外出が怖いと感じたときの対処法|不安をやわらげる具体的なステップとは?
「外に出なきゃいけないのに、どうしても怖くて動けない…」
そんなふうに感じたことはありませんか?
人の視線が気になったり、過去の嫌な経験がよみがえったり、理由はさまざまでも、その「怖い」という気持ちはとても自然なものです。
この記事では、外出に不安を感じるときの心の仕組みと、少しでも安心して行動できるようになるための具体的な対処法をやさしく紹介します。
自分を責めずに、今のあなたにできる一歩から始めていきましょう。
「外出が怖い…」その気持ちは自然な反応です
不安や恐怖は“心の防衛反応”
「外に出るのが怖い」「知らない場所に行くのが不安」——
そんな気持ちがふと湧いてくると、「自分はおかしいのかな」と思ってしまうかもしれません。けれど、これはとても自然な心の反応です。
人間の脳は、自分を危険から守るために「不安」や「恐怖」というサインを出すようにできています。たとえば、過去に外出先でつらい思いをしたり、体調を崩したりした経験があると、それを記憶して「また同じことが起きるかも」と身を守ろうとするのです。
この反応は、決してあなたが弱いからではありません。むしろ、心がちゃんと“あなたを守ろうとしてくれている”証拠なのです。
誰にでも起こりうる「外出恐怖」
外出が怖いと感じるのは、特別なことではありません。とくに、強いストレスや不安を抱えているときは、外の世界がとても遠く感じたり、周囲の視線や音が過敏に気になってしまったりするものです。
実際、社会不安・パニック障害・HSP(繊細さん)など、外出にハードルを感じやすい人は少なくありません。
また、コロナ禍以降「外に出るのが怖い」と感じる人も増えており、それは時代の変化がもたらす心の反応でもあります。
だからこそ、「自分だけがおかしい」と思わないでください。あなたの感じていることは、多くの人が経験しうる“ごく自然なこと”です。
無理に「平気なふり」をしなくていい
「頑張って外に出なきゃ」「みんなはできているのに」と、無理に自分を奮い立たせようとする人も多いかもしれません。でも、怖いと感じているときに無理をすると、心が余計に疲れてしまいます。
大切なのは、“今の自分の気持ちに正直になること”。
「怖い」「緊張する」「今日は無理かも」——そんなふうに思う日は、立ち止まってもいいのです。
平気なふりをするより、怖さを受け入れて、少しずつできることから始めていく。
そのやさしいスタンスこそが、安心への一歩となっていきます。
外出が怖いと感じる原因とは?
外に出ることに抵抗を感じるとき、「どうしてこんなに怖いんだろう?」と自分を責めてしまうかもしれません。
でも、その気持ちにはちゃんとした理由があります。ここでは、外出が怖くなる代表的な原因を4つ紹介します。
まずは「自分にもこういうこと、あるかもしれない」と気づくことが、回復への第一歩です。
過去の嫌な体験やトラウマ
以前、外出中に強いストレスや恐怖を感じる出来事があった場合、その記憶が心に残り、「また同じことが起きるかも…」という予期不安につながります。
たとえば…
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電車の中で動悸がしてパニックになった
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人混みで過呼吸になった
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外で体調を崩して恥ずかしい思いをした
といった経験が、無意識のうちに「外は危ない場所」と感じさせていることも。
これは、脳があなたを守ろうとしている自然な反応です。無理に「忘れよう」とするより、「あのときはつらかったんだな」と気持ちに寄り添うことが大切です。
人の視線や評価が気になる
「変に思われたらどうしよう」「周囲の目が怖い」といった不安は、外出時の緊張感を高める大きな要因です。とくに、人前で話すのが苦手だったり、自己肯定感が下がっているときには、その感覚が強くなります。
・服装や見た目が気になる
・一人でいると「変な人」と思われそう
・変な動きをしてしまったらどうしよう
こういった不安は、自分を守りたい気持ちからくるもの。「怖がりすぎ」と責める必要はありません。まずは、「自分が安心できる服装や環境」を選んで、少しずつ外の空気に慣れていきましょう。
体調の不安やパニック発作の心配
外出先で体調が急に悪くなったら…という不安を抱えている人も多くいます。
特に過去に動悸・息苦しさ・めまいなどを経験したことがあると、「また起きたらどうしよう」と考えてしまいがちです。
この“起こるかもしれない不調”への恐怖は、非常にリアルです。
だからこそ、事前に…
-
水分を持ち歩く
-
休憩できる場所を調べておく
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安心できる人と一緒に行動する
など、自分なりの“安心材料”を用意しておくことで、少しずつ「出かけても大丈夫かも」という気持ちを育てていけます。
コロナ禍の影響で外出に緊張感が残っている
新型コロナウイルスの流行は、多くの人の生活と心に大きな影響を与えました。外出を控えることが日常になったことで、「外に出る=危険」「人との距離をとらなければ」という意識が無意識に根づいてしまったケースもあります。
現在は制限が緩和されたとはいえ、心の中ではまだ「外は怖い場所」というイメージが残っている場合も少なくありません。
これは“慣れの問題”でもあるため、自分のペースで少しずつ慣れていけば大丈夫です。無理にすぐ元の生活に戻そうとせず、1日1回ベランダに出てみる、家の前を歩いてみるなど、段階的に慣らしていくことが有効です。
外出が怖いときの対処法|心を落ち着かせるステップ
「外に出なきゃいけないのに、怖くて動けない」——
そんなとき、無理やり自分を動かそうとしても、心と体が固まってしまうことがあります。
大切なのは、「怖さをなくす」ことではなく、「怖さとうまくつき合う」こと。
ここでは、外出が怖いときに試してほしい、心を落ち着かせるステップを紹介します。
まずは「今、怖い」と認めることから
「なんで自分はこんなにビビってるの?」「情けない…」
そうやって自分を責めてしまうと、ますます不安が強くなります。
まずは、
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「今、私は外出が怖いと感じてるんだな」
-
「そう感じる理由があるんだな」
と、その気持ちを認めてあげましょう。
不安を否定せずに受け入れることが、心をゆるめる第一歩になります。
深呼吸やグラウンディングで落ち着きを取り戻す
外出前や外出中に不安が高まったときは、「今ここ」に意識を向けることが効果的です。
おすすめなのは、以下のようなシンプルな方法:
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深呼吸:ゆっくり息を吸って、吐く。呼吸に意識を向けるだけで、交感神経の興奮を抑えられます。
-
グラウンディング:「足の裏が床についている感覚」「手に持ったバッグの重さ」「周囲の音」など、五感で“現実”を感じてみましょう。
これらの方法を使うことで、頭の中で膨らんだ不安を少しずつ小さくできます。
「5分だけ外に出てみる」などハードルを下げる
「買い物に行かなきゃ」「電車に乗らなきゃ」と思うと、それだけでプレッシャーになりますよね。そんなときは、目標をぐっと小さくしてみましょう。
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家の玄関を開けて空気を吸うだけ
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近くのコンビニに行って帰ってくるだけ
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5分歩いてみて、しんどかったらすぐ戻ってもOK
小さな成功体験を積み重ねていくことが、次の一歩への自信になります。
信頼できる人と一緒に外出してみる
一人では不安でも、誰かと一緒なら安心できることもあります。
家族、友人、カウンセラーなど、「話していて落ち着ける人」と一緒に行動することで、怖さが半減することがあります。
外出そのものが目的ではなく、「安心できる空間で誰かと一緒に過ごす」という意識でも構いません。
小さな会話や笑顔が、不安の感覚をやわらげてくれます。
「逃げてもいい」ことを前提にしてみる
「失敗したらどうしよう」「途中で不安になったら?」
そんな不安が強いときは、「いつでも帰ってきていい」「逃げてもOK」という前提を持って出かけてみてください。
あらかじめ「途中で戻ってもいい」と思っておけば、心の緊張が少しやわらぎます。
外出=成功しなきゃいけない、というプレッシャーを手放すことが、逆に行動のハードルを下げてくれます。
まとめに向けての一言
怖いと感じる気持ちは、決して“異常”ではありません。
あなたの心が、慎重に進もうとしているだけです。
少しずつ、安心できる方法を見つけて、自分のペースで外の世界に慣れていきましょう。
日常的にできる「外出への不安を軽くする習慣」
外出が怖いと感じる日があっても大丈夫。
その気持ちは、日々の中で少しずつやわらげていくことができます。
「外に出る」ことをゴールにするのではなく、まずは“怖さとつき合う準備”から。
ここでは、無理なく取り入れられる4つの習慣をご紹介します。
日記で不安のパターンを知る
外出の不安は、いつも同じように感じているようで、実はそのときどきの体調や出来事、思考によって変化しています。
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どんなときに怖くなる?
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どのタイミングで不安が強くなる?
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逆に、意外と平気だった場面は?
こうしたことを日記やメモに残しておくことで、自分なりの「不安のパターン」が見えてきます。
原因が見えると、「あ、このパターンならこうすればいいかも」と対処しやすくなり、不安が少しずつコントロールできるようになります。
外出に成功した経験をメモしておく
怖さばかりに目を向けてしまうと、「自分はダメだ」と落ち込みやすくなります。
でも、ほんの些細な成功でも、それは大きな一歩。
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コンビニに行けた
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外を5分歩けた
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人とすれ違っても平気だった
そんな“小さな成功”をメモに残しておくことで、自信の種になります。
不安になったときに読み返すと、「あのときも大丈夫だったな」と思える心の支えになります。
人混みを避ける・安心できるルートを探す
外出に対する不安を減らすためには、「安心できる場所やルートを持っておくこと」も大切です。
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混雑しない時間帯に出かける
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静かな道や落ち着けるカフェを見つけておく
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何かあったときにすぐ戻れる近所のルートを試す
「ここなら大丈夫」と思える場所があるだけで、外出へのハードルはぐっと下がります。
“安心の選択肢”を増やしておくことが、行動を後押ししてくれます。
心身のコンディションを整えておく(睡眠・食事など)
実は、不安の強さには「体の状態」も大きく関係しています。
睡眠不足や空腹、体のだるさがあると、心はより敏感になり、不安がふくらみやすくなります。
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しっかり眠る
-
栄養のある食事をとる
-
リラックスできる時間を意識的につくる
このような「自分のケア」が、結果的に外出時の心の安定につながります。
まずは“体の土台”を整えることからはじめてみましょう。
日常に取り入れられる小さな工夫が、外出への不安を少しずつやわらげてくれます。
すぐに変わらなくても大丈夫。自分をいたわりながら、ゆるやかに整えていきましょう。
どうしても外出できないときは?
「今日はどうしても外に出られない」——
そんな日があっても、まったく問題ありません。
外出への不安や恐怖は、波のように強まったり、落ち着いたりを繰り返します。
大切なのは、できない自分を責めないこと。
心が「今はちょっと休みたい」と言っているだけなんです。
そんなときにできる過ごし方や、心を保つ工夫をご紹介します。
オンラインでの交流を活用する
外に出られなくても、人とのつながりは持つことができます。
いまは、ビデオ通話・チャット・SNS・オンラインイベントなど、外出しなくても交流できる手段がたくさんあります。
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気軽に話せる友人とビデオ通話
-
オンラインコミュニティや趣味の掲示板に参加
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音声だけのやりとり(電話・スペースなど)も◎
外の世界との接点を“ゼロにしない”ことが、孤立感や不安の蓄積を防ぎます。
あなたのペースで、人との距離を保ちながらつながっていてください。
医療機関やカウンセリングの利用も視野に
「自分ではどうにもできない」「不安がどんどん強くなる」——
そんなときは、専門家に頼ることも大切な選択肢です。
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心療内科・精神科での診察
-
臨床心理士によるカウンセリング
-
自治体やNPOなどの無料相談窓口
話すだけでも心が軽くなることがありますし、必要に応じて適切な治療やサポートを受けることもできます。
「病気じゃないのに…」と思うかもしれませんが、“つらい”という状態そのものが、相談していいサインなのです。
「今は準備期間」ととらえて、自分を責めない
外出できない日を、「ダメな日」と考えてしまうと、心がどんどん縮こまってしまいます。
でも、外に出るのが怖いと感じる自分は、怠けているのでも、逃げているのでもありません。
今は“心を整える準備期間”。
そのあいだに、少しでも安心できること・心が楽になることを見つけていきましょう。
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好きな音楽を聴く
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温かいお茶を飲む
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やさしい言葉をメモに残す
「出られない」ことに意識を向けるよりも、「今できること」「心地よく過ごす工夫」に目を向けることで、少しずつ前を向けるようになります。
小さな一歩が、未来の安心につながる
外出できない日があっても、それは“前に進んでいない”わけではありません。
心と向き合うことも、回復への立派な一歩です。
あなたのペースで、あなたらしく。大丈夫。焦らず、進んでいきましょう。
まとめ|「外出が怖い」と感じるあなたへ、伝えたいこと
小さな一歩が、大きな自信につながる
外出が怖い——
その気持ちは、決しておかしいものでも、恥ずかしいものでもありません。
大切なのは、「怖くても、一歩踏み出そうとしたあなた自身」を認めること。
それが、どれだけ勇気のいることか、あなたが一番わかっているはずです。
たとえ今日の一歩が「玄関を開けただけ」でも、それは確実に未来の自信につながる大きな一歩。
自分を褒めてあげてください。
怖さを乗り越えるペースは、人それぞれでいい
「昨日より今日の方がつらい」「今日は出かけられなかった」——
そんな日もあると思います。
でも、他人と比べる必要はありません。
あなたの歩幅で、あなたのリズムで進んでいいのです。
焦らず、立ち止まりながらでもかまいません。
怖さと無理に戦わなくても、「今日はここまでできたな」と思える時間を重ねていければ、それで十分です。
あなたの不安に寄り添ってくれる人は、きっといる
「こんな自分のこと、誰にも話せない」
そう感じてしまうときもあるかもしれません。
でも、本当にしんどいときに、そっと話を聞いてくれる人は、きっといます。
家族や友人、専門家、あるいはオンライン上の誰かでもいい。
「わかるよ」「つらかったね」と言ってくれる声は、あなたの心にやさしく響くはずです。
不安を抱えながらも、ここまで読んでくれたあなたは、もうすでに一歩を踏み出しています。
その勇気を、どうか大切にしてください。
最後に
怖さを消すことがゴールではありません。
その気持ちと“うまくつき合える自分”になっていくことが、あなたらしい前進です。
ゆっくりでいい。止まってもいい。
あなたには、進む力がちゃんと備わっています。
この先の毎日が、少しずつ「安心」に変わっていきますように。


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