涙が止まらないのはなぜ?ストレス・体調不良・病気のサインを見逃さないで
突然、理由もなく涙が出てくる――そんな経験はありませんか?
感情的なきっかけがないのに涙が止まらないと、不安になってしまうこともあるかもしれません。
実はその涙、ストレスや体の不調が関係している可能性があります。
この記事では、「なぜ涙が止まらないのか?」という疑問に対して、心と体の両面から考えられる原因や、見逃してはいけないサイン、自分でできる対策やケア方法までを詳しく解説します。
「もしかして自分も…?」と感じた方が、少しでも安心できるように。
あなたの心と体の声に、今こそ耳を傾けてみませんか?
涙が止まらない…それって普通?異常?
感情以外でも涙は出る?基本的なメカニズム
涙といえば、悲しみや感動など「感情の表れ」としてのイメージが強いですが、実は涙には3種類の役割があります。
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基礎分泌(常に分泌される涙):目の表面を潤し、乾燥や細菌から守る役割
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反射性分泌(刺激による涙):玉ねぎを切ったときや風が目に入ったときに出る防御反応
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感情性分泌(感情による涙):悲しみ、怒り、喜びなど心の動きによる涙
つまり、涙が出る=感情の起伏とは限らないのです。目の乾燥や刺激によっても涙は分泌されるため、「泣いてるわけじゃないのに涙が出てくる」と感じることもあります。
また、感情性の涙はストレスによって引き起こされることもあり、「涙=心のSOSサイン」となるケースも少なくありません。
一時的なもの?長く続くときのチェックポイント
涙が止まらないと感じたとき、まずは**「一時的な反応か、長期的な傾向か」**を見極めることが大切です。以下のチェックポイントを参考にしてみましょう。
✅ 一時的な涙の特徴
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明確なきっかけ(感動する出来事、悲しいニュースなど)がある
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数分〜数時間以内に自然と収まる
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ストレスや疲労が溜まっていた日だけ出た
⚠ 長く続く・頻繁な涙の特徴
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特に理由もないのに、日常的に涙があふれる
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感情の起伏がないのに涙が出てくる
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体調不良や倦怠感、気分の落ち込みも感じる
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1週間以上、涙もろさが続く状態が続いている
こうした症状が慢性的に続く場合、目の不調だけでなく、心や脳の不調が関係している可能性も考えられます。
放っておくと、メンタルのバランスを崩すリスクもあるため、「ただの涙」と軽視せず、自分の体と心の状態を振り返るきっかけにしてみましょう。
涙が止まらない原因|ストレスや心の不調との関係
ストレスが溜まると涙が出る理由
ストレスは心だけでなく、体にもさまざまな影響を与えます。そのひとつが「涙」です。実は、人間の体は強いストレスや緊張状態が続くと、自律神経のバランスが乱れ、涙をコントロールする機能にも影響が出てきます。
また、ストレスが高まると、心が抑え込んでいた感情を処理しきれず、突然涙としてあふれ出ることがあります。これは心理学的には「カタルシス(浄化作用)」とも呼ばれ、感情の出口を失った心が“涙”で解放しようとしているサインです。
無理に我慢したり押し込めたりすると、逆に心の不調を深めてしまう可能性があるため、**「涙が出る=弱さ」ではなく、「心ががんばってきた証」**と受け止めることが大切です。
うつ病・不安障害の可能性は?
理由もなく涙が出たり、日常的に涙もろくなっていると感じたとき、うつ病や不安障害の初期症状である可能性も考えられます。
例えば、以下のような症状が併発している場合は注意が必要です。
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✔ 食欲が落ちた/過食気味になった
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✔ 夜眠れない/朝早く目覚める
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✔ 何をしても楽しく感じない
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✔ 常に不安や緊張感がある
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✔ 集中力が低下している
これらの症状が2週間以上続く場合、専門機関への相談を検討するべき段階です。涙という「感情のアウトプット」は、心の深層で何かがSOSを出している可能性を示していることがあります。
「泣いてばかりで自分がおかしいのでは…」と責めるよりも、「今は心が疲れているのかもしれない」と、自分を労わる視点を持つことが回復の第一歩です。
心のSOSサインとしての「涙」
私たちは日常の忙しさや周囲との関係の中で、自分の本当の感情に気づきにくくなっています。そんなときに突然あふれてくる涙は、自分でも気づいていなかった“心の限界”を知らせるサインかもしれません。
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頑張りすぎている
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ひとりで抱え込みすぎている
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誰にも言えない不安がある
こういった状態が続くと、涙という形でしか心が表現できなくなることもあります。
大切なのは、「泣いてしまう自分」を否定しないこと。むしろその涙をきっかけに、少し立ち止まって、自分の心の声に耳を傾ける時間を持つことが、心の回復につながります。
もし涙が止まらず、つらさが続いているなら、信頼できる人に話す・相談窓口に連絡する・心療内科を訪れるなど、サポートを受けることも選択肢のひとつです。
体調不良や病気のサインとしての涙
ドライアイでも涙が出るって本当?
「ドライアイ=目が乾いて涙が出ない」というイメージを持たれがちですが、実はドライアイの人ほど“涙が出る”ことがあるのです。
これは、目の表面が乾燥してダメージを受けることで、目が“緊急事態”と判断し、反射的に涙を大量に分泌するからです。
つまり、**「目が潤っているように見えても、実は乾燥が進んでいる」**ということ。
🔍チェックしておきたい症状
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目がゴロゴロする
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涙があふれるのに、目がしみたり痛い
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長時間スマホ・パソコンを見たあとに涙が出る
こうした場合、ドライアイの可能性があります。
市販の目薬だけでは対処しきれないこともあるため、眼科での診断・治療を検討しましょう。
ホルモンバランスの乱れ(更年期・PMSなど)
女性の場合、ホルモンの変動によって感情が不安定になり、涙が出やすくなることがあります。
✅ 代表的な要因
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PMS(月経前症候群):生理前にイライラや落ち込み、涙もろさが強まる
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更年期障害:エストロゲンの急激な減少により、情緒不安定や涙が出るなどの症状が現れる
これらは**心だけの問題ではなく、体内のホルモン変化による「生理的な反応」**です。
💡対策のポイント
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規則正しい生活と十分な睡眠をとる
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大豆イソフラボンなど、ホルモンバランスをサポートする栄養を意識する
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症状が強いときは、婦人科に相談してみるのも◎
「涙もろくなった自分」を責めずに、体の変化を受け止めながらケアすることが大切です。
脳や神経の異常が原因になるケースも
まれではありますが、脳や神経に関わる病気が原因で涙が止まらなくなるケースもあります。
可能性のある病気
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顔面神経の障害(例:顔面けいれん、ベル麻痺)
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脳腫瘍や脳梗塞による涙腺制御の異常
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自律神経失調症など、神経系の乱れが影響している場合も
これらは他にも、
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片側の顔がけいれんする
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突然涙が出る
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顔の感覚に違和感がある
といった他の神経症状を伴うことが多いため、見過ごさないことが重要です。
🩺このような場合は早めの受診を
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涙の症状と同時に「しびれ」「視力の変化」「頭痛」がある
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繰り返し同じ側から涙が出る
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高齢者で突然涙もろくなった場合
これらのサインが見られた場合は、神経内科や脳神経外科の受診を検討してください。
こんなときは要注意!受診を検討すべき症状とは
涙以外に出ている不調は?
「涙が止まらない」という症状だけでは判断が難しい場合もありますが、他の体調変化や心のサインとセットで現れる場合は、注意が必要です。以下に、受診を検討すべきサインを紹介します。
🔍チェックしておきたい不調の例
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✅ 意欲がわかない・気分が落ち込む
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✅ 食欲の低下または過食
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✅ 睡眠トラブル(不眠・過眠)
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✅ 疲れやすさや集中力の低下
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✅ 息苦しさや胸の違和感
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✅ 頭痛・肩こり・胃腸の不調など、原因不明の身体症状
これらの症状が複数・継続的に続く場合は、体や心が限界に近づいている可能性があります。
「涙が出るくらいだから疲れてるのかも…」で終わらせず、ほかの不調にも耳を傾けてみることが大切です。心と体は密接に繋がっており、どちらかが不調になると、もう片方にも影響が出ることがあります。
何科を受診すればいい?目安とタイミング
涙が止まらない原因が不明確な場合、「何科に行けばいいのか分からない…」と悩む方も多いですが、症状によって適切な診療科は変わってきます。
🏥症状別の受診の目安
症状の特徴 | 相談すべき診療科 |
---|---|
目の異常(乾き・異物感・かすみ) | 眼科 |
原因不明の気分の落ち込み、涙もろさ、意欲低下 | 心療内科・精神科 |
生理前や更年期に強く症状が出る | 婦人科 |
顔のけいれん、左右どちらかだけ涙が出る | 神経内科・脳神経外科 |
自律神経の乱れが疑われる(動悸・めまい・胃腸不良) | 内科(または心療内科) |
⏰受診のタイミング
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2週間以上、症状が続いている
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日常生活や仕事に支障が出てきた
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周囲から「最近元気がない」と言われる
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「自分でもおかしいな」と感じる頻度が増えた
これらに該当する場合は、早めの受診が望ましいサインです。
心身の不調は、早期対応することで回復もスムーズになります。
無理に我慢せず、「専門家に一度話してみる」ことが、安心や回復への第一歩になるかもしれません。
自分でできる対策とケア方法
心のケア|ストレスをためない習慣づくり
涙が止まらない原因にストレスが関係している場合、日常的なストレスマネジメントがとても重要です。まずは、心の“余白”をつくる習慣を意識してみましょう。
💡 ストレスをためないための習慣例
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✅ 1日5分でも「何もしない時間」をつくる
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✅ スマホやSNSから距離をとる時間を持つ
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✅ 自分の気持ちを言葉にする(手帳・日記・音声メモ)
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✅ 小さな「好き」や「楽しい」を優先する
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✅ 睡眠の質を高める(夜のブルーライトカットや入浴)
心の負荷は気づかぬうちに蓄積されていくもの。毎日の中で“ちょっと一息”できる時間を定期的に確保することが、涙の予防にもつながります。
目の健康を保つ生活習慣
涙が過剰に出ている場合でも、目の乾燥や疲れが原因のケースは意外と多いものです。目の健康を守ることが、涙トラブルの軽減にもつながります。
👁目に優しい生活習慣のポイント
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✅ スマホ・PCは1時間に1回、5〜10分は目を休める
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✅ 意識的に瞬きを増やす(目の潤いを保つ)
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✅ 加湿器や目薬で乾燥対策
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✅ 就寝前のホットアイマスクでリラックス
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✅ コンタクトやメイクの使用時間を見直す
また、目がしみる・かすむなどの症状がある場合はドライアイや眼精疲労の可能性もあるため、眼科でのチェックもおすすめです。
涙が出そうなときに落ち着く方法
ふとした瞬間に涙がこみあげてくる――そんなときは、心を少しだけ“落ち着けるスイッチ”を持っておくと安心です。
🌿涙をコントロールしやすくなるリラックス法
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深呼吸:4秒吸って、4秒止めて、8秒吐く「4-4-8呼吸法」
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ツボ押し:胸の間にある「だん中(だんちゅう)」をゆっくり刺激
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アロマ:ラベンダーやベルガモットなど、鎮静作用のある香りを活用
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冷たい飲み物をゆっくり飲む(物理的に気持ちをリセット)
また、どうしても涙を止められないときは、無理に抑え込まずに“泣ける環境”をつくるのもひとつの手段です。泣いたあとは、きっと少し心が軽くなっているはずです。
まとめ|涙は心と体の“声”かも。無視せず向き合って
「なんとなく涙が出る」は無理せず休むサイン
理由もなくあふれてくる涙——それは単なる「情緒不安定」ではなく、心や体が「ちょっと疲れたよ」と訴えているサインかもしれません。
特に、「忙しい日々をこなすことが優先になっている」「感情を後回しにしている」状態が続いている人ほど、気づかないうちに負荷を抱えがちです。
涙が出るときは、心が「もう頑張らないで」と言っている瞬間。そのサインを無視せず、まずは「休んでいい」と自分に許可を出してあげましょう。
少しでも意識的に休息を取り、ゆっくりと感情を整理する時間を持つことが、回復の第一歩につながります。
必要なら医療の力も借りて、自分を大切にしよう
涙が止まらない状態が続く場合、自力で何とかしようと頑張りすぎないことも大切です。
とくに、日常生活に支障をきたしている・不調が何週間も続いているときは、心療内科・精神科・婦人科・眼科など、専門家の力を借りることを前向きに考えてみてください。
病院に行くのは大げさじゃない?と思うかもしれませんが、**「早めの受診=早めの安心」**につながることも多いです。
あなたの心と体は、誰よりもあなたにとって大切な存在。
涙を通じて伝わってくるメッセージを無視せず、自分自身にやさしく、丁寧に向き合っていくことが、回復への大きな一歩になります。


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