【専門家監修】のどが渇くのに水を飲みたくないのはなぜ?心理と体の意外な関係を徹底解説

のどが渇くのに水を飲みたくないのはなぜ?心理と体の意外な理由を解説!

のどが渇いているのに「なぜか水を飲みたくない…」――そんな不思議な感覚を覚えたことはありませんか?
実はこの状態、体の不調やストレス、自律神経の乱れなどが関係している場合があります。放っておくと脱水や体調不良につながることもあるため注意が必要です。

この記事では、専門家監修のもと、「水を飲みたくない」と感じる心理的・生理的な原因をわかりやすく解説し、今日からできる体にやさしい水分補給のコツを紹介します。

 

のどが渇いているのに、水を飲みたくないのはなぜ?

のどが渇いているのに、水を飲みたくない──。
そんな違和感を覚えることは、決して珍しいことではありません。実は「のどが渇く=水を飲みたい」とは限らず、心や体のコンディションによって“飲みたくない感覚”が起こることがあります。

たとえば、強いストレスや緊張状態のとき、自律神経が乱れて「のどの渇き」と「飲みたい」という感覚の伝達がずれてしまうことがあります。
また、胃腸が弱っているときや、寝不足・疲労が溜まっているときも、体が“これ以上入れたくない”と無意識にブレーキをかけているケースも。

さらに、過去に「水を飲んだあとに気持ち悪くなった」などの経験がある人は、脳がその記憶を避けようとして、飲みたくない反応を示すこともあります。

つまり、「のどが渇くのに飲みたくない」は単なるわがままではなく、心と体のバランスが一時的に乱れているサイン
まずはその感覚を否定せず、「今の自分は少し疲れているのかも」と受け止めることが大切です。

無理に水を一気に飲むよりも、常温の白湯を一口ずつ試したり、スープや果物から少しずつ水分をとるなど、“優しい補い方”を意識してみましょう。

 

心理的な理由|無意識の“飲みたくない”に隠れる心の状態

心理的な理由|無意識の“飲みたくない”に隠れる心の状態

のどが渇いているのに水を飲みたくないとき、その背景には心の状態が深く関わっていることがあります。
無意識のうちに「飲みたくない」と感じるのは、心が“今はこれ以上受け入れたくない”というサインを出している場合もあります。
ここでは、よくある心理的な原因を3つ紹介します。

ストレスや緊張で「飲み込みたくない」心理が働いている

強いストレスや不安を感じているとき、人は無意識に“体がこわばる”状態になります。
このとき、自律神経のバランスが崩れ、のどの筋肉が緊張して「飲み込みづらい」と感じやすくなります。

さらに心理面では、「今は何も受け入れたくない」「余裕がない」といった防衛反応が働きやすくなり、水を飲む行為そのものに抵抗を感じることも。

➡ 対策としては、“飲む”ことより“落ち着く”ことを優先しましょう。
深呼吸をして肩の力を抜いたり、温かい飲み物の香りを嗅ぐだけでもOK。
「飲もう」と意識せず、心身が少し緩んだタイミングで一口だけ試すのがポイントです。

うつ気味・気分の落ち込みによる「意欲の低下」

気分が落ち込んでいるとき、食欲ややる気が減るように、水を飲む“意欲”すら低下することがあります。
のどが渇いている感覚はあっても、脳が「面倒」「飲む気がしない」と感じてしまうのです。

これは怠けではなく、心のエネルギーが少なくなっている状態
まずは“自分を責めないこと”が大切です。

➡ 対策としては、「完璧に水を飲まなきゃ」と思わず、
・好きなマグカップでお茶を淹れる
・香りの良いハーブティーを少しずつ飲む
など、“気分が少し上がる習慣”を取り入れてみましょう。
小さな「心地よさ」を積み重ねることで、自然と体も受け入れやすくなります。

過去の体調不良(むかつき・吐き気)による“条件反射”

以前、水を飲んだときに「気分が悪くなった」「吐き気がした」という経験があると、脳がその記憶を“危険”と判断して、水を避けるようになります。
これは心理学でいう条件反射で、「飲む=不快」と学習してしまっている状態です。

➡ 対策は、「安全な経験を少しずつ上書きする」こと。
・少量の白湯を時間をかけて飲む
・体調のいい日に好きな味の水(レモン水や炭酸水)を試す
など、“飲んでも大丈夫だった”という小さな成功体験を積むことが大切です。


心がストレスを感じているとき、体も同時にブレーキをかけます。
無理に「飲まなきゃ」と焦るよりも、「なぜ飲みたくないのか」を受け止めることが、結果的に改善への近道になります。

 

体の理由|水分を欲しているのに飲めない体のサインとは

体の理由|水分を欲しているのに飲めない体のサインとは

「のどは渇いているのに、水を飲む気がしない」「飲んでも気持ち悪くなる」──。
こうした違和感の背景には、体のバランスの乱れが関係していることがあります。
体がうまく水分を受け入れられない状態は、一時的なことも多いですが、放っておくと脱水や体調不良につながることも。
ここでは、代表的な身体的な原因を3つ紹介します。

自律神経の乱れによる“飲みづらさ”

ストレスや不規則な生活、睡眠不足などで自律神経が乱れると、
のどや食道の筋肉の動き(嚥下機能)が鈍くなり、**「うまく飲み込めない」**感覚が起こります。
また、交感神経が優位になっていると唾液の分泌が減り、のどの渇きはあるのに「水が通りにくい」と感じることも。

➡ 対策としては、
・温かい飲み物をゆっくり口に含む
・リラックスできる姿勢で、焦らず少しずつ飲む
・深呼吸や軽いストレッチで自律神経を整える
といった方法が有効です。
特に夜寝る前の白湯は、体も心も緩めてくれるのでおすすめです。

胃腸の不調で「水を受けつけない」感覚が起きる

胃腸が疲れているときや、食べすぎ・飲みすぎのあとには、体が「もう入れたくない」と反応してしまいます。
このとき、水を飲もうとすると胃が張る・気持ち悪くなるなど、“受けつけない”感覚が出やすくなります。

➡ 対策としては、
・食後すぐに水を一気に飲まない
・冷たい水ではなく常温~ぬるめの白湯を選ぶ
・無理に飲まず、スープや果物など“水分を含む食べ物”で補う
といった方法を試してみましょう。

特に冷たい飲み物は胃腸を刺激してしまうため、体調が優れないときほど控えるのがポイントです。

ホルモンバランスや加齢による“喉の渇きの鈍化”

年齢を重ねると、体内の水分量が減り、のどの乾きを感じる感覚(口渇中枢)も鈍くなる傾向があります。
また、女性では更年期のホルモン変化により、自律神経の乱れや口の乾燥が起こりやすくなることも。
結果として、「のどは乾いているはずなのに飲みたいと思えない」という状態に陥りやすくなります。

➡ 対策は、“意識的にこまめに”水分を摂ること
のどが渇いていなくても、
・1時間に1回、数口ずつ飲む
・枕元やデスクに常温の水を置く
・味や香りを変えて楽しむ(麦茶・レモン水など)
といった工夫で、自然と水分摂取量を増やせます。


体のサインを無視してしまうと、知らず知らずのうちに脱水や倦怠感を招くこともあります。
「水を飲みたくない」と感じるときほど、体の声に耳を傾けて、“やさしい飲み方”で水分と仲直りしていきましょう。

 

対策①|どうしても水が飲みにくいときの“代替アイデア”

対策①|どうしても水が飲みにくいときの“代替アイデア”

「水を飲まなきゃ」と頭ではわかっていても、どうしても体が受けつけないときがあります。
そんなときは無理をせず、**“水にこだわらない水分補給”**を意識してみましょう。
ここでは、飲みにくいときでも自然に体が受け入れやすい代替アイデアを紹介します。

常温の白湯やハーブティーなど“体に優しい水分”を

冷たい水は、のどや胃腸を刺激して「飲みにくい」と感じる原因になりやすいもの。
そんなときは、常温の水や白湯、ノンカフェインのハーブティーに切り替えるのがおすすめです。

白湯は体を内側から温め、自律神経を整える効果も。
ハーブティーなら、香りでリラックスしながら少しずつ飲めるため、“無理なく”水分を摂取できます。

👉 ポイントは、「ごくごく飲む」より「口に含んで味わう」感覚。
温かさや香りを感じながら、一口ずつゆっくり飲むことで、自然と体が受け入れてくれます。

水以外でもOK!スープ・果物・ゼリーで自然に補う

「飲み物を受けつけない」時期には、食べる水分補給が効果的です。

たとえば、
・具沢山のスープや味噌汁
・水分の多い果物(スイカ・オレンジ・梨など)
・ゼリーやヨーグルト
などは、体にやさしく水分を補ってくれます。

また、具材入りスープなら栄養も一緒に摂れるため、体力が落ちているときにもぴったり。
「食べながら潤す」方法を取り入れると、飲むことへの抵抗感が少なくなります。

冷たすぎ・熱すぎを避けて「飲みやすい温度」を探す

水が飲みにくい原因のひとつに、温度の刺激があります。
冷たすぎる水はのどを収縮させ、熱すぎる飲み物は胃に負担をかけてしまうため、結果的に“飲みたくない”感覚を強めてしまうのです。

➡ 対策としては、
・体温に近い“ぬるめ”の温度を意識する
・季節や体調に合わせて温度を調整する
・コップを温めたり、常温で時間をおいてから飲む
など、自分の「心地いい温度」を見つけるのがコツ。

少しの温度差で「飲みやすさ」が驚くほど変わるので、体調に合わせて柔軟に調整してみましょう。


水が飲みにくいときは、体が“休息を求めている”サインでもあります。
まずは無理をせず、「どうすれば体が楽に感じるか」を基準に、自分に合った形で水分を補っていくことが大切です。

 

対策②|心と体の声に耳を傾けて“飲みたくない”根本を見つけよう

対策②|心と体の声に耳を傾けて“飲みたくない”根本を見つけよう

「のどが渇いているのに、水を飲みたくない」という感覚は、心や体が出しているサインのひとつです。
そのサインを無視して無理に飲もうとするよりも、まずは“なぜそう感じているのか”を見つめ直すことが、改善の第一歩になります。

「飲めない自分」を責めず、原因を観察する

水が飲めないと、「おかしいのかな」「怠けてるのかも」と自分を責めてしまう人もいます。
けれど、それはあなたの意思が弱いわけではありません。
体や心が“今は受け入れられない”とブレーキをかけているだけなのです。

まずは、「なぜ飲みたくないのだろう?」と穏やかに観察してみましょう。
・最近ストレスを感じていないか
・食欲や睡眠のリズムは乱れていないか
・体に疲れや違和感はないか
といった点を振り返ると、原因のヒントが見つかることがあります。

観察するだけでも、心が少し落ち着き、“飲まなきゃ”というプレッシャーから解放されやすくなります。

リラックスできる環境で少しずつ水分補給を

「飲みたくない」感覚は、緊張やストレスによって強まる傾向があります。
そのため、リラックスできる状況をつくることがとても大切です。

お気に入りの音楽を流したり、温かい照明の部屋でゆっくり過ごしたりしながら、
・白湯を一口飲む
・スープをすくう
・果物を味わう
など、“心地よさ”を感じながら水分をとる工夫をしてみましょう。

「飲まなきゃ」と思うほど体は拒否反応を起こすので、“飲めたらラッキー”くらいの気持ちでOKです。
リラックスした環境では、自律神経も整いやすく、自然と水分を受け入れられるようになります。

続く場合は内科・心療内科の受診も検討を

数日~数週間経っても「水が飲みたくない」「のどが渇いてつらい」状態が続く場合は、
体の不調や自律神経の乱れ、心の疲れが原因となっている可能性があります。

特に、倦怠感・食欲不振・気分の落ち込みなどを伴う場合は、内科や心療内科への相談がおすすめです。
医師のサポートを受けることで、体調の原因が明確になり、安心して対処できます。

受診は「大げさなこと」ではなく、自分を守るための行動
専門家に頼ることも、“自分の心と体の声に耳を傾ける”大切なステップのひとつです。


焦らず、自分のペースで大丈夫です。
「飲みたくない」という感覚は、あなたの体が今の状態を教えてくれているサイン。
その声に寄り添うことで、心と体は少しずつ回復し、自然に「飲みたい」と感じられるようになります。

 

まとめ|「のどが渇くのに水を飲みたくない」は体からのメッセージかも

まとめ|「のどが渇くのに水を飲みたくない」は体からのメッセージかも

のどが渇いているのに「水を飲みたくない」と感じるとき、それは体や心が発している小さなSOSかもしれません。無理に水を流し込むよりも、まずは**「なぜ飲みたくないのか」**という自分の状態を丁寧に見つめることが大切です。

胃腸が弱っているのか、ストレスで自律神経が乱れているのか、それとも単に冷たい水が合わないのか――その理由は人それぞれ。まずは常温の白湯やスープなど、“受け入れやすい形”で少しずつ水分をとる工夫をしてみましょう。

そして、長く続く場合は体や心のバランスが崩れているサインのことも。無理をせず、医師や専門家に相談するのも一つの方法です。心と体の調子が整えば、「自然に水が飲める自分」に戻れるはずです。

 

 

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国家資格キャリアコンサルタント・メンタルヘルス・マネジメント®検定II種取得。企業での人材育成や新入社員研修の経験を経て、現在は心理カウンセラーとして個人・法人向けにカウンセリングや研修を行っています。 働く人の「こころの健康」を守ることをミッションとし、職場のストレス、自己肯定感の低下、人間関係の悩みに寄り添いながら、年間300件以上の相談に対応。信頼される「話し方」や「聴き方」のプロとして、多くのメディアにも情報提供を行っています。 「ひとりで抱え込まないで。一緒に考えることで、こころは軽くなる。」

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