【医師監修】夜中に寝返りが多いのはなぜ?|快眠を妨げる原因と今すぐできる改善法

夜中に寝返りが多いのはなぜ?快眠を妨げる原因と今すぐできる対策法

「夜中に何度も寝返りを打ってしまう」「朝起きると体がだるい」──そんな経験はありませんか?
寝返りは本来、血流を促し体の歪みを整える“自然な動き”ですが、過剰に多い寝返りは快眠を妨げるサインでもあります。

この記事では、医師監修のもと、
夜中に寝返りが増える原因と、すぐにできる改善法をわかりやすく解説。
マットレスや枕の見直しから、ストレスケア・生活習慣の整え方まで、
「ぐっすり眠れる体」を取り戻すための実践的なヒントをお届けします。

 

目次

そもそも「寝返り」とは?|私たちが無意識に姿勢を変える理由

寝返りとは、眠っている間に体の向きを変える自然な動作のこと。
仰向けから横向き、うつ伏せからあお向けになるなど、私たちは一晩のうちに何度も姿勢を変えています。
実はこの“寝返り”には、身体の歪みを整え、血流を促し、快適な睡眠を維持するための大切な役割があるのです。

寝返りの役割:血流・体温・姿勢を整える自然な動き

寝返りは、眠っているあいだに同じ姿勢で負担がかかりすぎるのを防ぐための体の防御反応です。
長時間、同じ体勢のままだと、血流が滞ったり、筋肉や関節に圧力がかかりやすくなります。

💡寝返りがもたらす主な効果

  • 血流の改善:圧迫されていた血管をほぐし、全身の循環をスムーズにする

  • 体温調整:寝具の中の熱を逃がし、快適な温度を保つ

  • 筋肉・関節のリセット:凝り固まった部位をほぐし、体のバランスを整える

  • 寝姿勢の維持:無意識に“楽な姿勢”を探すことで、深い眠りをサポート

つまり、寝返りは「眠りを妨げるもの」ではなく、「眠りを守るための自然な行動」。
多少の寝返りはむしろ、身体がしっかり機能しているサインといえるのです。

一晩に20〜30回は普通?「適度な寝返り」はむしろ良いサイン

一般的に、健康な人は一晩に20〜30回程度の寝返りをしているといわれています。
この回数は個人差があり、体格や年齢、寝具の硬さによっても変化します。

🔹寝返りが“適度”な場合の特徴

  • 朝起きたときに身体の痛みや疲れが残っていない

  • 夜中に目が覚めることが少ない

  • 起床後にスッキリとした目覚めを感じる

逆に、寝返りが多すぎる場合(50回以上など)は、
「寝具が体に合っていない」「ストレスで眠りが浅い」などのサインかもしれません。

ただし、寝返りそのものは悪いことではなく、“快適な眠りを保つための調整動作”
重要なのは、寝返りの“回数”よりも「質」——つまり、眠りが深くリズムよく続いているかどうかなのです。

🌙快眠のヒント

寝返りをスムーズにするには、
・体にフィットするマットレス(硬すぎず沈みすぎないもの)
・通気性の良い寝具やパジャマ
・寝る前の軽いストレッチで筋肉をほぐす
といった環境づくりが効果的です。

 

夜中に寝返りが多くなる原因|あなたに当てはまるのはどれ?

寝返りが増えるのは、ただの“寝相の悪さ”ではなく、体や環境が発するサインの可能性があります。
快眠を妨げている原因を一つずつ見直すことで、自然と寝返りの回数を減らし、深い眠りに近づくことができます。

① 寝具が体に合っていない(マットレスや枕の硬さ・高さ)

寝具が体に合っていないと、寝ている間に体がリラックスできず、自然と寝返りが増える傾向にあります。
硬すぎるマットレスは肩や腰に圧がかかり、逆に柔らかすぎると背骨が歪みやすくなります。
また、枕が高すぎたり低すぎたりすると、首や肩が緊張して安眠を妨げます。

◆対策ポイント

  • 自然な寝姿勢で立っている時と同じ“背骨のS字カーブ”が保てる寝具を選ぶ

  • 枕は「仰向けで首にフィットし、横向きでも顔が傾かない高さ」が目安

  • 体圧分散に優れたマットレスや、オーダーピローも検討してみましょう

② 室温・湿度・寝間着など、快適な睡眠環境が崩れている

寝返りが多い原因として非常に多いのが、寝室環境の乱れ
暑すぎたり寒すぎたりすると体温調節がうまくいかず、体は無意識に姿勢を変えて温度を調整しようとします。
また、寝具やパジャマが通気性の悪い素材だと、寝汗や蒸れが不快感を生みます。

◆対策ポイント

  • 室温は18〜22℃前後、湿度は50〜60%が理想

  • 季節に合わせて寝具・寝間着を調整(吸湿性の高い綿やリネン素材が◎)

  • 寝室の空気をこまめに入れ替え、空気清浄機でホコリや花粉を減らす

③ ストレスや自律神経の乱れによる浅い眠り

ストレスを感じていると、自律神経のバランスが乱れ、眠りが浅くなり寝返りが増えることがあります。
緊張や不安が強いと、交感神経が優位になり、体が“休息モード”に入りづらくなるのです。

◆対策ポイント

  • 寝る前はスマホ・PCを避けて、照明を落とし“副交感神経”を優位に

  • アロマ(ラベンダー・ベルガモットなど)や白湯で心を落ち着かせる

  • 軽いストレッチや深呼吸、日記を書くなどの「眠り前ルーティン」を習慣化

④ 肩こり・腰痛・鼻づまりなど、身体の不快感

体のどこかに不調があると、痛みや違和感を和らげようと寝返りが増えることがあります。
特に肩こり・腰痛・関節痛・鼻づまりなどは、眠りの深さを大きく左右します。

◆対策ポイント

  • 枕やマットレスの高さを調整して、負担がかからない姿勢を作る

  • 寝る前に肩や腰の筋肉を軽く温めてほぐす(ホットタオルやストレッチ)

  • 鼻づまりがある場合は、加湿・枕を少し高くする寝室の埃対策を徹底

⑤ カフェイン・アルコール・寝る前スマホなどの生活習慣

日中や就寝前の習慣も、寝返りの多さに大きく関係します。
カフェインは摂取後4〜6時間作用が続き、アルコールは一時的に眠気を誘っても、深い睡眠を妨げる原因に。
また、スマホのブルーライトは脳を覚醒させ、眠りのリズムを乱します。

◆対策ポイント

  • カフェイン飲料(コーヒー・紅茶・エナジードリンク)は寝る6時間前まで

  • アルコールは「寝酒」にせず、少なくとも就寝2時間前までに控える

  • 就寝1時間前から“デジタルデトックス”を意識し、画面から離れる

  • 夜は照明を少し暗めにし、眠気を自然に促す環境をつくる

🌙ワンポイントまとめ

寝返りが増える背景には、「身体」「環境」「心」「生活習慣」という4つの要素が複雑に関わっています。
どれか一つでも改善できると、睡眠の深さが変わり、自然と寝返りの回数も落ち着いていくはずです。

 

寝返りが多いと、やっぱり眠りの質は下がる?

夜中に何度も寝返りを打つと、「ぐっすり眠れていないのでは?」と心配になりますよね。
実際、寝返りの“多さ”は、眠りの深さと密接に関係しています。
ただし、寝返りは完全に悪者ではなく、「多すぎる」か「適度」かがポイントです。

浅い眠りが続くと「疲れが取れない」原因に

寝返りがあまりに多いと、深いノンレム睡眠に入りづらくなる傾向があります。
ノンレム睡眠(深い眠り)は、脳と体の回復を担う重要な時間。
この時間が短くなると、

  • 朝起きても疲れが残る

  • 集中力や記憶力が落ちる

  • 肌荒れや自律神経の乱れが起こる
    といった不調につながります。

◆改善ポイント

  • 寝る直前のスマホ・照明をOFFにして脳を“睡眠モード”へ

  • 寝具を見直して、寝返りが自然にできる体勢を確保

  • 夕方以降はカフェインを控え、体温をゆっくり下げる習慣を

「疲れが取れない」「朝のだるさが続く」という人は、寝返りの回数が“眠りの浅さ”を示しているかもしれません。

寝返りの多さは“眠りの浅さ”を示すサインのことも

人はストレスを感じているときや、寝室環境が整っていないときに、眠りが浅くなりやすくなります。
その結果、体が無意識に何度も寝返りを打ち、睡眠のリズム(睡眠周期)が乱れることがあります。

本来、睡眠は「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」が90分周期で交互に訪れます。
しかし、眠りが浅く頻繁に体を動かすと、このリズムが崩れてしまい、
脳や体の修復が十分に行われません。

💡チェックポイント

  • 夢をよく見る・夜中に何度も目が覚める

  • 寝起きに肩や首がこっている

  • 睡眠時間は十分なのに眠気が取れない

これらのサインがある場合は、「浅い眠り+寝返り過多」の状態かもしれません。
一度、生活リズムやストレス管理、寝具環境を見直すことをおすすめします。

ただし「一定の寝返り」は快眠に必要な動き

実は、寝返り自体は悪いことではありません。
寝返りは体温を調整し、血流を促し、身体の歪みを整える“自然な調整動作”。
むしろ「まったく寝返りをしない状態」のほうが、体への負担や寝起きの痛みを招くことがあります。

理想的なのは、一晩で20〜30回前後の“適度な寝返り”
これは深い眠りと浅い眠りがバランス良く保たれている証拠です。

◆快眠のためのアドバイス

  • 硬すぎないマットレスで「自然に寝返りできる柔らかさ」を確保

  • 寝返りを妨げないよう、布団の重さや掛け布団の位置を調整

  • 寝る前に軽く肩や腰を回して体をほぐすことで、無理のない寝姿勢を維持

🌙まとめ

寝返りが多い=必ずしも悪い睡眠とは限りません。
ただし、「眠りが浅い」「疲れが取れない」と感じる場合は、
体や心、環境からのSOSサインであることも。
“寝返りを減らす”のではなく、寝返りが自然に落ち着く環境を整えることが、真の快眠につながります。

 

寝返りが多い人のための快眠対策|すぐできる改善法まとめ

寝返りが多い人のための快眠対策|すぐできる改善法まとめ

「寝返りが多くて熟睡できない…」という人も、原因を一つずつ見直すことで、ぐっすり眠れる体と環境を整えることができます。
ここでは、今夜から試せる5つの快眠改善法をご紹介します。

✔ 枕とマットレスを自分の体型・寝姿勢に合わせる

寝返りが多い人に最も多いのが、「寝具が合っていない」ケースです。
枕やマットレスが体にフィットしていないと、筋肉が緊張し、自然と姿勢を変えようとして寝返りが増えます。

◆対策ポイント

  • 枕は仰向けで首すじにすき間ができず、横向きでも顔が傾かない高さが理想。

  • マットレスは**硬すぎず、体の重みを分散してくれるタイプ(高反発や体圧分散型)**を選ぶ。

  • 「寝返りが打ちにくい」「腰が沈む」「肩が痛い」と感じたら、寝具の買い替え時期。

💡ワンポイント:
寝具専門店で一度“寝姿勢測定”をしてもらうと、自分に合う高さや硬さが分かります。

✔ 寝室の温度・湿度・照明を整える

寝返りが増える大きな原因の一つが、快適な睡眠環境の乱れです。
暑すぎても寒すぎても、体が体温を調節しようとして姿勢を頻繁に変えます。

◆理想的な環境

  • 室温:18〜22℃前後

  • 湿度:50〜60%前後

  • 照明:寝る30分前から暗めの暖色系ライトに

さらに、寝具やパジャマは通気性・吸湿性の高い素材(綿・ガーゼ・リネンなど)を選びましょう。
寝汗やムレを防ぐだけでも、寝返りの回数が自然と減ります。

✔ 寝る前のストレッチ・深呼吸でリラックス

筋肉がこわばったまま眠ると、血流が悪くなり、寝返りが増える原因になります。
寝る前のストレッチや深呼吸で体をゆるめると、自然と“寝つき”も良くなります。

◆おすすめルーティン(寝る15〜30分前)

  • 肩回し・背伸び・股関節ストレッチで全身を軽くほぐす

  • 腹式呼吸(4秒吸って・7秒止めて・8秒吐く)で副交感神経を優位に

  • アロマ(ラベンダー・オレンジスイートなど)を焚いて心を落ち着かせる

💡「寝返り=リセット動作」なので、筋肉の緊張を和らげるほど、自然と寝返りの必要が減ります。

✔ 寝る直前のスマホ・カフェインを控える

眠る前の“脳の興奮”は、浅い眠りや寝返りの多さに直結します。
ブルーライトやカフェインは交感神経を刺激し、眠りを浅くしてしまう代表的な要因です。

◆快眠のための工夫

  • 就寝1時間前からスマホ・PCをオフに

  • 寝る6時間前以降はカフェインを控える(コーヒー・紅茶・緑茶・チョコも注意)

  • アルコールの飲みすぎもNG。入眠は早くても、後半の眠りを浅くします。

💡代わりにハーブティー(カモミール・ルイボスなど)を飲むと、リラックス効果◎。

✔ 寝返りしやすい“ゆとりある寝具配置”に変える

意外と見落とされがちなのが、「寝るスペースの狭さ」。
布団が小さい・掛け布団が重い・ベッドの端に寄っているなど、寝返りを打ちにくい環境では、
無理な姿勢で体をひねることになり、結果的に浅い眠りが増えます。

◆改善ポイント

  • シングルサイズでも横幅100cm以上を確保

  • 掛け布団は軽くて体にフィットするタイプ(羽毛・エア系素材)を選ぶ

  • 寝具の周りに30cm程度の“寝返りスペース”をつくる

💡子どもやペットと一緒に寝ている場合は、寝る位置を工夫して“体を自由に動かせる空間”を確保しましょう。

🌙まとめ|寝返りの多さは「環境+習慣」で整えられる

寝返りが多い原因の多くは、生活習慣と寝具環境のズレ
寝返りを無理に止めるのではなく、「自然に寝返りできる体と寝室」を整えることで、眠りの深さは驚くほど改善します。

毎日の小さな見直しが、あなたの“ぐっすり眠れる夜”をつくります。

 

「病気が原因のことも?」気になる場合は専門機関の受診を

「病気が原因のことも?」気になる場合は専門機関の受診を

寝返りが異常に多い、または夜中に何度も目が覚めて熟睡できない場合、
単なる寝具や生活習慣の問題ではなく、「病気」が関係している可能性もあります。
放置せず、早めに医療機関で相談することが大切です。

睡眠時無呼吸症候群・不眠症などが隠れているケースも

夜中に頻繁に寝返りを打つ人の中には、
「睡眠時無呼吸症候群」「不眠症」などの睡眠障害を抱えているケースがあります。

  • 睡眠時無呼吸症候群(SAS)
     寝ている間に呼吸が止まるため、体が「呼吸しなきゃ」と反応して何度も寝返りを打ちます。
     いびきが大きい、朝起きても頭が重い、日中強い眠気がある人は要注意です。

  • 不眠症・周期性四肢運動障害など
     ストレスや自律神経の乱れ、または足のピクつき(レストレスレッグス症候群)が原因で眠りが浅くなり、
     寝返りが増えることもあります。

こうした症状は「本人が気づきにくい」ことが多いため、家族に指摘された場合は一度チェックしてみましょう。

自己判断せず、睡眠外来・内科・耳鼻科への相談を

「寝返りが多い=すぐに病気」とは限りませんが、
生活改善をしても症状が続く場合は、専門機関の受診がおすすめです。

  • 睡眠外来・内科:睡眠の質や自律神経バランスを専門的に検査

  • 耳鼻咽喉科:鼻づまりや気道の狭さによる呼吸トラブルを診断

  • 心療内科:ストレスや不安が原因の不眠傾向をチェック

医師の診察を受けることで、根本的な原因が見つかり、
「寝返りの多さ」だけでなく睡眠の質そのものを改善できるケースも多いです。


ポイントまとめ

  • 寝具や環境を整えても改善しない場合は病気の可能性も

  • 睡眠外来・内科・耳鼻科などで早めに相談

  • 早期発見・早期対策で“ぐっすり眠れる体”を取り戻せる

 

まとめ|寝返りの多さは「体からのサイン」かもしれない

まとめ|寝返りの多さは「体からのサイン」かもしれない

寝返りが多い=身体や心が「SOS」を出している可能性

夜中に寝返りが多いのは、単なる“寝相の悪さ”ではなく、
体や心が発している小さなSOSかもしれません。

たとえば、体が冷えていたり、寝具が合っていなかったり、
ストレスや疲労が溜まって眠りが浅くなっていると、
無意識に体勢を変えてバランスを取ろうとします。

つまり「寝返りが多い」という現象は、
今の眠りや体調を見直すタイミングを教えてくれているサインなのです。

睡眠環境と生活習慣を整えて、“本当の快眠”を手に入れよう

寝返りの多さを減らすには、「眠りの質」を底上げすることが大切です。

  • 枕・マットレスを体にフィットさせる

  • 寝室の温度や湿度を快適に保つ

  • 寝る前のスマホやカフェインを控える

  • 軽いストレッチや深呼吸でリラックスする

これらを意識するだけで、体が自然に落ち着き、
「寝返りの少ない深い眠り」へと導かれます。

もし生活改善をしても変化が見られない場合は、
一度医療機関で相談してみるのも良いでしょう。

睡眠は“心と体のメンテナンス時間”。
小さなサインを見逃さず、あなたに合った環境で本当の快眠を手に入れてください。

 

 

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この記事を書いた人

健康メディアで10年以上執筆を続ける専門ライター。健康科学・心理学をもとに、研究データに基づく正確でわかりやすい記事制作が強み。医療機関監修記事や講演経験も豊富で、「読んで終わりではなく、実生活に役立つ情報」を提供することを信条としている。

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