
最近、「髪にハリがなくなった」「ボリュームが出ない」と感じていませんか?
年齢を重ねるとともに髪が細くなるのは自然な変化のひとつですが、放っておくと、ツヤの低下や抜け毛などの悩みにつながることも。
しかし、原因を知って日々の習慣を少し変えるだけで、髪のハリ・コシは取り戻せます。
この記事では、髪が細くなる原因を専門家が徹底解説。
さらに、今日から始められる「髪を太く・強く育てる5つの改善習慣」もご紹介します。
毎日のケアを見直して、年齢に負けない“ふんわりツヤ髪”を目指しましょう。
髪が細くなるってどういう状態? — 「放っておくとどうなるか」も解説
「髪が細くなる」とは? 髪線維・キューティクルの変化を理解する
「最近、髪にハリやコシがなくなった」「トップがペタンとしてボリュームが出ない」——そんな変化を感じたら、髪の“細り”が進んでいるサインかもしれません。
髪が細くなるとは、1本あたりの毛髪の太さが以前よりも減少している状態を指します。健康な髪は、髪内部の「コルテックス(毛皮質)」にたんぱく質と水分がしっかり詰まっており、外側の「キューティクル」がそれを守っています。
しかし、加齢や生活習慣の乱れ、外的ダメージによってキューティクルが剥がれ、コルテックスが流出すると、髪の内部密度が低下し、細く・弱く・ハリのない髪に変わっていきます。
また、毛根部分(毛包)の働きが低下することで、新しく生えてくる髪自体が細くなるケースもあります。これは一時的なダメージではなく、頭皮環境やホルモンバランスの乱れといった“根本的な原因”が関係している可能性が高いです。
放置すると起こる髪と頭皮のトラブル(切れ毛・抜けやすさ・ペタンコ髪など)
髪の細りをそのまま放置してしまうと、見た目だけでなく、髪や頭皮の健康にも悪影響が及びます。
主なトラブルは以下のとおりです:
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切れ毛・枝毛が増える
キューティクルの損傷により、髪が外部刺激に弱くなり、物理的な摩擦で簡単に切れてしまいます。 -
抜け毛が増え、全体のボリュームが減る
髪の1本1本が細くなることで、頭皮が透けて見えやすくなり、「分け目が広がった」「トップがペタンとする」といった印象に。 -
スタイリングが決まりにくい
髪にコシがないと根元が立ち上がらず、どんなにブローしてもすぐにぺたんこに戻ってしまうことも。 -
頭皮の乾燥・炎症
細い髪は皮脂バランスが乱れやすく、乾燥やフケ、かゆみなど頭皮トラブルを起こしやすくなります。
こうした状態を放っておくと、髪の成長サイクル(毛周期)が乱れ、将来的に薄毛につながるリスクも。
早めに生活習慣・ケア方法を見直し、髪と頭皮の“土台”を整えることが、ハリ・コシ復活の第一歩です。
髪が細くなる主な原因をプロが徹底解説

髪が細くなる背景には、ひとつの理由ではなく、年齢・生活習慣・ケア方法・体質など、いくつもの要因が複雑に関係しています。
ここでは、美容師や毛髪診断士が指摘する代表的な原因を順に見ていきましょう。
加齢・ホルモン変動による毛根機能の低下
年齢を重ねると、髪の成長を司る「毛母細胞(もうぼさいぼう)」の働きが徐々に衰え、新しく生える髪の太さが細くなる傾向があります。
特に女性は、40代以降に女性ホルモン(エストロゲン)が減少し、髪のハリ・コシを保つコラーゲンやケラチンの生成が低下。
これにより、髪のボリュームダウンやうねりが目立つようになります。
▶ 対策ポイント
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バランスの取れた食事と十分な睡眠で、ホルモンバランスを整える
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頭皮マッサージで血行を促進し、毛根の栄養供給をサポート
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エストロゲン様作用を持つ大豆イソフラボン・亜鉛などの摂取もおすすめ
生活習慣の乱れ(睡眠不足・偏った食事・ストレス)
髪の成長は、体の健康状態に大きく左右されます。
睡眠不足や栄養バランスの偏り、慢性的なストレスは、髪の成長サイクル(毛周期)を乱し、十分に育ちきらない“未成熟毛”を増やしてしまいます。
▶ 対策ポイント
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睡眠中に分泌される「成長ホルモン」が髪の修復を助けるため、7時間前後の良質な睡眠を確保
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髪の主成分であるケラチンを作るたんぱく質(魚・肉・卵・大豆製品)を意識的に摂取
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ビタミンB群・亜鉛・鉄分で毛髪の生成をサポート
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ストレス解消には軽い運動や入浴でリラックスする時間を
頭皮環境の悪化(血行不良・皮脂過剰・炎症など)
健康な髪を育てるには、頭皮のコンディションが何よりも重要。
血行不良になると毛根まで栄養が届かず、細く弱い髪が増えます。
また、皮脂の過剰分泌や洗い残しによる炎症は、毛穴を詰まらせて発毛を妨げる原因に。
▶ 対策ポイント
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指の腹で優しくマッサージしながら洗髪し、頭皮の血行を促進
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洗浄力の強すぎないアミノ酸系シャンプーを選ぶ
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すすぎ残しを防ぎ、ドライヤーでしっかり乾かす
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定期的にヘッドスパや炭酸シャンプーで頭皮をリセット
ヘアケアの誤り(過度なカラー・パーマ・強い摩擦・過洗浄など)
髪が細くなる原因として意外に多いのが、日々のヘアケア習慣の“やりすぎ”です。
頻繁なカラーリングやブリーチ、熱ダメージの強いアイロン、力任せのブラッシングなどは、キューティクルを傷つけ、髪内部のたんぱく質を流出させてしまいます。
▶ 対策ポイント
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カラー・パーマの頻度を控えめにし、ダメージケア成分入りトリートメントを活用
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ドライヤーは髪から20cmほど離し、温風→冷風で仕上げる
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濡れた髪は特にデリケートなので、タオルで優しく押さえるように水分を取る
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毎日シャンプーする場合は、洗浄力の穏やかなタイプを選びすぎない
遺伝的要因・体質・疾患の可能性
遺伝によっても、髪質や太さ、毛量はある程度決まっています。
また、貧血・甲状腺疾患・自己免疫疾患など、内科的な病気や薬の副作用によって髪が細くなる場合もあります。
▶ 対策ポイント
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明らかに髪が急激に細くなった、抜け毛が増えたなどの場合は早めに医師へ相談
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必要に応じて血液検査やホルモン検査を受け、原因を明確にする
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医師の指導のもと、育毛剤・内服薬など専門的な治療を検討
髪の細りは、加齢だけが原因ではなく、日常の小さな積み重ねが大きく影響します。
今日から始める!髪を太くする改善習慣5選

「髪が細くなってきた」と感じても、正しいケアを続ければハリ・コシのある髪を取り戻すことは可能です。
ここでは、プロが推奨する“今日から始められる”改善習慣を5つご紹介します。
① 頭皮マッサージ・血行促進ケア
髪の健康は「頭皮の血流」から。
血流が滞ると、毛根に必要な栄養や酸素が届かず、細く弱い髪しか育ちません。
頭皮マッサージで血行を促すことで、毛母細胞の活性化や育毛環境の改善が期待できます。
▶ 実践ポイント
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シャンプー前や入浴後、指の腹で円を描くように頭皮を優しくほぐす
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生え際・側頭部・後頭部・頭頂部と、全体をバランスよく刺激
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オイルマッサージを取り入れる場合は「ホホバオイル」や「スカルプ専用オイル」を使用
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毎日2〜3分のケアでも継続がカギ
+αケア:血行促進効果のある「炭酸シャンプー」「温感スカルプエッセンス」を週1回取り入れるのもおすすめです。
② たんぱく質・ビタミンを意識した食事に見直す
髪は「ケラチン」というたんぱく質でできています。
偏った食事では髪の材料が不足し、細く・弱く・抜けやすくなってしまいます。
食事改善は“内側から髪を育てる”第一歩。
▶ 意識したい栄養素
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たんぱく質:卵・魚・鶏むね肉・大豆製品
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ビタミンB群:髪の成長をサポート(豚肉・玄米・ナッツ類)
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鉄分・亜鉛:抜け毛予防(赤身肉・レバー・牡蠣)
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ビタミンE・C:血流促進・抗酸化作用(アーモンド・ブロッコリー・キウイなど)
▶ 実践ポイント
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無理なダイエットを避け、バランス重視の食生活へ
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サプリメントを活用する場合は「医師・薬剤師監修品」や「育毛サプリ」を選ぶ
③ 睡眠・ストレスマネジメントでホルモンバランスを整える
睡眠中に分泌される成長ホルモンは、髪の修復と生成に深く関係しています。
また、ストレスによる自律神経の乱れは、頭皮の血流低下やホルモンバランスの崩れを招き、髪の細りを悪化させます。
▶ 実践ポイント
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22時〜翌2時の“成長ホルモンゴールデンタイム”に睡眠をとる
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寝る前1時間はスマホ・PCを避け、照明を落とす
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ストレスケアには、軽い運動・深呼吸・半身浴・ハーブティーなどリラックス法を取り入れる
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睡眠環境を整える(枕の高さ・寝室の温度・湿度も重要)
④ 正しいシャンプー・トリートメント法・洗髪頻度
間違った洗髪は、頭皮と髪に大きなダメージを与えます。
「清潔=洗いすぎ」ではなく、頭皮のうるおいを守りながら汚れを落とすことが大切です。
▶ 正しい洗髪のポイント
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シャンプー前にブラッシングし、ホコリを落とす
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ぬるま湯(38℃前後)で1分ほど予洗い
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手でしっかり泡立ててから頭皮をマッサージ洗い
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すすぎは時間をかけて丁寧に(泡残りは炎症の原因に)
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トリートメントは毛先中心に。頭皮にはつけない
▶ 頻度とアイテム選び
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毎日洗ってOK。ただし「アミノ酸系」や「スカルプケアタイプ」を選ぶ
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週1回は「炭酸クレンジング」や「頭皮ブラシ」でディープクレンジング
⑤ 熱・摩擦・過度なスタイリングから髪を守る習慣
髪はキューティクルが非常にデリケート。
熱や摩擦、紫外線によって剥がれやすく、内部のたんぱく質が流出して細くなります。
“守るケア”を習慣化することが、太く強い髪への近道です。
▶ 実践ポイント
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ドライヤーは15〜20cm離し、「温風→冷風」で仕上げ
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濡れた髪は摩擦に弱いので、タオルで押さえるように水分を取る
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就寝時は「ナイトキャップ」や「シルク枕カバー」で摩擦を軽減
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紫外線ダメージ対策に「UVカットヘアスプレー」を外出前に使用
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ヘアアイロンは1カ所3秒以内、温度は180℃以下を目安に
細くなった髪を太くするには、一度に劇的な変化を求めず、日々の積み重ねで“育てる意識”が大切。
頭皮と髪の両方をいたわることで、徐々にハリ・コシ・ボリューム感を取り戻せます。
気になるときは早めの相談を!髪のプロに頼るという選択肢

セルフケアで改善が見られない、抜け毛が急に増えた、分け目やつむじが目立ってきた…。
そんなときは迷わず、皮膚科や毛髪診断クリニックなど専門機関に相談しましょう。
髪の悩みはデリケートなものですが、早めの対応こそが「髪を取り戻す」第一歩です。
① 皮膚科・毛髪診断クリニックで見てもらうべき症状
以下のような症状がある場合は、自己判断せず専門家の診察を受けるのがおすすめです。
▶ 受診の目安となる症状
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髪が全体的に細くなり、ハリ・コシがなくなってきた
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抜け毛が以前より明らかに増えた
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分け目や頭頂部が透けて見える
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頭皮にかゆみ・赤み・フケ・炎症がある
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頭皮がベタつく、または極端に乾燥している
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一部に円形の脱毛が見られる
これらは、女性型脱毛症(FAGA)・男性型脱毛症(AGA)・慢性炎症性皮膚疾患などが関係していることもあります。
医師による診察を受けることで、原因を特定し、最適な治療プランを立てることができます。
② 専門家に相談する際のポイント(何を伝えるか・診断内容・費用目安)
初めて受診する際は、症状を正確に伝えることが大切です。
診察時には、以下のポイントを意識しておきましょう。
▶ 相談時に伝えるべきこと
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いつ頃から髪が細くなったか、抜け毛の増加に気づいた時期
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使用中のヘアケア商品・育毛剤・薬の有無
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食生活や睡眠、ストレスなど生活習慣の状況
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家族に薄毛・脱毛の傾向があるか
▶ 主な診断内容
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頭皮・毛根の状態をマイクロスコープでチェック
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血液検査によるホルモン・栄養状態の確認
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必要に応じて甲状腺機能・鉄分・ビタミン値などの検査
▶ 費用の目安
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一般皮膚科:初診料+検査で3,000〜6,000円程度(保険適用あり)
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毛髪専門クリニック:初回カウンセリング無料〜5,000円前後(自費診療)
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治療プランによっては月1〜3万円程度が目安となります。
③ プロによる治療法・育毛剤・ヘッドスパ・レーザー治療など選べる方法
専門機関では、症状や原因に合わせて複数の治療法を組み合わせることができます。
代表的なアプローチを以下に紹介します。
■ 医療機関での治療法
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外用薬(ミノキシジルなど):血行を促進し、発毛をサポート
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内服薬(スピロノラクトン・フィナステリドなど):ホルモンバランスにアプローチ(※医師の処方が必要)
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再生医療(PRP・成長因子注入):自分の血液や成長因子を注入して毛根を活性化
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低出力レーザー治療:光エネルギーで毛母細胞を刺激し、発毛を促す
■ 美容サロン・毛髪診断士によるケア
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ヘッドスパ・スカルプトリートメント:頭皮の血流・皮脂バランスを整える
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マイクロバブル・炭酸クレンジング:毛穴の詰まりを除去し、頭皮環境を正常化
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ホームケア用スカルプ美容液・育毛剤:医師や毛髪診断士監修のアイテムを使用
■ 日常に取り入れやすい選択肢
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市販の「医薬部外品育毛剤」や「スカルプエッセンス」も初期ケアとして有効
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専門家のアドバイスをもとに、頭皮タイプに合ったものを選ぶのがポイント
髪の細りやボリュームダウンは、放置すると進行してしまうケースも多いため、気づいた段階で行動することが大切です。
自己流ケアで限界を感じたら、医師・毛髪診断士・美容師など“髪のプロ”に相談する勇気を持ちましょう。
早めに適切なケアを受けることで、髪の再生力は十分に取り戻せます。
まとめ|細くなる髪は「毎日の積み重ね」で変えられる

髪が細くなる原因は、加齢やホルモンの変化、生活習慣、そして間違ったヘアケアなど、さまざまな要因が重なって起こります。ですが、決して「元に戻らない」わけではありません。ポイントを押さえて日々の習慣を見直せば、髪のハリ・コシは少しずつ取り戻せます。
原因と対策のポイントを再整理
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加齢やホルモン変化による細毛 → 栄養と休息を意識し、血流を促すケアを。
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生活習慣の乱れやストレス → 睡眠・食事・メンタルバランスを整えることが基本。
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頭皮環境の悪化 → マッサージやスカルプケアで“土台”を健やかに。
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間違ったヘアケア → 優しく洗い、摩擦・熱から髪を守ることが大切。
今日からできる“小さな一歩”を続けよう
たとえば「毎日1分の頭皮マッサージ」「ドライヤー前にヘアオイルをつける」「たんぱく質を意識して摂る」——そんな小さな積み重ねこそが、髪質を変えていきます。
すぐに結果が出なくても、1〜3か月の継続で少しずつ“違い”が見えてくるはずです。
定期的なチェックと見直しも忘れずに
髪や頭皮の状態は、季節や体調によって変化します。
月に一度は鏡で“分け目”や“ボリューム感”を確認し、気になる変化があれば早めにプロに相談を。
自分の髪と丁寧に向き合う時間をつくることが、未来の美しい髪を育てる第一歩です。
まとめメッセージ例:
髪は“手をかけた分だけ応えてくれる”パートナー。
毎日の積み重ねで、ハリとコシのある理想の髪を育てていきましょう。


