食べるのが遅いのがコンプレックス…それって本当に悪いこと？メリットと対処法まとめ

Posted on 2025年7月13日

「また私だけ食べ終わってない…」「もっと早く食べられたらいいのに」
食べるスピードが遅いことに悩みを感じたことはありませんか？
職場のランチ、友人との食事、会食など、周囲のペースが気になって、つい自分を責めてしまう——そんな方も多いはずです。

でも実は、“食べるのが遅い”ことには、健康面・心理面の両方でメリットもあるんです。
この記事では、「食べるのが遅いのは悪いことなのか？」という視点から、悩みの背景・意外な利点・シーン別の対処法・改善のヒントまでを丁寧に解説。

自分のペースを大切にしながら、心地よく食事を楽しむヒントを一緒に見つけてみませんか？

食べるのが遅い…それって“悪いこと”なの？

「人より食べるのが遅くて申し訳ない」「急いで食べようとすると味がわからなくなる」――そんなふうに、食べるスピードの遅さをコンプレックスに感じている人は意外と多いもの。でも、食べる速さって本当に「良い・悪い」で決められることなのでしょうか？

ここではまず、なぜ私たちは“遅さ”に引け目を感じてしまうのか、そしてそれが本当に悪いことなのかを考えてみましょう。

コンプレックスを感じるきっかけとは？

食べるのが遅いことに引け目を感じるきっかけは、多くが周囲からの視線や言葉によるものです。

たとえば――

ランチで同僚がすでに食べ終えていて焦る
「遅いね」「まだ食べてるの？」と言われてしまう
合コンやデートで「気を使わせてしまってるかも」と不安になる

こうした場面で「自分のせいで場の流れを止めてしまっている」と感じると、徐々に「食べるのが遅い＝迷惑」「私はダメなのかも」と思い込んでしまうことがあります。

周囲と比べてしまう心理

食事のスピードは、人それぞれ体質や習慣に基づいて自然と身についたもの。それなのに私たちは、**「人より遅い＝劣っている」**と無意識に比較してしまいがちです。

この背景には、

「空気を読むことが大事」とされる文化
「早く食べる＝手際が良い、デキる人」というイメージ
など、日本特有の価値観も影響していると考えられます。

でも、他人と同じスピードで食べる必要はありません。**違っていいし、それが悪いわけでもない。**その前提を見直すだけで、ずっと気持ちが軽くなります。

「食べる速さ＝マナーや能力」ではない

「食べるのが遅いと、仕事も遅いと思われるかも…」という不安を抱えていませんか？
実際には、食事のスピードと人間性・能力には、明確な相関はありません。

むしろ、ゆっくり食べることは――

よく噛んで消化に良い
満腹感を得やすく、健康的
食事そのものを楽しめる

など、メリットもたくさんあります。
“マナー”とは「相手を不快にさせないこと」であって、「速さ」ではありません。自分のペースを大切にしながら、思いやりをもって食事をする。それが本当のマナーです。

食べるのが遅い人の“意外なメリット”とは？

食べるスピードが遅いことを「欠点」だと思っていませんか？
でも実は、健康面でも心理面でも、たくさんのメリットがあるのです。

ここでは、食べるのが遅い人だからこそ得られる“意外な利点”に注目してみましょう。

よく噛むことで消化にやさしい

食べるのが遅い人は、自然と一口一口をしっかり噛む傾向があります。
この「よく噛む」という行為は、消化器官にとってとても重要な働きをしてくれます。

食べ物が細かくなることで胃腸の負担が減る
唾液に含まれる酵素で、消化がスムーズに進む
胃もたれや便秘の予防にもつながる

早食いが「胃のトラブル」や「消化不良」の原因になりやすいのに対し、遅くてよく噛む食事習慣は、体にとってはむしろ理想的と言えるのです。

満腹感を得やすく、食べ過ぎ防止に

私たちの脳が「お腹いっぱい」と感じるまでには、食べ始めてから20分ほどかかると言われています。
つまり、早食いの人は満腹を感じる前に多く食べてしまいがちなのに対し、ゆっくり食べる人は、適量で満足しやすいのです。

これは、ダイエットや体型維持において大きなメリット。

食べ過ぎによる脂肪の蓄積を防げる
血糖値の急上昇も抑えられ、健康的
「食べたのにまだ足りない…」という不満が起こりにくい

“遅いからこそ痩せやすい体質を作れる”とも言えるのです。

食事をゆっくり楽しむ「心のゆとり」

食べる時間は、ただ栄養をとるだけの時間ではありません。
誰かと一緒なら会話を、ひとりなら味わいや香りを楽しむ、**「心を整える時間」**でもあります。

ゆっくり食べる人は――

一品ごとの味や食感をしっかり感じられる
忙しい日々の中でも、食事でリラックスできる
食を「義務」ではなく「楽しみ」として受け止められる

こうした姿勢は、**マインドフルネス（今この瞬間に意識を向ける）**にも通じるもの。
食事の時間を丁寧に過ごせることは、結果的にストレス軽減や心の安定にもつながっていきます。

でも、遅すぎて困る場面もある？｜シーン別の対処法

「食べるのが遅い＝悪いことではない」と頭ではわかっていても、実際の生活では気を遣ってしまう場面もありますよね。

ここでは、**具体的なシーン別に“ちょっとラクになるコツ”**をご紹介します。無理に自分を変えるのではなく、「少しの工夫」で乗り切る方法を見つけましょう。

会社のランチや会食で気を遣うとき

仕事関係の食事では「空気を読む」「周りに合わせる」ことが求められる場面が多く、特に食べるのが遅い人にとってはプレッシャーになりがちです。

対策のヒント：

食べやすく、早く食べ終えられるメニューを選ぶ（丼もの、サンドイッチなど）
話す時間を多めにとり、食べるペースをごまかす
周囲が食べ終わったら、「すみません、少し残しても大丈夫ですか？」と声をかけるのもOK

大切なのは「迷惑をかけないように」と過剰に自分を責めないこと。“TPOに応じた工夫”ができれば、それだけで十分です。

友人との食事で焦ってしまうとき

気心知れた友人との食事でも、「私のせいで待たせてるかも…」と焦ってしまうことってありますよね。そういうときこそ、会話を楽しむ方向に意識をシフトするのが効果的です。

対策のヒント：

「私いつも食べるの遅くてごめんね」と先にひと言添えておくと気がラクに
食事中も「これ美味しいね」など、話題を投げながら食べると時間を共有しやすい
友人が食べ終わっていても「先にコーヒー頼んでて」と自然に促すのも◎

相手も「気にしないよ」と言ってくれることが多いはず。素直な一言＋感謝の気持ちが、焦りをほぐす鍵になります。

「食べるの遅いね」と言われたときの返し方

たとえ悪気がないとしても、「食べるの遅いね」と言われるとちょっとモヤっとするもの。そんなときに備えて、**“気にしない＆笑顔で返せるフレーズ”**を持っておくと安心です。

返し方の例：

「味わいながら食べるのが好きでさ〜」
「よく噛む派なんだ。健康オタクだから（笑）」
「そのぶん満腹になりやすくて助かってるよ」

ユーモアを交えることで場の空気も和みますし、“それが自分のスタイル”として堂々としていれば、相手も深くツッコみません。

まとめ：気を遣いすぎず、自分のペースも大切に

食べるスピードが遅いことは、ほんの少しの配慮と工夫で人付き合いもスムーズになります。**大事なのは「自分を変えること」よりも、「自分のペースを受け入れた上で調整する力」**です。

誰かと食事を楽しむ時間が、自分にとっても心地よいものになるよう、無理のないやり方を見つけていきましょう。

食べる速さを少しだけ改善したいなら？

「今のままでも悪くはないけど、できればもう少しだけ早く食べられるようになりたい」
そんなふうに感じる方へ。無理なく、心地よいペースを目指すためのちょっとしたコツを紹介します。

大切なのは、**“自分を責める”のではなく、“習慣を少しだけ変える”こと。**自分に合った方法から、気軽に取り入れてみましょう。

一口の量を少し多めにしてみる

食べるのが遅くなる原因のひとつに、「一口が小さすぎる」ことがあります。無意識のうちに小さな量を口に運び、それをよく噛んでいると、当然時間はかかります。

改善のヒント：

ほんの少しでいいので、一口の量を増やしてみる
しっかり噛む習慣は残しつつ、口に運ぶ回数を減らすイメージで調整
汁物やサラダなど、スムーズに食べられる副菜を活用するのもおすすめ

「食べ方を変えよう」と意識するのではなく、“ちょっと大きめの一口”に慣れていくことで、自然とペースが上がります。

あらかじめ時間を意識して食べる

何も意識せずに食べていると、ついゆっくりモードになってしまいがち。そこで有効なのが、「今日は〇分以内に食べ終えよう」とざっくり目標を立てておくことです。

改善のヒント：

目標タイムをスマホのタイマーなどで設定しておく
実際の食事時間を測って、少しずつ短縮を目指すのも効果的
「時間内に食べなきゃ」ではなく、“ペースの確認”という気軽な意識でOK

時間を意識することで、食事への集中力が高まり、自然とスピードアップしやすくなります。

「早く食べなきゃ」より「ペースを整えよう」

焦って早く食べようとすると、緊張やストレスでうまくいかないどころか、味も楽しめず、食事が義務のように感じてしまうこともあります。

だからこそ、意識してほしいのは「早く食べる」ではなく、「ペースを整える」こと。

改善のヒント：

周囲のスピードに合わせるのではなく、“自分にとってのちょうどいい速さ”を見つける
「食べるスピードを上げたい日」と「ゆっくり味わいたい日」を分けてもOK
誰かと食べるときは「ちょっと意識して早めに食べよう」と軽く意識する程度で十分

“早く食べる”がゴールではなく、「周りに気を遣いすぎず、自分も無理せず食べられるバランス」を目指すことが、本当の意味での「食べ方の改善」なのです。

まとめ｜「遅い＝悪い」じゃない。自分らしいペースで食べよう

「食べるのが遅いこと」がコンプレックスになってしまうのは、まわりと比べたり、周囲の目を気にしたりする場面があるからかもしれません。
でも改めて見つめ直してみると、ゆっくり食べることにはたくさんのメリットや豊かさが隠れています。

ここで改めて、自分のペースを大切にする意味を再確認してみましょう。

食事は“競争”ではなく“時間を味わうこと”

食事は、本来「早く終わらせるもの」ではなく、自分の体と心を満たす大切な時間です。

食材の味をしっかり感じる
会話を楽しむ
自分の健康をいたわる

こうした一つひとつの“丁寧な時間”は、速さではなく「質」が大事。
他人のスピードに合わせることよりも、「今、自分が何を感じて、どう味わっているか」を大切にするほうが、本来の食事のあり方に近いのではないでしょうか。

コンプレックスを強みに変える考え方を

「食べるのが遅い＝悪いこと」だと思い込んでいたとしても、それは視点を変えることで**“個性”にも“魅力”にもなる要素**です。

たとえば――

一緒に食べる人の話をよく聞ける
食を丁寧に扱える
健康的な食習慣が身についている

そんなあなたの姿勢は、きっと誰かにとって「見習いたい」「素敵だな」と思われているはず。
コンプレックスをなくすのではなく、「そのままでも大丈夫」「そこに価値がある」と思えることが、何よりの対策になります。

🌿 最後に

「速く食べられる人＝正解」ではありません。
あなたがあなたらしく、心地よく食事ができること。それが一番大切なことです。

焦らず、比べず、ちょっとずつ。
“自分のペースで生きる”練習は、食事から始めてみましょう。

この記事を書いた人
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佐藤彩香（心理カウンセラー）｜ご支援はこちら

国家資格キャリアコンサルタント・メンタルヘルス・マネジメント®検定II種取得。企業での人材育成や新入社員研修の経験を経て、現在は心理カウンセラーとして個人・法人向けにカウンセリングや研修を行っています。働く人の「こころの健康」を守ることをミッションとし、職場のストレス、自己肯定感の低下、人間関係の悩みに寄り添いながら、年間300件以上の相談に対応。信頼される「話し方」や「聴き方」のプロとして、多くのメディアにも情報提供を行っています。「ひとりで抱え込まないで。一緒に考えることで、こころは軽くなる。」