食べるのが遅いのは悪いこと？｜遅い人の特徴・メリット・改善方法をわかりやすく解説

Posted on 2025年7月13日2025年10月12日

「私、食べるのが遅いかも…」「一緒に食べると気をつかわせてるかな？」
そんなふうに、“食べるスピード”を気にしたことはありませんか？
食べるのが遅い人は、マイペースで丁寧な性格の持ち主が多く、実はその特性には心と体に良い面もたくさんあります。

この記事では、「食べるのが遅いのは悪いことなのか？」という疑問に答えながら、
遅い人に見られる特徴やメリット、そして「遅すぎて困る」ときの上手な改善方法までをわかりやすく解説します。
あなたの“食べるペース”が、じつは心のバランスを映す鏡かもしれません。

食べるのが遅い…それって“悪いこと”なの？

なぜ「遅い」と気になるの？｜周りと比べてしまう心理

「まだ食べてるの？」
そう言われた経験がある人は多いのではないでしょうか。
自分では普通のペースで食べているつもりでも、周りが早く食べ終わると「自分が遅いのかな…」と気になってしまうものです。

私たちは無意識のうちに「多数派＝正しい」と思い込みがち。
食べる速さも例外ではなく、“みんなに合わせなきゃ”という同調圧力が、コンプレックスにつながりやすいのです。

でも、食べるペースはその人の体質・性格・咀嚼の癖などに大きく左右されます。
早い人もいれば、ゆっくり味わう人もいる。
それは「個性のひとつ」であり、「欠点」ではありません。

「早く食べる＝良いこと」という思い込み

社会では「時間を効率よく使う」ことが評価されるため、
「早く食べられる＝テキパキしている」「遅い＝要領が悪い」といった印象が根づきやすい傾向があります。

しかし、食事の速さ＝能力や性格の良し悪しではありません。
むしろ、早く食べることで「満腹を感じる前に食べすぎてしまう」「消化に負担がかかる」など、健康面のリスクもあるのです。

ゆっくり食べることは、
・血糖値の急上昇を防ぐ
・消化を助ける
・味をしっかり感じる
といった“体にやさしい行動”。

「早い＝良い」「遅い＝悪い」という考えは、手放していいのです。

実は“食べる速さ”に正解はない

「ちょうどいい速さ」なんて、本当は誰にも決められません。
同じ料理でも、会話を楽しみながら食べたい人もいれば、静かに味わいたい人もいる。
その日の体調や気分でも、食べる速さは変わります。

つまり、食べる速さは“その人にとっての自然なリズム”。
遅くても早くても、「あなたが心地よく食べられること」がいちばん大切です。

他人のペースに合わせるよりも、
「今、ちゃんと味わえているかな」
「体が心地いいペースかな」
と、自分の感覚に目を向けてみてください。

その瞬間から、“食べる”が少しやさしい時間に変わります。

食べるのが遅い人の“意外なメリット”とは？

「遅いのが恥ずかしい」と思っていた食べ方が、
実は体にも心にもいいことだった——。
そんな“うれしい真実”を知ると、きっと気持ちが少し軽くなります。

よく噛むことで消化が良くなる

食べるのが遅い人の多くは、自然と「よく噛む」傾向があります。
よく噛むことで唾液の分泌が増え、食べ物を細かく分解しやすくなるため、胃や腸への負担が軽くなります。

実際、“噛む回数が多い人ほど消化がスムーズ”という研究結果もあります。
消化不良や胃もたれを起こしにくく、食後も体が軽く感じやすいのが特徴です。

「ゆっくり食べる＝体を思いやる行動」なんです。

満腹感を感じやすく、食べすぎ防止につながる

人の脳が「お腹がいっぱい」と感じるまでには、食べ始めてから約20分ほどかかるといわれています。
つまり、食べるスピードが遅いほど、満腹サインをしっかり受け取れるということ。

早食いの人は、満腹を感じる前にどんどん食べてしまいがちですが、
ゆっくり食べる人は自然と“食べすぎ防止”になります。

「ダイエット中でもストレスなく食事を楽しめる」——
これも、食べるのが遅い人ならではの大きなメリットです。

丁寧に食事を味わえる＝「マインドフルイーティング」の効果

マインドフルイーティングとは、“今この瞬間の食事を丁寧に味わう”という考え方。
食べるのが遅い人は、自然とその実践ができています。

・ひと口ずつ味や食感を感じる
・食材の香りや温度に気づく
・「おいしいな」と心で感じる

こうした食べ方は、心を落ち着かせ、ストレスの軽減にもつながります。
つまり、“食べる時間が癒しの時間になる”のです。

落ち着いた印象を与える人も多い

ゆっくり食べる人は、余裕があって丁寧な人という印象を与えます。
会食やデートでも、バタバタ食べるよりも「穏やかに食べる」ほうが安心感を与えることが多いもの。

「一緒にいると落ち着く」「丁寧な人だな」と好感を持たれやすいのも、実は食べるペースの影響です。

スピードではなく、“落ち着き”や“品の良さ”を感じさせる食べ方こそ、大人の魅力につながります。

でも、遅すぎて困る場面もある？｜シーン別の対処法

「自分のペースで食べたいけど、場の空気も大事にしたい」
——そんなふうに思うシーン、ありますよね。

食べるのが遅いこと自体は悪くないけれど、
「相手を待たせてしまう」「空気を読まなきゃ」と感じる場面では、少し工夫をしてみましょう。

会社や友人との食事で焦ってしまうとき

ランチタイムなどの短い食事時間では、「みんな食べ終わってる…！」と焦る瞬間があります。
そんなときは、“食べる順番”と“一言のフォロー”で印象が変わります。

✅ 対処法のコツ

食べやすいものから先に食べる
　→ サラダやスープなど時間がかかるものは後回しに。メインを先に食べるとペースが合いやすくなります。
「ちょっと食べるの遅くて、ごめんね」と軽く伝える
　→ 一言添えるだけで、相手は「気にしてるんだな」と理解してくれます。

焦るよりも、“少し工夫してスマートに対応する”意識でOKです。

恋人とのデートで「遅いね」と言われたとき

デート中にそう言われると、少しショックですよね。
でも、「遅い＝悪い」ではなく、**“あなたが丁寧に味わっている”**という証拠。

ただ、相手のテンポとズレていることで気まずくなる場合もあります。

✅ 対処法のコツ

「おいしくてゆっくり味わってた」と笑顔で伝える
　→ 否定ではなく、ポジティブに受け止めてもらえる言い方です。
会話を楽しみながら少しペースを上げる
　→ 無理をせず、“会話の流れ”で自然に食べ進めると好印象。

ゆっくり食べるあなたを「丁寧な人だな」と思ってもらえるよう、
笑顔と余裕を持つことが一番のポイントです。

子どもの頃からの“クセ”が抜けない場合の考え方

「昔から遅いって言われてきたけど、直らない…」
そんな人もいるでしょう。
これは単なるクセではなく、**性格や体質に合った“自然なリズム”**であることが多いです。

焦って無理に速くしようとすると、
・消化が悪くなる
・食事が苦痛になる
といった逆効果になることも。

✅ 見直しポイント

“なぜ速くしたいのか”を一度立ち止まって考える
　→ 「人に迷惑をかけたくない」なら、場面ごとの工夫で十分。
“全部を変えよう”とせず、“シーン別に使い分ける”
　→ 一人のときはゆっくり、外食では少しテンポアップ。

大切なのは、「直す」より「使い分ける」意識。
あなたの自然なリズムを大切にしながら、状況に合わせる柔軟さを身につけていけば十分です。

食べる速さを少しだけ改善したいなら？

「もっと早く食べなきゃ」と焦る必要はありません。
でも、外食や仕事の昼休みなど、「もう少しテンポを上げたい」と感じる場面もありますよね。

そんなときは、“無理なく自然にスピードを整える”コツを取り入れてみましょう。
体にも心にもやさしく、ストレスを感じずにできる工夫です。

ひと口の量を少し減らしてみる

食べるのが遅い人は、ひと口の量が大きく、よく噛むタイプが多いです。
そこで、「ひと口の量をほんの少し減らす」だけで、自然と食べ進みやすくなります。

小さめのスプーンやフォークを使ったり、箸で取る量を意識するのもおすすめ。
食べやすくなるうえに、咀嚼のリズムが整いやすくなります。

無理に“早く噛もう”とするより、“一口を軽くしてテンポを整える”ほうが心身にやさしい方法です。

話す時間と食べる時間をバランスよく取る

特に人と食事をするときは、
「話してばかりで食べ進まない」「逆に、黙って食べてしまう」など、リズムのズレが起こりやすいもの。

そんなときは、“会話の区切りでひと口”を意識してみてください。

たとえば、

相手が話している間に少し食べ進める
相手が食べている間に軽く返事をする

といった会話と食事のバランス調整で、自然にペースが整います。

「会話も食事も楽しむ」意識を持つだけで、焦らずにテンポを上げられます。

時間を気にしすぎず、“5分短く”を目安にしてみよう

「食べるのを早くしたい」と思うと、つい時計ばかり見てしまい、
かえって緊張してペースが乱れることがあります。

そんなときは、“5分短く”を目安にしてみましょう。
たとえば普段30分かけて食べているなら、25分を目指すくらいでOK。

細かく時間を計るよりも、
「今日は少しテンポよく食べてみよう」
くらいの軽い気持ちで十分です。

続けるうちに、無理のない自分らしいスピードが自然と身についていきます。

💬 まとめのポイント
食べる速さを変える目的は「周りに合わせるため」ではなく、
「自分が心地よく過ごすため」。
無理に早くしようとせず、“少し意識を変えるだけ”で、ペースは自然に整っていきます。

まとめ｜「遅い＝悪い」じゃない。自分らしいペースで食べよう

「早く食べなきゃ」「また遅いって思われたかも」
そんなふうに焦っていた時間も、
本当はあなたが“ていねいに生きている”証なのかもしれません。

食べる速さに正解はありません。
大切なのは、“誰かのペース”ではなく“自分のペース”で生きること。
その姿勢こそが、心と体の健康につながります。

速さより“心の余裕”を大切に

食事は、体を満たすだけでなく、心を整える時間でもあります。
どんなに時間がなくても、焦って飲み込むように食べるより、
「今この瞬間を味わう」意識を持つことが何より大切です。

ゆっくり噛んで、味を感じて、心を落ち着かせる。
その小さな積み重ねが、“心の余裕”を育ててくれます。

たとえ周りより遅くても、
その分、あなたは“自分の時間”をちゃんと味わえているのです。

自分のペースで食べることは、体と心を守ること

早食いは、消化不良や食べすぎにつながりやすく、
結果的に体へ負担をかけてしまうこともあります。

一方で、自分のペースで食べることは、
・胃腸への負担を減らす
・満腹を感じやすくなる
・ストレスをためにくくなる
といった“体と心を守る行為”でもあります。

だからこそ、
「自分は食べるのが遅い」と責める必要なんてありません。

あなたの“ゆっくり”は、
あなたの体が、あなたを大切にしているサインです。

💬 ラストメッセージ
食べるペースは、性格でも、能力でもなく、その人らしさ。
速さを競うのではなく、
「自分が心地よい食事のリズム」を見つけていければ、それがいちばんの正解です。

豆知識とコラム

食べるスピードでわかる“あなたの性格傾向”

実は、「食べるスピード」にはその人の性格や心理傾向が表れやすいと言われています。
例えば──

早食いタイプ：行動的で決断が早く、効率を重視する一方、ストレスを抱え込みやすい傾向があります。
ゆっくり食べるタイプ：マイペースで周囲に流されにくく、穏やかで安定志向。ただし、慎重すぎてチャンスを逃すことも。
人に合わせるタイプ：協調性が高く、空気を読むのが上手ですが、自分のペースを犠牲にしがちです。

「食事のペース」は、あなたの“生き方のリズム”そのもの。
無理に変える必要はありませんが、「なぜ自分は早く（遅く）食べるのか？」と一度見つめ直してみると、
心のコンディションや日常のストレスに気づくヒントになります。

世界では「ゆっくり食べる」がマナーの国もある

日本では「早く食べる＝仕事ができる」「時間を大切にしている」という印象を持たれることもありますが、
世界に目を向けると、“ゆっくり食べること”が礼儀とされている国も多くあります。

たとえば──

フランスやイタリアでは、食事は「社交の時間」。1〜2時間かけて食事を楽しむのが一般的です。
スペインでは、昼食が1日のメインで、午後のシエスタ（昼休み）とセットでゆっくり過ごす文化があります。
インドやタイでも、「食事を味わうこと＝人生を味わうこと」とされ、急いで食べるのは失礼とされる場面も。

国によって食べるスピードの“常識”は違うもの。
「ゆっくり食べる」という行為には、自分と向き合い、今この瞬間を味わうマインドフルな価値があるのです。

「早食い」は肥満や糖尿病リスクにもつながる？

「時間がないからつい早食いしてしまう」という人も多いかもしれません。
しかし、早食いは健康面でもデメリットが多いことが分かっています。

主なリスクとしては──

満腹感を感じるまでに時間がかかるため、食べ過ぎやすい
血糖値が急上昇し、肥満・糖尿病リスクが高まる
よく噛まないことで、胃腸への負担が増える

特に、早食いはインスリンの働きを乱し、内臓脂肪をため込みやすくすると報告されています。
対策としては、

一口ごとに箸を置く
よく噛む（目安は20〜30回）
食事時間を15〜20分は確保する

といった“少しの工夫”でも、体への負担は大きく減らせます。
「ゆっくり食べる」は、ダイエットにも美容にも効く“最高の習慣”なのです。

この記事を書いた人
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佐藤彩香（心理カウンセラー）｜ご支援はこちら

国家資格キャリアコンサルタント・メンタルヘルス・マネジメント®検定II種取得。企業での人材育成や新入社員研修の経験を経て、現在は心理カウンセラーとして個人・法人向けにカウンセリングや研修を行っています。働く人の「こころの健康」を守ることをミッションとし、職場のストレス、自己肯定感の低下、人間関係の悩みに寄り添いながら、年間300件以上の相談に対応。信頼される「話し方」や「聴き方」のプロとして、多くのメディアにも情報提供を行っています。「ひとりで抱え込まないで。一緒に考えることで、こころは軽くなる。」