目の奥が痛いのはストレス?眼精疲労との違いと正しい対処法を解説
「目の奥がズーンと痛い」「なんとなく不快感が続くけど原因がわからない」——そんな症状に悩んでいませんか?
その痛み、ストレスによるものか、それとも目の使いすぎによる眼精疲労かで、対処法はまったく異なります。
本記事では、目の奥の痛みの主な原因とそれぞれの見分け方、セルフチェック方法、さらに症状別の対策法までをわかりやすく解説。
目を酷使しがちな現代人こそ知っておきたい、“体からのSOSサイン”への正しい向き合い方をご紹介します。
目の奥が痛い…それってストレス?眼精疲労?
まずは痛みの原因を整理しよう
「目の奥がズーンと重い」「何もしていなくてもジワジワと痛む」——そんな感覚、ありませんか?
目の奥の痛みは、ストレスや眼精疲労、頭痛、ドライアイ、視力の変化など、複数の原因が絡んでいることがあります。
まずチェックすべきなのは、**「いつ・どんなときに痛むか」「他にどんな症状があるか」**という点。
例えば「仕事の後に痛くなる」「緊張が続いた日の夜にズキズキする」など、ライフスタイルとの関連にヒントがあることも多いです。
原因によって対処法が変わるため、まずは痛みのタイプを把握することが大切です。
ストレスが原因の場合に起こりやすい症状
ストレスが強くかかっていると、自律神経のバランスが乱れ、血流が悪くなったり、筋肉が緊張したりして目の奥に痛みを感じることがあります。特に、精神的に追い詰められているときや緊張が続いた後に出やすいです。
▼こんな症状があると「ストレス性」の可能性が高いです
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目の奥だけでなくこめかみや後頭部も重い・痛い
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緊張型頭痛や片頭痛も併発している
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ストレスフルな環境や悩み事があると悪化する
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目を休めても、根本的な痛みがなかなか取れない
ストレス性の痛みは、目だけでなく心や体全体の疲れが背景にあることが多いため、リラクゼーション・睡眠の確保・適度な運動が重要な対策になります。
眼精疲労が原因のときに見られる特徴
一方、目の奥の痛みが**「目の使いすぎ」からきている場合、眼精疲労の可能性が高いです。スマホやパソコンなどで長時間目を酷使**していませんか?
▼眼精疲労の典型的なサインはこちら
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目の奥にズーンとした重だるさがある
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目のかすみ・ピントが合いにくい
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目の乾き・まばたきが増える
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休憩を取ると一時的に楽になる
このような症状があるなら、作業時間の見直し・照明やモニターの調整・目薬の使用など、目を“酷使しすぎない環境づくり”が大切です。
「ストレスによる目の奥の痛み」とは?
自律神経の乱れによる血流低下
ストレスが続くと、自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスが乱れやすくなります。
この自律神経は、血管の収縮・拡張や内臓の働き、体温調節などをコントロールしている大切なシステムです。
ストレス下では交感神経が優位になりやすく、目の周囲の血管が収縮し、血流が悪化。
その結果、酸素や栄養が行き渡らず、目の奥に「鈍い痛み」や「圧迫感」のような不快感を感じることがあります。
このタイプの痛みは、目を休めても完全にはとれず、心身が緊張し続けている限り繰り返す傾向があります。
緊張型頭痛や片頭痛との関係
ストレスが引き金となって、「目の奥の痛み」とともに頭痛を感じる人も少なくありません。
とくに多いのが以下の2つです:
● 緊張型頭痛
ストレスや姿勢の悪さで首〜肩〜頭部の筋肉が緊張し、頭全体や後頭部・目の奥がズーンと重く痛むタイプ。
午後や夕方にかけて悪化しやすく、「締めつけられるような痛み」が特徴です。
● 片頭痛(偏頭痛)
精神的・肉体的なストレスの後に、血管が一気に拡張してズキズキと脈打つような痛みが出るタイプ。
片側の目の奥が特に痛い場合や、吐き気・光や音に敏感になる症状があれば片頭痛の可能性も考えられます。
こうした頭痛を伴う目の奥の痛みは、痛み止めだけでなく生活習慣やストレス対策が根本的なケアになります。
ストレス由来の痛みのチェックリスト
「これはストレスのせいかも…?」と気になったら、以下のセルフチェックで傾向を確認してみましょう。
▼ストレスによる目の奥の痛みセルフチェック
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□ 目の奥がズーンと重く、押されるような感覚がある
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□ 仕事や人間関係で精神的に緊張する場面が多い
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□ 寝ても疲れが取れない、熟睡感がない
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□ 呼吸が浅い・胸が詰まる感じがすることがある
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□ 目の痛みと一緒に、頭痛や肩こり、首こりもある
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□ リラックスしているときは、症状が軽くなる傾向がある
当てはまる項目が多い場合は、ストレス性の痛みが疑われます。
目だけにフォーカスせず、心や自律神経の状態もケアする視点が大切です。
「眼精疲労による目の痛み」とは?
長時間のスマホ・PC作業が引き金に
現代の生活では、スマホやPCを使わない日はほとんどありません。
画面を長時間見続けることで、目の筋肉が緊張状態のまま固まり、疲労が蓄積していきます。
とくに、
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長時間のデスクワーク
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小さな文字や細かい資料を読む作業
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暗い場所やブルーライトの強い画面を見る習慣
これらが続くと、ピント調整をする毛様体筋が疲れてしまい、目の奥やこめかみに「重さ」「痛み」「しょぼしょぼ感」が現れやすくなります。
この痛みは、「目を閉じると少し楽になる」「作業をやめると軽減する」傾向があり、“目の使いすぎ”のサインと言えます。
目の乾燥やピント調整の負担
スマホやPC作業中、私たちはまばたきの回数が大幅に減っていることをご存じですか?
普段は1分間に約15〜20回まばたきするところ、集中していると5回以下に減ってしまうとも言われています。
これにより、涙の膜が不安定になり、目の表面が乾燥。
乾いた目でピントを合わせ続けることで、さらに負担がかかり、目の奥やまぶたの裏側に違和感や痛みが出ることがあります。
また、スマホなどで至近距離をじっと見続けると、目の筋肉がずっと緊張したままになり、ピントを遠くに戻すのが難しくなることも。
この状態が続くと、いわゆる「目のこり」が起き、目を動かすだけでも痛い・重いと感じるようになります。
眼精疲労のセルフチェックポイント
眼精疲労による目の奥の痛みかどうかは、次のようなセルフチェックで判断の手がかりが得られます。
▼眼精疲労チェックリスト
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□ 目の奥やまぶたの裏側が「重い・痛い」感覚がある
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□ パソコンやスマホを使った後、目が疲れすぎて動かしにくい
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□ ピントが合いにくい・物がかすんで見える
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□ 目が乾いてしょぼしょぼする、目薬が手放せない
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□ 頭痛や肩こりもセットで感じることがある
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□ 夜になると目が開けづらくなるほど疲れている
当てはまる項目が多ければ、眼精疲労の可能性が高いです。
その場合は、「目を使いすぎていないか」日々の習慣を見直すことが、対策の第一歩になります。
目の奥の痛みの見分け方|ストレスか?眼精疲労か?
ストレス系と眼精疲労系、それぞれのサイン比較
目の奥の痛みには、「ストレス由来のもの」と「眼精疲労によるもの」とがあり、それぞれに特徴があります。
どちらかに偏っているケースもあれば、両方の要素が絡んでいることも。まずは代表的なサインを比較して、自分の状態を見極めてみましょう。
痛みのタイプ | ストレス性のサイン | 眼精疲労性のサイン |
---|---|---|
痛みの質 | 重だるい・内側からズーンとくる | ジンジンする・圧迫感・ピントが合わない |
発生するタイミング | 緊張後・イライラや不安が強いとき | 長時間の画面作業後・集中しすぎた後 |
伴う症状 | 頭痛・肩こり・不眠・呼吸が浅い | 目の乾き・かすみ・首や肩のこり |
改善する行動 | リラックス・睡眠・気分転換 | 作業をやめて休む・蒸しタオルでケア |
痛みの傾向 | 精神的に疲れたときに悪化 | 肉体的に目を酷使した後に悪化 |
このように、**「何をしたあとに痛くなったか」「休んだら軽くなるか」**が、見分けるポイントです。
「どちらもある」ケースも珍しくない
実際には、ストレスと眼精疲労が同時に影響しているケースがとても多く見られます。
たとえば──
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ストレスで自律神経が乱れた結果、血流が悪化し眼精疲労が悪化
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眼精疲労で頭痛が起き、それによりストレスを感じやすくなる
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忙しさで目も心も休まらない日々が続く
こうした状態では、**「休んでも完全にスッキリしない」**と感じることが多くなります。
この場合、どちらか一方をケアするだけでは不十分です。
「目を休める」と同時に「心もほぐす」——両面からのアプローチが、回復の近道になります。
いつ医療機関に行くべきかの判断基準
セルフケアをしても改善しない、または不安を感じるようであれば、無理せず早めに医療機関を受診するのが安心です。以下のような場合は、眼科や内科、心療内科などでの相談を検討しましょう。
▼医療機関を受診した方がよいサイン
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□ 痛みが数日以上続いている
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□ 休んでも痛みが引かず、生活に支障が出ている
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□ 片目だけが強く痛む・視界がゆがむ・見えにくい
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□ 頭痛や吐き気、めまいなど神経症状を伴う
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□ 心配ごとが多く、心がずっと張り詰めている感覚がある
「たいしたことない」と我慢して放置していると、慢性化してしまうことも。
早めの相談は、自分を大切にする第一歩です。
ストレスが原因の場合の対策法
心と体のリラックス習慣をつくる
ストレス性の目の奥の痛みをやわらげるためには、「がんばって治す」よりも**“ゆるめてほぐす”こと**が大切です。
緊張でこわばった心と体を、リラックスモード(副交感神経優位)に切り替える習慣を取り入れてみましょう。
おすすめのリラックス習慣:
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ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる(38〜40℃が目安)
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アロマやハーブティーを取り入れる
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深呼吸・ストレッチ・ヨガなど、軽い身体ほぐし
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寝る前のスマホをやめて、本を読む・音楽を聴くなどの切り替え時間を設ける
こうした習慣を“気持ちいいからやる”程度にゆるく続けることが、心の緊張をほぐす第一歩です。
生活リズムを整える|睡眠・食事・運動
ストレスによる自律神経の乱れは、生活リズムの乱れとも密接に関係しています。
とくに次の3つは、体と心の回復力を支える柱です。
■ 睡眠:
睡眠不足や浅い眠りが続くと、回復の余力がなくなります。
「入眠前のスマホを控える」「寝る1時間前から照明を落とす」など、眠りの質を高める工夫を取り入れましょう。
■ 食事:
栄養バランスが偏ると、神経伝達物質の生成にも影響が出ます。
とくにビタミンB群・マグネシウム・鉄分・トリプトファンなど、心の安定に関わる栄養素を意識して摂るのがポイントです。
■ 運動:
激しい運動でなくてもOK。
1日10〜20分のウォーキングやストレッチで、血流が改善し、自律神経の働きも整いやすくなります。
「生活を整える=地味だけど効く」。
目の奥の痛みも、日々のリズムの積み重ねで変わっていきます。
セルフケアだけで限界を感じたら心療内科も視野に
「ちゃんと休んでいるのに痛みがとれない」「不安や緊張がいつも頭から離れない」
そんなときは、無理をせず、医療の力を借りる選択肢を持っておくことも大切です。
心療内科やメンタルクリニックでは、
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身体症状(目の痛み・頭痛・肩こりなど)と心の状態の関係を丁寧に診てくれる
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必要に応じて漢方薬や軽めの薬、カウンセリングなどを提案してくれる
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「自分ではうまく説明できない不調」を整理してもらえる
というメリットがあります。
セルフケアで改善しない痛みや不調は、体からの“休んで”というサインかもしれません。
「病院に行くのは大げさ」ではなく、「安心するために行く」のも、立派な対策のひとつです。
眼精疲労が原因の場合の対策法
1時間に1回は“目の休憩”をとろう
パソコンやスマホ作業を長時間続けていると、目の筋肉はずっと緊張しっぱなし。
この「凝り固まった状態」が続くことで、目の奥にズーンと重い痛みを感じる原因になります。
おすすめは「60分作業したら5~10分目を休める」というリズム。
とくに有効なのが「遠くを見ること」です。ピントを遠くに合わせることで、毛様体筋(ピント調整の筋肉)がリラックスします。
▼こんな方法で手軽に目を休めよう
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窓の外の緑や遠景を見る
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まぶたを閉じて深呼吸
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立ち上がって軽く背伸びやストレッチをする
「ちょっと目を離すだけ」でも、目の疲労感は大きく違います。目に“休憩時間”をあげる意識が大切です。
蒸しタオルや目薬で目を労わる
疲れた目には、じんわり温めるケアが効果的。
目の周囲を温めることで血流が改善され、筋肉のこりや緊張がやわらぎます。
▼自宅でできるおすすめケア
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清潔なタオルを水で濡らし、レンジで30秒ほどチンして「即席蒸しタオル」に
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市販のホットアイマスクを使うのも◎(使い捨てタイプも便利)
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クールタイプの目薬でリフレッシュした後、温めると効果的
また、目薬を選ぶ際は「眼精疲労対応」や「ピント調整サポート」と書かれたものを選びましょう。
清涼感だけでなく、栄養や潤いを補う成分が含まれているものが望ましいです。
疲れを感じたそのときが、ケアのタイミング。目にご褒美をあげる感覚で続けていきましょう。
ブルーライト・照明・姿勢の見直しも重要
目の奥が痛くなるほど疲れる背景には、環境のストレスも関わっています。
とくに以下の3つは、眼精疲労を加速させる要因になりやすいです。
■ ブルーライト対策
スマホやパソコンから出るブルーライトは、目にとって強い刺激。
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画面の明るさを控えめにする
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ブルーライトカット眼鏡やフィルムを使用
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夜は“ダークモード”を活用する
これだけでも、目の負担は大きく減らせます。
■ 照明の工夫
部屋が暗すぎたり、逆に光がまぶしすぎたりすると、目が過剰に働かされて疲労の原因に。
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画面より少し明るい程度の室内光が理想です。
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天井照明に加えて、デスクライトを活用して明るさを補うのもおすすめ。
■ 姿勢の改善
首や肩に負担がかかる姿勢は、結果的に目の疲れも悪化させます。
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画面の高さは目線と同じか、やや下に設定
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肘・膝が90度に曲がるよう椅子の高さを調整
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1日の終わりには首・肩周りのストレッチも忘れずに
環境を整えるだけで、目が感じるストレスが驚くほど軽減されることもあります。
「目にやさしい作業環境」は、集中力アップにもつながります。
まとめ|「目の奥の痛み」は、体からのSOSサイン
ストレスも眼精疲労も、無視せず早めに対策を
目の奥の痛みは、単なる疲れではなく、ストレスや眼精疲労といった“見えない負担”のサインであることが多いものです。
「まだ我慢できるから」と放置してしまうと、慢性化したり、頭痛や不眠など別の不調につながったりすることも。
痛みは「もう限界だよ」という体からのSOS。
「目を休める」「生活を整える」といった小さな対策からでいいので、できることを少しずつ始めていきましょう。
まずは自分の状態を冷静に見極めよう
「この痛み、ストレス? 眼精疲労? それとも別の病気?」と不安になることもあるかもしれません。
そんなときこそ大事なのは、自分の状態を“冷静に”観察することです。
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いつ、どんなときに痛くなる?
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他にどんな症状を感じている?
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休んだり、目薬を使ったりすると楽になる?
こうしたポイントを意識して記録しておくと、必要に応じて医療機関に相談するときの判断材料にもなります。
わからないまま悩み続けるのではなく、「知ること」「気づくこと」からケアを始める意識が、症状の改善につながります。
よくある質問(Q&A)
Q1. 片目だけが痛い場合はストレスや疲れのせい?
A. 片目だけの痛みは、眼精疲労やドライアイ、視力差による負担が原因のこともあります。ただし、片目の視力低下・充血・視界の異常を伴う場合は、眼科での診察をおすすめします。
Q2. 寝ても目の奥の痛みが取れません。どうすればいい?
A. 眼精疲労やストレスが慢性化している可能性があります。生活リズムの見直しや、日中の目の使い方、睡眠の質の改善がカギになります。痛みが長引く場合は医療機関での相談を。
Q3. 市販の目薬だけでも効果はありますか?
A. 軽い疲れ目や一時的な不快感には効果が期待できます。ただし、根本的な原因(ストレス・長時間作業)を取り除かない限り、症状の繰り返しは避けにくいため、併せて生活改善を行うのが理想です。
おすすめの市販アイテム(目薬・サプリ等)
● 眼精疲労向けの目薬(市販)
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ロートVアクティブプレミアム:ピント調整機能の回復や血行促進に特化
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サンテ メディカルガードEX:炎症・充血にも効く総合タイプ
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スマイル40EX ゴールドマイルド:長時間作業の後におすすめ、低刺激で使いやすい
● ストレス・疲れ目ケアに役立つサプリメント
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DHC ブルーベリーエキス:目の疲れ対策の定番
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ファンケル えんきん:ピント調整をサポート
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キューピー リラーレ:ストレス・睡眠の質改善をサポートするサプリ
※体質や症状によって合う・合わないがあるため、初めて使用する場合は少量から試すか、薬剤師に相談するのがおすすめです。


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