じゃがいもの芽は毒?知らないと危険!安全な処理方法と食べる際の注意点
いつもの食卓でよく使われるじゃがいも。
でも、ふと気づくと「芽が出てる…これって食べても大丈夫?」と不安になったことはありませんか?
実は、じゃがいもの芽や緑色に変色した部分には有毒成分が含まれており、誤って食べると中毒症状を起こす危険性もあります。
本記事では、「じゃがいもの芽は本当に毒なのか?」という疑問に答えながら、安全な処理方法・保存のコツ・子どもや妊婦が注意すべきポイントまでわかりやすく解説します。
万が一食べてしまった場合の対処法も含め、家庭で実践できる知識をまとめてご紹介します。
✅ じゃがいもの芽に毒があるって本当?
じゃがいもの芽には、人体に有害な天然毒素「ソラニン」や「チャコニン」が含まれています。これらはナス科の植物が持つ防御成分で、虫や病気から身を守るために作られるものです。しかし人間が摂取すると、食中毒の原因になることもあり、注意が必要です。
では、これらの毒素がどのようなもので、どれくらいの量で危険なのか、詳しく見ていきましょう。
▶ 芽に含まれる「ソラニン」と「チャコニン」とは
「ソラニン」や「チャコニン」は、じゃがいもの芽や緑色に変色した皮の部分に多く含まれる**天然の有毒成分(ステロイドアルカロイド)**です。
特に以下の部位に多く蓄積されます。
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芽やその周囲
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緑色に変色した皮や実
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傷んだじゃがいも
通常、じゃがいもにはごく微量しか含まれていませんが、芽が伸びていたり日光に当たって緑色になっている場合は、毒素の量が増加しています。
▶ どれくらいの量で危険?中毒症状の例も紹介
健康な成人であっても、ソラニン・チャコニンの摂取量が20~25mg(体重1kgあたり)を超えると中毒症状を起こす可能性があるとされています。
特に注意が必要なのは小さな子どもや高齢者、妊婦さんなど、体の抵抗力が弱い人です。
【主な中毒症状】
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吐き気・嘔吐
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腹痛・下痢
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頭痛
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めまい
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意識障害(重度の場合)
症状は食後数時間以内に現れることが多く、重症化すると入院が必要になることもあります。市販のじゃがいもで中毒事故が発生した例もあり、決して油断できません。
ポイント:芽や緑色部分は必ず取り除く!
安全に食べるためには、芽や緑色の部分を深くえぐるように取り除き、皮もしっかりむいてから調理しましょう。特に小さいお子さんに食べさせる際は、目視で丁寧にチェックすることが大切です。
✅ じゃがいもの芽を安全に処理する方法
芽が出たじゃがいもを安全に食べるためには、正しい処理方法を知っておくことが不可欠です。毒素が多く含まれる部分をきちんと取り除けば、ほとんどの場合は問題なく調理・食用が可能です。以下のポイントを押さえて、安全に調理しましょう。
▶ 芽の取り方と皮むきのコツ
じゃがいもの芽は、表面に少し出ているだけに見えても、内部に深く毒素が広がっていることがあります。そのため、以下の手順で根本からしっかり除去することが重要です。
【芽の安全な取り方】
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包丁の刃先や専用の芽取り器を使い、芽の根元をえぐるように深く取り除く。
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芽の周囲の緑がかった部分も一緒に削るようにカットする。
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見落としを防ぐために、じゃがいも全体を明るい場所でチェックするのがコツ。
【皮むきのコツ】
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緑色や傷んでいる部分を避けながら、厚めに皮をむくのが基本。
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ピーラーよりも包丁の方が、毒素が含まれる深部までしっかり取れます。
▶ 変色や緑色になった部分も要注意!
じゃがいもが光に当たると、皮が緑色に変色することがあります。これは**クロロフィル(葉緑素)**によるもので、見た目だけなら問題ありませんが、同時に有毒な「ソラニン」や「チャコニン」も増加している可能性が高いため要注意です。
【緑色部分の対処方法】
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緑に変色した皮や実は、厚めに削り取る。
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緑色が広範囲にわたる場合は、食べずに廃棄するのが安全。
緑の色が濃い場合や苦み・えぐみを感じるときは、無理に食べないことが大切です。
▶ 芽が出たじゃがいもは全部捨てるべき?
芽が出たからといって、必ずしも全部を捨てる必要はありません。以下のポイントで可否を判断しましょう。
【まだ食べられる場合】
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芽が小さく、本体がしっかり硬い。
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緑色やカビ、腐敗臭がない。
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芽やその周辺をしっかり除去すれば問題なし。
【捨てるべきじゃがいも】
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芽が長く伸びている(2cm以上)。
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実がしわしわ・柔らかくなっている。
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緑色の部分が広範囲にある。
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カビや異臭がする。
状態が悪ければ、無理に使わず処分することが安全第一です。特に離乳食やお弁当など、保存する料理では使わないようにしましょう。
✅ 子どもや妊婦が食べても大丈夫?
じゃがいもは栄養豊富な食材であり、子どもから大人まで幅広く食べられる食材ですが、芽や緑色の部分に含まれる毒素には特に注意が必要です。大人に比べて体の小さい子どもや、胎児への影響が気になる妊婦さんにとっては、少量でもリスクが高くなることがあります。
▶ 子どもは特に注意が必要な理由
子どもは大人と比べて体重が軽く、臓器の解毒機能も発達途上です。そのため、少量のソラニンやチャコニンでも中毒を起こしやすく、重症化する可能性が高くなります。
【具体的なリスク】
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わずかな摂取でも、嘔吐・下痢・けいれんなどの症状が出ることがある
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味覚が敏感でない幼児は、苦みやえぐみに気づかず食べてしまう
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お弁当や常温保存の料理に使用すると、毒素が分解されずに残りやすい
【保護者が気をつけるべきこと】
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芽や皮をしっかり取り除く
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緑色になったじゃがいもは子ども用には使わない
-
特に離乳食や幼児食では、安全な部位のみ使用する
「見た目が大丈夫でも、慎重に下処理をする」ことが、子どもの健康を守るポイントです。
▶ 妊婦さんが食べる際のポイント
妊娠中は免疫力が下がりやすく、体への影響が出やすい時期です。妊婦さんがソラニン・チャコニンを摂取すると、吐き気や腹痛などの消化器症状が強く出る場合があります。また、胎児への影響が完全には解明されていないため、極力リスクを避ける食生活が大切です。
【妊娠中のじゃがいも摂取で気をつけること】
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芽や皮は通常よりも深めに除去する
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緑色の皮や実が目立つ場合は思い切って破棄する
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加熱調理であっても、不安が残る部分は使わない
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お腹の調子が悪い時は、じゃがいも料理を避けるのも一つの選択
妊娠中でも適切に処理されたじゃがいもであれば、ビタミンCやカリウムが摂れる栄養源として有効です。無理に避ける必要はありませんが、「念には念を」が基本です。
✅ じゃがいもを安全に保存するコツ
じゃがいもは常備野菜として便利ですが、保存方法を間違えると芽が出たり緑色に変色したりして毒素が増える原因になります。以下のポイントを押さえて、安全でおいしく保存しましょう。
▶ 芽が出にくい保存方法とは?
じゃがいもの芽は、温度・光・湿度の条件が揃うと成長しやすくなります。芽を出にくくするには、以下のような保存環境を整えることが重要です。
【芽を防ぐ保存の基本】
-
冷暗所(10℃前後)で保存する
→ 直射日光や蛍光灯が当たる場所は避けましょう。 -
新聞紙や紙袋で包む
→ 光を遮断しつつ、通気性を確保できます。 -
湿気の少ない場所に置く
→ 湿気がこもるとカビや腐敗の原因になります。 -
りんごと一緒に保存する(意外な裏技)
→ りんごが放出するエチレンガスが、じゃがいもの発芽を抑える働きがあります。
※ただし、長期保存を想定している場合は、芽が出る前に早めに使い切るのが最も安全です。
▶ 冷蔵庫に入れてもいいの?NGな保存場所
「冷蔵庫に入れた方が日持ちするのでは?」と思われがちですが、実はじゃがいもは冷蔵庫保存には不向きな野菜です。
【冷蔵庫がNGな理由】
-
温度が低すぎる(5℃以下)とでんぷんが糖に変わる
→ 甘くなって味が変わるだけでなく、高温調理時に「アクリルアミド」という有害物質が発生しやすくなる。 -
水分が多い冷蔵庫内では、カビやすく傷みやすくなる。
【避けた方がいい保存場所】
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窓際やキッチンの照明の下(光が当たる場所)
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湿気がこもるシンク下
-
暖房器具の近くなど温度変化の大きい場所
▶ じゃがいも保存におすすめの場所は?
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通気性のあるかごや箱に入れ、新聞紙で覆う
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床下収納やパントリーなどの暗くて涼しい場所
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乾燥剤を入れて湿気対策をするのも有効
きちんと保存すれば、じゃがいもは2〜3週間ほど風味を保ちつつ、安全に使えます。特に夏場や梅雨時は早めに使い切るよう心がけましょう。
✅ 万が一、芽や緑の部分を食べてしまったら?
どんなに注意していても、芽や緑色のじゃがいもをうっかり調理してしまったり、食べてしまったりすることもあります。
そんなときは慌てず、体の反応にしっかり目を向けることが大切です。以下のチェックポイントや対処法を参考にしてください。
▶ 症状のチェックポイント
芽や緑色の部分に含まれる**「ソラニン」や「チャコニン」を摂取すると、早ければ食後数時間以内に体に異変が現れる**ことがあります。
【よく見られる中毒症状】
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吐き気・嘔吐
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下痢・腹痛
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頭痛・めまい
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口のしびれ、のどの痛み
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身体のだるさ、寒気、発熱
これらの症状は軽い食中毒と似ており、量や体質によっては数時間〜1日程度で自然に回復することもあります。ただし、子どもや高齢者は特に注意が必要です。
▶ すぐに受診すべきケースとは?
次のような症状がある場合は、自己判断せず、できるだけ早く医療機関を受診してください。
【受診が必要なサイン】
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何度も嘔吐や下痢を繰り返している
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強い腹痛やけいれんがある
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意識がぼんやりする、反応が鈍い
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高熱が続く、ぐったりしている
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子ども・妊婦・高齢者が症状を訴えている
医師には、「じゃがいもの芽や緑色の部分を食べた可能性がある」と明確に伝えることが大切です。
自宅での判断に迷った場合は、#7119(救急安心センター)などの相談窓口を活用するのもおすすめです。
▶ 念のための自己対処も
軽度の症状であれば、水分補給をして安静に過ごすことで回復する場合もあります。ただし、少しでも不安があれば、早めに相談・受診するのが安心です。
芽や緑のじゃがいもによる中毒は、「知っていれば防げる」ものです。
日頃からの正しい下処理と保存を心がけることで、食卓の安心につながります。
✅ まとめ|じゃがいもを安全においしく食べるために
じゃがいもは、私たちの食卓に欠かせない栄養豊富な食材ですが、芽や緑色に変色した部分には「ソラニン」「チャコニン」という有毒成分が含まれることを忘れてはいけません。
中毒を防ぐためには、以下のポイントを日常的に意識することが大切です。
🍽 安全に食べるための5つのチェックポイント
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芽は深く取り除き、皮もしっかりむく
→ 特に緑色に変色した部分は要注意! -
保存は冷暗所で、光や湿気を避ける
→ 芽の発生や毒素の増加を防ぎましょう。 -
冷蔵庫保存は避け、甘味やアクリルアミドのリスクにも注意
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子どもや妊婦は特に慎重に
→ 少量の毒素でも体への影響が大きくなる可能性あり。 -
万が一食べた場合は、症状をチェックし、必要ならすぐ受診を
🥔 おいしく食べるためにできる工夫も大切
・りんごと一緒に保存して発芽予防
・早めに使い切る工夫(メニュー計画や作り置き活用)
・皮つき調理をする際は、安全な状態のものだけを選ぶ
正しい知識とひと手間の下処理で、じゃがいもは安心して楽しめる万能食材です。
家族みんなで安全に、美味しくいただくために、ぜひ今日から意識してみてください。


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