耳の中がカサカサ音する原因とは?耳掃除のやりすぎに要注意!医師が教える正しいケア方法

耳の中がカサカサ音する原因とは?耳掃除のやりすぎに要注意!医師が教える正しいケア方法

耳の中で「カサカサ…」と音がすると、不快なだけでなく「何かの病気?」と不安になりますよね。実はこの音、耳掃除のしすぎや乾燥、耳垢の詰まりなど、日常のちょっとした習慣が原因になっていることも少なくありません。

本記事では、「耳の中がカサカサ音する原因」と「正しい耳掃除の方法」について詳しく解説します。耳を傷つけず、健康に保つためのポイントを知って、やりすぎない耳ケア習慣を今日から始めましょう。

 

耳の中がカサカサ音がするのはなぜ?

耳の中で「カサカサ…」と小さな音がすることはありませんか?この現象にはさまざまな原因があり、放置すると悪化するケースも。ここでは、よくある4つの原因について詳しく解説します。

乾燥による耳垢の変化

乾燥した季節やエアコンの効いた環境では、耳の中も乾燥しやすくなります。その結果、耳垢が固くなり、耳の中で動くたびに「カサカサ」とした音を発することがあります。

対策ポイント:

  • 加湿器などで部屋の湿度を保つ

  • 耳掃除のしすぎを避け、自然な皮脂の保護膜を守る

  • 必要に応じて耳の中に塗れる耳用保湿オイルを使用する(市販のワセリンでも代用可)

耳掃除のしすぎで炎症や傷ができている

耳掃除を頻繁に行うと、耳の皮膚が傷ついたり炎症を起こすことがあります。炎症部分が乾燥して薄く剥がれることで、音が発生することも。

対策ポイント:

  • 耳掃除は週1回以下が目安(耳垢は自然に排出される)

  • 強くこすらず、軽くふき取る程度にとどめる

  • 痛みやかゆみを感じたら、すぐに耳掃除を中止し耳鼻科を受診

耳垢が奥に詰まって動くときの音

耳掃除のしすぎで耳垢が逆に奥に押し込まれ、鼓膜近くに溜まってしまうと、動くたびに「カサカサ」「ゴソゴソ」といった音を感じることがあります。これを**耳垢栓塞(じこうせんそく)**と呼びます。

対策ポイント:

  • 奥まで耳かきを入れない(2cm以上は危険ゾーン)

  • 耳垢が詰まっている感覚がある場合は自分で取ろうとせず、耳鼻科での除去を推奨

  • 市販の耳垢除去スプレーもあるが、使用前に症状をよく確認すること

ストレスや自律神経の乱れによる耳の異常感覚

ストレスが原因で自律神経が乱れると、耳の中に違和感を覚えることがあります。実際に異常がなくても、「音がする」「耳が詰まった感じがする」といった感覚過敏が起こることもあります。

対策ポイント:

  • 睡眠・食事・休息を意識して、生活リズムを整える

  • イヤホンの使いすぎや騒音環境を避け、耳を休める

  • 長引く違和感や不安がある場合は、耳鼻科に加えて心療内科や自律神経専門外来の受診も検討を

 

耳掃除のやりすぎが危険な理由

耳掃除のやりすぎが危険な理由

「耳の中はキレイに保ちたい」と思って、ついつい毎日耳掃除をしていませんか?しかし、耳掃除のしすぎは逆効果になることが多く、耳のトラブルの原因になることも。ここでは、耳掃除をやりすぎた場合に起こる代表的なリスクについて解説します。

耳の中を傷つけるリスクが高い

耳の中の皮膚(外耳道)は非常に薄く繊細です。綿棒や耳かきで強くこすってしまうと、すぐに傷がついてしまいます。小さな傷でも、かゆみや痛み、ひどい場合には出血を引き起こすことも。

対策ポイント:

  • 耳かきや綿棒を奥まで入れない(耳の入り口1cm程度で十分)

  • 強くこすらず、軽い力で表面をなでる程度に

  • かゆみがあるときは無理に掻かず、冷やしたり耳鼻科で診てもらう

かえって耳垢が奥に押し込まれる

耳掃除を頻繁に行うことで、耳垢が耳の奥へ押し込まれてしまうことがあります。本来、耳垢は自然と外へ排出される仕組み(自浄作用)がありますが、それを妨げてしまうのです。

対策ポイント:

  • 耳垢は基本的に外から見える範囲だけ掃除する

  • 綿棒よりも、やわらかいガーゼや専用の耳用ウェットシートの方が安全

  • 耳掃除は「取りたくなるときだけ」で十分。習慣的に行わないこと

外耳道炎や耳垢栓塞(じこうせんそく)になることも

耳の中を何度も刺激すると、外耳道に炎症を起こす「外耳道炎」や、耳垢が詰まって音が聞こえづらくなる「耳垢栓塞」の原因になります。どちらも放置すると悪化し、病院での処置が必要になります。

対策ポイント:

  • 耳の中に痛み、熱感、腫れがある場合は早めに耳鼻科へ

  • 詰まった感じや難聴を感じたら、自分で取ろうとせず専門医に相談

  • 「耳が変だな」と感じたら、まず耳掃除をやめて経過を観察することが重要

「毎日掃除」は逆効果!理想的な頻度とは?

実は耳垢は、無理に取らなくても自然に排出される仕組みがあります。毎日耳掃除をする必要はなく、むしろその習慣が耳を傷めている可能性も。

理想的な頻度:

  • 大人:1〜2週間に1回程度

  • 子どもや高齢者:月1回でも十分な場合もある

  • 耳掃除の習慣は「気になったときだけ」でOK

注意点:

  • イヤホンや補聴器をよく使う人は耳垢が溜まりやすいので、様子を見ながら頻度を調整

  • 耳垢が乾燥しているタイプの人は、無理に取らない方が安全

 

耳の中がカサカサ音するときの対処法

耳の中がカサカサ音するときの対処法

「耳の中でカサカサ音がするけど、大丈夫?」「どうやって対処すればいいの?」と不安になることもありますよね。原因が軽度なものであれば、セルフケアで改善するケースも多いです。ここでは、耳の違和感を感じたときの正しい対処法を紹介します。

まずは耳掃除を控えて様子を見る

耳の中にカサカサ音を感じたとき、真っ先にやりたくなるのが「耳掃除」。しかし、まずは耳掃除を中止し、耳を安静にすることが大切です。多くの場合、耳掃除のしすぎが原因になっている可能性があるため、これ以上刺激しないことが回復への第一歩です。

対策ポイント:

  • 数日〜1週間は耳掃除をやめてみる

  • 耳の中に触れないことで、自然に改善するケースも多い

  • どうしても気になる場合は、耳の外側だけをやさしく拭き取る程度に

耳の保湿ケア(ワセリンや専用オイル)

耳の中が乾燥している場合、軽い保湿で症状が和らぐことがあります。市販の耳専用保湿オイルや、刺激の少ないワセリンを綿棒の先につけて、耳の入り口付近に塗ることで、乾燥によるカサカサ音が改善されることも。

使用のポイント:

  • 綿棒は浅く、奥まで入れないことが鉄則

  • ワセリンを塗るのは1日1回程度、少量で十分

  • アレルギーや皮膚疾患がある方は使用前に医師に相談を

市販薬で治らない場合は耳鼻科を受診

セルフケアをしても症状が改善しない場合や、逆に悪化するようであれば、自己判断は禁物です。市販薬や保湿対策では対応しきれない病気が隠れている可能性もあります。

受診の目安:

  • 耳の中でカサカサ音が1週間以上続く

  • 市販の保湿剤を使っても変化がない

  • 耳の違和感に加えて、痛み・かゆみ・聞こえにくさなどの症状が出ている

耳鼻科では:

  • 専用の器具で耳の状態を正確に診断

  • 必要に応じて、点耳薬や洗浄、抗生剤などの治療が行われます

こんな症状があればすぐ病院へ(痛み・かゆみ・聞こえづらさ)

以下のような症状を伴う場合、早めに耳鼻科を受診しましょう。放置すると、炎症が悪化したり、聴力に影響することもあります。

注意すべき症状:

  • 耳の中がズキズキ痛む

  • 強いかゆみやジュクジュクした感じがある

  • 音が聞こえにくくなった、耳が詰まったような感じ

  • 耳垢が固まりすぎて取れない or におう

  • 耳だれ(耳から液体が出る)や出血がある

こうした症状は、外耳道炎・中耳炎・耳垢栓塞などの兆候である可能性があります。早期の診断と治療が大切です。

 

正しい耳掃除の方法とポイント

正しい耳掃除の方法とポイント

耳掃除は誰もが当たり前のように行う習慣ですが、実はやり方を間違えると耳にダメージを与える原因に。耳の構造や自浄作用を理解し、安全に行うための正しい方法を解説します。

耳垢は自然に出てくる?自浄作用を理解しよう

耳には「自浄作用(じじょうさよう)」と呼ばれる機能が備わっており、耳垢は自然に外へ排出されるようになっています。顎の動き(咀嚼や会話)などによって少しずつ鼓膜側から外耳へと移動していくのです。

ポイント:

  • 基本的に、耳掃除をしなくても健康には問題なし

  • 耳垢を過剰に取ると、耳のバリア機能が低下し炎症の原因になる

  • 耳掃除は「入り口から1cm以内の範囲を軽く」が基本

綿棒・耳かきの使い方とNG例

耳掃除に使う道具として一般的なのが綿棒と耳かきですが、どちらも使い方を誤ると耳を傷つけたり、耳垢を押し込んだりしてしまうことがあります。

正しい使い方:

  • 綿棒:耳の入り口付近をやさしく拭き取る程度

  • 耳かき:乾いた耳垢を軽く引っかけて取るだけ(力を入れすぎない)

NG行為:

  • 奥まで押し込む(鼓膜を傷つける恐れあり)

  • 1日に何度も耳掃除をする

  • 痛みや出血があるのに掃除を続ける

耳かきはやらない方がいい場合もあるという意識を持つことが大切です。

おすすめの耳掃除グッズ・オイル

近年は耳への負担を減らす便利なアイテムも登場しています。耳垢のタイプや年齢によって使い分けると、安全かつ快適に耳掃除ができます。

おすすめグッズ:

  • 【やわらか綿棒】:敏感肌の人や子どもにおすすめ

  • 【シリコン耳かき】:弾力があり、傷つけにくい

  • 【耳掃除スコープ】:スマホ接続型で可視化できる(使用には慎重さが必要)

おすすめ保湿オイル:

  • ベビーオイル(無香料)

  • オリーブオイル(薬局の点耳用を選ぶ)

  • 専用耳用オイル(ワセリン配合タイプなど)

※オイルを使用する場合は必ず少量を綿棒の先につけて、浅い部分だけにとどめましょう。

子どもや高齢者の耳掃除はどうすればいい?

子どもや高齢者は耳の構造がデリケートで、自分で耳掃除が難しいことが多いため、特に注意が必要です。

子どもの場合:

  • 耳掃除は月1〜2回、見える範囲のみ

  • イヤイヤ期など無理に行うと危険なので、お風呂上がりにタオルで拭くだけでも十分

  • 大量の耳垢が見える・耳の聞こえが悪い様子があるときは耳鼻科へ

高齢者の場合:

  • 加齢により耳垢が固まりやすくなる

  • **耳垢栓塞(じこうせんそく)**になりやすいため、詰まった感じがある場合は早めに受診

  • 無理な掃除をせず、定期的な耳鼻科でのクリーニングがおすすめ

 

まとめ|耳の中のカサカサ音は「耳掃除のサイン」かも

まとめ|耳の中のカサカサ音は「耳掃除のサイン」かも

耳の中でカサカサと音がすると、「何か異常があるのでは?」と心配になりますよね。しかし、その音の正体は、耳掃除のしすぎや乾燥、耳垢の移動など、日常生活の中で起こることが多いのです。

耳からのサインを見逃さず、正しいケアとタイミングを知ることで、耳の健康を保つことができます。

原因を知って、正しくケアしよう

耳の中のカサカサ音には、乾燥・炎症・耳垢の詰まり・自律神経の乱れなど、さまざまな原因が考えられます。まずは、耳掃除を一旦控えて様子を見ることが大切です。

必要に応じて保湿や耳鼻科での診察を取り入れることで、症状の悪化を防ぎ、安心して過ごせる状態に導くことができます。

また、「音がする=すぐ掃除しなきゃ」と焦るのではなく、「耳からのSOSかもしれない」と冷静に捉える意識が大切です。

やりすぎず、必要なときにだけ掃除を

耳掃除は「やればやるほど良い」ものではありません。耳には自浄作用があるため、実はほとんど掃除しなくても健康を保てるのです。

理想的な掃除頻度は、1〜2週間に1回程度、入り口から1cm以内を軽く拭く程度でOK。耳の奥に無理に入り込むような掃除はかえってトラブルの原因になります。

また、子どもや高齢者など耳掃除が難しい人は、定期的に耳鼻科でチェックしてもらうのも安心です。


耳の中のカサカサ音は、小さな違和感に見えて、実は耳の健康状態を教えてくれる「サイン」。その声にしっかり耳を傾けて、やさしく、必要なときにだけケアする習慣を身につけましょう。

 

 

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美容・健康業界で10年以上の経験を持ち、男女問わずスキンケアやエイジングケアをサポート。肌質改善・脱毛・健康美容を専門とし、これまでに1000人以上をカウンセリング。美容商品の監修やメディアでの執筆・講演も行う。 「美しさは健康とライフスタイルのバランスから生まれる」を信念に、専門知識を活かした実践的な美容情報を発信中。

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