【医師解説】耳がかゆいからと綿棒多用は危険!正しい耳掃除のやり方とは

耳がかゆいからと綿棒多用は危険?医師もすすめる正しい耳掃除とは

「耳がかゆいからつい綿棒でゴシゴシ…」そんな習慣、実は耳に大きなダメージを与えているかもしれません。耳の皮膚はとても繊細で、掃除のやりすぎは炎症やかゆみの悪化、さらには耳垢を奥に押し込んでしまうリスクもあります。では、耳掃除はどのくらいの頻度で、どう行うのが正解なのでしょうか?

本記事では、耳がかゆくなる原因から、綿棒を多用する危険性、そして医師もすすめる正しい耳掃除の方法までをわかりやすく解説します。

 

目次

耳がかゆいのはなぜ?原因をチェック

耳の中の乾燥や皮脂の乱れ

耳の中は皮膚がとても薄くデリケートで、乾燥や皮脂の分泌バランスが崩れると、かゆみを感じやすくなります。特にエアコンの風や季節の乾燥、体質的な皮脂不足などが原因になることもあります。
対策

  • 室内の湿度を40〜60%に保つ

  • 耳の中を無理に洗わない(石けんやシャンプーが入りすぎるのも乾燥の原因)

  • 保湿が必要な場合は、市販の耳用オイルやワセリンを耳の入り口付近に薄く塗る

耳垢のたまりすぎ・取りすぎ

耳垢(じこう)は、実は耳を守るためのバリア機能を持っています。溜まりすぎればかゆみや閉塞感を招きますが、逆に取りすぎると防御機能が失われ、耳が乾燥・炎症しやすくなります。綿棒で掃除するほど、耳垢を奥に押し込んでしまうリスクも。
対策

  • 耳掃除は月1〜2回で十分

  • 綿棒で奥まで掃除せず、耳の入り口を軽く拭く程度にとどめる

  • 耳垢が詰まって聞こえにくいときは、自分で無理に取らず耳鼻科で処置してもらう

アレルギーや外耳炎の可能性

花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギーがある人は、耳の皮膚にも炎症が起こりやすく、かゆみを感じることがあります。また、耳掃除のやりすぎや水の侵入(プール・お風呂)で細菌感染が起こると「外耳炎」になり、強いかゆみや痛みに発展することもあります。
対策

  • 花粉症やアトピーがある場合は、耳のかゆみもアレルギー症状の一部と考え、主治医に相談する

  • 耳に水が入ったら軽く拭き取り、放置しない

  • 強いかゆみや痛み、耳だれがある場合は早めに耳鼻科を受診する

 

綿棒を使いすぎるとどうなる?

綿棒を使いすぎるとどうなる?

耳垢を奥に押し込んでしまう

綿棒は一見「耳垢を取っている」ように思えますが、実際には耳垢を奥へ押し込んでしまうことが多いです。これを「耳垢栓塞(じこうせんそく)」と呼び、耳が詰まったような違和感や聞こえにくさの原因になります。
対策

  • 綿棒で耳の奥を掃除しない

  • 耳掃除は耳の入り口部分を軽くぬぐう程度にとどめる

  • すでに耳が詰まった感じがある場合は、自分で取ろうとせず耳鼻科で安全に除去してもらう

耳の皮膚を傷つけて炎症リスク

耳の中の皮膚は非常に薄く、綿棒でこするとすぐに傷がつきます。小さな傷から細菌が入り込むと「外耳炎」になり、かゆみだけでなく痛み・腫れ・耳だれが出ることもあります。
対策

  • 耳掃除の回数を減らし、「どうしても」というときだけ優しく行う

  • 綿棒を使うなら、奥ではなく耳の入口周辺のみ

  • かゆみや痛みが強い場合は市販薬で対処せず、耳鼻科で診察を受ける

「かゆみ→掃除→かゆみ」の悪循環に

耳がかゆいと綿棒を使いたくなりますが、掃除するほど皮膚を刺激し、さらにかゆみが増す…という「かゆみの悪循環」に陥りがちです。この状態を繰り返すと慢性的な炎症や皮膚トラブルにつながります。
対策

  • 「かゆい=掃除」ではなく「かゆい=保湿・安静」と考える

  • 必要以上に触らず、耳の中を“休ませる”ことが大切

  • かゆみが長引くときは、皮膚炎やアレルギーの可能性もあるため耳鼻科に相談する

 

正しい耳掃除の頻度と方法

正しい耳掃除の頻度と方法

耳掃除は「月1〜2回」で十分

耳垢は皮膚の新陳代謝によって自然に外に出てくる仕組みがあります。そのため、頻繁に耳掃除をする必要はありません。むしろやりすぎると耳の皮膚を傷つけたり、耳垢を奥に押し込んでしまう原因になります。
対策

  • 耳掃除は月1〜2回を目安にする

  • 「耳の入り口に耳垢が見えてきたとき」だけ掃除する

  • 聞こえにくさや詰まった感覚が強いときは耳鼻科で除去してもらう

綿棒ではなく耳かき・ガーゼでやさしく

綿棒は奥に押し込みやすいため、耳掃除にはあまり向いていません。どうしても掃除をするなら、耳かきや柔らかいガーゼで“耳の入口”を軽くぬぐう程度で十分です。
対策

  • 綿棒は奥に入れず、耳の入口付近をそっと拭く

  • 耳かきは力を入れず、浅い部分だけにとどめる

  • 赤ちゃんや子どもの耳掃除は親が無理にせず、小児科・耳鼻科で対応してもらうのが安心

実は「耳は掃除しなくても自然にきれいになる」

耳の中には「自浄作用」があり、耳垢は少しずつ外に押し出されます。そのため、基本的には掃除をしなくても清潔が保たれます。特に“湿ったタイプの耳垢”は自然に排出されやすいと言われています。
対策

  • 耳掃除は「見えて気になる部分だけ」にとどめる

  • 日常生活では、洗顔やシャンプーのときに外耳の入り口をタオルで拭くだけで十分

  • 耳の中にトラブルが起きたら「自分で何とかしよう」とせず、耳鼻科を受診する

 

耳がかゆいときの対処法

耳がかゆいときの対処法

かゆみが軽い場合のセルフケア

耳のかゆみが軽度で、一時的に感じる程度であれば、自宅での簡単なケアで改善できる場合があります。大切なのは「かかない」「いじらない」ことです。
対策

  • 耳の中を綿棒や爪で触らない

  • 入浴後は耳の入口をタオルで軽く拭く程度にする

  • 部屋の湿度を保ち、乾燥を防ぐ

  • 強いかゆみが続かなければ、数日様子をみる

市販の保湿ケア・点耳薬の活用

耳のかゆみは乾燥や軽い炎症が原因のこともあります。その場合は、市販の保湿剤や点耳薬を正しく使うことで改善が期待できます。
対策

  • ワセリンや耳用オイルを、耳の入り口に薄く塗る

  • かゆみが強い場合は、抗ヒスタミン成分や抗炎症成分を含む市販の点耳薬を使用する

  • 使用前には説明書をよく読み、長期間の自己判断での使用は避ける

耳鼻科を受診すべきサイン

耳のかゆみが長引いたり、かゆみ以外の症状が出ている場合は、自己ケアでは改善できないケースもあります。外耳炎や真菌感染(カビ)、アレルギーが隠れていることもあるため注意が必要です。
受診の目安

  • かゆみが1週間以上続いている

  • 痛み・耳だれ・腫れがある

  • 聞こえにくさや耳が詰まった感じがある

  • 繰り返し耳のトラブルが起こる

対策

  • これらの症状がある場合は、早めに耳鼻科を受診する

  • 自分で掃除や薬を使って悪化させる前に、専門的な治療を受けることが安心

 

まとめ|耳掃除は「やりすぎない」が鉄則

まとめ|耳掃除は「やりすぎない」が鉄則

かゆみの原因を見極める

耳がかゆいからといって、必ずしも「耳垢のせい」とは限りません。乾燥やアレルギー、外耳炎など、原因はさまざまです。むやみに綿棒を使って掃除すると、かえって症状を悪化させることもあります。
対策

  • 「かゆい=耳掃除」ではなく、原因を考える習慣を持つ

  • 一時的なかゆみは保湿や安静で様子を見る

  • 症状が長引いたり強い場合は、自己判断せず耳鼻科を受診する

掃除よりも「耳の健康」を守る習慣を

耳は本来、自浄作用によって自然にきれいになる器官です。大切なのは「頻繁に掃除すること」ではなく、「耳の環境を整えて健康を保つこと」です。
対策

  • 耳掃除は月1〜2回、浅い部分だけを優しく

  • 入浴後は耳の入り口をタオルで軽く拭くだけで十分

  • 乾燥を防ぎ、かゆみが出にくい生活習慣を心がける

  • 違和感やトラブルを感じたら、早めに専門医へ相談


👉 まとめると、耳掃除は「やりすぎない」のが一番のケアです。耳のかゆみが気になるときは、まず原因を冷静に見極め、必要に応じて医師の診察を受けることが耳の健康を守る近道です。

 

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言葉の力と健康の大切さを伝えることを使命に、10年以上にわたり記事執筆や講演活動を行っています。健康情報サイトや医療系メディアでの執筆経験が豊富で、専門家監修のもと正確で信頼性の高い情報を発信しています。心理学・健康科学の知識と、カウンセリング・健康支援活動の経験を活かし、「わかりやすく実践できる情報」をモットーに執筆しています。
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この記事を書いた人

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