実は意味を間違ってる!? Z世代&ミレニアル世代が誤用しがちな流行語10選【正しい使い方も解説】
「それ、実はちょっと違う意味かも…?」
SNSや会話の中で当たり前のように使っている流行語。でも実は、思っていた意味とズレていることも珍しくありません。
「エモい」「草」「沼る」「尊い」…Z世代・ミレニアル世代の間で定着しているこれらの言葉も、実は“誤用”されがちなワードのひとつ。
本記事では、つい間違って使いがちな流行語10選を厳選し、正しい意味や注意点、トラブルを防ぐ使い方のコツまでわかりやすく解説。
言葉の意味をきちんと知ることは、コミュニケーションをもっとスムーズに、もっと思いやりのあるものにしてくれます。
「知ってるつもり」を「ちゃんと使える」に変えて、言葉との距離感を整えてみませんか?
「えっ、そういう意味じゃなかったの!?」——流行語の“誤用”が起きる理由
SNSのスピード感が、意味のズレを生む
SNSでは、言葉が一瞬で広がります。Twitter(現X)やTikTokなどでバズったワードは、意味の深掘りをされないまま独り歩きすることも。
「なんとなく面白い」「語感がいいから使ってみた」――そんな軽やかな使い方が、いつの間にか本来の意味とは違う解釈を生むことがあります。
特に若い世代では、「ノリ」と「スピード」が優先されやすいため、本来の意味や背景を知らずに言葉だけが消費されてしまうのです。
「雰囲気」で使っている人が多い=誤用が拡散しやすい
たとえば、「エモい」「尊い」「沼る」など感情に関わる言葉は、厳密な定義より“雰囲気”で使われがちです。
「なんかいい感じ」「好きっぽいから使ってみた」――そんな曖昧な理解でも、共感さえ得られれば成立してしまうのが現代の言葉事情。
しかしそのまま拡散されると、言葉が本来持っていた深い意味や文化的背景が薄れてしまい、誤解が常態化してしまいます。
流行語=“新しい日本語”として受け取る感覚も
Z世代・ミレニアル世代にとって、流行語はただの一過性ワードではなく、「自分たちの文化」や「言葉のアップデート」のような感覚で受け入れられています。
だからこそ、時には誤用すら“新しい使い方”として定着してしまうことも。
言葉は生き物で、時代とともに変化していくもの。でも、使うからには「知ったうえで使う」ことが、言葉と上手につき合っていく第一歩なのです。
実は間違って使ってる!? 誤用されがちな流行語10選と正しい意味
①エモい|感情を揺さぶられる≠なんとなくオシャレ
「エモい」は“emotional(感情的な)”を語源とする言葉で、心が動かされたときに使うのが本来の意味。
たとえば「懐かしさに泣きそうになった」「ライブで胸が熱くなった」といった“感情が揺さぶられる体験”に使います。
【誤用の例】
「エモいカフェ」「エモい写真」など、単なる“オシャレ”や“雰囲気がある”という意味で使われがちですが、それだけではエモくありません。
②草(w)|面白い=草 だが「草しか生えん」は皮肉になることも
「草」は「笑う=w」が草が生えているように見えることからできたネットスラングで、「面白い」ときに使います。
【注意】
「草しか生えん」は「面白すぎて笑う」という意味でも使われますが、状況によっては“バカにしてる・呆れて笑ってる”ニュアンスが含まれることも。使いどころに注意が必要です。
③ググる|ネットで調べる≠SNSで検索(←違いに注意)
「ググる」は「Googleで検索する」が由来の言葉。つまり、“ウェブ検索”を意味します。
【誤用の例】
XやInstagramで検索したときに「これググったら出てきた〜」というのは正確にはNG。「調べる=ググる」と思いがちですが、SNS検索は“タグる”や“調べる”が適切です。
④尊い|「崇高・ありがたい」感情≠かわいい・好きだけではない
「尊い」は、本来“神聖・崇高・この上なく価値がある”という深い意味を持つ言葉。
推しやコンテンツに対して、「存在してくれてありがとう」と思えるレベルの感情に使うのが本来のニュアンスです。
【誤用の例】
「尊い=かわいい」「ちょっと好き」くらいの感覚で気軽に使うと、本来の“ありがたさ”の重みが薄れてしまいます。
⑤バズる|SNSで爆発的に拡散すること≠ただの話題化
「バズる」は、SNSやYouTubeなどで急激に拡散・注目を集める状態を指す言葉。元々は「ハチがブンブンうるさい=騒がしい」から派生しています。
【誤用の例】
「ちょっといいねが増えた」「知り合い内で話題になった」程度でも「バズった」と言ってしまうケースは誤用。
「バズる=爆発的な反応」が前提であることをおさえましょう。
⑥きまZ(キマジイ)|「気まずい」の短縮語だが、意味がぼやけがち
「きまZ」は「気まずい」を省略した若者語。「Z」は語尾を強調するための装飾で、意味としては「うわ、空気重い」「今の流れ、どう返していいかわからない」といったときに使います。
【誤用の例】
「静かだから」「話題がなかったから」といった“気まずくないけど静かなだけ”の場面に使ってしまうのはズレた使い方に。
⑦量産型|原義は“量産=大量生産”だが、差別的に使われることも
「量産型」は、元々“同じようなファッション・髪型・メイクをしている人”を指す言葉ですが、
その背景には「個性がない」「みんな同じでつまらない」といったネガティブな意味合いが含まれることも。
【注意】
冗談で使ったつもりでも、人を傷つける“ラベリング”になりやすい言葉なので、特に外見・趣味に絡めて使うのは慎重に。
⑧陰キャ・陽キャ|単なる性格タイプではなく、元はネットスラング
「陰キャ」「陽キャ」は元々ネット掲示板発祥のスラングで、人の内向性・外向性を揶揄するような意味合いが強い言葉です。
【誤用の例】
「陽キャ=明るくてリア充」「陰キャ=暗くてキモい」といった極端なイメージで語るのは避けたいところ。
あくまで“傾向”のひとつであり、人格否定的に使うのはNGです。
⑨沼る|ハマる・抜け出せない状態≠ちょっと好きなだけ
「沼る」とは、「好きすぎて抜け出せない」「どんどん深みにハマっていく」という意味。
一度入ると抜けられない“沼”のように、感情的・金銭的に深くハマっていく状態を表します。
【誤用の例】
「ちょっと面白かった」「昨日から好き」など浅い段階で「沼った〜」と言うと、やや大げさ&軽く見られがち。深い愛を表現する言葉であることを意識して使うのが◎。
⑩界隈|ある趣味やファン層の集まり≠ただの「雰囲気の似た人たち」
「界隈」は、ジャンル・趣味・推しごとなど“特定の世界に属する人たち”を指す言葉。
たとえば「〇〇界隈=〇〇が好きな人たちの集まり」など。
【誤用の例】
「このカフェ、界隈っぽい〜」と、単に“雰囲気が似てる”という意味で使うのは少しズレがあります。
「界隈」には、“集団性・共通ルール・文化”がある点を理解しておくとより適切に使えます。
誤用を防ぐには?流行語と“正しく付き合う”コツ
流行語はおもしろくて便利。でも、正しい意味を知らずに使ってしまうと、思わぬ誤解やトラブルにつながることも。
ここでは、言葉の“勢い”に流されず、流行語と賢くつき合っていくための3つのコツを紹介します。
語源・使われ方を調べるクセをつけよう
SNSで見かけた言葉を、なんとなくで使っていませんか?
流行語はもともとの語源や背景を知ることで、意味の深さがぐっと伝わるようになります。
たとえば「エモい」は“emotional”、「バズる」は“buzz(ブンブン音を立てる)”からきています。
たった数秒でもいいので、「この言葉、どこから来たんだろう?」と検索する習慣を持つだけで、言葉選びの精度が変わります。
ちょっと調べる→理解が深まる→表現に自信がつく
このポジティブループを回していきましょう。
文脈によっては“皮肉”や“揶揄”になることも
同じ言葉でも、使う場面や相手によって受け取り方が大きく変わります。
たとえば「草しか生えん」「陰キャっぽい」は、仲のいい友達なら冗談で済むかもしれませんが、他人に向けて使うと“悪口”や“見下し”に聞こえることも。
また、「量産型」「沼る」などの言葉は、無意識に誰かの趣味やアイデンティティを軽く扱ってしまうリスクも。
使う前に一度、「これ、ちょっと強く聞こえないかな?」と心のフィルターを通してみる。
それだけで、無用な誤解をグッと減らすことができます。
SNSで使うときは「相手との関係性」に注意
LINEやDM、コメント欄などのSNS上では、“文字だけ”で感情を伝えなければいけません。
だからこそ、「ちょっとした言い回し」が大きな誤解を生むこともあります。
たとえば、「え、それ沼るわ〜」という言葉も、相手が共感していれば嬉しいですが、
「軽く扱われた」「推しをバカにされた」と感じる人もいます。
ポイントは、“言葉そのもの”よりも、“その言葉を誰に向けて言うか”。
親しい間柄なら砕けた表現もOKですが、広い範囲に発信する投稿では「誰がどう受け取っても安心な言い方」を心がけたいですね。
まとめ|流行語は“使いこなす”より“理解する”ことが大切
流行語は、単なる言葉遊びではなく、その時代の空気感や価値観を映し出す「カルチャーのかけら」。
だからこそ、「うまく使おう」とする前に、“どんな意味を持っているか”を理解することが何より大切です。
知ることで、言葉はもっと豊かに、もっと丁寧に使えるようになります。
言葉は時代とともに変わる。だからこそ「今」の意味を知ろう
「バズる」も「エモい」も、数年前と今とではニュアンスが少しずつ変わっています。
言葉は時代とともに進化し、世代やコミュニティによっても使われ方が異なります。
だからこそ、「昔こういう意味だったから」「みんなが使ってるから」ではなく、
“今、どんな意味で・どんな場面で使われているのか”に敏感であることが大切。
その意識が、言葉選びに説得力や思いやりをもたらしてくれます。
知らずに人を傷つけないためにも、言葉へのアンテナを立てておこう
流行語は、軽やかに使える反面、知らず知らずのうちに“誰かの心をチクリと刺してしまう”こともあります。
でもそれは、悪気があるからではなく、「意味を知らなかっただけ」というケースがほとんど。
だからこそ、“ちょっと調べてから使う”
“この言葉、誰かを嫌な気持ちにさせないかな?”と立ち止まる
そんな小さなアンテナを持つだけで、言葉とのつき合い方はぐっと変わります。
「わかったうえで使う」ことが、流行語をただのブームで終わらせず、自分の表現力として取り入れる一番の近道です。


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