休日がしんどいと感じる人の特徴と対処法｜“ちゃんと休めない”あなたへ

Posted on 2025年7月14日2025年10月13日

「せっかくの休日なのに、全然休めた気がしない」「休みの日ほど気分が沈む」――そんなふうに感じたことはありませんか？
本来リフレッシュのための休日が“しんどい日”になってしまうのは、心と体のバランスが崩れているサインかもしれません。

この記事では、「休日がしんどい」と感じる人の特徴や心理をひもときながら、心から休めるための具体的な対処法を紹介します。
「ちゃんと休める自分」になるヒントを、一緒に見つけていきましょう。

なぜ「休日がしんどい」と感じるのか？

平日は「忙しいからしんどい」と感じるのに、
休日になると「何もしていないのに疲れる」「なぜか気分が重い」と感じることはありませんか？
実はそれ、心がうまく休めていないサインかもしれません。
ここでは、休日がしんどく感じる3つの主な理由と、その対策を見ていきましょう。

体が休んでも“心が休まっていない”から

仕事や学校が休みの日でも、頭の中では常に「明日の予定」「やらなきゃいけないこと」を考えていませんか？
体はソファで休んでいても、脳はずっと“思考の働きっぱなし”状態。
この「頭の緊張」が続くと、心はリラックスできず、結果的に「休んだ気がしない」感覚になります。

🪷 対策ポイント

“何もしない時間”を意識的に作る。
　ぼーっと窓の外を眺めたり、音楽を聴いたりと、目的を持たない時間を5〜10分でも取るだけで、脳が休息モードに切り替わります。
「思考のメモ出し」で頭を軽くする。
　頭の中の“気になること”を紙に書き出すだけでも、心が整理され、リラックスしやすくなります。

「何かしなきゃ」と焦る“義務感の休日”

「せっかくの休みだから有意義に過ごさなきゃ」
「SNSでみんな楽しそうにしてるし、自分も何かしないと…」
そんな“休みの義務感”が心を締めつけ、かえって疲れを増やしてしまうことがあります。

本来、休みは「しなければならない日」ではなく、「何をしてもいい日」。
でも真面目な人ほど、“休むこと”さえタスク化してしまいがちです。

🪷 対策ポイント

「今日は何もしなくていい日」と宣言してみる。
　罪悪感を持たず、あえて“だらけること”を許可するだけで、心がふっと軽くなります。
“楽しいこと”より“落ち着くこと”を優先する。
　休日は刺激よりも安らぎを。
　人と会うより一人カフェで本を読む、映画を見るなど、エネルギーを使わない過ごし方も立派な休息です。

平日のストレスが、休みの日にどっと押し寄せる

平日は忙しさで気を張りつめているため、心の疲れに気づかないことがあります。
そして、ようやく休める休日に入ると、緊張の糸が切れて“後からどっと疲れが出る”のです。
この反動が、「休日なのに何もやる気が出ない」「気分が沈む」原因になることも。

🪷 対策ポイント

“静かな時間”を恐れずに受け入れる。
　疲れが出るのは、心がようやく安心できた証拠。何もしたくない日は、無理せず心の回復に専念しましょう。
平日に“小さなリセット時間”を取り入れる。
　通勤中や寝る前に深呼吸をしたり、好きな香りを嗅ぐなど、日々の中でこまめに緊張をほぐしておくと、休日の反動が減ります。

💬 まとめポイント

「休日がしんどい」と感じるのは、怠けではなく“心の疲れが表に出ているサイン”。
まずは「ちゃんと休めない自分」を責めずに、少しずつ“心の休み方”を練習していきましょう。

休日がしんどくなる人の特徴とは？

「休みなのに気が抜けない」「何となくソワソワしてしまう」
そんな人には、いくつかの共通する傾向があります。
ここでは、休日に“ちゃんと休めない人”によく見られる特徴と、
それぞれに合った心の整え方を紹介します。

責任感が強く、常に「頑張らなきゃ」と思っている

どんなときも「やるべきこと」を優先しがちなタイプです。
周囲からの期待に応えようと頑張る姿勢は素晴らしいですが、
休みの日まで気を張ってしまうと、心が休む隙を失ってしまいます。

「休む＝サボる」と感じてしまう人ほど、
本当は誰よりも頑張りすぎていることに気づく必要があります。

🪷 対策ポイント

“頑張らない練習”をしてみる。
　あえて「今日は何も成果を出さない日」と決めることで、心の緊張がほどけていきます。
「やらないリスト」を作る。
　やることリストよりも、「今日はこれをしない」と決めると、責任感のスイッチをオフにしやすくなります。

人に合わせすぎて、自分のペースを忘れがち

「誘われたら断れない」「相手の気分を気にしてばかり」──
そんな“人に優しすぎるタイプ”は、休みの日も他人軸で動いてしまいがち。
結果、心が満たされるどころか、余計に疲れてしまうことがあります。

休日は「誰かのために」ではなく、「自分のために」使っていい時間です。

🪷 対策ポイント

“予定を入れない勇気”を持つ。
　誘いを断る＝悪いことではありません。心が疲れている日は、“自分との約束”を最優先にしましょう。
「自分がどうしたいか？」を1日1回考える習慣を。
　小さなことでも、自分の意志で選ぶ練習を続けると、少しずつ自分軸を取り戻せます。

予定がないと不安になる「空白恐怖タイプ」

予定がびっしり詰まっていないと、「時間をムダにしてる」と焦ってしまうタイプです。
スケジュールを埋めることで安心する一方、
休みの日も“常に何かをしていないと落ち着かない”状態になりやすい傾向があります。

でも、空白は「ムダ」ではなく、心を回復させる余白。
何もない時間こそ、次の活力を生み出す土壌になります。

🪷 対策ポイント

予定を“半分”に減らしてみる。
　いつも3つ予定を入れているなら、まずは2つに。余白の時間に意外な安心感を覚えるはずです。
“何もしない”を予定に入れる。
　スケジュール帳に「13時〜15時：ぼーっとする」と書くだけでも、安心して休めます。

完璧主義で、“ちゃんと休む”ことにもプレッシャーを感じる

「せっかくの休みだから、リフレッシュしなきゃ」「有意義に過ごさなきゃ」と、
“理想の休日”に自分を縛ってしまうタイプです。
頭ではリラックスしたいと思っていても、
心の中では「これで本当に休めてるの？」とチェックしてしまう。
結果、常に緊張が抜けず、心が休まらない状態になります。

🪷 対策ポイント

「休み方に正解はない」と知る。
　寝て過ごしても、動画を見ても、それは立派な休息。目的を決めずに過ごす時間もOKです。
“満足”より“心地よさ”を目標にする。
　「充実した休日」にこだわるより、「なんか気分が軽いな」と感じられる過ごし方を大切に。

💬 まとめポイント

「休日がしんどい」と感じるのは、あなたが真面目で誠実だからこそ。
休むことに不器用な人ほど、心を守る力を育てる途中にいるだけです。
少しずつ“自分のリズムで休む練習”をしていけば、休日はきっとやさしい時間に変わっていきます。

心から休める休日をつくるヒント

「せっかくの休みなのに、心が落ち着かない」「気づいたらスマホを見て終わっていた」
そんな休日を繰り返していると、心の疲れはなかなか抜けません。

大切なのは、“うまく休む”ことではなく、心がほっとする時間を意識的につくること。
ここでは、心から休める休日をつくるためのヒントを紹介します。

「何もしない時間」を“意図的に作る”

現代人の多くは、「何かしていないと不安」になりがちです。
でも、何もしていない時間こそ、心と体が回復する貴重な時間。
実際に脳科学でも、ぼーっとしているときに“情報の整理”や“創造性の回復”が起こるといわれています。

🪷 対策ポイント

タイマーを使って“空白タイム”を確保する。
　5〜10分でもいいので、スマホを置き、静かな空間で何もせずに過ごしてみましょう。
「何もしない」を罪悪感なしで受け入れる。
　休むことは怠けではなく、“リセットの時間”。むしろ生きるための必要な行為です。

🌿「何もしていないようで、心はちゃんと働いている」
そう思えるようになると、休むことが上手になります。

SNSやスマホから少し離れてみる

SNSやスマホは、知らないうちに心のエネルギーを奪います。
他人の投稿に刺激を受けたり、比較して落ち込んだり――。
せっかくの休みも、画面越しの情報に追われていては、心が休まる暇がありません。

🪷 対策ポイント

“デジタルデトックス時間”を設ける。
　午前中だけでもスマホを手に取らない時間を作ると、思考が静まり、感覚が研ぎ澄まされていきます。
通知をオフにする勇気を持つ。
　「必要なときにだけ見る」と決めるだけでも、心の主導権が自分に戻ってきます。

📵 スマホから離れることで、“今この瞬間”を味わう力が自然と戻ってきます。

「心が喜ぶこと」を優先する

休日は「やるべきこと」ではなく、「やりたいこと」で埋めてみましょう。
ただし、“楽しそうなこと”よりも、“自分の心がほっとすること”を選ぶのがポイントです。

たとえば、
・お気に入りのカフェで静かに過ごす
・お気に入りの音楽を聴きながら散歩する
・部屋の窓を開けて、風を感じる

それだけでも、心の底に小さな安堵が広がります。

🪷 対策ポイント

「〜しなきゃ」より「〜したい」で選ぶ。
　「部屋を片づけなきゃ」ではなく、「スッキリした空間で過ごしたい」と考えるだけで、行動の質が変わります。
“心地よさ日記”をつける。
　その日に「少し気分が良くなったこと」を1つメモしておくと、自分に合った休み方が見えてきます。

休みの日の“理想の過ごし方”を手放してみる

「せっかくの休日だから○○しなきゃ」「もっと充実した過ごし方をしたい」
そんな“理想の休日像”が、かえって自分を苦しめてしまうことがあります。

休日は、「うまく過ごす日」ではなく、“その日の自分を受け入れる日”でOKです。
たとえ何もできなかったとしても、それは“必要な休息”の時間。

🪷 対策ポイント

「今日はこれでいい」と自分に言ってあげる。
　心の余裕は、完璧な過ごし方ではなく、“自己肯定”から生まれます。
その日の気分で予定を変えてもいい。
　朝起きて「外出する気分じゃない」と感じたら、計画を変えても問題ありません。
　休みの日にまで“完璧”を求めないで大丈夫です。

🌸「うまく休もう」と思うより、「自分を大切に過ごそう」と思うこと。
それが、本当の意味で心が休まる休日への第一歩です。

💬 まとめポイント

“いい休日”とは、外から見て充実している日ではなく、
自分の内側が穏やかに満たされている日のこと。
小さな余白をつくり、心の声を聴く時間を大切にしていきましょう。

それでも休めないときの対処法

「休み方を変えようと思っても、結局うまく休めない」
「休んでいるのに、気持ちが落ち着かない」
そんなときもあります。

心や体が長く緊張状態にあった人ほど、
“休むこと”そのものが難しく感じられるのは自然なことです。
ここでは、そんなあなたに試してほしい4つの対処法を紹介します。

小さな達成感を得る“軽い行動”から始めよう

「何もしないとソワソワする」「休むと罪悪感がある」──
そんなときは、“軽い行動”で心をほぐすのがおすすめです。
大きなことをしなくても、ほんの小さな動作が「自分は動けている」という安心感につながります。

🪷 対策ポイント

5分だけの家事やストレッチをする。
　掃除や洗濯を“完了させる”ことよりも、「少し動いた」という達成感を味わうことを目的に。
“1つだけ”今日できたことを見つける。
　「歯を磨けた」「外に出られた」「コーヒーをいれた」──それで十分。
　小さな成功を重ねることで、心が少しずつ休む余裕を取り戻していきます。

🌿 休むとは「止まること」だけでなく、「軽く動いて整えること」でもあります。

「休むこと＝怠け」ではないと理解する

真面目な人ほど、休むことに罪悪感を感じがちです。
でも、心も体も“充電”が切れたまま動き続けることのほうが危険です。
休むことは、未来のための“準備行動”です。

🪷 対策ポイント

「今は回復の時間」と自分に言い聞かせる。
　病気のときに体を休めるように、心が疲れたときも休養が必要です。
「休む＝次に動くためのエネルギー補給」と考える。
　自分を責めるより、「次に備えて充電してる」と思うだけで、心の重さが変わります。

💭 “怠けている”のではなく、“整えている”時間。
その意識の違いが、心をラクにしてくれます。

誰かに話を聞いてもらうだけでもOK

心が休めないときは、「誰かに話すこと」も大切なリセット方法です。
人は、“言葉にする”ことで感情を外に出し、少しずつ整理していける生き物。
アドバイスをもらう必要はありません。ただ話すだけで、心は軽くなります。

🪷 対策ポイント

信頼できる人に“今の気持ち”を伝える。
　「なんか疲れた」「理由は分からないけど休めない」など、ありのままでOK。
話す相手がいないときは、ノートに書く。
　文字にすることで、頭の中が整理され、“自分の本音”に気づきやすくなります。

☕ 心の疲れは、ひとりで抱え込むより“声に出す”ことで回復が早まります。

それは“サボり”ではなく“充電期間”だと受け止める

「何もする気が起きない」「動けない」──そんな日が続くと、自分を責めたくなりますよね。
でも、動けないのは怠けているからではなく、エネルギーが足りないから。
スマホも電池が切れたら動かないように、人間にも“充電期間”が必要です。

🪷 対策ポイント

「今は立ち止まる時期」と受け入れる。
　回復には波があります。焦らず“止まっている時間”を受け入れることが、次の前進につながります。
少し元気が戻ってきたら、“楽なこと”から再スタート。
　いきなり大きく動こうとせず、まずは「外の空気を吸う」「日光を浴びる」だけでもOK。

🌸 心の充電が満たされれば、また自然と動ける日が来ます。
無理に頑張らなくても、“そのとき”は必ずやってきます。

💬 まとめポイント

休めない自分を責める必要はありません。
あなたが感じている「しんどさ」は、心が“休み方を思い出そうとしている”サイン。
少しずつ、自分に合ったペースで、“ちゃんと休む力”を取り戻していきましょう。

まとめ｜“ちゃんと休む力”は、生きる力になる

「休日を上手に過ごすこと」は、決して怠けることではありません。
むしろ、心と体を整える“生きるためのスキル”です。

「何をするか」よりも、「どう休むか」。
この視点を持つだけで、休日の意味は大きく変わります。
SNSで流れてくる“理想の休日”に振り回されず、あなた自身のペースで休むことが何より大切です。

しんどいときは、何もせずに“ただ横になる”だけでもOK。
外に出られない日があっても、それは怠けではなく“回復の時間”です。

がむしゃらに頑張る力よりも、“ちゃんと休む力”を持つこと。
それこそが、これからを心穏やかに生き抜くための本当の強さです。

この記事を書いた人
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佐藤彩香（心理カウンセラー）｜ご支援はこちら

国家資格キャリアコンサルタント・メンタルヘルス・マネジメント®検定II種取得。企業での人材育成や新入社員研修の経験を経て、現在は心理カウンセラーとして個人・法人向けにカウンセリングや研修を行っています。働く人の「こころの健康」を守ることをミッションとし、職場のストレス、自己肯定感の低下、人間関係の悩みに寄り添いながら、年間300件以上の相談に対応。信頼される「話し方」や「聴き方」のプロとして、多くのメディアにも情報提供を行っています。「ひとりで抱え込まないで。一緒に考えることで、こころは軽くなる。」