「何しに来たっけ?」を防ぐには?立ち尽くし対策&簡単記憶術まとめ
ふと立ち止まって、「あれ…何しに来たんだっけ?」と記憶が飛ぶ瞬間、あなたにも心当たりはありませんか?
家の中での移動や買い物途中、ふとしたタイミングで起きる“目的の忘却”は、誰にでも起こりうる現象です。けれども、あまりに頻繁に起きると日常に小さなストレスや非効率を生んでしまうことも…。
本記事では、そんな「立ち尽くし現象」の原因を脳科学の視点から解説しつつ、すぐに取り入れられる5つの行動対策や記憶術、習慣化のコツをご紹介します。
記憶に頼りすぎない工夫で、忘れない・迷わない・止まらない毎日を手に入れましょう!
なぜ「何しに来たっけ?」が起きるのか?
立ち尽くしてしまうあの瞬間の正体
「何しに来たっけ?」という現象は、突然目的を忘れてしまい、その場に立ち尽くすような感覚を伴います。これは「ドアウェイ効果(Doorway Effect)」と呼ばれる心理現象の一種で、部屋を移動するなど**環境が切り替わった瞬間に、脳が記憶を一時的に“区切る”**ことが原因とされています。
脳は情報を「今いる場所」や「場面」に紐づけて処理しており、部屋をまたぐことで“今までの流れ”が断ち切られ、「目的」が上書きされてしまうのです。この現象は脳が効率的に記憶を整理している副産物とも言えます。
脳の仕組みと記憶の一時停止
人の短期記憶(ワーキングメモリ)は、数個程度の情報しか同時に保持できないと言われています(例:電話番号の一時記憶など)。さらに、移動や会話、スマホの通知などちょっとした刺激や動作でも記憶は中断・削除されやすくなります。
たとえば、「冷蔵庫から牛乳を取ってこよう」と思って歩き出しても、途中でメール通知を見たり、別のことを思い出しただけで、“元の目的”が記憶の表面から滑り落ちてしまうのです。
これは病気というより、脳が不要な情報を素早く整理する仕組みの表れ。ただし、頻繁に起きるようになった場合は、情報処理のキャパシティが限界を迎えているサインかもしれません。
日常的な場面でのよくある例
「何しに来たっけ?」と立ち尽くしてしまう場面は、誰にでもあります。以下はよくあるシチュエーションです。
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リビングからキッチンに移動 → 冷蔵庫の前で「え?なんだったっけ…?」
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仕事中、別のデスクに資料を取りに行く → 席に着いた途端に目的を忘れる
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スマホを手に取って → SNSや通知に気を取られて、本来の目的(例:アラーム設定)を忘れる
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トイレや洗面所に行こうとして → 途中で話しかけられて、そのまま目的が飛ぶ
これらは、**「目的が明確でないまま移動」したり、「途中で別の刺激に気を取られた」**ことが共通点です。つまり、目的と行動の間に“余白”があると、記憶は簡単に飛びやすくなります。
「何しに来たっけ?」現象を防ぐ5つの対策
日常でふと目的を忘れて立ち尽くしてしまう現象は、ちょっとした工夫でグッと減らすことができます。ここでは、すぐに試せる5つの簡単な対策をご紹介します。
① ミッションを口に出してから動く
「今から冷蔵庫に行って牛乳を取る」など、目的を言葉に出すだけで記憶は強化されます。これは「セルフトーク」と呼ばれ、自分の行動に意識の焦点を当てる効果があります。
声に出すことで脳は「これは重要な情報」と判断し、忘れにくくなります。周囲が気になる場合は、小声や心の中での“言語化”でもOKです。ポイントは「動く前」に言葉で自覚することです。
② 2ステップで行動を設計する(予告→実行)
目的を忘れないためには、いきなり動くのではなく**“予告”のステップを挟む**のが有効です。
例:
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机の前で「コピー機まで書類を取りに行く」と決める(予告)
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その後に立ち上がって行動する(実行)
このように**「意識→行動」までに一拍置くことで、記憶に目的が残りやすくなります**。タスクを「流れ作業」ではなく「意図ある動き」に変えることが、記憶の保ちやすさに直結します。
③ 体を動かす前に「視覚」で補強する
人は視覚的な情報と結びついた記憶のほうが強固に残る傾向があります。動く前に「何をするか」を視覚的に意識することで、目的が記憶に定着しやすくなります。
たとえば:
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取りに行く物の色や形をイメージする
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手帳やToDoリストを見てから動く
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「牛乳=白いパック、冷蔵庫のドアを開ける」など具体的に想像する
行動をイメージ映像として頭に描いてから体を動かすだけで、記憶の保持率が格段にアップします。
④ 一時中断に備えてメモやタイマーを活用
途中で別のことに気を取られると、元の目的は消えてしまいます。これを防ぐには、**一時的な外部記憶として「メモ」や「スマホのタイマー」**を使うのが効果的です。
例:
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「◯時に洗濯機止める」→スマホでアラームセット
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冷蔵庫に取りに行く→スマホに「牛乳」と入力してから動く
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スティッキーメモに「コピー取る」など簡単に書いておく
「記憶しよう」とするのではなく、「忘れても大丈夫な仕組みを作る」ことがストレス軽減にもつながります。
⑤ 習慣化で“立ち尽くし”を起こさせない
忘れやすい行動ほど、「毎回同じ手順・場所・時間で行う」ことで記憶しやすくなります。これは脳に「これはルーティン」と認識させる習慣化の力を利用した方法です。
たとえば:
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毎朝、出かける前に玄関で持ち物確認
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必要な物を決まった位置に置く(例:カギは玄関横)
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「家に帰ったらまずこれをやる」と決めておく(例:荷物整理→冷蔵庫確認)
こうした繰り返しの行動は、思考せずに体が動く“自動処理”を促すため、記憶抜けが起こりにくくなります。
記憶に定着させる!カンタン記憶術
「何しに来たっけ?」を防ぐには、目的を“記憶にしっかり留める”ことが重要です。ただし難しい記憶法は不要。日常で簡単に使える「記憶に残りやすくするテクニック」を使えば、目的を忘れずに動けるようになります。
イメージ連想法で覚える
記憶は「文字」よりも「映像」のほうが長く残ります。そこで活用したいのがイメージ連想法です。やり方は簡単で、目的を何かしらの視覚的イメージとセットで覚えるだけ。
例:
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「郵便を出す」→ポストの赤い口を思い浮かべる
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「洗剤を買う」→泡の立った洗濯シーンをイメージする
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「冷蔵庫で牛乳」→白いパックを手に取る瞬間を思い描く
イメージを具体的に、五感を使って想像するほど記憶は強化されます。移動前にこのイメージを頭に描くことで、忘れにくくなります。
自分語で記憶にラベリング
覚えたいことに「自分なりのラベルやニックネーム」をつけることで、記憶が脳内で定着しやすくなります。
例:
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「ゴミ捨て→“月曜ミッション”」
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「洗濯物を取り込む→“干し物リターンズ”」
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「飲み忘れ防止→“サプリ警備隊”」
こうした**意味のないようで意味がある“自分語”**は、脳にとって楽しい刺激となり、ただの「作業」が記憶に残る“イベント”になります。思わず笑ってしまうようなネーミングもOKです。
感情と結びつけて記憶を強化
人は感情を伴った記憶をより長く、鮮明に覚えると言われています。喜怒哀楽といった感情が記憶を“接着剤”のようにつなぎとめてくれるのです。
活用法:
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「コーヒーを切らして困った」→「次は絶対忘れないぞ」と意識する
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「洗濯忘れて濡れたままの服」→「残念な気持ち」をリンク付けする
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「できた時の達成感」を味わうことで次も忘れにくくなる
日常のちょっとした“プチ事件”や“うれしい気持ち”を、行動と一緒に記憶にタグ付けする感覚で使うと効果的です。
数字や順番に意味づけをする
順序や数を取り入れることで、目的の記憶が整理され、忘れにくくなります。特に**「番号」「順番」「セット化」**を意識することで、記憶の構造が整います。
例:
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「3つやること」→紙に番号を振って書く
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「1番:掃除機、2番:洗濯、3番:買い物」などリスト化
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スマホのメモに「ToDoリスト」として順番に入力してチェック
順番をつけることで、脳は「これは段取りのあるタスクだ」と認識し、途中で目的が抜け落ちにくくなるのです。また、数が明確だと「まだ終わってないことがある」と気づく助けにもなります。
年齢や環境も関係あり?注意が必要なケース
「何しに来たっけ?」は誰にでも起こる現象ですが、年齢や日々の生活環境が影響している場合もあります。また、あまりにも頻繁に起こるようなら、注意が必要なサインかもしれません。ここでは、見逃したくない3つのポイントをご紹介します。
加齢によるワーキングメモリの低下
加齢とともに脳の処理速度や**ワーキングメモリ(短期的な作業記憶)**はゆるやかに低下していきます。これは自然な変化であり、誰にでも起こるものです。
ワーキングメモリは、「今やっていること」と「その目的」を一時的に保持してくれる“作業台”のようなもの。この機能が弱まると、**「途中で目的を忘れる」「やることを切り替えるのが難しい」**といった場面が増えていきます。
ただし、加齢による記憶力の変化は徐々に現れます。「昨日のことは忘れがちだけど、昔の話はよく覚えている」といった特徴も見られます。急激な物忘れがない限り、過剰に心配する必要はありませんが、脳トレや生活習慣の見直しで記憶力をサポートすることが大切です。
マルチタスク疲れやストレスが原因のことも
最近では、情報過多な生活やマルチタスクの常態化も「記憶抜け」の大きな要因になっています。スマホ、通知、仕事、人間関係など、同時に複数のことに意識を向け続けることで、脳は**処理が追いつかず“フリーズ状態”**になることがあります。
特に次のような状態では要注意です:
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睡眠不足が続いている
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忙しすぎて休息時間が取れていない
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常に何かに追われている感覚がある
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情報を入れるばかりで整理する時間がない
このような状況では、脳のメモリ機能が一時的にオーバーヒートして、「何しに来たっけ?」が頻発することも。まずは“余白”を作ること=ひと息つく時間を意識的に設けることが、記憶力回復の第一歩です。
頻繁な物忘れは受診のサインかも?
「たまに目的を忘れる」程度なら問題ありませんが、次のようなケースに当てはまる場合は、一度医療機関の受診を検討するのが安心です。
◆ 受診を考えたいチェックポイント:
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忘れたこと自体を忘れている(周囲に指摘されても気づかない)
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日付や場所の感覚もあいまいになる
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同じ話を何度も繰り返す
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約束や予定を何度もすっぽかしてしまう
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怒りっぽくなった、感情の起伏が激しい
これらは認知機能の低下や初期の認知症のサインであることもあります。近年は**軽度認知障害(MCI)**という段階で早期発見・予防が注目されています。気になる場合は、脳神経内科やもの忘れ外来などで相談してみるとよいでしょう。
今すぐできる!「立ち尽くし防止」習慣チェックリスト
「何しに来たっけ?」と立ち尽くしてしまう瞬間を減らすには、“忘れにくくなる仕組み”を日常に取り入れることが効果的です。ここでは、意識しなくても自然と行動に目的が残るような、簡単な習慣をご紹介します。
出かける前・部屋を移動する前の工夫
移動の前にほんの数秒の“予告行動”を加えるだけで、目的を忘れにくくなります。
✅ チェックポイント:
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出かける前に「〇〇を取りに行く」と口に出す
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部屋を移る前に「次はリビング→掃除機をかける」とつぶやく
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ドアノブや靴を履く動作の“前に”目的を確認
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玄関や部屋の出入り口に「ToDoメモ」や「やること札」を貼る
このように、動作の“前段階”に意識的なひと工夫を入れることで、移動中に目的が頭から抜け落ちるのを防ぎます。
スマホやメモ帳を“思い出し装置”に
今やスマホは「記憶の補助脳」として活用できます。記憶に自信がないときは、思い出すための“外部メモリ”を使う習慣をつけましょう。
✅ 活用アイデア:
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スマホのロック画面に「次にやること」を表示
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ボイスメモで「冷蔵庫→納豆!」と録音してから移動
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メモアプリにその場で入力する(チェックリスト式に)
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ポケットサイズのメモ帳を常に携帯
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付箋を目線の高さに貼る(例:洗面所の鏡に「洗濯!」)
スマホに頼ることに抵抗を感じる人もいますが、**「忘れたことを後悔するより、1回メモした方が早い」**と割り切るのもストレス軽減の鍵です。
「あれ?何だっけ?」を減らすルール化のコツ
「何をしようとしたか思い出せない」状態は、頭の中に情報が“曖昧なまま放置”されていると起こりがち。行動にルールを決めておくと、脳は“あいまい”を減らしてくれます。
✅ 習慣ルールの作り方:
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目的のある移動は「3秒ルール」で声に出してから動く
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部屋の中では「○○したら必ず○○する」とセット化
例:「朝トイレ→トイレ掃除」「朝コーヒー→水やり」 -
よく忘れる行動は「トリガー動作」と紐づける
例:「リモコンを取ったらエアコンも切る」 -
「〇時になったらこれ」と時間で自動化する(アラームも可)
日常動作の一部にルールを紐づけるだけで、記憶に頼らなくても自然と動ける環境が作れます。最初は意識的に行いますが、数日で“無意識の習慣”として定着していきます。
まとめ|「何しに来たっけ?」を防いでスムーズな毎日を!
ふと立ち尽くし、「あれ?何をしに来たんだっけ?」と思い出せず戸惑う…。
そんな“記憶の空白”は誰にでも起こるものですが、ちょっとした工夫や習慣の積み重ねで、驚くほど減らすことができます。
この記事では、次のような対策をお伝えしました:
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口に出して記憶を固定する「音声化」習慣
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移動や行動に「2ステップ設計」を取り入れる工夫
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視覚・感情・順番など、脳が覚えやすい記憶術
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メモやスマホを“外部脳”として賢く活用
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「よく忘れる行動」をルール化・習慣化するアイデア
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加齢やストレスに応じた注意点と対処法
大切なのは、「忘れること=悪いこと」と決めつけずに、忘れにくくなる“仕組み”を生活の中に取り入れていく姿勢です。記憶に頼るのではなく、行動と環境を整えることで、記憶の抜け漏れはぐっと減らせます。
「何しに来たっけ?」を減らせば、無駄な時間やストレスも自然と軽減。
スムーズで快適な毎日が、きっとあなたの味方になってくれます。
まずは今日から1つ、簡単な習慣を始めてみましょう。
それが、思考も動作もクリアになる第一歩です。


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