予定があるだけで疲れる日は、「がんばらない自分」をゆるす日にしよう|心が軽くなる過ごし方
朝、カレンダーを見て「今日は予定がある」と思っただけで、なぜか心がずしんと重くなる――。
人と会う約束や、外出の予定は本来“楽しいこと”のはずなのに、どうしてか気が乗らない日もありますよね。
そんな日は、「自分が怠けているのかも」「みんなは平気なのに」と責めてしまいがちですが、それは心と体が“少し休みたい”というサインです。
この記事では、「予定があるだけで疲れてしまう」日の心理的・身体的な背景と、そんな日に自分をゆるめる過ごし方をやさしく解説します。
がんばれない日も、あなたがダメなわけではありません。今日は“がんばらない自分”をゆるす日として、心を少し軽くしていきましょう。
「予定がある」だけでしんどくなるのは、おかしいことじゃない
「たったひとつ予定が入っているだけなのに、気持ちが重い」
「約束が近づくにつれて、なんとなく憂うつになる」
そんな自分に「なんでこんなことで疲れるの?」と、責めたくなる日もあるかもしれません。
でも、それは決しておかしいことではありません。
予定があるというだけで、人は“心のエネルギー”を使います。
それは「相手に気をつかう」「時間に合わせて動く」「その日までの準備を考える」など、
小さなストレスがいくつも積み重なるからです。
つまり、あなたが感じている“しんどさ”は、ちゃんと頑張っている証拠。
「予定を負担に感じる=弱い」ではなく、
それだけ自分や他人に誠実で、真面目に生きているというサインなのです。
人との予定・外出・会話……“小さなこと”でも心はエネルギーを使う
人と会うこと、出かけること、会話をすること。
それらはどれも、一見“日常のこと”に見えますが、
心の中ではたくさんのエネルギーを消費しています。
たとえば──
-
相手の気分に合わせようとする
-
話題を考えながら話す
-
慣れない場所に出向く
こうした行動の一つひとつが、無意識のうちに「集中力」「気配り」「緊張感」を使っているのです。
特に、普段から人に気をつかうタイプの人や、真面目で責任感の強い人ほど、
予定が入るたびに「心のエネルギータンク」がどんどん減ってしまいます。
だから、予定があるだけでしんどく感じるのは自然なこと。
“元気な日もあれば、エネルギーが少ない日もある”──
そんな波があるのが人間として当たり前なんです。
“楽しみな予定”でも疲れるのは、「期待と緊張」が同時に起こるから
「楽しみなはずの予定なのに、なぜか気持ちが重い」
そう感じたことがある人も多いでしょう。
実は、「楽しみ」も「ストレス」も、どちらも“刺激”として脳に働くため、
ワクワクと同時に、体は緊張状態になります。
たとえば、好きな友人と会う約束があっても、
「うまく話せるかな」「相手にどう思われるかな」と、
心の奥では少しだけ不安が顔を出します。
“楽しみ+不安”という二つの感情が混ざると、
心も体もエネルギーを多く使い、結果的にどっと疲れてしまうのです。
だから、「楽しいはずなのに疲れた」と感じたら、
「それだけ心を動かして過ごしたんだな」と受けとめてあげてください。
疲れるのは、ちゃんとその時間を大切にしていた証拠なんです。
予定を“重たく感じる日”の心と体には、こんな背景がある
「昨日までは平気だったのに、今日は予定がしんどく感じる」
そんな波があると、「気分屋なのかな」「自分ってだめだな」と感じてしまう人もいるかもしれません。
でも、予定を“重たく感じる日”には、
心や体のコンディションがちゃんと関係しています。
やる気が出ない、動くのが億劫になる――それは怠けではなく、
「今はエネルギーを節約したい」という自然な防衛反応なのです。
気力のタンクが減っていると、「予定=負担」に感じやすい
人の心には、目には見えない「気力のタンク」があります。
仕事や人づき合い、家事、SNSなど……
日々の中で少しずつエネルギーを使いながら、私たちは生きています。
このタンクが満たされているときは、予定があっても「よし、行こう」と思える。
でも、エネルギーが減っているときには、
たったひとつの予定でも“重り”のように感じてしまうのです。
そんな日は、無理に気合を入れるよりも、
「今日はタンクが減っているから、静かに過ごそう」と受けとめてあげること。
自分を責めずに“省エネモード”で動くことが、結果的に心を守る行動になります。
「ちゃんとしなきゃ」という無意識のプレッシャー
予定があるだけで疲れてしまう人の多くは、
「迷惑をかけたくない」「ちゃんとしなきゃ」と、
いつも心の奥でプレッシャーを抱えていることがあります。
たとえ小さな用事でも、
「時間通りに行かないと」「楽しませなきゃ」「元気にしていなきゃ」といった
“見えない義務感”が、自分の中に積み重なっていくのです。
本来、予定は「こなすもの」ではなく、「関わる時間」。
すべてを完璧にこなす必要はありません。
少し力を抜いて、「今日の私は、このくらいで十分」と思えるだけで、
心の余白が戻ってきます。
予定を軽く感じられる日は、そんな“力の抜き方”を見つけられた日なのかもしれません。
ホルモンバランスや天気、睡眠不足など、体の要因も影響している
予定を重たく感じるとき、
実は心だけでなく体のコンディションも大きく関わっています。
ホルモンバランスの変化や天気の影響(気圧の低下)、
あるいは睡眠不足や栄養の偏りなど、
体が疲れていると、脳が「これ以上動きたくない」と信号を出します。
これは“サボり”ではなく、体の自然なSOS。
どんなに前向きな人でも、体が疲れているときは、
「予定」という刺激を受け止める余裕がなくなります。
だからこそ、「今日はなんだか行きたくない」「何もしたくない」と思う日があっても大丈夫。
それは、心と体が“ちゃんと休みたい”と伝えている合図です。
予定をキャンセルできるなら勇気を出して休んでもいいし、
無理なときは「終わったらすぐ休もう」と決めておくだけでもOK。
自分の体の声を聞いてあげることが、いちばんの回復につながります。
そんな日は、こう過ごそう。「できるだけ」でいい日の対処法
「なんだか気が重い」「予定に行きたくないな」と感じる日は、
無理に自分を奮い立たせるよりも、
“できるだけでいい”という気持ちで1日を過ごすのがおすすめです。
心も体も疲れているときは、
「頑張る」よりも「やさしく流す」ほうが、結果的に回復が早くなります。
以下のような“ゆるい過ごし方”を意識してみましょう。
“完璧にこなす”より、“最低限でOK”を自分に許す
予定がある日は、「ちゃんとしなきゃ」「失礼のないようにしなきゃ」と思いがちです。
でも、気力が少ない日は、その“完璧さ”が自分を一番苦しめてしまうことも。
そんな日は、
-
髪型が整わなくてもOK
-
明るく振る舞えなくてもOK
-
最後まで参加できなくてもOK
……と、“できない自分”をゆるす日にしてみましょう。
「今日は、予定をこなせただけで合格」
そう思えるだけで、心の負担はぐっと軽くなります。
完璧よりも“生き延びる”ことを最優先にする日があっていい。
それも立派なセルフケアです。
予定の前後に「休む時間」を入れておく
予定をこなすとき、実は一番疲れやすいのは「前後の時間」。
行く前は緊張し、終わったあとは気を張っていた分だけエネルギーを消耗しています。
だからこそ、予定の前後に“意図的な休憩”を入れることが大切です。
たとえば、
-
出発前に5分だけ深呼吸する
-
帰宅後は、すぐ何もせず横になる
-
お風呂で湯船に浸かって“無”になる時間をつくる
こうした「心を無に戻す時間」をつくることで、
消耗したエネルギーが少しずつチャージされていきます。
予定=ずっと動き続ける時間ではなく、“休むこともセット”の時間と考えると、
心にゆとりが生まれます。
「行きたくない自分」も受け入れて、小さな一歩だけを意識する
予定に行きたくないと感じると、
「どうしてこんなにやる気が出ないんだろう」と自分を責めてしまうことがあります。
でも、「行きたくない」という感情は、
心が“今はちょっと無理だよ”と教えてくれているサイン。
否定する必要はまったくありません。
行きたくないと思いながらも、
「とりあえず顔を洗ってみよう」「準備だけしてみよう」と、
一歩だけ動く気持ちで十分です。
もしその一歩すら難しいときは、
「今日は行かない」という選択をしてもOK。
自分の体と心の声を尊重することが、いちばん大切です。
そして、行けたなら「よく頑張った」、
行けなかったなら「今は休むときだった」と、
どちらも正解にしてあげてください。
予定よりも、自分のコンディションを優先できたことこそ、
心の健康を守る何よりの“対策”なのです。
「予定がしんどい自分」を否定しない。そんな自分も、ありのままで
予定があるだけでしんどくなる。
人と会うこと、外に出ることが億劫になる。
そんな自分を見て、「どうして私はこうなんだろう」と落ち込んでしまうこともあるかもしれません。
でも――
「しんどい」と感じるあなたは、怠けているわけでも、弱いわけでもありません。
それは、日々を一生懸命に生きてきた証。
無理をしてでも頑張ってきた心が、ようやく「ちょっと休ませて」と声を上げているだけなんです。
「予定があるだけで疲れる日」も、“自分を取り戻すための時間”と思って、
どうか優しく過ごしてあげてください。
「疲れる自分」は、ちゃんと頑張っている証拠
人は、頑張っていないときには疲れません。
疲れを感じるということは、
心も体も、きちんと動いて、誰かや何かを大切にしてきた証です。
たとえば、
-
相手に気をつかおうとした
-
約束を守ろうとした
-
無理してでも笑顔でいようとした
その一つひとつが、あなたの誠実さの表れ。
だから、予定のたびに疲れてしまうのは、
「真面目に生きている自分」の証拠なんです。
そんなときは、「疲れるのも当然だよね」と自分に声をかけてあげてください。
それだけで、少し心の力が抜けていきます。
「今の自分のペースで生きていい」と、心に言ってあげよう
予定を入れる、こなす、人と関わる――
どれも社会の中で生きる上で必要なことですが、
それを「自分のペース」でやっていいという視点を忘れがちです。
調子がいい日は予定を詰めてもいいし、
疲れている日はキャンセルしたっていい。
「みんなできているから自分も」と比べる必要はありません。
あなたのペースは、あなたにしかわからない。
そしてそれは、日によって変わっていいのです。
もし予定を減らしたり、何かを休んだりしても、
それは「さぼり」ではなく、自分を大切に扱う力。
「今日はここまででいい」と思えたとき、
心はようやく安心して息をつけます。
どうか、“今のあなた”に優しいペースで生きてください。
それが、これからの日々を軽くしていく一番の近道です。
まとめ|予定があるだけで疲れる日も、自分を責めないで
「予定があるだけで疲れる」──それは、誰にでも起こる自然な反応です。
心も体も、常にフル稼働ではいられません。
むしろ、そう感じられるのは自分の限界をちゃんと感じ取れている証。
だから、疲れを覚えたときは「ダメな自分」ではなく、
「よくここまで頑張った自分」と受けとめてあげてください。
そんな優しい視点が、心を回復へと導いてくれます。
「がんばれない日」も、あなたが弱いからじゃない
どんなにしっかりしている人でも、
どんなに前向きな人でも、「がんばれない日」はあります。
それは、心が“もう少し休ませて”と伝えているサイン。
決して、努力が足りないからでも、意志が弱いからでもありません。
予定がしんどい日、気持ちが動かない日、何もしたくない日。
そんな日こそ、「頑張れない私も大切な一部」だと思ってください。
頑張ることも素晴らしいけれど、
頑張れない自分を責めずに受け入れることは、もっと大切な強さです。
「今日は少し立ち止まる日なんだ」と認めてあげるだけで、
心は静かに整っていきます。
予定を減らす勇気・手放す優しさも、“自分を大切にする力”
私たちはつい、「予定をこなすこと=良いこと」と思いがちです。
でも、予定を減らす・キャンセルする・先延ばしにすることも、
自分を守る大切な選択です。
「今の自分には少し多いかも」と気づいたとき、
勇気を出して“ひとつ減らす”ことは、心を守る行動です。
無理に全部抱え込むより、その一歩が心の余裕を取り戻すきっかけになります。
また、「手放す」ことは“諦める”ことではなく、
“本当に大切なものを残す”という優しさ。
予定も、人付き合いも、日々のタスクも──
すべてを完璧にこなす必要はありません。
少し空白をつくるだけで、
そこに“呼吸できるスペース”が生まれます。
そして、その空白こそが、次に進むための力を静かに育ててくれるのです。
🌿今日のまとめメッセージ:
「予定があるだけで疲れる」日があっても大丈夫。
あなたはちゃんと頑張ってきた人。
無理をしない選択も、立派な“がんばり”のひとつです。
どうか、自分にやさしく。
今日くらいは“がんばらない自分”を、まるごと許してあげてください。


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