のどが渇くのに水を飲みたくないのはなぜ?心理と体の意外な理由を解説!
「のどが渇いているのに、水を飲みたくない…」そんな感覚に心当たりはありませんか?
体は水分を求めているはずなのに、なぜか飲む気になれない——その違和感には、心理的なストレスや体の不調が関係していることもあります。
この記事では、「飲みたくない理由」を心と体の両面から丁寧に解説し、無理のない水分補給のヒントをご紹介します。
自分に合った“うるおし方”を見つけるための第一歩として、ぜひ参考にしてみてください。
のどが渇いているのに、水を飲みたくないのはなぜ?
「水を飲みたくない」感覚に戸惑う人は多い
のどが渇いているのに「水を飲みたくない」と感じる。この違和感に、ちょっと戸惑ったことはありませんか?
「飲んだほうがいい」と頭では分かっていても、なぜか体が拒否してしまう——そんな声は実は珍しくありません。
とくに夏場や体調を崩したときに感じやすく、「飲まなきゃと思っても、コップを手に取る気にならない」「口に含んでも美味しく感じない」など、無意識のうちに“飲むこと”が億劫になっているケースがあります。
このような状態には、心理的・身体的な原因が潜んでいることもあるため、軽く見ないことが大切です。
一時的なこと?それとも何かのサイン?
一時的な飲みたくなさは、たとえば寝起き・食後・緊張しているときなど、状況によることも多く、しばらくすると自然と戻るケースがほとんどです。
しかし、以下のような傾向が続いている場合は、体や心からの“サイン”かもしれません。
-
ストレスや気分の落ち込みによって、食欲・水分欲が低下している
-
胃腸の不調やむくみなどで、「水を受けつけない」状態になっている
-
加齢や自律神経の乱れにより、のどの乾きを感じにくくなっている
-
**慢性脱水や内臓の疾患(例:糖尿病・腎機能低下)**が関与している可能性も
「飲みたくない」の奥には、必ず理由があります。それが一時的なものなのか、慢性的な不調のサインなのかを見極めることが、対策の第一歩です。
無理に水を飲もうとするのではなく、「なぜそう感じるのか?」にやさしく目を向けてみましょう。
心理的な理由|無意識の“飲みたくない”に隠れる心の状態
ストレスや気分の落ち込みで「食欲・水分欲」も低下する
人はストレスを感じているとき、体のさまざまな感覚が鈍くなることがあります。
代表的なのが「食欲の低下」ですが、それと同様に「水分をとる意欲」も自然と下がってしまうことがあります。
特に、気持ちが落ち込んでいたり、緊張や不安が続いていると、のどの乾きを感じにくくなったり、「飲まなくてもいいや」と無意識に感じてしまうことがあるのです。
これは、心が“今を乗り切る”ことに精一杯で、体の基本的な欲求にまで意識を向けられない状態とも言えます。
「水を飲みたくない」と感じる背景に、メンタルの疲れや過度なストレスが隠れていないか、一度自分自身に問いかけてみることも大切です。
「水=義務」と感じていると、体が拒否反応を起こすことも
健康志向が高まる今、「1日2リットルは飲まなきゃ」と自分にプレッシャーをかけていませんか?
このように「水を飲む=健康のための義務」と捉えてしまうと、知らず知らずのうちに体が反発してしまうことがあります。
“義務的に飲む”ことが続くと、かえって「飲むこと自体がストレス」となり、飲みたくない気持ちが強くなってしまうのです。
本来、水分補給は「自然な欲求」に応じて行うもの。
無理にルール化したり、数字にとらわれすぎたりすると、逆に体の声が聞こえにくくなることもあります。
「飲まなきゃ」ではなく「ちょっとひと息つきたいから飲もう」くらいのゆるい感覚で、自分のペースを大切にすることが、心身にやさしいアプローチです。
摂食障害や過去のトラウマとの関係性
「水を飲みたくない」という感覚は、過去の経験や心の傷と関係している場合もあります。
たとえば摂食障害(拒食症・過食症)を経験したことのある人の中には、食べ物だけでなく「水や飲み物」に対しても“コントロールしたい”という感情が働くことがあります。
また、過去に無理に飲まされた経験や、体調不良と結びついた記憶などから、水そのものに嫌悪感を抱くケースもあるのです。
こうした「心のブレーキ」は、本人にも自覚がないことが多く、「なんで飲めないのかわからない」と悩みが深まりやすいのも特徴です。
もし、こうした背景に思い当たることがある場合は、自分を責めずに、信頼できるカウンセラーや専門機関に相談してみることも選択肢のひとつです。
水を飲むことは、生きるうえでとても自然でやさしい行為。本来の“安心して飲める感覚”を、少しずつ取り戻していくことが大切です。
体の理由|水分を欲しているのに飲めない体のサインとは
脱水なのに喉が渇かない?加齢や自律神経の乱れが影響することも
私たちの体は、脱水状態になると「のどの渇き」を感じる仕組みになっています。
しかし、加齢や自律神経の乱れがあると、この“渇きのセンサー”が鈍ってしまうことがあります。
特に高齢者に多いのが、「実は体が水分不足なのに、のどが渇かない・飲みたくならない」という状態。これは、脳の視床下部にある「渇き中枢」がうまく機能していない可能性があります。
また、ストレスや疲れ、不規則な生活で自律神経が乱れると、体温調整や水分バランスのコントロールがうまくいかず、のどの渇きの感覚も曖昧になってしまうことがあります。
「のどが渇いていない=水分が足りている」とは限らないことを意識して、日頃からこまめな水分補給を心がけることが大切です。
胃腸の不調・むくみ・冷え性で「水を受けつけない」状態に
のどが渇いているのに、水を口にするのがつらい——
そんなとき、実は胃腸のコンディションや体の冷えが関係していることがあります。
たとえば、胃がもたれていたり腸の動きが弱っていたりすると、「これ以上何かを入れたくない」と体が感じて、水分さえも“拒否反応”を示すことがあります。
また、冷え性やむくみ体質の人も要注意。体に余分な水分がたまりやすい状態では、「もうこれ以上いらない」というサインとして“飲みたくない感覚”が現れることも。
このような場合は、冷たい水ではなく常温~白湯程度の温かさで、胃腸にやさしく吸収される水分補給がおすすめです。
むくみが気になる場合は、カリウムを含む野菜や果物、利尿作用のあるお茶などを取り入れて、体の巡りを整えることも対策になります。
糖尿病や腎機能の低下など、体の異変の可能性も
「のどが渇くのに、水が飲めない」「飲んでもすぐにトイレに行きたくなる」といった状態が続く場合、内臓の疾患が隠れていることもあります。
とくに注意したいのが、糖尿病や腎機能の低下です。
糖尿病では血糖値が高くなることで、強い喉の渇きを感じる一方で、「飲んでも飲んでも足りない」「飲みたくないのに体が欲している」といったアンバランスな状態になることがあります。
また、腎臓の働きが低下していると、体の水分調節がうまくできなくなり、水分の排出や保持のバランスが乱れます。その結果、体が混乱し「のどが渇くのに飲みたくない」というサインとして現れることも。
もし、「違和感がずっと続いている」「体重が急に減った・浮腫んだ」「頻尿・倦怠感などの症状がある」といった変化がある場合は、早めに医療機関を受診して、体の状態をチェックすることが大切です。
対策①|どうしても水が飲みにくいときの“代替アイデア”
「温かい白湯」や「ハーブティー」でやさしく水分補給
水が飲みにくいと感じたときは、温かくてやさしい飲み物を選ぶのがおすすめです。
特に「白湯(さゆ)」は、消化器官への負担が少なく、体を内側からあたためる効果もあり、冷え性や胃腸の不調を抱える人にもぴったりの選択肢です。
また、ハーブティーや麦茶、カフェインレスのお茶も、風味がついていることで飲みやすくなり、「味がないと飲みにくい」という人にも好まれます。
カモミールやペパーミントなど、リラックス効果のあるハーブを取り入れれば、心も体もほっとする時間に。
無理に冷たい水を流し込むのではなく、体が心地よいと感じる温度・味を見つけることが、自然な水分補給への第一歩です。
ゼリー・スープ・果物など、“食べて補う”選択肢も
「どうしても飲み物を受けつけない…」というときは、“食べて水分をとる”工夫が有効です。
水分を多く含む食材やメニューなら、知らず知らずのうちに水分補給ができます。
たとえば、
-
フルーツゼリーや寒天デザート
-
具だくさんの味噌汁・野菜スープ
-
きゅうり・トマト・スイカなどの水分豊富な野菜や果物
これらは、口当たりがよく、胃腸にやさしいものが多いため、「飲むのがつらいときの代わり」として無理なく取り入れられます。
「食べながら水分も補える」という視点を持つことで、プレッシャーなく体をうるおすことができます。
一気に飲まない。「少量をこまめに」がコツ
水を飲みにくいときに意識したいのが、「量よりペース」。
一度にたくさん飲もうとすると、胃がびっくりして不快感につながることがあります。
そんなときは、「一口をこまめに」が基本。コップ1杯を無理に飲むのではなく、数口ずつを1日の中でこまめに繰り返すことで、結果的にしっかり水分がとれていることも珍しくありません。
たとえば、
-
朝起きたら白湯を一口
-
仕事や家事の合間に、1〜2口ずつ飲む
-
寝る前に一口だけ含む
といったように、リズムの中に“ちょっとだけ飲む習慣”を組み込んでみましょう。
気づけば「気軽に飲める自分」が戻っていることもあります。
対策②|心と体の声に耳を傾けて“飲みたくない”根本を見つけよう
「水を飲みたくない=悪」ではない。まずは観察から
まず知っておいてほしいのは、「水を飲みたくない」と感じること自体は、決して悪いことではないということ。
体や心は常に変化しており、ときには“受けつけたくない”というサインを出すことも自然なことなのです。
大切なのは、「なぜ飲みたくないのか?」をやさしく観察してみること。
たとえば以下のようなポイントを、日々メモに残してみるのもおすすめです。
-
飲みたくないと感じたタイミング(朝・夜・緊張時など)
-
そのときの体調(胃の重さ、気分、睡眠の質)
-
どんな飲み物なら少しは飲めるか(白湯・フルーツ入りなど)
こうして自分のリズムやパターンを知ることが、「今の自分に合った水分のとり方」を見つけるヒントになります。
“飲まなきゃ”ではなく、“飲みたくなる自分”に戻れるようなやさしい視点を持つことが、根本的な改善への第一歩です。
不調が続くときは医師やカウンセラーに相談を
「のどが渇くのに、水を飲みたくない」という状態が長く続いていたり、日常生活に支障をきたすレベルの場合、心身どちらかに不調のサインが出ている可能性があります。
たとえば、
-
胃腸の不調や慢性脱水
-
自律神経の乱れやホルモンバランスの変化
-
過去の経験や心のストレスによる拒否反応
といった、目に見えにくい問題が影響していることもあるのです。
「自分だけではうまく整理できない」「原因がわからなくて不安」というときは、医師や心理カウンセラーなどの専門家に相談することをためらわないでください。
専門的な視点で体や心をみてもらうことで、これまで気づかなかった原因が見えてくることもあります。
水を飲めることは、心身が安定しているひとつのサイン。無理をせず、信頼できるサポートを受けながら、少しずつ“飲める自分”を取り戻していきましょう。
まとめ|「のどが渇くのに水を飲みたくない」は体からのメッセージかも
無理せず、自分に合った水分補給を見つけよう
「のどが渇いているのに水を飲みたくない」と感じるのは、心や体が何らかの形で“バランスを崩している”サインかもしれません。
無理に水を流し込もうとするよりも、なぜそう感じているのかに耳を傾けることが、根本的な改善への近道です。
心理的なストレスや、体の冷え、胃腸の不調、自律神経の乱れなど——
一人ひとり理由はさまざまですが、どれも「もっと自分を大切にして」というメッセージであることに変わりはありません。
白湯を一口、スープを飲む、果物から水分をとる……
水だけにこだわらず、自分に合った方法で“やさしくうるおす習慣”を見つけていくことが大切です。
「飲みたくない」ことを否定せず、自分のペースで付き合っていく。
そんな心がけが、結果として健康的な水分補給につながっていくはずです。

佐藤 彩香(心理カウンセラー) |ご支援はこちら

最新記事 by 佐藤 彩香(心理カウンセラー) |ご支援はこちら (全て見る)
- のどが渇くのに水を飲みたくないのはなぜ?心理と体の意外な理由を解説! - 2025年7月4日
- 好き嫌いあるある25選|食べ物・人・行動に分かれる傾向と心理とは? - 2025年6月22日
電話番号 052-265-6488