どうでもいいことを考えすぎるクセをやめたい人へ|今日からできる7つの対処法
「なんであんなこと言っちゃったんだろう…」
「気にするほどのことじゃないのに、ずっと頭から離れない」
そんなふうに、あとから思い返しては同じことをぐるぐる考えてしまう。
どうでもいいことなのに、自分の中ではどんどん大きくなって、気づけば気持ちが沈んでいたり、眠れなくなっていたり…。
実はこれ、“考えすぎのクセ”による思考のループです。
そして、誰にでも起こりうる心の癖でもあります。
ちょっとしたひと言や他人の態度が気になりすぎてしまう。
頭の中でシミュレーションや反省会を繰り返して疲れてしまう。
――そんな日々を変えたいと感じているなら、まずは「なぜ考えすぎてしまうのか」を知ることが第一歩です。
本記事では、
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「どうでもいいことを気にしすぎる」本当の原因
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考えすぎのループを断ち切る具体的な対処法
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考えすぎない人が自然にやっている習慣
などをわかりやすくご紹介します。
ちょっとした意識と習慣の変化で、あなたの心はぐっと軽くなります。
今日からできること、一緒に見つけていきましょう。
なぜ「どうでもいいこと」を考えすぎてしまうのか?
日常のちょっとした出来事や言葉が、なぜかいつまでも頭から離れない…。
「どうでもいい」と思っているはずなのに、なぜこんなにも気になってしまうのでしょうか?
そこには、いくつかの心理的・脳科学的な理由があります。
原因① 完璧主義や自己否定の思考グセ
「もっと○○すればよかった」
「私のせいだったかもしれない」
「相手はきっと○○って思ってるに違いない」
こうした思考は、完璧を求める気持ちや、自分を厳しく評価してしまうクセから来ていることが多いです。
つまり、「ミスした自分を許せない」「誰かをがっかりさせたくない」という気持ちが、“どうでもいいこと”を重大な問題に感じさせてしまうのです。
さらに、自己肯定感が低い人ほど、「またやってしまった」「私ってダメだな」と、自分への評価を下げる材料として過去の些細な出来事を繰り返し再生してしまいます。
▶対策のヒント
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「失敗しても大丈夫」「完璧じゃなくていい」という言葉を口に出して、自分に優しく声をかける練習を。
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友人や他人だったらどう声をかけるか?と考えると、思考に客観性が出ます。
原因② 脳の“空白”を埋めようとする性質
実は私たちの脳は、“何もしていない時間”をとても嫌います。
ぼーっとしているようで、実は脳内では「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」という回路が活性化し、無意識のうちに過去の記憶や人間関係などを勝手に再生・分析し始めます。
これが、電車の中や寝る前、ふと一人になったときに「どうでもいいことを考えすぎてしまう」原因の一つです。
脳は“空白”を嫌い、自動的に何かを埋めようとする。その素材として手頃なのが、身近な不安や小さな気がかりなのです。
▶対策のヒント
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スマホではなく、「軽い作業」や「体を使う行動」で空白を埋めるのが効果的(例:片付け、散歩、植物の水やりなど)
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“あえて暇を作らない”のではなく、“暇に質を与える”ことが鍵です(読書や趣味時間にスイッチ)
原因③ 疲れやストレスによる集中力の低下
実は、体や心が疲れているときほど、私たちは「どうでもいいこと」に囚われやすくなります。
脳のエネルギーが不足すると、冷静に物事を判断する「前頭前野」の働きが低下し、不安や後悔などの感情が暴走しやすくなるためです。
たとえば、寝不足の朝や仕事帰りの帰宅途中にネガティブな思考が止まらなくなった経験はありませんか?
それは、単に「脳が疲れているから」起きている現象。気力や理性ではコントロールできない自然な反応なのです。
▶対策のヒント
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思考より“休息”を優先する
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考えすぎていると感じたら、「あ、脳が疲れてるんだ」とラベリングし、睡眠や食事、リラックスを取り入れる
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考えごとは“疲れていない時間帯”にする工夫も◎
「どうでもいいことを考えすぎる」クセを直す7つの方法
「考えすぎないようにしよう」と思っても、なかなか止められないのが“クセ”のやっかいなところ。
けれど、ちょっとした行動の工夫や思考の転換で、そのクセは少しずつ薄めていくことができます。
ここでは、今日からすぐできる実践的な7つの対処法をご紹介します。
① 5秒ルールで「今」に集中する
→ 5秒以内に別の行動に移す習慣で思考を断ち切る方法
「気になる」「嫌だったかも」と思った瞬間から5秒以内に別のことを始める――
これが、脳の“考えすぎスイッチ”をオフにするシンプルで強力な方法です。
この「5秒ルール」は、脳が思考モードに入る前に“行動モード”へ切り替えるためのスイッチ。
たとえば、考え込みそうになったらすぐにコップを洗う、深呼吸する、体を伸ばす、スマホを閉じるなど、小さな行動でOKです。
▶ポイント
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「考えたくなったら5秒以内に動く」が合言葉
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考える前に“やる”ことで思考の悪循環を断ち切る
② 書き出して頭から“追い出す”
→ モヤモヤを紙に書いて客観視するテクニック
脳の中にある“気になること”は、アウトプットするだけで整理され、軽くなります。
ノートやメモアプリに「いま気になっていること」を思いつくまま書き出してみましょう。
ポイントは「とにかく思ったまま書く」こと。
正解や理由を探すのではなく、ただ“頭の中から外に出す”ことで、気持ちに余白が生まれます。
▶おすすめの方法
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「モヤモヤ吐き出しノート」や「心のゴミ箱」として、専用のページを作る
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書いたあと見返さなくてもOK。破って捨てるのもアリ
③ 体を動かして脳のループをリセット
→ ウォーキングや軽いストレッチの効果
思考が止まらないとき、実は“体を使う”ことが一番の近道です。
特に、ウォーキングやストレッチのようにリズムのある運動は、脳の中のモヤモヤを“物理的に”リセットしてくれます。
運動によりセロトニンやドーパミンといった「心を安定させる脳内物質」が分泌され、過剰な思考や不安感が自然に落ち着いていきます。
▶気軽にできる例
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10分の散歩でOK。コンビニまで歩くでも◎
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深呼吸しながら肩回し、首まわりのストレッチもおすすめ
④ 「考える時間」をあえて作る
→ 考えすぎるなら“あえて考える”ことで逆に整理できる方法
「考えすぎをやめよう」とすると、かえって気になってしまう。
そんなときは逆に、“考える時間”を意図的に作ってしまうのも有効です。
たとえば、「今日の22時から10分だけ、気になることを考える」と時間を区切る。
すると脳は「今は考えなくていい」と納得し、無駄な反復思考が減ります。
▶ポイント
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“考えすぎ”を“考える時間”としてコントロールする
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限定時間で向き合うことで、思考に区切りをつけられる
⑤ SNSやスマホから距離を置く
→ 情報のインプット過多が考えすぎを招いている可能性
SNSやスマホを長時間見ていると、無意識に他人の投稿やニュースに影響され、「あの人はどう思ってる?」「私の行動って変だった?」など、思考が暴走しやすくなります。
つまり、“どうでもいいこと”の種が、スマホからどんどん植えつけられている状態です。
▶対策のコツ
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寝る前のスマホ断ち(30分前に電源オフ)
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「通知オフ」や「アプリをホーム画面から外す」などの工夫を
⑥ 誰かに話してアウトプットする
→ 信頼できる人に話すことで気持ちが整理される
頭の中で考えているだけだと、思考はどんどん絡まり、誇張されてしまいます。
けれど、口に出して「こんなことで気になっててさ」と話すだけで、自分でもびっくりするほど気持ちがスーッと軽くなることがあります。
話すことで、脳は「これを処理した」と認識し、安心するのです。
▶話す相手がいない場合は…
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音声メモで自分に話しかける
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AIチャットや日記アプリでも◎(言葉にすることが大事)
⑦ 「ま、いっか」の口グセを習慣にする
→ 小さなことを受け流す“思考の余白”を育てる
完璧を求めたり、失敗を許せなかったりすると、どんな小さなことでも重大に感じてしまいます。
だからこそ、「ま、いっか」と口に出すクセをつけることは、考えすぎない思考への第一歩。
“受け流す力”がついてくると、気にすることがぐっと減り、日常のストレスも減少します。
▶習慣化のポイント
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鏡の前で「ま、いっか」と笑いながら言う練習を
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一人ツッコミ風に言うと、思考がユーモアに切り替わる
このように、「考えすぎ」を断ち切るには、根性や気合いではなく、日々の小さな工夫と行動の積み重ねがカギになります。
「考えすぎない人」が自然にやっている3つの習慣
「どうでもいいことをいちいち気にしない人」って、身近にいませんか?
何かイヤなことがあっても、サラッと受け流していたり、気持ちの切り替えがうまかったり。
実はそういう人たちには、無意識のうちに実践している“思考と感情の扱い方”があります。
ここでは、考えすぎない人が自然と身につけている3つの習慣を紹介します。
感情に気づいてラベリングする
→「イライラしてるな」「気にしてるな」と言語化する力
考えすぎない人は、感情に振り回されるのではなく、「自分はいま〇〇と感じている」と気づいています。
これを心理学では「感情のラベリング」と言い、脳科学的にもストレスを軽減する効果があるとされています。
たとえば、なんとなくモヤモヤしているときに「これは寂しさかも」「不安を感じてるな」と言葉にしてみるだけで、脳の“暴走モード”が一度止まります。
▶実践ポイント
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頭の中で実況中継するように、「あ、今イライラしてる」などとつぶやいてみる
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書き出すのも◎。ラベリングするだけで感情に飲まれにくくなる
自分の限界をちゃんと認めている
→「無理なときは無理」と受け入れる思考の柔らかさ
考えすぎてしまう人ほど、頑張り屋で責任感が強い傾向があります。
一方、考えすぎない人は「今日の自分は疲れてるから無理しない」と、心と体の限界を素直に受け入れています。
「今はこれが精一杯」
「完璧じゃなくていい」
そんなふうに“ゆるい許可”を自分に出せるから、必要以上に物事を引きずらずに済むのです。
▶実践ポイント
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疲れているときほど「自分に優しくする日」と決めて行動を減らす
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自分にかける言葉を「友達に話すつもり」で考えてみると◎
「大事なこと」と「どうでもいいこと」の線引きがうまい
→気にする価値のあるものと、ないものを自然に見極めている
考えすぎない人は、「これは考えるほどのことか?」というフィルターを無意識に持っています。
すべてを真剣に受け止めるのではなく、「これは放っておいていいや」「これは自分には関係ない」と判断するクセがついているのです。
これは“冷たさ”ではなく、“自分の心を守る選択力”。
▶実践ポイント
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気になったときに、「これは1週間後も気にしてる?」と自問してみる
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「時間と心を使うべきか?」という視点を持つと、思考の優先順位が明確に
ちょっとした習慣の差が、「考えすぎない人」と「いつも気にしすぎてしまう人」の違いです。
大事なのは、生まれつきではなく「日々の意識」で少しずつ身につけていける、ということ。
無理に変えようとしなくても、できることから少しずつ取り入れていきましょう。
まとめ|“考えすぎ”をやめると、心がずっと軽くなる
「どうでもいいことなのに、なぜか頭から離れない」
そんな“考えすぎのクセ”に悩んでいる人は、とても真面目で頑張り屋な人が多いものです。
でも本来、私たちの思考は“訓練”で変えていけるもの。生まれつきではありません。
今回ご紹介したように、
「手放す」「書き出す」「体を動かす」――
そんな小さなアクション一つひとつが、思考のクセを整えるきっかけになります。
考えすぎをやめることで、心は驚くほど軽くなり、
自分の大切な時間やエネルギーを「本当に向き合いたいこと」に使えるようになります。
焦らなくて大丈夫。
まずは今日、この中のどれか一つだけ、できそうなことから始めてみてください。
「思考を手放せた」というその小さな実感が、きっとあなたの心をやさしく守ってくれるはずです。

佐藤 彩香(心理カウンセラー) |ご支援はこちら

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