涙が止まらないのはなぜ?|ストレス・体調不良・病気のサインを見逃さないためのチェックポイント

涙が止まらないのはなぜ?ストレス・体調不良・病気のサインを見逃さないで

最近、理由もなく涙が出て止まらない――。
そんな経験をしたことはありませんか?

感動したわけでも、悲しい出来事があったわけでもないのに涙があふれると、
「自分はおかしいのかな」「心が弱っているのかも」と不安になりますよね。

実は、涙が止まらない状態には、ストレスや心の疲労、体の不調、ホルモンバランスの乱れなど、
さまざまな原因が隠れていることがあります。
中には、うつ症状や甲状腺異常など病気のサインであるケースも。

この記事では、
「涙が止まらないのはなぜ?」という疑問を軸に、
心と体の両面から考えられる原因と、
自分でできるケア・受診の目安をわかりやすく解説します。
涙を“異常”と決めつけず、あなたの内側からのサインとして優しく見つめていきましょう。

 

涙が止まらない…それって普通?異常?

涙が止まらないとき、「自分はおかしいのでは?」と不安になる人も多いでしょう。
ですが、涙は“心と体の反応”のひとつ。必ずしも異常というわけではありません。
まずは、どんな涙なのか、その背景をやさしく見つめていきましょう。

感情的な涙と、理由のない涙の違い

涙には、大きく分けて「感情の涙」と「生理的な涙」の2種類があります。
映画や音楽を聴いて泣くのは“感情の涙”。悲しい・悔しい・感動したといった、心の動きに自然に反応する涙です。これは誰にでも起こる、ごく普通の現象です。

一方で、「特に悲しいこともないのに涙が出て止まらない」「仕事中や外出先で勝手に涙が出る」という場合は、心や体がストレスを抱えているサインの可能性があります。
心が疲れているとき、自律神経やホルモンのバランスが乱れ、感情のコントロールが難しくなるのです。

👉 ポイント
・感情がきっかけ → 一時的で自然な涙
・理由がないのに出る → ストレス・心身の不調の可能性

涙が“止まらない”状態が続くときの目安

涙がしばらく出るだけなら問題ありませんが、数日〜数週間、理由もなく涙が出る状態が続く場合は注意が必要です。

たとえば次のようなサインがある場合は、心や体の疲れが蓄積しているかもしれません。

  • 悲しくないのに涙が出る

  • 朝起きた瞬間や夜になると涙があふれる

  • 気分の落ち込み・無気力感が続く

  • 眠れない・食欲がないなど、体調も不安定

これらは、うつ状態や自律神経の乱れが関係していることもあります。
「少しおかしいな」と感じた時点で、我慢せずに休息をとる・専門家に相談することが大切です。

「泣けること」は悪いことではない

涙は「弱さ」ではなく、「心が助けを求めているサイン」です。
感情を抑えこまずに泣けるというのは、心が自分を守ろうとしている健全な反応でもあります。

泣くことで副交感神経が優位になり、体はリラックスモードに切り替わります。
つまり、涙はストレスを解放し、心のバランスを取り戻す“自然な自己回復作用”なのです。

だからこそ、「泣いてはいけない」と自分を責める必要はありません。
むしろ、涙を流せる自分を受け入れてあげることが、回復への第一歩になります。

まとめポイント

  • 涙が止まらないのは、異常とは限らない

  • 原因がわからない涙は、ストレスや心身の不調のサインかも

  • 泣けること自体は悪いことではなく、心の防衛反応

 

涙が止まらない原因|ストレスや心の不調との関係

涙が止まらないとき、その背景には心の疲れストレスの蓄積が隠れていることがあります。
感情があふれ出すのは「もう無理をしているよ」という、心からのSOSサイン。
ここでは、心の不調と涙の関係をくわしく見ていきましょう。

ストレス・緊張が限界を超えたときの“心の反応”

人はストレスを感じると、脳の「扁桃体(へんとうたい)」が刺激され、緊張状態が続きます。
この状態が長く続くと、感情をコントロールする力が弱まり、涙として一気にあふれ出すことがあります。

特に、

  • 我慢が続いている

  • 誰にも弱音を吐けない

  • 常に“ちゃんとしなきゃ”と思っている
    といった人ほど、心の疲れが溜まりやすい傾向にあります。

涙は、張り詰めた緊張をゆるめるための自然な反応です。
「涙が出るほど頑張っていたんだ」と、まずは自分を責めずに受け止めましょう。

うつ・適応障害などメンタル面のサイン

涙が止まらない状態が続く場合、うつ病や適応障害など、メンタル面の不調が関係している可能性もあります。
これらの状態では、脳内の「セロトニン」や「ノルアドレナリン」など、感情を安定させる物質のバランスが崩れやすくなります。
その結果、理由がなくても涙が出たり、感情が不安定になったりするのです。

たとえば、次のようなサインがある場合は要注意です。

  • 朝になると気分が沈む

  • 好きだったことに興味が持てない

  • 眠れない、食欲がない

  • 無力感・自己否定感が強い

こうした症状が続くときは、早めに心療内科やカウンセラーに相談することで、回復の道が開けます。
涙は「心が限界に近づいているよ」というメッセージ。
一人で抱え込まないで、専門家の手を借りてOKです。

ホルモンバランスや自律神経の乱れによる涙

涙は、ホルモンや自律神経の影響を強く受けています。
特に女性の場合は、生理前・産後・更年期など、ホルモン変動のタイミングで涙もろくなることがあります。

また、睡眠不足や過労、不規則な生活が続くと、自律神経が乱れ、感情のコントロールが難しくなります。
その結果、ちょっとしたことで涙が出たり、気分が不安定になったりするのです。

対策としては、

  • 睡眠と食事のリズムを整える

  • 深呼吸やストレッチでリラックスする

  • 温かいお風呂にゆっくり浸かる
    など、自律神経を整える生活習慣を意識することが効果的です。

孤独感・自己否定感が涙として出ることも

涙の背景には、誰にも気づかれない「孤独」や「自己否定感」が隠れていることもあります。
人は本来、他者とのつながりの中で安心を感じる生き物。
孤独を感じる時間が長いほど、心は不安定になりやすくなります。

また、「自分なんて」「どうせわかってもらえない」といった思いが強いと、心のエネルギーが少しずつ消耗し、涙として表に出ることもあります。

そんなときは、

  • 無理に明るくふるまわない

  • 誰か一人でも話せる人を見つける

  • 日記やメモで気持ちを書き出す
    といった形で、心の中に“居場所”を作ることが大切です。

孤独感が強いときに流れる涙は、「誰かにわかってほしい」という自然な願いの表れ。
その思いを否定せず、少しずつ“つながり”を取り戻していきましょう。

まとめポイント

  • 涙が止まらない背景には、ストレスや心の疲れが関係している

  • 長引く場合は、うつ・適応障害などメンタル面のサインの可能性も

  • ホルモンや自律神経の乱れ、孤独感・自己否定感も涙を誘発する

  • 泣くことは悪いことではなく、心のSOSを伝える大切なサイン

 

体調不良や病気のサインとしての涙

体調不良や病気のサインとしての涙

涙が止まらない原因は、心だけにあるとは限りません。
実は、ホルモンの乱れや神経の不調、目の病気など身体的な要因が関係しているケースも少なくありません。

ここでは、身体のコンディションが涙にどんな影響を与えるのかを見ていきましょう。

甲状腺や更年期など“ホルモン異常”による涙

ホルモンのバランスは、私たちの気分や感情に大きく関わっています。
特に「甲状腺ホルモン」「女性ホルモン(エストロゲン)」が乱れると、気分の落ち込みや涙もろさが強くなることがあります。

🔹甲状腺の異常による影響

甲状腺機能が低下すると、体がだるい・気分が落ち込む・涙もろくなるといった症状が出ることがあります。
逆に、機能が亢進(こうしん)している場合も、情緒が不安定になり涙が出やすくなることがあります。

🔹更年期・PMSによる影響

更年期や生理前の時期には、エストロゲンが大きく変動し、自律神経の働きにも影響します。
その結果、イライラ・不安・涙が止まらないなどの感情の波が起きやすくなります。

ホルモンが関係している場合、自分の努力だけでは整えにくいもの。
医療機関で血液検査を受けたり、婦人科・内分泌内科に相談することで、適切な治療やサポートを受けられます。

ドライアイ・神経疾患など“身体的な原因”

涙が止まらないのに「目が乾く」「しみる」と感じる場合、ドライアイの可能性もあります。
ドライアイでは、涙の成分バランスが崩れ、潤いを保てなくなるため、逆に涙があふれることがあるのです。

また、顔面神経の異常(ベル麻痺など)や神経疾患によっても、涙の分泌がコントロールできなくなることがあります。
これは、涙腺を動かす神経の伝達に障害が起こるためで、「片目だけ涙が出やすい」「勝手に流れる」などの症状が現れるのが特徴です。

👁️‍🗨️ こんなときは受診を

  • 涙が片側だけ出る

  • 目の痛みや違和感がある

  • 目の充血・かすみが続く

  • 顔の動きに違和感がある

これらの症状がある場合は、眼科や神経内科での診察を受けることをおすすめします。

薬の副作用で涙が出やすくなることも

意外かもしれませんが、服用している薬の副作用が涙の原因になることもあります。

抗うつ薬・睡眠薬・降圧剤・抗がん剤などには、
涙腺やホルモン、神経の働きに影響を与えるものがあり、涙が増える・感情が不安定になるといった副作用が出ることがあります。

薬の影響が疑われるときは、

  • 自己判断で中止せず、必ず主治医や薬剤師に相談する

  • 服用のタイミングや種類を確認する

  • 他の薬との飲み合わせをチェックする
    ことが大切です。

医師の判断で薬を調整したり、副作用を和らげる方法をとることで、涙の症状が改善するケースも多くあります。

まとめポイント

  • 涙が止まらない原因は、心だけでなく体の不調にもある

  • 甲状腺異常・更年期・PMSなどのホルモン変化で涙が出やすくなる

  • ドライアイや神経疾患など、目や神経の問題も関係する

  • 薬の副作用が影響していることもあり、自己判断せず医師に相談

 

こんなときは要注意!受診を検討すべき症状とは

涙が出るのは自然なことですが、「涙が止まらない」状態が長く続く場合は注意が必要です。
心や体が限界に近づいているサインかもしれません。

ここでは、受診を検討したほうがよい具体的なサインを紹介します。
「まだ大丈夫」と我慢せず、早めに専門家に相談することで、回復を早められることがあります。

涙だけでなく「気分の落ち込み」が2週間以上続く

最も注意したいのは、気分の落ち込みが2週間以上続いている場合です。
「なんとなく憂うつ」「楽しいことが何もない」「朝がつらい」と感じる状態が長引いているときは、うつ状態の可能性があります。

これは単なる一時的な気分の波ではなく、脳の働きが疲れてバランスを崩しているサインです。

🔹受診の目安

  • 朝起きるのがつらい

  • 仕事や家事への意欲が出ない

  • 笑えなくなった・興味がわかない

このような状態が続くときは、心療内科・メンタルクリニックなどで相談を。
適切なサポートを受けることで、少しずつ回復していけます。

眠れない・食欲がない・集中できないなどの変化

心の不調は、体にもはっきりと現れます。
眠れない・食欲がわかない・集中できないなど、日常生活のリズムが崩れてきたら要注意です。

これらの症状は、自律神経やホルモンの乱れが原因で起こることもあり、放置すると悪循環に陥りやすくなります。

🔹よくある心身のサイン

  • 夜中や早朝に目が覚める

  • 食欲が減って体重が落ちる、または過食してしまう

  • 物事に集中できない・判断力が落ちる

こうした変化が出てきたら、心と体の休息が必要なサイン
無理を続けるよりも、医師に相談してバランスを整えることが大切です。

身体の不調(疲れやすい・体重変動など)がある

涙が止まらないときに、体の疲れやすさ・体重の増減・頭痛や肩こりなどの不調が重なっている場合、
体の機能(ホルモン・自律神経・甲状腺など)が乱れている可能性があります。

心と体は密接につながっており、どちらかが不調になるともう片方にも影響を及ぼします。

🔹チェックポイント

  • 少しのことで疲れる

  • 動悸や息苦しさがある

  • めまいやふらつきが多い

  • 体重が急に増減した

こうした身体的な変化が見られる場合は、内科・婦人科・内分泌内科などでの検査をおすすめします。
「涙=心の問題」と決めつけず、体からのSOSを見逃さないことが大切です。

生活に支障を感じるほど涙が止まらないとき

涙があふれて仕事や勉強、家事ができないほどになっている場合は、早めの受診が必要です。
感情のコントロールが難しくなっている状態で、脳や神経の機能がオーバーヒートしている可能性があります。

「泣いてしまう自分が情けない」と思う必要はありません。
それは弱さではなく、“心がこれ以上頑張れない”という正直な反応です。

涙が止まらないことで日常生活に支障が出ているときは、心療内科やカウンセラーに相談するのが第一歩。
必要に応じて、薬やカウンセリングなど、あなたに合ったケアを提案してもらえます。

まとめポイント

  • 涙が止まらず、気分の落ち込みが2週間以上続く場合は要注意

  • 睡眠・食欲・集中力などの変化も、心の疲れのサイン

  • 体調の変化(疲れやすさ・体重変動)も見逃さない

  • 生活に支障をきたすほど涙が出るときは、早めの受診を

 

自分でできる対策とケア方法

自分でできる対策とケア方法

涙が止まらないときは、「泣いてはいけない」と我慢するよりも、
“自分をいたわる時間”として過ごすことが大切です。
ここでは、今日からできる心と体のケア方法を紹介します。

涙を我慢せず「心のデトックス」として流す

泣くことは、決して弱さではなく「心の自然な防衛反応」です。
ストレスホルモンを体外に排出し、心をリセットする働きがあります。

我慢して感情を押し込めるよりも、静かな場所で思いきり泣いてみましょう。
泣くことで、頭の中が整理され、少しずつ冷静さが戻ってきます。

もし「涙が出る理由がわからない」ときでも構いません。
“泣ける自分”を責めず、心が出したいサインを受け止めてあげてください。

泣いた後は“回復モード”を意識する(睡眠・栄養・深呼吸)

涙を流した後は、心も体もエネルギーを使っています。
そのまま頑張ろうとせず、“回復する時間”をしっかり取ることが大切です。

・温かいお茶を飲む
・好きな音楽を聴く
・短時間でも仮眠をとる
・深くゆっくりと呼吸する

こうした小さなケアをするだけでも、自律神経が整いやすくなります。
「泣いたあとは、整える時間」と意識して、自分をやさしく包んであげましょう。

ストレスを減らす小さな習慣を取り入れる

涙が出やすいときは、ストレスが少しずつ積み重なっているサインかもしれません。
いきなり完璧に変えるのではなく、できることから習慣を整えていきましょう。

・朝起きたらカーテンを開けて日光を浴びる
・スマホを見る時間を少し減らす
・「今日よかったこと」を1つ書き出す
・軽く体を動かす

こうした小さな積み重ねが、心の回復力を高めてくれます。
“頑張る”よりも、“整える”を意識してみてください。

信頼できる人・専門家に話してみる

「誰かに話す」ことも、涙が止まらないときの大切なケアです。
信頼できる家族や友人に話すだけで、心の重荷が軽くなることがあります。

もし話せる人が身近にいないときは、専門家(カウンセラー・心療内科医など)を頼るのも立派な選択です。
涙が続く背景には、心の疲れや環境のストレスが隠れている場合もあるため、
客観的なサポートを受けることで、安心して立て直せることがあります。

💡まとめ:泣くことも、自分を癒す“ひとつの方法”

涙は、心が「助けを求めている」サイン。
我慢せず流し、整え、話すことで、少しずつ元の自分らしさが戻っていきます。
大切なのは、“泣かないようにすること”ではなく、
“泣いた自分をどうやってやさしく癒すか”です。

 

まとめ|涙は心と体の“声”かも。無視せず向き合って

涙は、ただの感情表現ではなく――
あなたの「心と体が発している声」かもしれません。
悲しみだけでなく、安心・緊張の緩み・孤独・疲労など、
あらゆる感情が限界に達したとき、涙という形であふれ出します。

無理に止めようとしたり、「泣く自分は弱い」と思ったりせず、
“何がそんなに苦しかったのか”“どんな気持ちを抱えていたのか”を、
少しずつ自分のペースで見つめていくことが大切です。

涙は「弱さ」ではなく「SOSのサイン」

泣くことは、決して恥ずかしいことでも、弱さの象徴でもありません。
むしろ「助けて」と伝えるための、心の自然な防衛反応です。

私たちは普段、気づかないうちに我慢やプレッシャーを積み重ねています。
それが限界に達したとき、体が代わりに“涙”で知らせてくれているのです。

もし涙が止まらないときは、
「今、自分の心はどんなことを訴えているんだろう?」と
静かに耳を傾けてみてください。
そこに、これからの自分を立て直すためのヒントが隠れているはずです。

泣くことを責めず、まずは自分をいたわってあげよう

涙を流した後は、心も体も疲れています。
「泣いてしまった自分を責める」のではなく、
「よく頑張ってきたね」と、自分をねぎらってあげてください。

温かい飲み物を飲む、好きな香りを嗅ぐ、少し早く眠る――
どんな小さなことでもいいのです。
“自分をやさしく扱う時間”を意識するだけで、心はゆっくりと整っていきます。

涙は、あなたがまだ「感じる力」を持っている証拠。
その感受性を、どうか否定せず、やさしく抱きしめてあげましょう。


💬 心が揺れる夜に覚えておきたい言葉

涙は、あなたが壊れた証ではなく、
「まだ感じられる」ほど繊細で優しい証です。

 

 

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国家資格キャリアコンサルタント・メンタルヘルス・マネジメント®検定II種取得。企業での人材育成や新入社員研修の経験を経て、現在は心理カウンセラーとして個人・法人向けにカウンセリングや研修を行っています。 働く人の「こころの健康」を守ることをミッションとし、職場のストレス、自己肯定感の低下、人間関係の悩みに寄り添いながら、年間300件以上の相談に対応。信頼される「話し方」や「聴き方」のプロとして、多くのメディアにも情報提供を行っています。 「ひとりで抱え込まないで。一緒に考えることで、こころは軽くなる。」

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