自分を責める癖をやめたい人へ|原因と今すぐできる7つの克服法

「なんでこんな自分…」と責めてしまうあなたへ|自分を責める癖をやめる7つの方法

「なんでこんな自分なんだろう…」「また失敗しちゃった」
気づけば、何かあるたびに自分を責めてしまう——そんな経験はありませんか?

自分を責める癖は、決して“弱さ”ではありません。
むしろ、まじめで優しく、誰かを思いやる気持ちが強い人ほど抱えやすい心のクセです。
でも、その優しさがいつのまにか自分を苦しめてしまうこともあります。

この記事では、「自分を責めてしまう心理的な原因」と、
今日からできる“やさしい克服法”7つを紹介します。
読むうちに、「責めない自分」を少しずつ育てていけるヒントが見つかるはずです。

 

自分を責めてしまう癖をやめたいあなたへ

「なんでこんな自分なんだろう」と思ってしまう瞬間

たとえば、仕事でミスをしたとき。
誰かに迷惑をかけたと感じたとき。
「またダメだった」「なんでこんな自分なんだろう」と、心の中で自分を責めてしまうことはありませんか?

そんなとき、私たちは「正しく生きたい」「ちゃんとやりたい」という思いが強すぎて、
その理想から外れた自分を許せなくなってしまうのです。

でも本当は——「自分を責めている時間」こそ、心が一番疲れているサイン。
それは“怠けている”からではなく、“がんばりすぎて心が限界を超えている”ということです。

まずは、責める言葉を心の中で一度ストップしてみてください。
「よく頑張ってきたよね」「今は休んでいいんだよ」と、
誰かを励ますように、自分に声をかけてあげることが第一歩になります。

責めてしまうのは、頑張りすぎてきた証拠

「どうして私はいつも自分を責めるんだろう」と思うかもしれません。
でも、それは“弱さ”ではなく“まじめさ”と“優しさ”の裏返しです。

人は、自分にも他人にも誠実でいたいとき、失敗や迷惑をかけることを強く恐れます。
「次はもっとちゃんとしよう」と思う気持ちが、やがて“自分への厳しさ”に変わっていくのです。

つまり——あなたが自分を責めてしまうのは、
それだけ“人を思いやり”“責任を感じながら生きてきた”証。

けれど、その優しさを“自分に向けること”を忘れてしまうと、
どんどん心が疲れてしまいます。

これからは、少しずつ「自分も人と同じように、間違えていい」「できない日があっていい」と、
許す練習をしていきましょう。
自分を責めるのではなく、
「今日もよくやってる」と認めるだけで、心は確実に軽くなります。

 

なぜ、私たちは「自分を責める」癖を持ってしまうのか?

完璧を求めすぎる性格が関係している

自分を責めてしまう人の多くは、「ちゃんとやらなきゃ」「失敗してはいけない」という思いが強い傾向があります。
つまり、完璧を求めるあまり、少しのミスも許せなくなってしまうのです。

でも、完璧主義は「向上心が高い」という長所の裏返し。
自分に厳しくできるからこそ、今までたくさん努力してきた証拠でもあります。

ただ、その厳しさをずっと自分に向けていると、心が疲れてしまいます。
“完璧”ではなく“十分”を目指すことで、自分を少しずつ許せるようになります。
「今日はここまでできたからOK」と言える日を増やすことが、
“責めない自分”への第一歩です。

「他人の目」を気にしすぎてしまう心理

「どう思われたかな」「嫌われていないかな」
そんなふうに、人の目を気にしてしまうことはありませんか?

人は誰でも、社会の中で生きる以上、周りの評価を意識します。
でも、他人の基準を優先しすぎると、自分の気持ちが置き去りになり、
“できなかった自分”を責めるループに陥りやすくなる
のです。

他人の評価は“その人の物差し”であって、“あなたの価値”ではありません。
人の目を気にするよりも、「自分がどう感じるか」を少しずつ優先してみましょう。
自分の小さな満足や納得を大切にできるようになると、
「他人にどう思われるか」で自分を責めることが減っていきます。

幼少期の「褒められ方」「叱られ方」が影響していることも

「失敗したら怒られる」「いい子でいないと愛されない」——
そんな経験をしてきた人ほど、大人になっても無意識に“自分を責める思考”が残りやすいといわれています。

これは、「条件つきの愛」を学んでしまった結果。
「うまくできたら価値がある」「失敗したらダメ」と、
自分に厳しい基準を設けてしまうのです。

でも本来、愛や価値に条件はありません。
あなたは、誰かに認められなくても価値があるし、
失敗しても“愛される存在”であり続けます。

過去の経験を否定する必要はありません。
ただ、「あのときの私、よく頑張ってたな」と認めてあげるだけで、
心はゆっくりと癒されていきます。

真面目で優しい人ほど、自分を責めやすい

自分を責めてしまう人は、ほとんどが**「人に迷惑をかけたくない」「誰かを傷つけたくない」**という優しさを持っています。
その思いやりが強すぎると、「私のせいで」「あのとき言わなければ」と、
すぐに自分を悪者にしてしまうのです。

でも、それは「人の痛みがわかる人」だからこそ。
その優しさはあなたの魅力であり、責めるべきものではありません。

必要なのは、「自分の優しさを、自分にも向けること」。
「ごめんね」ではなく「大丈夫だよ」と、自分に声をかけてあげてください。
その小さな一言が、責め癖をゆるめる大きな一歩になります。

 

自分を責める癖をやめるための7つの方法

自分を責める癖をやめるための7つの方法

「責めてる自分」にまず気づく

自分を責めているとき、心の中ではつい“自分へのダメ出し”が自動的に流れています。
でも、その思考に飲み込まれてしまうと、どんどん自己否定が強まってしまいます。

まずは、「今、自分を責めてるな」と気づくことが第一歩です。
気づくことで、責めるスイッチを“オフ”にできる瞬間が生まれます。

ノートに「責めてる言葉」と「気づいた時間」を書くだけでもOK。
少しずつ、自分の心のパターンが見えてくるでしょう。

「私はダメ」ではなく「今は疲れてるだけ」と言い換える

「どうしてできないんだろう」「私って本当にダメだ」
そう思ったときは、自分を否定するのではなく、状態を説明する言葉に変えるのが効果的です。

たとえば、
✕「私はダメ」
◎「今は疲れてるだけ」

この小さな言い換えで、心のダメージはぐっと減ります。
“自分の性格”ではなく、“一時的な状態”としてとらえることで、
「また立ち上がれる自分」に戻る余地ができます。

小さな成功体験を毎日ひとつ見つける

自分を責めやすい人は、「できなかったこと」にばかり目が向きがち。
だからこそ、“できたこと”を意識的に拾う練習をしてみましょう。

・朝ちゃんと起きられた
・メールを一通送った
・お風呂にゆっくり入れた

どんなに小さくても、それは“ちゃんと生きてる証”です。
1日の終わりにノートやスマホに書き留めてみると、
「自分も頑張ってる」と感じられる瞬間が増えていきます。

完璧を手放し「70点でOK」と思う練習をする

自分を責める人ほど、「ちゃんとやらなきゃ」「失敗したくない」と完璧を求めます。
でも、“100点”を目指すほど、自分を追い詰めてしまうもの。

「70点でも大丈夫」というゆるい基準を持つと、
できなかった部分より“できた部分”に目を向けられるようになります。

最初は「手を抜いてる気がする」と不安になるかもしれません。
でも、その“余白”こそが、心を守るバランスです。
自分に少し優しい基準を与えることで、継続する力も戻ってきます。

「他人と比べる」より「昨日の自分」と比べる

SNSや周囲の人を見るたびに、「あの人はすごいのに…」と落ち込んでしまうことはありませんか?
でも、人それぞれ背景もペースも違うもの。

比べるなら、“他人”ではなく“昨日の自分”です。
昨日より少しだけ笑えた、少しだけ早く寝られた。
それだけで、確実にあなたは前に進んでいます。

他人との比較は焦りを生みますが、
自分との比較は“成長の実感”を与えてくれます。

自分に“優しい言葉”をかける習慣をつくる

心の中で自分を責める言葉を繰り返していると、
無意識のうちに「自分なんて」と思い込みが強化されてしまいます。

だからこそ、意識して“優しい言葉”を自分にかける練習をしましょう。

たとえば、
「今日はよく頑張ったね」
「できなくても大丈夫」
「これでいいよ」

最初は違和感があっても構いません。
言葉は“心の栄養”になります。
続けるうちに、少しずつ自分への信頼が戻ってきます。

信頼できる人に気持ちを話してみる

自分の中だけで考えていると、思考がどんどんネガティブに偏ります。
だからこそ、信頼できる誰かに“今の気持ち”を話すことが大切です。

家族や友人、カウンセラーでも構いません。
「話す=放す(はなす)」という言葉の通り、
気持ちは声に出すことで軽くなります。

誰かに聞いてもらうことで、
「自分を責めなくてもいいんだ」と気づくきっかけにもなります。


💬ワンポイントまとめ
自分を責める癖は、「治すもの」ではなく「ゆるめていくもの」。
焦らず、一つずつ実践していくうちに、
“責める声”よりも“やさしい声”のほうが大きくなっていきます。

 

まとめ|「責めない自分」は、ゆっくり育てていけばいい

「やめよう」と思えた時点で、もう一歩前に進んでいる

「なんで自分ばっかり責めてしまうんだろう」
そう思ってこの記事を読んでいるあなたは、すでに“変わりたい”という気持ちを持っています。
それだけで、もう最初の一歩を踏み出しているのです。

自分を責める癖は、長い時間をかけて身についてきた“思考の習慣”。
だからこそ、一瞬で消えるものではありません。
でも、「気づけた」ということ自体が、心が癒えはじめているサインです。

完璧にやめる必要も、無理にポジティブになる必要もありません。
責めてしまったあとで、「また責めちゃったな。でも、それでもいいか」と思えたなら、
それは立派な“進歩”です。

焦らず、少しずつ“自分を許す練習”を

自分を責めてきた時間が長いほど、「許す」ことは難しく感じるかもしれません。
でも、許すとは「全部受け入れる」ことではなく、
“今の自分を否定しない”という小さな選択を積み重ねることです。

今日できなかったことがあってもいい。
誰かに優しくできなかった日があってもいい。
そんな日も、あなたが頑張って生きていることには変わりありません。

大切なのは、毎日少しずつ“自分を責めない時間”を増やしていくこと。
朝の支度中に深呼吸をひとつする、
夜眠る前に「今日も生きててえらい」とつぶやく——
それだけでも、心は確実に軽くなっていきます。

“責めない自分”は、すぐにはできません。
でも、あなたの中で確かに育っています。
焦らず、自分のペースで。
今日もそのままのあなたで、十分大丈夫です。

 

 

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国家資格キャリアコンサルタント・メンタルヘルス・マネジメント®検定II種取得。企業での人材育成や新入社員研修の経験を経て、現在は心理カウンセラーとして個人・法人向けにカウンセリングや研修を行っています。 働く人の「こころの健康」を守ることをミッションとし、職場のストレス、自己肯定感の低下、人間関係の悩みに寄り添いながら、年間300件以上の相談に対応。信頼される「話し方」や「聴き方」のプロとして、多くのメディアにも情報提供を行っています。 「ひとりで抱え込まないで。一緒に考えることで、こころは軽くなる。」

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