体温が低い人のデメリットとは?冷え性・代謝・体調への影響をやさしく解説
「平熱が低いのは体質だから…」「35℃台だけど元気だから大丈夫」——そんなふうに思っていませんか?
実は、低体温が続くことで、知らず知らずのうちに体と心に負担がかかっている可能性があります。
本記事では、体温が低いことで起こるデメリットや、冷え性・代謝との関係をわかりやすく解説。さらに、日常生活でできる体温アップの習慣も紹介します。
「なんとなく不調が続いている」「冷えが気になる」という方は、ぜひチェックしてみてください。
そもそも「低体温」とは?正常な体温との違い
「低体温」とは、平熱が36.0℃未満の状態を指します。医学的に明確な定義はありませんが、一般的には36.5〜37.0℃が健康的な成人の平熱とされています。これよりも体温が恒常的に低いと、さまざまな不調のリスクが高まるといわれています。
体温は「その時の熱」ではなく、「日常的に保たれている体の内部温度」。一時的に下がるだけなら問題ありませんが、常に35℃台が続くようであれば、それは“体質”ではなく体からのSOSかもしれません。
体温の基準値はどれくらい?
体温には個人差がありますが、以下が大まかな目安です:
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36.5〜37.0℃前後:理想的で健康的な平熱
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36.0〜36.4℃:やや低め(注意が必要)
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35.9℃以下:低体温の傾向あり
体温は朝と夜でも差があり、午前中は低め、午後にかけて上昇するのが自然なリズムです。測定する時間や状況によっても変わるため、毎日同じ時間・条件で測ることで“自分の平熱”を正しく把握できます。
「35℃台」は低すぎる?現代人に多い低体温の傾向
最近は、「35℃台が当たり前」という人が増えています。これは、以下のような現代の生活習慣が影響していると考えられています:
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運動不足(筋肉が少ないと熱を作りにくくなる)
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エアコンの影響で体温調節力が低下
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冷たい飲食物の摂取が多い
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ストレスによる自律神経の乱れ
35℃台の体温が続くと、代謝や免疫力が低下しやすく、慢性的な疲労感・冷え・生理不順などの不調にもつながりやすくなります。「低体温=体が省エネモードに入っている状態」とも言えるため、できるだけ36.5℃を目指す生活習慣づくりが大切です。
体温が低い人のデメリットとは?
体温が低い状態が続くと、見た目や気分だけでなく、体の内側でじわじわと不調が起きやすくなるのが特徴です。実は、「なんとなく不調」の裏には、体温が関係しているケースが少なくありません。ここでは、体温が低いことで起きやすいデメリットを4つに分けて解説します。
免疫力が下がる=風邪をひきやすくなる
体温が1℃下がると、免疫力は約30〜40%も低下するといわれています。体が冷えていると、白血球の働きが鈍くなり、ウイルスや細菌への防御力が落ちてしまいます。
そのため、低体温の人は風邪をひきやすく、治りにくい傾向があります。また、慢性的な喉の痛みや口内炎、肌荒れなど、「小さな不調が続く人」も要注意。体を温める生活を意識することで、自然と免疫力アップが期待できます。
代謝が落ちることで太りやすくなる
体温が低いと、基礎代謝(何もしなくても消費されるエネルギー量)が下がります。代謝が落ちると、食べたものが脂肪として蓄積されやすくなり、痩せにくい体に。
さらに、体温の低さは消化力や内臓の働きにも影響を与えるため、「食べていないのに太る」「むくみやすい」などの悩みにもつながります。筋肉を増やす・湯船に浸かる・温かい食べ物をとるなど、代謝を底上げする習慣が重要です。
疲れやすい・集中力が続かない
体温が低い人は、全身の血流が滞りやすくなります。すると、脳や筋肉に十分な酸素や栄養が届かず、**「ぼーっとする」「疲れが抜けない」「午前中に頭が働かない」**などの不調が起きやすくなります。
こうした状態が続くと、やる気が出ない・集中できないといった心の面にも影響が。**「だるさ=低体温のサイン」**として、自分の体調に目を向けてみましょう。朝のストレッチや白湯を飲む習慣など、血流を促す工夫がおすすめです。
肌荒れや生理不順などの不調にもつながる
低体温は、自律神経やホルモンバランスの乱れにも直結します。とくに女性は、冷えによって肌荒れ・便秘・生理不順・PMS悪化などが出やすくなると言われています。
血流や代謝の低下によって、肌のターンオーバー(再生サイクル)が乱れ、ニキビや乾燥肌が悪化することも。**「なんとなく肌の調子が悪い」「生理周期がバラバラ」**と感じるなら、体温チェックから始めてみるとよいでしょう。
冷え性との関係|体温が低いと「冷えやすい」は本当?
体温が低い人は「冷え性」と思われがちですが、実はこの2つ、似ているようで違うものです。ただし、どちらも血流や自律神経のバランスが深く関係しているため、重なる症状も多く、「冷えを感じやすい体質」になってしまう点では共通しています。
ここでは、「冷え性と低体温の違い」と「手足の冷えの正体」、そして冷えを放置するリスクについて見ていきましょう。
冷え性と低体温は別物?重なる部分と違い
まず知っておきたいのは、冷え性=自覚的な症状、低体温=数値的な状態だということ。
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冷え性:体温が正常でも「手足が冷たい」「寒さを強く感じる」といった自覚症状がある状態
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低体温:体温自体が常に低く(おおむね35℃台)、自覚のない人もいる
つまり、冷え性の人が必ずしも低体温とは限らず、逆もまたしかりです。しかし、低体温の人は血流が悪くなっていることが多く、結果として冷え性を併発しやすくなります。両者は「原因」と「結果」が入り組んでいるため、どちらか一方だけを改善しても根本解決にはならないことが多いのです。
血流の悪化が招く「手足だけ冷たい」状態
「手足だけが冷たい」という人は、体の中心部に比べて末端の血流が悪くなっている可能性が高いです。血液は心臓から送り出されて、体全体をめぐりますが、冷えや自律神経の乱れによって末端まで血液が届きにくくなると、特に指先や足先に冷えを感じやすくなります。
また、ストレスや緊張によって交感神経が優位になると、血管が収縮し、さらに血流が滞ってしまいます。これが「手足だけが氷のように冷たい」と感じる原因です。
対策としては、ストレッチや足湯、腹巻きなどで“血流を促す”工夫が有効。冷えは全身のバランスの乱れから生まれるため、末端だけでなく“体の中心”を温める意識も大切です。
放っておくと、慢性的な冷えに繋がる理由
一時的な冷えや低体温でも、「いつものことだから」と放置していると、それが慢性化して抜け出せなくなることがあります。体が冷えている状態に慣れてしまうと、血流や代謝、自律神経の働きがどんどん低下し、「冷えが当たり前」の体質に固定化されてしまうのです。
また、慢性的な冷えは免疫低下・消化不良・不眠・生理トラブルなど、全身の不調の引き金にもなります。「冷え」は軽視されがちですが、**“体からの小さな警報”**ともいえる重要なサインです。
日々のちょっとした温活(温かい飲み物・入浴・体を動かす)から始めて、少しずつ“冷えにくい体”を育てていくことが、健康維持のカギとなります。
体温が低いと代謝はどう変わる?
体温と代謝は、実は深くつながっています。**「代謝が落ちて太りやすくなった」「なんとなく体が重だるい」**と感じる人は、体温が関係しているかもしれません。
体温が1℃下がると、基礎代謝は約12%もダウンすると言われています。これは、カロリー消費が減るだけでなく、全身の機能低下にもつながる数字。ここでは、基礎代謝との関係や、代謝低下による不調、そして代謝を上げるための生活習慣について解説します。
基礎代謝との深い関係とは
「基礎代謝」とは、何もしていなくても体が生きるために消費するエネルギー量のこと。呼吸、体温調節、内臓の働きなどを支えるために、私たちの体は常にエネルギーを使っています。
この基礎代謝を支えているのが「体温」です。体温が高いほど、体はエネルギーを活発に使い、血流もよくなります。逆に、体温が35℃台などに下がると、体の機能は“節約モード”に入り、代謝も鈍化します。
つまり、体温の低下=基礎代謝の低下。体がエネルギーを効率よく使えなくなり、太りやすく・疲れやすくなる悪循環が始まるのです。
痩せにくくなるだけじゃない、代謝の低下による不調
代謝が落ちると「太りやすくなる」だけでなく、以下のようなさまざまな不調にもつながります:
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冷え性の悪化(熱がつくれないため)
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肌荒れやくすみ(血流低下による栄養不足)
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疲れがとれない・眠りが浅い
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消化力の低下・便秘
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生理不順・ホルモンバランスの乱れ
これらの症状は「なんとなく不調」として見過ごされがちですが、代謝を高めることで改善されるケースも多いです。
体のめぐりをよくし、栄養・酸素・熱がしっかり巡る環境を整えることで、内側から元気を取り戻せます。
代謝を上げる=体温を上げる習慣づくり
代謝を高めるには、無理なダイエットや激しい運動よりも、“日常で体を温める”ことを習慣化するのが効果的です。
たとえば:
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朝に白湯を1杯飲む
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湯船に15〜20分しっかり浸かる
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冷たい飲み物や食べ物は控えめに
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筋肉量を増やすため、スクワットやウォーキングを取り入れる
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体を締めつけない服装・寝具で血流を妨げない
「体温が上がると代謝も上がる」という好循環をつくれば、自然と体調も整い、疲れにくい体に変わっていきます。まずは“温める意識”を、今日からひとつでも生活に取り入れてみましょう。
体温を上げるためにできること
低体温を改善し、代謝や免疫力を高めるには、「生活の中で体を温める習慣」をコツコツ積み重ねることがカギです。無理のない範囲で取り組める方法を紹介しますので、自分に合ったものから取り入れてみましょう。
食生活でできる工夫(温かい食事・発酵食品など)
食事は、体温にダイレクトに影響を与える要素のひとつです。特に以下のようなポイントを意識すると、体の内側から温める力が高まります。
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温かいスープ・味噌汁・煮物を中心にする
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生野菜よりも温野菜を選ぶ
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ショウガ・にんにく・ネギ・シナモンなどの「温め食材」を取り入れる
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発酵食品(納豆・味噌・キムチ・ヨーグルトなど)で腸を元気に
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冷たい飲み物は避け、白湯やハーブティーを習慣に
体温アップのためには、「何を食べるか」だけでなく、「どう食べるか(冷たいまま?温めて?)」も意識してみてください。
日常で取り入れたい軽い運動・ストレッチ
筋肉は、熱を生み出す“体内のヒーター”のような存在です。特に大きな筋肉(太もも・お尻・背中など)を動かすと、体温アップ&代謝向上に直結します。
おすすめは以下のような軽めの運動:
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朝や夜の簡単なストレッチ(5分でもOK)
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ラジオ体操やヨガなど、無理なく続けられるもの
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通勤や買い物を“ついでウォーキング”に変える
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スクワット10回からでも、習慣化が大切
「頑張って運動しよう」と意気込むよりも、“体を動かす機会を増やす”ことが、体温を高める第一歩です。
お風呂の入り方で体温は変わる?温活のすすめ
シャワーだけで済ませる人が多い現代ですが、**入浴は手軽に体温を上げる“最強の温活”**です。
ポイントは次の通り:
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湯船には15〜20分ゆっくり浸かる(38〜40℃程度が理想)
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入浴後はすぐに保温(靴下や腹巻きで冷え防止)
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炭酸入浴剤やエプソムソルトで血流促進
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時間がない日は足湯だけでもOK
お風呂は副交感神経を高め、心もリラックスさせてくれるため、質の良い眠りにもつながります。
服装・寝具の工夫も効果的
「着る」「寝る」環境も、体温維持には欠かせないポイントです。日常のちょっとした選択が、冷えにくい体作りにつながります。
服装の工夫:
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首・手首・足首を冷やさないのが基本(温活3首)
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重ね着は“薄手を数枚”で空気の層を作ると効果的
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室内でも腹巻きやレッグウォーマーで温める
寝具の工夫:
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湯たんぽや電気毛布で就寝時の体温低下を予防
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布団や毛布は通気性と保温性のバランスが◎
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寝る前に温かい飲み物をとるのもおすすめ
体を温める工夫は「気持ちよさ」を大事にすると続けやすくなります。心地よく温まる習慣を、無理なく生活に取り入れてみてください。
まとめ|「低体温」は小さな不調のサインかも
「なんとなく疲れやすい」「いつも手足が冷たい」「風邪をひきやすい」——そんな日常の不調の背景に、体温の低さが隠れている可能性があります。低体温はすぐに病気に直結するわけではありませんが、体の機能がうまく働いていないというサインかもしれません。
気づかずにそのまま放っておくと、代謝の低下や免疫力の低下、さらには慢性的な冷えやホルモンバランスの乱れにつながることも。**「低体温=ちょっとした体の不調の根っこ」**として、しっかり向き合っていくことが大切です。
体温を上げることで、体も心も元気になれる
体温が上がると、体の中のエネルギーが活発に動き始めます。代謝が上がる・免疫力が高まる・血流がよくなるといった嬉しい効果に加えて、実は「気分が前向きになる」「やる気が出てくる」といった心の変化も起こりやすくなります。
これは、体がしっかり温まることで、自律神経が整ったり、リラックスしやすくなったりするから。“心と体はつながっている”ということを、体温を通じて実感できるはずです。
毎日の習慣を少し変えることから始めよう
低体温は、急に治すものではなく、毎日の小さな積み重ねで少しずつ整えていくものです。特別なことをしなくても、「朝に白湯を飲む」「湯船につかる」「ストレッチをしてみる」など、今日からできることがたくさんあります。
完璧を目指す必要はありません。できることから一歩ずつ。体を温めることは、自分を大切にすることでもあります。あなたのペースで、心地よい「温活生活」を始めてみませんか?


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