あいまいな返事が許せないのはなぜ?その心理・性格・価値観を徹底解説
「で、どうしたいの?」
「うーん、まあ、どっちでもいいかな…」
そんなあいまいな返事に、ついイライラしたり、モヤモヤが消えなかったりすることはありませんか?
はっきりしない相手にストレスを感じるのは、単なる性格の違いではなく、あなた自身の価値観や心のクセが影響しているかもしれません。
本記事では、あいまいな返事に対して「なぜこんなに反応してしまうのか?」を掘り下げながら、
心を軽くする考え方・コミュニケーションの工夫・期待の手放し方など、対人関係で疲れないヒントをお伝えします。
「こんな自分はダメ…」と責めるのではなく、「なるほど、だからか」と自分を優しく理解する時間を持ってみませんか?
あいまいな返事にモヤモヤするのは普通?
「うーん、どうかな」「まあいいんじゃない?」「そのうち考えるね」――
こうした“はっきりしない返事”に、イライラした経験はありませんか?
実は、あいまいな返事にモヤモヤするのは、とても自然な反応です。
なぜなら、私たちは会話を通じて「相手の気持ちを知りたい」「関係性を確かめたい」という欲求を持っているからです。
とくに、恋愛や仕事など、“結果が大切な場面”では、はっきりした言葉がほしいもの。
そんな中であいまいな返事をされると、「どう受け取ればいいの?」「私のこと、本気じゃないの?」と、不安や苛立ちにつながってしまうのです。
けれど一方で、「あいまいでも気にならない」という人もいます。
この違いの背景には、**“あいまいさへの耐性”や“性格・価値観の違い”**が関係しています。
まず「あいまいな返事」とはどういうもの?
「あいまいな返事」とは、明確な意思表示を避けるような返答のことです。
たとえば、以下のような言い方があてはまります:
-
「そのうちやろうと思ってる」
-
「気が向いたら行こうかな」
-
「いいか悪いかは、なんとも言えない」
-
「うーん……どうだろうね」
-
「また連絡するね(でも来ない)」
このような返答は、YESでもNOでもなく、結論を保留したままの状態です。
発言者の意図としては、
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相手を傷つけたくない
-
断るのが苦手
-
自分でもまだ決められていない
-
その場の空気を乱したくない
など、“悪気がない”ことも多いのが特徴です。
しかし、受け取る側からすれば、
「結局どういう意味?」「こっちに判断を委ねないで!」という不安やストレスが生まれやすいのです。
なぜ気になる人と気にならない人がいるのか?
同じような“あいまい返事”をされても、
「まあ、そういう言い方もあるよね」と気にしない人と、
「はっきりしてよ!」と強く反応してしまう人がいます。
この差には、以下のような性格や価値観の違いが関係しています。
1. 白黒をハッキリつけたい性格かどうか
「物事は明確に整理したい」という性格の人は、あいまいさに強いストレスを感じます。
一方、「どっちでもいい」「流れにまかせたい」という柔軟な人は、あいまいな言葉も受け入れやすい傾向があります。
2. 不安耐性の違い
「先が見えない状況でも平気な人」と「不確実なことに強い不安を感じる人」とでは、
あいまいな返事に対する反応が大きく異なります。
不安を感じやすい人ほど、「どうしてはっきり言ってくれないの?」と過敏になります。
3. 育ってきた文化・環境
たとえば、家庭や職場で「遠回しな言い方が普通」だった人は、あいまいさに慣れています。
反対に、「意見ははっきり伝えるべき」という環境で育った人は、あいまいさに違和感を持ちやすいのです。
つまり、あいまいな返事にモヤモヤするのは、決して“心が狭い”からではなく、性格や背景に根ざした自然な反応なのです。
「なぜ自分は気になるのか?」「なぜ相手は気にならないのか?」
この違いを理解することが、コミュニケーションのストレスを減らす第一歩になります。
あいまいな返事が許せない人の性格的特徴
あいまいな返事に強いストレスを感じる人は、決して“心が狭い”わけではありません。
むしろその背景には、真面目さ・責任感・感受性の強さなど、人としての魅力的な資質が隠れています。
ここでは、そんな「モヤモヤしやすい人」の性格的な特徴を3タイプに分けて見ていきましょう。
白黒はっきりつけたい“完璧主義タイプ”
このタイプの人は、物事をあいまいなまま放置するのが苦手です。
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「イエスかノーかはっきりしてほしい」
-
「言ったからには責任を持って」
-
「結論が出ないままの状態が落ち着かない」
という気持ちが強く、中途半端な返事=誠意がないと感じやすい傾向があります。
完璧主義タイプの人は、自分にも他人にも高い基準を求めることが多く、「ちゃんと向き合ってほしい」「あいまいなまま逃げないで」という気持ちが根底にあります。
🔸対策のヒント
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相手が悪気なく“今は答えが出せない”だけかもしれないと意識する
-
「〇日までに返事をもらえると助かる」など、期日をつけて確認する
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「すぐに答えが出ないこともある」と、自分の中に“グレーゾーン”を許す練習を
相手の意図を気にしすぎる“繊細さん”
このタイプの人は、相手の発言や表情に敏感で、あいまいな返事を“深読み”してしまう傾向があります。
たとえば、
-
「遠回しに断られてるのかな…」
-
「嫌われたかも…」
-
「この言い方ってどういう意味なんだろう…」
といったふうに、相手の真意を探ろうとしてどんどん不安になるのが特徴です。
繊細さんは、人間関係に対する感受性が高く、相手を大切に思っているからこそ反応してしまうのです。
🔸対策のヒント
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あいまいな返事は「まだ考え中なんだな」くらいに軽く受け止めてみる
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「それって〇〇って意味?」と率直に聞いてみる練習をする
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相手のすべての言動に“深い意味”があるとは限らないと割り切る
自分が正しいと思いたい“コントロール欲が強い人”
このタイプの人は、自分のペースや価値観に相手を合わせてほしいという気持ちが強い傾向があります。
-
「なんでちゃんと答えられないの?」
-
「曖昧にしてるってことは逃げてるよね」
-
「私ならこうするのに、なぜ相手はそうしないの?」
と、**相手を“正すべき存在”として見てしまうことがあります。
コントロール欲が強い人は、裏を返せば**「自分が責任を持ちたい」「関係をうまく進めたい」というリーダー気質**の持ち主でもあります。
🔸対策のヒント
-
相手にも「自分のタイミングや考え方」があると理解する
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「正しさ」より「関係の心地よさ」を優先するマインドを持つ
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自分の思い通りに動かない相手も“個性”として捉える視点を育てる
どのタイプであっても、「あいまいな返事が許せない」のは、あなたの感性やこだわりが強い証拠です。
大切なのは、その特徴を否定するのではなく、自分の“反応のクセ”を知って上手に対処することです。
あいまいさに対する許容度は「価値観」の違い
なぜ、あいまいな返事に強く反応する人と、気にならない人がいるのでしょうか?
その違いには、**性格のほかに「価値観の違い」**が深く関係しています。
価値観とは、物事の捉え方・大切にしている考え方のクセのようなもの。
あいまいさに対する許容度は、「どんな価値観を持っているか」によって大きく左右されます。
以下に、代表的なタイプとその特徴をご紹介します。
言葉に明確さを求める「論理重視派」
論理重視派は、物事を整理して理解したい・言葉を使って正確に伝え合いたいという価値観を持っています。
-
「言葉は事実を表すべき」
-
「“結論”を聞かないと次に進めない」
-
「遠回しな表現より、率直な意見がありがたい」
こういった思考を持つ人にとって、あいまいな返事は非常にストレスフルです。
「何が言いたいの?」「YESなの?NOなの?」と、混乱や苛立ちを感じやすくなります。
🔸対策のヒント
-
相手が“感情優先”タイプかもしれないと仮定して受け止める
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重要な場面では「具体的にどういう意味?」と丁寧に確認する
-
全員が「言葉=事実」だとは限らないことを意識する
空気感や感情を重視する「共感重視派」
共感重視派は、言葉そのものより、空気感・ニュアンス・感情のやりとりを大切にします。
-
「その場の雰囲気を壊したくない」
-
「言いづらそうだから、こっちから察してあげたい」
-
「ストレートな言い方は角が立つから避けたい」
このタイプにとっては、「あいまいな返事=気遣い」「やさしさ」でもあるため、
逆にストレートな物言いが「冷たい」と感じられることもあります。
🔸対策のヒント
-
あいまいな返事も「気を遣ってくれてるんだな」と受け止めてみる
-
「本音がわかりにくい」ときは、相手の立場を尊重しつつ聞き返す
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言葉以外の“行動”や“雰囲気”から相手の本音を探るのも一つの方法
文化・育ち・職業による影響も?
あいまいさへの感じ方には、価値観だけでなく「環境による違い」も大きく影響しています。
育った家庭や地域文化
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「遠回しに伝えるのがマナー」な文化 → あいまい表現が普通
-
「YES/NOははっきり言うべき」な家庭 → あいまいさにイライラしやすい
学校・職場の風土
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論理・数値で説明する職場(例:法律・IT・医療)では、明確な返答が重視されがち
-
感情や空気を読む業界(例:接客・教育・芸術)は、曖昧な表現がむしろ好まれることも
🔸対策のヒント
-
「自分と違う背景を持つ人」に対して、柔軟な視点を持つ
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相手の“価値観の土台”が違うことを理解し、イライラを手放す
-
自分の価値観に固執しすぎないことで、人間関係がスムーズになる
あいまいな返事にモヤモヤするのは、あなたの価値観がそう感じさせているだけかもしれません。
相手の言葉の背後にある「文化」や「考え方の違い」を理解することで、イライラを和らげ、より柔らかなコミュニケーションができるようになります。
なぜイライラするのか?心理的な背景
あいまいな返事をされると、なぜあんなにもモヤモヤ・イライラしてしまうのでしょうか?
表面的には「答えがハッキリしないから」という理由でも、
その背後には、**心の奥にある感情や思考のクセ=“心理的な背景”**が隠れていることが少なくありません。
自分の反応の裏側を理解することで、感情に振り回されずに対処できるようになります。
「察してほしい」のに察してもらえない不満
あいまいな返事にイラッとするとき、実は「こっちの気持ちをわかってほしい」「私が聞きたいことくらい察してよ!」という**“察してほしい欲”**が働いていることがあります。
たとえば、
-
好意を伝えているのに、返事をぼかされる
-
約束ごとを提案しても、具体的な答えが返ってこない
-
大切な相談なのに、曖昧に流される
こんなとき、「こっちの気持ちを受け止めてくれてない」「本気で向き合ってくれてない」と感じてしまい、不満が強くなります。
🔸対策のヒント
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「察してもらう」より「伝える努力」をしてみる
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自分が何を望んでいるのか、できるだけ具体的に言語化する
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相手が気づかないだけかも、と一歩引いて受け止める
「自分だけハッキリ伝えて損してる」感
真面目で誠実な人ほど、「自分はちゃんと伝えてるのに、なんで相手はぼかすの?」という**“不公平感”**を抱きやすくなります。
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自分は気をつかって明確に答えてる
-
相手は濁してばかりでズルい
-
なんだか「損してる」「バカ正直みたい」と感じてしまう
こうした心理が働くと、あいまいな返事は**“逃げ”や“不誠実さ”として映りやすくなり、イライラの原因に**なります。
🔸対策のヒント
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自分の誠実さは“損”ではなく“強み”だと再定義する
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「相手にも事情や性格がある」と視野を広げる
-
不公平に見えても、自分らしさを大切にしていく
不安感や自己肯定感の低さが影響することも
実は、「あいまいな返事に過剰に反応してしまう」のは、心の中にある“自信のなさ”が関係していることもあります。
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「はっきり言ってもらえない=嫌われてるのかも…」
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「私の気持ちはどうでもいいと思ってるのかな…」
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「どうせ大切にされてないんだ」と極端に落ち込む
このように、不安感が強いと、あいまいさを“拒否”や“否定”と受け取ってしまいやすいのです。
🔸対策のヒント
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「相手の態度=自分の価値」ではないと切り離して考える
-
自分の気持ちを言葉にして、丁寧に扱ってあげる
-
相手の言動に一喜一憂せず、自分軸を育てていく
あいまいな返事にイライラするのは、単に相手の言い方の問題ではなく、
自分の中の“期待”や“心のクセ”が関係している場合も多いのです。
それを理解するだけでも、感情のコントロールがぐっと楽になり、より冷静で柔らかな人間関係が築けるようになります。
対策と付き合い方~許せない気持ちを楽にするヒント~
あいまいな返事にモヤモヤしたり、イライラしたりするのは、決しておかしなことではありません。
ただ、その感情に振り回されすぎると、人間関係がギクシャクしたり、自分自身も疲れてしまうことに。
ここでは、そんな気持ちを少しでも軽くするための、実践しやすい「心の整え方」や対処法をご紹介します。
まずは「そういう人もいる」と受け入れてみる
人にはそれぞれ、ものの考え方や表現のクセがあります。
あいまいな返事をする人は、
「逃げている」わけでも「あなたを軽んじている」わけでもなく、ただ「そういう性格・育ち」なだけかもしれません。
-
言葉を選ぶのが苦手な人
-
本音を言うのに時間がかかる人
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その場の空気を重視してしまう人
そんな人も“普通に存在している”と捉えることで、「なんでこうなの!?」という怒りの感情を手放しやすくなります。
🔸対策のヒント
-
「あ、こういう言い方するタイプか」と軽く流すクセをつける
-
相手の“性格の違い”を否定するのではなく、“そういうスタイル”と捉える
-
「人はみな違って当たり前」という視点で関係を見直す
あいまい返事をされたときの上手な聞き返し方
モヤモヤを溜め込まず、スムーズに対処するためには、やわらかく・感じよく聞き返す技術を身につけておくことが有効です。
🔸おすすめの聞き返しフレーズ
-
「今のお話って、〇〇ということですか?」
-
「少し迷っているように感じたけど、どのあたりが引っかかってる?」
-
「もしまだ決めきれなければ、また後で教えてもらってもいい?」
ポイントは、相手を責めるような聞き方をしないこと。
「なんでちゃんと答えてくれないの?」ではなく、“理解したい”という姿勢で穏やかに返すことが大切です。
🔸対策のヒント
-
クッション言葉を使って印象を柔らかく(例:「ちょっと気になったんだけど…」)
-
相手の立場や迷いに配慮しながら質問する
-
無理に答えを引き出そうとせず、選択肢を提示する聞き方も◎
相手に期待しすぎないマインドの育て方
あいまいな返事にイラッとする背景には、「ちゃんと応えてくれるはず」「わかってくれるはず」という**“期待”の気持ち**があります。
でも、過度な期待は裏切られたときのダメージも大きく、感情が振り回されてしまいがち。
そんなときは、**“他人に期待しすぎない心のクセ”**を少しずつ育てていくことが効果的です。
🔸マインドの整え方
-
「期待」は“願望”にすぎないと認識する
-
相手にコントロールされるのではなく、自分の感情は自分で守る
-
「期待せず、信じる」「期待せず、観察する」というスタンスを持つ
🔸自分軸を保つための言葉がけ例
-
「相手は相手、私は私」
-
「私はきちんと伝えた。それで十分」
-
「どんな返事でも、自分の価値は変わらない」
相手に変わってもらうことは難しいかもしれませんが、自分の心の持ちようを変えることはできます。
「許せない」と感じる前に、「こういう考え方もあるんだ」と一歩引いた目線を持つことで、
心がぐっと楽になり、より健やかな人間関係を築くきっかけにもなるはずです。
まとめ|あいまいな返事に反応する自分の心を知ろう
「どうしてはっきり言ってくれないの?」「なんでそんなに曖昧なの?」
そんなイライラやモヤモヤは、相手の話し方だけでなく、自分自身の心の反応や価値観のクセから来ていることが多いものです。
-
白黒はっきりさせたい性格
-
自分ばかりが損しているという思い
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察してほしいという無意識の期待
-
不安感や自己肯定感の揺らぎ
これらを知ることで、ただ「相手が悪い」「許せない」と一方的に切り捨てるのではなく、
“なぜ自分はこんなに反応するのか?”という視点を持つことができるようになります。
そして、自分の心を深く理解できるようになると――
他人のあいまいな返事にも、少し余裕を持って向き合えるようになります。
完璧な答えを求めすぎず、期待を手放し、相手との“違い”をやさしく受け止めること。
それが、「あいまいさ」に振り回されず、心地よい人間関係を築くための第一歩です。
あいまいな返事は、あなたを否定しているわけではありません。
ただその人のやり方で、答えを探しているだけかもしれないのです。

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