残り湯でシャンプーしても大丈夫?知らないと危険な衛生面と5つの注意点
水道代や光熱費の節約、そして環境への配慮から、お風呂の残り湯を活用する人が増えています。洗濯や掃除に使うのはもちろん、「シャンプーにも使えたらもっとエコなのでは?」と考える方もいるのではないでしょうか。
しかし、残り湯で髪を洗うのは本当に衛生的に大丈夫なのでしょうか?
一見キレイに見えるお風呂の残り湯にも、実は目に見えない雑菌や汚れが潜んでいる可能性があります。
この記事では、
・残り湯でシャンプーするのはアリかナシか?
・衛生面でのリスクとは?
・どうしても使いたい場合の注意点は?
などをわかりやすく解説します。正しい知識を持って、安全・安心なヘアケアと節水を両立させましょう。
残り湯でシャンプーするのはアリ?ナシ?
結論から言うと、残り湯でのシャンプーは基本的におすすめできません。
なぜなら、お風呂の残り湯には皮脂汚れ・汗・雑菌などが含まれており、頭皮や髪に悪影響を与える可能性があるからです。
ただし、状況によっては「絶対にNG」というわけではありません。
たとえば、以下のような条件を満たせば、一時的な使用は可能です。
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当日中に使う(翌日以降は雑菌が急増する)
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入浴直後に清潔な状態でくみ取ったお湯である
-
シャンプーのすすぎだけは水道水を使う
これらを守れば、どうしても水道代を抑えたい時の「一時的な選択肢」として使うことはできます。
しかし長期的に見ると、残り湯を使うことで頭皮環境が悪化したり、フケ・かゆみ・臭いの原因になるリスクも。髪の健康や清潔さを考えるなら、やはりシャワーの使用がベストです。
残り湯にはどんな雑菌が含まれているの?
一見きれいに見えるお風呂の残り湯ですが、入浴後の湯には目に見えない雑菌が多数存在しています。しかも、放置する時間が長くなるほど菌の数は急増。特に気温や湿度が高い季節は、数時間で菌が爆発的に増殖することもあります。
代表的な雑菌としては、以下のようなものが知られています。
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レジオネラ菌
→ 高温多湿な環境を好み、肺炎や呼吸器感染症の原因になることもある危険な菌。入浴施設の感染源としても知られています。 -
大腸菌群
→ 肛門まわりや皮膚から流れ出た菌。残り湯の水質悪化に大きく関与しており、肌トラブルや感染症のリスクを高めます。 -
ブドウ球菌や緑膿菌
→ 皮膚や傷口に感染するケースもあり、免疫が弱い子どもや高齢者には特に注意が必要です。
これらの菌は、たとえお湯が透明でも存在している可能性があります。つまり、「見た目がキレイだから大丈夫」とは言えないということです。
シャンプー時にこうした雑菌が頭皮に触れることで、かゆみ・赤み・ふけ・臭いの原因になるリスクがあり、敏感肌の人は特に注意が必要です。
衛生面でのリスクとは?
残り湯をシャンプーに使うことで、さまざまな衛生トラブルが起こるリスクがあります。特に頭皮はデリケートなため、不衛生な水との相性は非常に悪いのです。
■ 頭皮のかゆみ・炎症・臭いの原因に
残り湯に含まれる雑菌が頭皮に付着すると、かゆみや赤み、吹き出物などの炎症が起きやすくなります。また、皮脂や汗と混ざることで頭皮の嫌な臭いの原因にも。洗っているつもりでも、雑菌をすり込んでいる状態になることもあるため注意が必要です。
■ 髪がパサつく・きしむ原因にも
残り湯には皮脂汚れや石けんカス、シャンプー成分の残りなどが含まれており、水質が悪化していることが多いです。こうした不純物が髪に残ると、髪のキューティクルが傷つきやすくなり、パサつきやきしみの原因になります。
また、残り湯は水道水に比べてpHバランスが乱れていることも多く、髪の毛の健康を損なう要因になります。
■ 小さな子どもや高齢者は特に注意
免疫力が弱い乳幼児や高齢者は、雑菌による影響を受けやすいため、残り湯の使用は避けたほうが安心です。とくにアトピー性皮膚炎や敏感肌の人にとっては、トラブルを引き起こすリスクが高いと言えます。
残り湯を使うことで「洗えているつもり」でも、実は頭皮や髪にとってはダメージの原因になっている可能性があります。トラブルを未然に防ぐためにも、衛生面のリスクをしっかり理解しておきましょう。
どうしても使いたいときの注意点5つ
残り湯でのシャンプーは基本的におすすめできませんが、節水の事情などで「どうしても使いたい」場面もあるかもしれません。そんなときは、以下の5つのポイントを必ず守るようにしましょう。
① 当日の残り湯だけを使う(翌日以降はNG)
残り湯に含まれる雑菌は、時間の経過とともに爆発的に増殖します。翌日以降のお湯は見た目がきれいでも衛生的とは言えません。使用するのは「その日の入浴後すぐの残り湯」に限定しましょう。
② 入浴直後の清潔なタイミングで汲み取る
入浴後の浴槽内には、家族全員の皮脂や汗、垢などが溶け込んでいます。特に最後に入浴した人の直後にお湯を汲み取ることで、汚れが最小限の状態で保存できます。入浴から時間を空けず、すぐにバケツや風呂ポンプで取り出すのがベストです。
③ お湯の温度が下がらないうちに使う
ぬるくなったお湯は、雑菌が繁殖しやすい温度帯です。できるだけ温かいうちに使用し、時間の経過による菌の増加を防ぎましょう。冬場は特に冷えやすいので注意が必要です。
④ すすぎは必ず清潔な水道水で行う
シャンプーやコンディショナーを残り湯で洗い流すと、汚れを再び髪や頭皮に付着させるリスクがあります。洗い流しに使う水は必ず水道水を使用し、しっかりすすぐことで雑菌や残留成分を除去しましょう。
⑤ 毎日は使わず、頻度を抑える
たとえ条件を守っていたとしても、残り湯の使用は非常時や週1回程度の「例外的な対応」にとどめるのが安心です。髪や頭皮のコンディションを見ながら、無理のない範囲で取り入れることが大切です。
以上の5つのポイントを守ることで、残り湯によるリスクを最小限に抑えながら節水にも配慮できます。ただし、あくまで「応急的な対処」として考え、基本は清潔な水道水での洗髪がベストという意識を持ちましょう。
残り湯を使うなら、洗髪より○○がおすすめ
お風呂の残り湯を有効活用したいなら、シャンプーなどの直接肌に触れる用途より、間接的な活用方法がおすすめです。衛生リスクを避けつつ、節水にもつながる「ちょうどいい使い道」をご紹介します。
■ 洗濯に使うのが最もポピュラー
洗濯の「洗い工程」に残り湯を使うのは、多くの家庭で実践されている節水法です。特に泥汚れや汗のついた衣類など、汚れがひどい洗濯物は残り湯で下洗いするのが◎。
※すすぎには必ず水道水を使いましょう。雑菌を残さないためにも清潔な水で仕上げるのが基本です。
■ 床掃除・トイレ掃除にも活用できる
バケツにくんでモップがけに使ったり、トイレの床や便器掃除にも利用可能です。汚れを落とす用途であれば、多少の雑菌は問題になりにくいため、衛生的にも安心して使えます。
■ 庭やベランダの水まきにも
ベランダ掃除や庭の打ち水など、「直接肌に触れない場所」に使うのもおすすめ。夏場の暑さ対策やほこりの飛散防止にもなります。植物に使う場合は、洗剤や石けん成分が入っていない清潔な残り湯に限りましょう。
衛生と節水、どちらも大切にするために
残り湯は「使い方次第」でとても役立つ存在になりますが、用途によっては衛生面に十分注意が必要です。特に髪や肌に直接触れる使い方はリスクが高いため、
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洗濯の「洗い」まで
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掃除・雑巾がけ・打ち水などの間接利用
といった使い方がベター。節水と衛生のバランスをとることで、安心してエコな暮らしを実現できます。
清潔を保ちつつエコな生活を目指すには
お風呂の残り湯を使えばたしかに節水にはなりますが、衛生面のリスクを考えると、必ずしも無理に活用する必要はありません。実は、もっと清潔に、もっと手軽にできる節水方法はたくさんあります。
■ 無理に残り湯を使わなくてもできる節水方法
以下のような工夫で、残り湯に頼らずに水道代をカットすることが可能です。
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シャワー時間を1〜2分短くする
→ これだけで1回あたり10〜20リットルの節水に。 -
洗顔・歯みがき時はこまめに水を止める
→ 蛇口を出しっぱなしにしない習慣づけが効果的。 -
食器洗いは「ため洗い」を基本にする
→ 洗い桶を使えば、洗剤の使いすぎ防止にもなります。
■ 節水シャワーヘッドの導入はコスパ抜群
節水効果を高めたいなら、節水シャワーヘッドの導入は非常におすすめです。
最近では、少ない水量でもしっかり洗える高性能モデルが増えており、最大で50%以上の水道使用量をカットできる製品も。
取りつけも簡単で、賃貸住宅でもOKなタイプがほとんどです。初期費用は数千円ほどですが、数ヶ月で元が取れるケースも多いため、長い目で見ると非常に経済的です。
■ シャンプーやケアアイテムの見直しも効果的
意外と見落とされがちなのが、「すすぎが早く済むシャンプーやトリートメント」の選択です。泡切れが良いアイテムや、1回の使用量が少なくて済むものを選ぶことで、洗い流す水の量が自然と減らせます。
また、**頭皮クレンジングや湯シャン(お湯のみで洗う方法)**を週に1回取り入れるのも、節水&髪にやさしいケア方法として注目されています。
まとめ:ムリのない節水で、清潔もエコも両立しよう
節水は大切ですが、「清潔を犠牲にしてまで行う節水」は本末転倒。無理なく続けられる方法で、日々の生活の中に小さなエコ習慣を取り入れることが、長続きするコツです。
残り湯に頼らずとも、工夫次第で「清潔×エコ」な暮らしは実現可能。まずはできることから、気持ちよく始めてみましょう。
まとめ:残り湯でのシャンプーは慎重に。清潔さとエコを両立しよう
お風呂の残り湯をシャンプーに使うことは、「節水になるなら…」と一度は考えたことがあるかもしれません。しかし、実際には雑菌や不純物が多く含まれており、頭皮や髪へのリスクが高いため、基本的にはおすすめできません。
とはいえ、どうしても使用したい場合は、以下のポイントを徹底しましょう。
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当日の入浴直後のお湯だけを使う
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すすぎは必ず水道水で行う
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毎日使わず、使用頻度を抑える
こうした工夫によって、ある程度リスクを下げることは可能です。ただし、それでも完全に安心とは言い切れないため、できるだけ洗濯や掃除などの間接的な用途に活用する方が安全で現実的です。
また、節水を意識するなら、節水シャワーヘッドの導入や、泡切れの良いシャンプーの使用など、無理のない方法を取り入れるのが◎。日常の中でできる小さな習慣こそが、「清潔さ」と「エコ生活」の両立への第一歩です。
「残り湯=節約」ではなく、「清潔を保ちつつ上手に活用する」ことが本当に大切なポイント。
賢く選び、ムリのないエコ習慣を始めていきましょう。


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