【医師監修】脇汗が片方だけ多いのはなぜ？左右差の原因と正しい対処法

Posted on 2025年6月13日2025年10月4日

「片方の脇だけ汗が多い気がする…」そんな違和感を覚えたことはありませんか？
脇汗の左右差は決して珍しいものではなく、自律神経の働きや体の使い方、ストレス、さらには病気が原因となることもあります。放っておくと不安や生活のしづらさにつながるため、原因を理解して正しく対処することが大切です。

本記事では、脇汗が片方だけ多いときに考えられる原因やセルフチェックの方法、効果的な対策、医療機関で受けられる治療法について徹底解説します。脇汗の左右差に悩まされず、快適に過ごすための参考にしてください。

脇汗が片方だけ多いのは普通？気になる症状の特徴

脇汗に左右差を感じる人は意外と多い

「脇汗は両方から同じように出るもの」と思いがちですが、実際には 片側だけ多く汗をかく人は少なくありません。
特に緊張したときや運動後など、状況によっては片側に偏って発汗することがあります。これは一時的な自律神経の働きや、体の使い方のクセによるもので、多くの場合は病気ではなく自然な反応です。

ただし、左右差が 毎日のように続く、または 片側だけ異常に多い と感じるときには注意が必要です。発汗のパターンを観察しておくと原因を探る手がかりになります。

片側だけ汗が多いときに見られるケース

片側に脇汗が集中するのには、いくつかの典型的なケースがあります。

利き腕側に多い
　利き手をよく動かす人は筋肉や神経の働きが活発で、その影響で発汗量が増えることがあります。
姿勢や体のゆがみが関係している
　肩の高さや背骨のバランスが崩れていると、自律神経の働きに偏りが出て、片側に汗が集中することがあります。
精神的ストレスや緊張による片側発汗
　人によっては緊張すると一方の脇だけ強く汗をかくことがあります。これは交感神経がアンバランスに働いているサインです。
病気や疾患のサインの可能性
　稀にですが、多汗症や神経系のトラブルが原因で片側だけに発汗する場合もあります。気になる場合は皮膚科や神経内科での相談が安心です。

脇汗に左右差が出る原因とは？

「なぜ片側だけ脇汗が多いのか？」と疑問に思う人は多いものです。実はその背景には、日常的な体のクセから自律神経の働き、さらには病気まで、いくつかの要因が考えられます。ここでは代表的な原因を整理して解説します。

自律神経の乱れによるもの

発汗は、自律神経の中でも交感神経が大きく関わっています。
自律神経は体のバランスを整える働きをしますが、疲労や生活リズムの乱れによって交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズにいかなくなると、発汗にも偏りが出やすくなります。

特に「片側だけ汗が出る」という症状は、自律神経の一時的なアンバランスによることが少なくありません。

利き腕や体の使い方の影響

日常生活で利き手や利き腕を頻繁に使うと、筋肉や神経の活動が活発になり、その側の脇汗が増えることがあります。
また、姿勢のクセや体のゆがみによっても、左右の神経の働きに違いが出ることがあり、結果として片側に汗が集中するのです。

例：

パソコン作業で片方の肩ばかり緊張させる
かばんをいつも同じ肩にかける
片側だけに重心をかけて立つ

こうした習慣が、左右差の一因となる場合があります。

ストレスや緊張による偏り

精神的なストレスや緊張は、交感神経を急激に刺激し、発汗を促します。
多くの人は両側から汗をかきますが、神経の伝わり方や体のクセによっては 「緊張すると片側だけ汗が出る」 ということもあります。

特にプレゼンや人前での発表、初対面の会話などでは、このような一方的な脇汗が目立ちやすくなります。

病気が原因の場合も（多汗症・神経疾患など）

ほとんどのケースは心配のいらない生理的な現象ですが、まれに病気が隠れていることもあります。

考えられる疾患の例：

原発性局所多汗症：原因不明ながら交感神経が過敏に働き、片側だけに汗が集中する場合があります。
神経疾患：脳や神経の障害によって、発汗の指令が左右どちらかに偏ることがあります。
ホルモンや代謝の異常：甲状腺機能の異常などでも汗が増えやすくなるケースがあります。

「片側だけ極端に汗をかく」「急に発汗パターンが変わった」という場合は、自己判断せず医師に相談することが大切です。

👉 このように脇汗の左右差にはいくつかの要因があり、多くは生活習慣や一時的な自律神経の乱れによるものです。ですが、症状が長引いたり、日常生活に支障をきたす場合は専門医の診断を受けて原因をはっきりさせることが安心につながります。

脇汗の左右差が気になるときのセルフチェック

脇汗に左右差を感じたとき、「病気ではないか」と不安になる人も多いでしょう。ですが、まずは自分の生活習慣や体の状態を確認することが大切です。簡単なセルフチェックを行うことで、原因の手がかりが見つかりやすくなります。

どんなときに汗が多く出るかを観察する

脇汗は、運動や気温だけでなく、緊張やストレスなど精神的な要因でも増減します。

緊張すると片側だけ強く汗が出るのか
暑い環境で左右差が出やすいのか
日常生活の特定のシーン（通勤・会話・作業など）で偏りが目立つのか

こうした「いつ・どんな場面で」左右差が出やすいのかを観察すると、原因が自律神経の乱れなのか、体の使い方なのかを判断する手がかりになります。

体のゆがみや姿勢のクセを確認する

姿勢のクセや体のゆがみも、脇汗の左右差に影響します。

片方の肩が上がっていないか
カバンをいつも同じ肩にかけていないか
椅子に座るときに片側に重心をかけていないか

こうした体のバランスの崩れは、神経の働きを偏らせ、発汗量の左右差につながることがあります。鏡の前で肩や背骨の高さを確認するのも一つの方法です。

左右の発汗の頻度や量をメモする

「気になるけど放置してしまう」人が多いですが、発汗の状況を 記録すること はとても有効です。

どちらの脇にどのくらい汗が出たか
その日の気温や湿度
緊張していたか、リラックスしていたか
服にどの程度汗ジミができたか

こうした情報を日記やアプリで簡単にメモしておくと、医師に相談する際にも具体的なデータとして役立ちます。

👉 セルフチェックを習慣にすることで、「一時的な左右差なのか」「治療を検討すべきレベルなのか」を自分でも判断しやすくなります。気になる症状が続く場合は、セルフチェックの結果を持参して専門医に相談すると診断がスムーズです。

片側の脇汗を軽減するための対処法

脇汗の左右差は多くの場合、生活習慣や一時的な要因によるものです。気になるときは、セルフケアで汗を目立たなくしたり、発汗量を抑える工夫をすることが有効です。ここでは、日常生活で取り入れやすい方法から、専門的な治療まで紹介します。

制汗剤・デオドラントの使い方を工夫する

市販の制汗剤やデオドラントは、脇汗対策の基本です。

塗るタイミングは「汗をかく前」がおすすめ。就寝前や朝の清潔な肌に使うことで効果が持続しやすくなります。
片側だけ多い場合は、その側を重点的にケアし、もう片側は控えめに塗るなどバランスを調整するとよいでしょう。
ロールオンタイプやクリームタイプは、ピンポイントで片側にしっかり塗布できるので左右差のある人に向いています。

衣類やインナーで汗を目立たせない工夫

汗そのものを完全に止めるのは難しくても、衣類の工夫で「見た目の悩み」を減らすことは可能です。

吸水性や速乾性の高いインナーを着用して汗を吸収する
色の薄い服やグレーのトップスを避け、汗ジミが目立ちにくい色を選ぶ
脇部分に汗取りパッドを装着して、左右差を外から気づかれにくくする

このような工夫をすることで、人前でも安心して過ごせるようになります。

ストレスケア＆リラックス習慣を取り入れる

精神的な緊張は、片側の脇汗を悪化させる大きな要因です。

深呼吸や瞑想を取り入れる
就寝前にストレッチや軽いヨガをして自律神経を整える
十分な睡眠をとり、生活リズムを整える

ストレスを溜め込まない工夫を続けることで、交感神経の過剰な働きを抑え、発汗の左右差が軽減されることがあります。

医療機関でできる治療法（ボトックス注射・手術など）

セルフケアをしても片側の脇汗が気になる場合は、医療機関での治療を検討するのも一つの方法です。

ボトックス注射：発汗を抑える作用があり、数か月間効果が続きます。片側だけ多い人にも適応可能。
交感神経遮断術（ETS手術）：重度の多汗症に対して行われる手術で、効果は高いもののリスクもあるため慎重に判断が必要です。
外用薬や内服薬：皮膚科で処方される制汗剤や飲み薬も有効な選択肢です。

自己流で悩み続けるよりも、専門医に相談することで安心して生活できるようになるケースも多いです。

👉 片側の脇汗対策は、「セルフケアで調整」＋「必要なら医療機関へ相談」という二段構えが安心です。まずは身近にできる工夫から始め、改善が難しいと感じたら早めに専門家のサポートを受けましょう。

脇汗の左右差に悩まないためにできること

片側だけの脇汗は珍しいことではなく、多くの場合は生活習慣や一時的な体調の影響です。とはいえ「人に気づかれるのでは…」と不安になると、かえってストレスで汗が増えてしまうことも。ここでは、脇汗の左右差とうまく付き合うために日常生活でできる工夫を紹介します。

生活習慣を見直す（睡眠・食事・運動）

自律神経の乱れは脇汗の左右差を悪化させる要因です。生活習慣を整えることで、汗のコントロールがしやすくなります。

睡眠：規則正しい睡眠は、自律神経を安定させる第一歩。寝不足は交感神経を刺激し汗を増やします。
食事：カフェインや香辛料は発汗を促すため控えめに。栄養バランスの取れた食事で体調を整えることが大切です。
運動：軽い有酸素運動やストレッチは血流を改善し、体のゆがみを整えて左右差の軽減につながります。

汗を意識しすぎない工夫

「片側だけ汗をかいている」と強く意識すると、それがストレスとなり余計に汗が出てしまうことがあります。

吸水性の高いインナーや汗取りパッドを活用して、安心感を持つ
汗が目立ちにくい服の色や素材を選ぶ
外出先でもケアできるよう、制汗剤や替えのインナーを常備する

こうした準備をしておくと「もし汗をかいても大丈夫」と気持ちが軽くなり、実際に汗が減るケースもあります。

早めに専門医に相談するメリット

セルフケアをしても左右差が続いたり、日常生活に支障を感じる場合は、早めに皮膚科や多汗症外来で相談するのがおすすめです。

医師の診断で原因がはっきりする安心感
自分に合った治療（外用薬・ボトックス注射・手術など）を選べる
悩みを一人で抱え込まず、専門家に相談することで精神的な負担も軽くなる

「片側だけの脇汗は自分だけかもしれない」と思い込む人は多いですが、実際には多くの人が同じ悩みを持っています。専門医のサポートを受けることで、快適な毎日を取り戻すことができます。

👉 脇汗の左右差は、生活習慣を整えつつ「意識しすぎない工夫」を取り入れ、必要に応じて医療機関を頼ることが最善の対策です。小さな工夫の積み重ねが、不安を減らし自信につながります。

まとめ｜片側だけの脇汗は珍しくない！正しく理解して快適に過ごそう

片側だけの脇汗は「自分だけの特別な症状」と感じて不安になる人も多いですが、実際には珍しいことではありません。自律神経の乱れや利き腕の使い方、姿勢やストレスなど、日常的な要因で一時的に左右差が出ることはよくあります。

大切なのは「原因を正しく理解すること」。セルフチェックを行い、生活習慣の改善や衣類・制汗剤での工夫を取り入れるだけでも、左右差によるストレスは大きく減らせます。

もしも片側だけの脇汗が続いて気になる場合や、日常生活に支障が出ていると感じた場合は、専門医に相談することが安心につながります。医療的な治療法も選択肢のひとつです。

👉 「片側だけ汗をかく＝おかしい」ではなく、「よくあること」と受け止め、できる対策をしながら快適に過ごすことが大切 です。

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この記事を書いた人
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鈴木一輝（美容専門家）｜ご支援はこちら

美容・健康業界で10年以上の経験を持ち、男女問わずスキンケアやエイジングケアをサポート。肌質改善・脱毛・健康美容を専門とし、これまでに1000人以上をカウンセリング。美容商品の監修やメディアでの執筆・講演も行う。「美しさは健康とライフスタイルのバランスから生まれる」を信念に、専門知識を活かした実践的な美容情報を発信中。