「自分を大事にする」ってどういうこと?心と体に効く7つの具体的な実践法
「もっと自分を大切にして」と言われても、
それがどういうことなのか、どう実践すればいいのか…ピンとこない人も多いのではないでしょうか。
がんばりすぎたり、誰かに合わせすぎたりして、自分の気持ちを置き去りにしていませんか?
“自分を大事にする”とは、わがままになることではなく、**「自分の本音や心の状態に気づき、丁寧に扱ってあげること」**です。
この記事では、「自分を大切にする」ことの本当の意味と、今日からできる具体的な実践方法を7つご紹介します。
自分との向き合い方を見つめ直すヒントとして、ぜひ役立ててください。
「自分を大事にする」って、どういう意味?
“わがまま”とは違う、自分を尊重するということ
「自分を大事にする」と聞くと、わがままだとか、自己中心的だとか思われそう…と感じる人も少なくありません。でもそれは大きな誤解です。
自分を大切にするというのは、「自分の気持ちや状態に、ちゃんと耳を傾けてあげること」。
無理して笑わなくていいし、疲れているのに頑張り続ける必要もありません。
誰かに遠慮してばかりだと、自分がどんどん小さくなっていきます。
だからこそ、「私は今こう思っている」「これはイヤだ」と感じる自分を認めることが、自分を尊重する第一歩です。
自分の気持ちを大事にすることは、他人の気持ちを無視することではありません。
「私も大切、あなたも大切」——そのバランスを意識することが、本当の意味での「大人の自己尊重」です。
他人軸ではなく、自分軸で生きるということ
誰かの期待に応えようとするあまり、自分の本音を見失っていませんか?
「こうすれば好かれるかな」「これを断ったら嫌われるかも」と他人の気持ちばかりを気にしていると、**自分の人生なのに“自分のものじゃない感覚”**に陥ってしまいます。
「自分軸で生きる」とは、わがままに好き放題することではありません。
「私はどうしたいのか」「私にとって何が大切か」を判断基準にして動くことです。
たとえば、誰かの誘いを「行きたくないけど断れない」と感じたとき、自分軸なら「今の私は疲れているから、今日は断ろう」と判断できます。
他人の期待や世間の常識をいったん横に置き、自分の“本音の声”を聴く時間を持つことが、あなたの軸を太く育ててくれます。
「自分を大事にしてない状態」ってどんなとき?
自分を大事にできていないとき、心や体にはサインが出ています。でも、気づかずに無視してしまいがちです。たとえば、こんな状態が続いていませんか?
-
本当は疲れているのに、予定を詰め込みすぎている
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誰かの顔色ばかりうかがって、自分の意見を言えない
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「どうせ私なんて」と、心の中で自分を否定している
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うまくいかないとき、すぐに「全部私が悪い」と責めてしまう
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楽しさやうれしさを感じにくくなってきた
これらはすべて、「自分の心の声」が後回しになっているサイン。
自分を大事にしていない状態が長く続くと、自己肯定感が下がり、人間関係にも疲れやすくなってしまいます。
まずは、「このままで大丈夫かな?」「最近、ちゃんと休めてる?」と自分に問いかけてみてください。
小さな気づきが、自分を取り戻す第一歩になります。
まずは知っておきたい|自分を大切にするメリット
ストレスが減り、心が安定しやすくなる
自分を大切にすることは、心の「防波堤」を作ることと似ています。
日々の生活や人間関係で受けるストレスやプレッシャーは避けられませんが、自分の状態をしっかり認識し、無理をしすぎないよう調整できれば、心が揺れにくくなります。
例えば、疲れているときは休む、嫌なことははっきり断るなど、小さな自己ケアの積み重ねが、心の疲労を減らします。
結果的に、イライラや不安が少なくなり、日々の気持ちが安定しやすくなるのです。
人間関係の距離感が心地よくなる
自分を大事にできている人は、自分の境界線(境目)がはっきりしています。
そのため、必要以上に他人に依存せず、また相手に負担をかけすぎない適切な距離感を保つことができます。
これにより、人間関係は無理なく自然体で築けるため、疲れにくく心地よい関係が増えていきます。
逆に自分を犠牲にしてしまうと、相手に「NO」と言えずストレスが溜まり、結果的に人間関係がぎくしゃくしてしまいがちです。
自信や自己肯定感が育ちやすくなる
自分の気持ちや体調を大切にし、自分の選択を尊重していくうちに、
「私は私でいい」という感覚が育ってきます。
これは自己肯定感の土台となり、失敗しても自分を責めすぎず、次の一歩を踏み出せる強さにつながります。
自信は外から与えられるものではなく、日々の小さな自分を大切にする積み重ねから生まれます。
今日からできる!自分を大事にするための7つの具体的な実践法
①「嫌だ」と思った気持ちをスルーしない
「嫌だな」「しんどいな」と感じたとき、つい自分の気持ちを押し殺してしまうこと、ありませんか?
でも、その“違和感”を無視し続けると、自分の本音がわからなくなってしまいます。
自分を大事にする第一歩は、「自分の嫌な気持ち」にもちゃんと目を向けること。
「何が嫌だったのかな?」「どこで引っかかったんだろう?」と、自分の内側に問いかける習慣をつけてみましょう。
② 疲れたら休む。「がんばりすぎ」をやめる
「もっと頑張らなきゃ」と無理を重ねてしまう人ほど、心と体がすり減ってしまいがちです。
でも、人は疲れたら休むことでリセットし、また力を取り戻せる生きものです。
眠る、ぼーっとする、スマホを置いてお茶を飲む──休むことに罪悪感をもたず、“がんばらない時間”を意識的に作ることが、自分への優しさになります。
③ 自分の感情を日記やメモで“言語化”する
モヤモヤした気持ちをそのままにしておくと、心の中でどんどん膨らんでしまいます。
そんなときに役立つのが、「言葉にして書き出す」こと。
日記でも、スマホのメモでもOK。
**「何がつらかったのか」「何にイラッとしたのか」「どんなことが嬉しかったのか」**を一言でも書き残すことで、気持ちが整理され、心が軽くなっていきます。
④ 「自分を否定する言葉」をやめてみる
何かうまくいかなかったとき、「どうせ私なんて」「また失敗した」と自分を責めてしまう…。
でもその言葉、本当に必要ですか?
自分を大切にする人は、自分に対して**“やさしい言葉”を選ぶ習慣**を持っています。
たとえば、
-
「できなかったけど、よく頑張った」
-
「今日はムリでも、また明日考えよう」
こうした言葉の選び方ひとつで、心の回復力がまるで違ってきます。
⑤ 心地よい人・場所・モノを選ぶ習慣をつける
「会うと元気になる人」「一緒にいると安心する場所」「見るだけで癒されるモノ」。
あなたの身の回りに、そういう存在はありますか?
自分を大切にするためには、自分にとって“心地よいもの”を選び取る感覚がとても大事です。
無理に苦手な人に合わせたり、息苦しい場所にい続けたりするのではなく、「自分にとっての快適」を優先することが、心を守る力になります。
⑥ NOと言える練習をする
「断れない」「嫌われたくない」からと、つい何でも引き受けてしまう…。
でも、限界を超えてしまったら、自分が壊れてしまいます。
NOと言うのは、自分を守る大切な手段。
最初は勇気がいりますが、「今は難しいです」「少し考えさせてください」など、やわらかく断る言い方を覚えておくだけでもラクになります。
自分の心と体を守れるのは、最終的には自分だけです。
⑦ 「一人の時間」を確保して、自分と向き合う
忙しい日常の中で、自分の気持ちがどこかへ置き去りになっていませんか?
誰にも気を使わず、**静かに自分と向き合える“ひとり時間”**は、自分を回復させるための大切な時間です。
たとえば…
-
カフェでぼーっとする
-
自然の中を散歩する
-
好きな音楽を聴きながら深呼吸する
そんな「自分だけの時間」を持つことで、心の声が少しずつ聞こえるようになってきます。
注意|「自分を大事にする」を履き違えないために
自分を甘やかすことと混同しない
「自分を大事にする」という言葉を聞いて、「じゃあ好きなことだけしていればいいの?」と思う方もいるかもしれません。
けれど、それは“自分を甘やかす”ことと混同してしまっている状態です。
本当に自分を大切にするとは、
「今の自分にとって、本当に必要な選択は何か?」と考えること。
たとえば、仕事がイヤでベッドにこもりたい日。
甘やかすだけなら「今日は何もしたくないし全部やめよう」で終わってしまいますが、
大切にするなら「今日は休むけど、明日は少し立て直そう」と“未来の自分”にやさしい行動を選びます。
その場しのぎの快楽ではなく、長い目で見て自分にプラスになる行動をとること。
それが「本当のやさしさ」であり、「本当の意味での自己ケア」です。
誰かを犠牲にして成り立つ“自己中心”ではない
「自分を大事にする」ことと、「自分勝手」はまったくの別物です。
自分を大切にするからといって、誰かの気持ちを無視してもいいわけではありません。
本来の「自分を大事にする」は、
「自分も他人も、どちらも大切にするためのバランス」を取る行為です。
たとえば…
-
自分の時間が欲しいときは、「少しひとりにさせてね」と伝える
-
断るときも、「ごめんね、今は余裕がなくて」と相手を思いやる言葉を添える
こうした**“自分の本音”と“相手への配慮”を両立させる姿勢**こそが、成熟した自己尊重です。
「自分のため」と言いながら誰かを傷つけてしまっていないか?
ときどき立ち止まって、自分の言動を見つめ直す視点も忘れずに持っていたいものです。
まとめ|あなたがあなたを大切にすることが、人生を変えていく
まずは「自分に優しくすること」から始めよう
“自分を大事にする”というのは、大きな決意や行動ではなく、
「今日の私、よくがんばったね」と声をかけるような、ほんの小さな優しさから始まります。
完璧じゃなくていい。失敗しても、うまく言えなくても大丈夫。
そんなふうに、自分にかける言葉や態度を、少しだけやわらかくしてみてください。
たとえ他の誰かがあなたを理解してくれなくても、あなた自身が味方でいられたら、それだけで心はずっと強くなれます。
“自分に優しくする”という習慣は、いつでも、どんな状況からでも始めることができます。
今日という日が、その第一歩になりますように。
自分を大事にできる人が、他人も大切にできる
自分の気持ちを押し殺してまで誰かに尽くしていると、心の余裕がなくなってしまいます。
すると、優しくしようとしても、どこかで無理が生じてしまうことも。
でも、自分の心を丁寧に扱い、自分の感情を認め、癒していくことができれば、
そのやさしさは、自然と他人にも向けられるようになります。
自分を大切にできる人は、他人も大切にできる。
それは自己中心ではない、“思いやりの連鎖”のはじまりです。
だからこそまずは、あなた自身を大事にすることを、人生の土台にしていきましょう。
自分を大切にすることは、あなたの世界を、少しずつやさしく変えていく力になります。


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