口の中をやけどしたらどうする?冷やすのは効果的?正しい応急処置と早く治すコツを徹底解説!
「熱っ!」と感じた瞬間にはもう遅い――。アツアツのスープやピザ、コーヒーなどで口の中をやけどしてしまうことは、誰にでも起こる身近なトラブルです。
軽く見がちな口内のやけどですが、正しい応急処置をしないと痛みが長引いたり、口内炎や感染症につながることも。
この記事では、
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冷やすのは本当に効果的なのか?
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やけどした直後にやるべき応急処置
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早く治すためのケアと注意点
を、わかりやすく解説します。
今まさにヒリヒリしてつらい人も、万が一の備えとして知っておきたい人も、口の中のやけどを早く・安全に治す方法をここでチェックしておきましょう。
口の中のやけど、意外と多い日常トラブル
熱い食べ物・飲み物で起こりやすい「口腔内やけど」
「猫舌じゃないから大丈夫」と思っていても、意外と多いのが**口の中のやけど(口腔内熱傷)**です。
特に、アツアツのスープ・ピザ・たこ焼き・コーヒーなどを急いで口に入れたときに発生しやすく、舌・上あご・頬の内側・喉の奥などがダメージを受けます。
口の中の粘膜はとても薄くデリケートなため、一瞬の熱でも損傷することがあります。
「少しヒリヒリする」「上あごの皮がめくれた」「舌が白っぽくなった」などのサインがあれば、それは軽度でもやけどの状態です。
軽度〜重度まで!症状別の見分け方
口の中のやけどは、熱の強さと接触時間によって症状の程度が変わります。
おおまかに、次のように分類できます。
程度 | 症状の特徴 | 対応の目安 |
---|---|---|
軽度(1度熱傷) | ヒリヒリ、赤み、軽い腫れ | 冷やす+清潔に保てば数日で回復 |
中度(2度熱傷) | 水ぶくれ、白く変色、強い痛み | 食事時に痛む場合は受診を検討 |
重度(3度熱傷) | 白や黒く焦げたような色、感覚が鈍い | 自己処置は危険。すぐ医療機関へ |
特に「水ぶくれ」「強い痛み」「腫れが広がる」といった症状がある場合は、口腔外科や耳鼻科の受診が安全です。
放置すると「口内炎」や「感染症」につながることも
軽い口の中のやけどでも、放置すると口内炎や細菌感染を起こすことがあります。
やけどによって粘膜が傷つくと、そこに食べかすや菌が入り込み、炎症や膿、痛みの悪化を招くことも。
特に、
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歯磨き時に強くこする
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辛い・熱い・酸っぱい食べ物を摂る
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アルコールやタバコを摂取する
といった行為は治りを遅らせる原因になります。
治癒を早めるためには、刺激を避けて清潔に保つことが最重要。
早めのケアで、痛みも跡も残さず回復を目指しましょう。
冷やすのは正解?口の中のやけど応急処置
まずは「冷水」でゆっくり冷やすのが第一歩
口の中をやけどしたら、まず行うべきは「冷やす」ことです。
やけどは時間との勝負。熱が粘膜に残るとダメージが進行してしまうため、できるだけ早く冷やすのがポイントです。
やり方は、
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冷たい水を口に含んでゆっくりゆすぐ
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10〜30秒ほど口の中に含んでから吐き出す
-
これを数回くり返す
冷やすことで痛みがやわらぎ、炎症の広がりも防げます。
ただし、長時間の冷却は逆効果。しびれや違和感が出る場合は、少し間を空けましょう。
氷を直接当てるのはNG!やさしく冷ます方法
「冷やす」と聞くと氷を直接当てたくなりますが、これはNG行為です。
氷を長時間舐めたり、粘膜に当て続けると、低温やけど(凍傷)を起こすおそれがあります。
代わりにおすすめなのは、
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氷を口に入れず、冷水を含んで冷やす
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氷を少量口に含み、舌で転がすように短時間だけ冷やす
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冷たい飲み物をゆっくり飲む
ポイントは、“やさしく冷ます”こと。
強い刺激を与えず、じんわり冷却することで粘膜への負担を減らせます。
やけど後に避けるべき食べ物・飲み物
やけど直後の粘膜は、非常にデリケートな状態。
刺激のある飲食は避け、痛みが落ち着くまで「刺激レス食」を意識しましょう。
避けたい食べ物・飲み物
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熱いスープや味噌汁、コーヒー、緑茶などの高温の飲み物
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唐辛子・わさび・カレーなどの辛い料理
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酸味の強いみかん・酢の物・炭酸飲料
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塩分が多い味の濃い料理
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アルコール、喫煙も一時的に控える
代わりに、冷たいおかゆ・ヨーグルト・プリン・豆腐など、やさしい食感のものを選びましょう。
「噛まずに食べられる」「冷たくて刺激が少ない」食品が理想です。
痛みが強いときは「市販の口内用ジェル」も活用OK
冷やしても痛みが残るときは、市販の口内炎・口内トラブル用ジェルを使うのも効果的です。
患部を保護し、炎症を抑える成分が含まれているため、粘膜の再生をサポートしてくれます。
例としては、
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軟膏PROクイック(トラフル)
リンク
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口内炎パッチ大正A(大正製薬)
リンク
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アズレンうがい薬・スプレー系
リンク
を症状に応じて使うのがおすすめ。
ただし、水ぶくれ・強い痛み・広範囲の炎症がある場合は、自己判断せず歯科口腔外科や耳鼻咽喉科の受診を。
早く治すには?ケアのポイントと注意点
刺激を避けて「口内を清潔に保つ」ことが最優先
やけどした直後の口内は、皮膚のバリアが壊れている状態。
このときに一番大切なのは、「清潔を保つこと」と「刺激を与えないこと」です。
具体的には、
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食後はぬるま湯で軽くうがいして食べかすを残さない
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歯磨きは柔らかい歯ブラシで優しく(強く磨かない)
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アルコール入りのうがい薬は避け、刺激の少ないタイプを選ぶ
また、やけど部分を舌で触ったり、皮がめくれても剥がしたりしないように注意しましょう。
傷ついた粘膜を守りながら、自然治癒を促す環境を整えることが早期回復の鍵です。
ビタミンB群・Cを意識して“粘膜の再生”をサポート
口の中の粘膜は新陳代謝が早いため、栄養を意識するだけでも治りが変わります。
特に重要なのが、ビタミンB群とビタミンCです。
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ビタミンB2・B6:粘膜や皮膚の再生を促す
→食品例:卵、レバー、納豆、まぐろ、バナナ -
ビタミンC:炎症を抑え、コラーゲン生成をサポート
→食品例:ブロッコリー、キウイ、いちご、柑橘類
これらを意識的に摂ることで、やけどの回復を助け、再発予防にもつながります。
食事が難しいときは、サプリメントや栄養ドリンクを活用するのもOKです。
うがい薬・塩水うがいの正しい使い方
清潔を保つために有効なのがうがい薬や塩水うがい。
ただし、使い方を誤ると逆に刺激になることもあるため、正しい方法を押さえておきましょう。
🔹塩水うがいのやり方
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コップ1杯(約200ml)のぬるま湯に小さじ1/2の塩を溶かす
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1日2〜3回、軽く口をすすぐ程度に
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強くうがいせず、やさしく口全体をゆすぐ
🔹うがい薬を使うときのポイント
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アルコール不使用・刺激の少ないタイプを選ぶ(例:アズレンうがい薬)
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長時間うがいをしすぎない
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使用後30分ほどは飲食を控える
これらを取り入れることで、細菌感染の予防+口内の清潔維持ができ、治りがぐっと早まります。
数日経っても治らない場合は「口腔外科」へ
軽度のやけどであれば、通常2〜3日で痛みが引き、1週間前後で自然に回復します。
しかし、次のような症状が続く場合は、自己判断せず受診が必要です。
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水ぶくれや白い膜が広範囲にできている
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強い痛みや腫れが続く
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食事や会話がつらい
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発熱やリンパの腫れを伴う
これらは、感染や深いやけどの可能性があります。
歯科口腔外科・耳鼻咽喉科を受診し、炎症を抑える薬や保護剤を処方してもらうことで、回復が早まります。
✅ ポイントまとめ
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口内の清潔+刺激回避が基本ケア
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栄養(ビタミンB・C)で粘膜再生を助ける
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塩水・刺激の少ないうがいで清潔を維持
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治りが遅い・悪化傾向なら医療機関へ
まとめ|やけどしたら“すぐ冷やす”が鉄則!
冷やす+清潔を保つことで早期回復が可能
口の中をやけどしたときは、“すぐ冷やす”ことが最も大切な応急処置です。
冷水でやさしく冷やすことで、熱による粘膜ダメージを最小限に抑え、痛みや炎症の悪化を防ぐことができます。
その後は、
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刺激物(熱い・辛い・酸っぱい)を避ける
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うがい・歯磨きで清潔を保つ
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ビタミンB群・Cを意識して再生をサポートする
といったケアを継続することで、軽度のやけどなら数日で自然に回復します。
口の中の粘膜は再生力が高いので、正しい処置をすれば跡を残さず治るケースがほとんどです。
症状が重い場合は自己判断せず医療機関へ
ただし、やけどの範囲が広い・水ぶくれや白い膜ができた・強い痛みが続く場合は、自己処置では不十分なことがあります。
こうした症状は、感染症や深いやけど(2度以上の熱傷)のサインであることも。
次のような場合は、早めに歯科口腔外科や耳鼻咽喉科を受診しましょう。
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冷やしても痛みや腫れが引かない
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食事・会話がしにくいほどの痛みがある
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発熱やリンパの腫れを伴う
医師による適切な治療を受ければ、炎症の拡大を防ぎ、治りを早めることができます。
💡ポイントまとめ
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熱いものを口に入れた直後は「すぐ冷やす」が鉄則
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冷やした後は「刺激を避けて清潔に」
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数日経っても改善しない場合は、早めに医療機関へ
口内のやけどは放置せず、初期対応+やさしいケアを意識することが、最も早く・確実に治すコツです。


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