言語の壁と文化の違いが深く関わっているのです。
「カンガルー=わからない」という伝説のやりとり
もっとも有名なのが、「“カンガルー”という名前は、聞き間違いから生まれた」という説です。
18世紀後半、イギリスの探検家ジェームズ・クック一行がオーストラリアに上陸し、カンガルーを初めて目にしたときのこと。彼らはその動物の名前を現地のアボリジニに尋ねたところ、返ってきた言葉が「カンガルー」。
ところが実はこの「カンガルー」という言葉は、「わかりません」「何を言ってるのか分からない」といった意味だった——というのが“伝説の聞き間違い説”です。
つまり、質問と回答がかみ合わないまま、「それ」がそのまま名前になってしまったというのです。
実際は先住民語「ガングル」など諸説あり
この伝説的エピソードはとても有名ですが、近年では言語学者の研究により、やや違う見解も示されています。
実際には、「カンガルー」は**オーストラリア北東部のグーグ・イミディール語で“カンガルーの一種”を意味する「ガングル(gangurru)」**が語源ではないかとされています。
つまり、「カンガルー」という言葉は、アボリジニの言葉に由来している可能性が高いのです。
ただし、オーストラリアには数百種類以上の先住民言語が存在しており、地域ごとに全く違う言葉を使うことも珍しくありません。そのため、クック一行が尋ねた地域では「ガングル」という言葉自体が存在しなかった可能性も。
ヨーロッパ人とアボリジニの文化のすれ違い
この“カンガルー命名説”が象徴しているのは、言語や文化の壁によって生じる「すれ違い」そのものです。
探検家たちは「名前を知ろう」としていたのに対し、現地の人々は「何を聞かれているのか分からない」と感じていたかもしれません。
その小さな行き違いが、現代まで残る“動物の正式名称”につながっているのは、ある意味でとても興味深いことです。
このように、動物の名前ひとつをとっても、そこには人間同士の出会いや、伝達の難しさ、そして歴史の面白さが詰まっているのです。
「カンガルー=わからない」という伝説は、完全な事実ではないかもしれません。
しかし、それが語り継がれるほど魅力的なのは、人と人との“すれ違いの中に生まれる偶然”が、言葉として残る不思議があるからかもしれませんね。
その他の動物の名前の由来もおもしろい!
「ネコ」「キリン」「カンガルー」以外にも、動物の名前にはユニークな由来がたくさん隠されています。
音の響き、特徴的な姿、伝説や外国語との関係…その背景を知ると、何気なく呼んでいた名前がグッと味わい深く感じられるはず。
ここでは、思わず「へぇ!」と言いたくなるような、その他の動物の名前の由来を見ていきましょう。
「タヌキ」は“他を抜く”から?ずる賢いイメージが由来
「タヌキ(狸)」という名前の由来には諸説ありますが、有力な一説が“他を抜く”=「他抜き(たぬき)」という言葉から来ているという説です。
これはタヌキのずる賢さや化ける力(変化=へんげ)を表現したもの。昔話にもよく登場し、人間を騙す存在として描かれることが多いのも、この由来を裏付けるようです。
一方で、アイヌ語や古代日本語にルーツがあるとする説もあり、「タヌ(田野)」+「キ(獣)」=“田野の獣”という解釈もあります。
いずれにしても、タヌキが人の近くで生活しながらも警戒心が強く、姿をくらます能力に長けていることから、「他を出し抜くような存在」として名付けられた可能性は十分にあるでしょう。
「ペンギン」は“太った小人”?スペイン語の言い間違い?
「ペンギン」という名前もまた、なかなか不思議な語源を持つ動物のひとつ。
一般的には、かつて北半球に生息していた「オオウミガラス(Great Auk)」を指して使われていたウェールズ語の“pen gwyn(白い頭)”が語源とされ、それが後に南極のペンギンにも転用されたという説があります。
しかしもうひとつユニークなのが、「ペンギン」という言葉をスペイン語で“pinguino”と書くことから、「太った(pingo)+小人(-ino)」のような意味合いが混ざったという俗説。
実際には誤解や偶然の語形変化によるものですが、ペンギンの丸っこい体とちょこちょこ歩く姿を見ると、“ぽっちゃりした小人”という表現も妙にしっくりきてしまいます。
「パンダ」はネパール語?竹を食べる「手の動き」から?
「パンダ(panda)」という名前の語源には、ネパール語の「ポニャ(ponya/竹を食べる者)」が関係しているという説が有力です。
これはもともと“レッサーパンダ”に対してつけられた名前で、その後“ジャイアントパンダ”にも同じ呼び名が使われるようになりました。
「ポニャ」は、竹を前足でつかんで食べるレッサーパンダの仕草を表しているとされ、その可愛らしい動作が名前の由来になったと考えられています。
つまり、動物の“見た目”ではなく“動き”に着目して名付けられた珍しいケースとも言えるのです。
なお、中国語では「熊猫(シォンマオ)」=“クマのようなネコ”と表現され、これもまた姿からのイメージによるネーミングとなっています。
知っているようで知らなかった動物たちの名前の背景。
たった一語の中にも、言葉の変化・文化の交差・人の感性が込められているとわかると、動物たちへのまなざしも少し変わってくるかもしれませんね。
まとめ|動物の名前には歴史と文化が詰まっている
普段、当たり前のように呼んでいる動物の名前。けれど、その一語一語の奥には、私たち人間が長い時間をかけて築いてきた歴史や文化のエッセンスがぎゅっと詰まっています。
「寝子(ネコ)」「神獣(麒麟)」「聞き間違い(カンガルー)」──名前の由来をたどることで、その動物と人との関わり方、そして言葉の成り立ちまで見えてくるのです。
一見バラバラに見える呼び名の背景には、「どう見えたか」「どう聞こえたか」「どう思ったか」という、時代を超えた“人の感覚”が生きています。
それはまさに、名前が“文化そのもの”であることの証と言えるでしょう。
名付けには「想像力」も「観察力」も詰まっている
動物の名前をつけるという行為には、単なるラベリングを超えた人間の感性が働いています。
「よく寝るから」「模様が神聖っぽい」「見たことないけど伝説に似ている」──そんな想像や直感、そして行動の観察によって、動物たちの名前は生まれてきました。
つまり、名付けとは「その動物をどう見ていたか」の反映。
そこには観察する目線と感じ取る心が表れていて、私たちが動物に対してどんなまなざしを向けてきたかが、言葉の形になっているのです。
知ることで、もっと動物が好きになる!
名前の由来を知ると、いつも見ていた動物がまったく違った存在に感じられることがあります。
猫の“眠たげな目”に愛しさを感じたり、キリンの“神話とのギャップ”にロマンを感じたり、カンガルーの名前に“人間同士のすれ違い”を想像したり──。
言葉の背景を知ることで、動物たちは単なる“生き物”ではなく、歴史をともに歩んできた相手として感じられるようになります。
そしてそれはきっと、動物をより大切に思うきっかけにもつながるはずです。
動物の名前の由来を知ることは、言葉と文化、そして人間の心の動きに触れること。
次に動物の名前を口にするとき、ぜひその“深み”を少しだけ思い出してみてくださいね。


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